「CO2を食べる自販機」というものが開発され飲料会社が宣伝のために置いているというニュースがあったとか、それについて化学が専門の松田智さんがアゴラにその内容を紹介していました。
「CO2を食べる」などと言っても、その実はCO2吸収剤を中に入れて置き化学反応でCO2を取り込むというだけのものです。
そして吸収剤が飽和したら取り出して建材等に再利用するというものです。
内容の詳述はないようですが、建材に使うということでおそらく吸収剤として水酸化カルシウムCa(OH)2を用い、炭酸カルシウムCaCO3にするだけだという推測がされています。
こういった二酸化炭素吸収を利用するという話は数多く出ているようで、以前もそういったものを展開する事業が紹介されたこともあったそうですが、それは水酸化ナトリウムで二酸化炭素を吸収させるだけのもの、いずれにせよ用いる化学薬品を製造する費用とエネルギーの方がはるかに大きく何の価値もないというものでした。
松田さんの記事ではこれについて詳しく数字をあげて解説されていますが、それは元記事を見て頂いた方が確かなのでここでは触れません。
こういったものがなぜ出てくるのか。
二酸化炭素温暖化仮説が真実かのように受け取られ、それが気候変動につながり気候災害が激化するということが当然のように考えられています。
その根本は化石燃料消費による二酸化炭素排出が過大だということだったのですが、化石燃料消費削減を進めるべきところがほとんど効果もなく、そこでなんとか大気中二酸化炭素を減らさねばという方向に話が行ってしまい、それを工業的に成し遂げようということを考えるようになったのでしょう。
二酸化炭素の大気中濃度というものは地球誕生以来大きく変動しており、その濃度は古代と比べかなり低いものとなっています。
そこには植物や微生物による固定化すなわち石炭石油などの化石燃料としての地中埋没という作用も関係していました。
しかしそれ以外に物理的・化学的作用というものが大きかったようです。
地表の岩石となっている鉱物には二酸化炭素と反応する成分が多く含まれていますが、大きな岩の状態では表面のわずかな部分が反応するだけでさほどの量は吸着できません。
しかしその岩石が風水の働きにより風化することで微粒子化すると反応性が増し大気中の二酸化炭素と反応して吸着することができます。
どうやらこの作用により大気中二酸化炭素量はどんどんと減っていき、そのために気温も下がってきたという要素がありそうです。
これは地球的な規模の物理化学反応であり、とても人間がちまちまと工業的に行えるようなものではないでしょう。
原理的には一緒であっても動かせる量が違いすぎます。
もしも二酸化炭素濃度が問題だというなら、やはり本来あるべき方向性すなわち化石燃料使用の削減に向かうべきでしょう。
それも効果も怪しい代替エネルギーなどに置き換えるだけでなく、全体の使用量削減ができるような施策、すなわちエネルギー依存からの脱却を図らなければなりません。