高温多湿の時期になり、食中毒の危険性も増加しています。
そんな折、「6月の弁当で注意すること」としてテレビで放映されたそうです。
多分番組制作上の手法だと思うのですが、「ウェルシュ菌」による食中毒が多発しているということについて紹介されたようで、司会者が大げさに驚くという場面もあったようです。
その後はウェルシュ菌とはほとんど関係なく、管理栄養士が弁当で注意すべき点をあげています。
まあ常識的な指摘ですが、判らずに反した行為をしている人もいるかも。
「仕切り」に葉野菜を使わず使い捨ての仕切りカップを使う。(水分が出てくる)
だし巻き卵は水分が多く傷みやすいので出し汁も顆粒の出汁を使うなど水分を抑える。
茹で卵は半熟は避ける。
冷蔵のちくわやかまぼこを入れる場合は加熱してから。
といったことは守った方が良いのでしょう。
せっかくですので、「ウェルシュ菌」について解説をしておきます。
学名では Clostridium perfringens と言います。
ボツリヌス菌 Clostridium botulinumと同じ属ですが、それほど病原性は強くありません。
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嫌気性菌で、芽胞という耐熱構造を取ることができます。
芽胞は100℃程度の加熱では簡単には死にません。
そのために「加熱でも死なない」と言われることがありますが、より強い温度条件では死滅します。
オートクレーブという加圧殺菌法を取ることで滅菌できます。(121℃15分)
また最近ではあまり実施されませんがかつては「間歇殺菌法」ということが行われました。
これは100℃30分程度の殺菌を行い、1日経過後に再び同条件で殺菌、さらに1日経過後にもう一度殺菌するというものです。
芽胞状態では耐熱性がありますが、そのままでは増殖もできません。
そのために一度加熱してから冷却すると胞子状態ではなく増殖可能な細胞となりますが、その状態では加熱殺菌で死にますのでそれを用いるわけです。
また「嫌気性菌」ということで増殖しやすい条件も限られます。
嫌気性菌は酸素が多いと増殖できません。
そのため食品表面や希薄溶液などで酸素が入りやすい条件では危険性が低くなります。
しかしカレーのような煮込み料理で粘度が高く、しかも大量に作る場合は鍋の底の方が嫌気性菌の増殖に適した酸素濃度となることがあります。
それでカレー、それもバザーや祭りなどで大量に作り、時間をおいてから食べる場合などにウェルシュ菌が増殖することで食中毒が発生することが多くなります。
まあ上に紹介したテレビ番組のように、極端に怖がる必要もないと思いますが、注意は必要でしょう。