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「『ふつう』の私たちが、誰かの人権を奪うとき」チェ・ウンスク著

韓国には20年ほど前に設立されて活動している国家人権委員会という組織があります。

その調査官として設立直後より活動している著者が、感じたこと、思うところをあれこれと綴っています。

 

人権委員会とは政府の組織ですが、行政司法立法の三権のいずれからも独立し、人権が侵害されたという人々の申し立てを受けて調査をします。

そのため、多くは行政や警察、軍隊などで人権侵害を受けたという申し立てで、それらについてどこからの圧力も受けずに調査することができます。

ただし、その調査に基づいて出すものは勧告でしかなく、強制力はないのですが、それを公表することで実効力を示します。

 

著者もすでにベテランとなっていますが、それでも申し立てをしてくる陳情人たちの事情に日々心を揺すぶられるような思いを続けています。

しかし陳情人たちの希望が少しでも叶えられるとは限らず、落胆して戻っていく人の背を見つめるだけということが多いようです。

 

そこから見える韓国の実情はかなりひどいものかもしれません。

日本でも似たような話はあちこちにありますが、それでも徐々に解決されつつあるようです。

韓国も同じようなものなのでしょうか。

 

警察の取り調べのひどさというのは相当なもののようです。

まだ暴力的な取り調べ、まずい証拠の隠蔽などは日常茶飯事のようです。

まあ日本も決してないわけではないようですが。

さらにまだあちらには軍隊の徴兵制があり、そこでの暴力沙汰やいじめなども日本の旧軍隊の話がそのまま残っているかのようです。

民間も決して安全ではなく、強い立場を利用してのセクハラパワハラが横行、申し立てがあっても周囲の証言を力で抑えるなどの事例もあるとか。

 

もちろんあまりにもひどいものについては、警察や検察の捜査も入るのでしょうが、そこまでできない事情の場合は人権委員会により事実を明らかにするだけを求める被害者も多くいます。

それすらできないことが多く、さらに著者の苦しみは募ります。

 

ただし、そういった気の毒な陳情人だけではないようで、嘘ばかり並べ立てる人や、人権委員会の調査官に怒鳴り散らすだけの人なども数多く、それも調査官たちの神経をすり減らします。

 

2000年に起きた殺人事件では目撃者だった知的障害のある15歳の少年を捜査陣が暴行と脅迫で嘘の自白を引き出し有罪としました。

しかし別の事件で捕まった犯人がその事件についても自白したことで少年の冤罪が明らかになります。

それでも政府の機関が自らの立場を守ろうとして真実を葬り去ろうという動きは止まらず、時間が引き延ばされ、少年に再審で無罪判決が出たのは2016年になってのことでした。

しかし、2021年には被害者と家族に賠償を払うという判決が下り、さらにその賠償金の一部を担当した警察を真犯人を不起訴処分とした検事が負担するように命じられました。

再審の問題については日本でも数多く明るみに出ていますが、警察と検事に賠償を命じたことはないでしょう。

 

このような調査官という仕事を長年続けている著者ですが、夜の寂しい道を歩くのは怖いとか、被害を受けた陳情人の話を聞いているうちに涙が止まらないとか、生の感情も描かれています。

厳しい職業でしょうが、頑張ってほしいものと願います。

 

 




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