「賀茂川耕助のブログ」で引用されていた記事ですが、米中摩擦が激しくなった場合に大きな問題となるのは関税が上がることや、中国が米国債を売るといったことよりもはるかに厳しいのが「中国のレアアースの禁輸」だということです。
おそらく中国系の人だと思いますが、Hua Binという人が発表した文章のようです。
ニューヨークタイムズ紙ではこのところレアアースに関する記事を多数掲載しています。まるで鉱物専門誌のようだということです。
他の一般紙が高関税の脅威について煽り立てるような記事を書いたり、某国が米国債を投げ売りする恐れを声高に叫ぶ中、さすがに見識の高いところを見せています。
レアアースの資源埋蔵は地球上のあちこちにあると言われていますが、現実に現在の世界でレアアースを採掘しているのは中国がほとんどとなっています。
そして記事中にもあるように、レアアースの大きな役割というのが現在の高度な技術の中心部分に使われているというものです。
それが不可欠な製品のリストを掲載しています。
– スマートフォン
– 半導体
– 航空機エンジン
– 電気自動車
– 風力タービン
– ロボット工学
– 光ファイバーケーブル
– 誘導ミサイル
– 高周波レーダー
– 航空電子工学および飛行制御システム
– 遮熱コーティング、センサー、光学部品
– ドローンおよびロケット
– 赤外線暗視ゴーグル
– 精密レーザー
– 徹甲弾
ハイテク製品、そして重要な軍事品の多くがレアアースを欠くと成り立ちません。
レアアース産業は現在中国のシェアが非常に高い状況となっています。
そこには地域的必然性もありますが、それ以上に中国が意識的に構築してきたという要素が強いようです。
アメリカの産業や軍備は現実問題として中国に頼り切っているともいえるのでしょう。
「中国の最近の重要鉱物の輸出禁止と制限は公然の秘密を暴露した。政治的なレトリックにもかかわらず、米国は基本的に兵器システムの必須部品を中国に依存しているのだ」
このような状況はいかに中国の対米貿易黒字が大きかろうが簡単に変えるわけにも行きません。
レアアース産業をアメリカ国内や友好国内で整備することも不可能ではないようですが、それには相当長い期間が必要でしょう。
しかもそれを担う人材の育成もできていません。
必要なものをそろえるまでには数十年かかるのかも。
他のあらゆる分野でアメリカの再工業化というものを成し遂げて再びアメリカを工業輸出国としようというのがトランプのビジョンなのでしょうが、簡単な工業製品ですらその技術者がいないのでしょう。
ましてレアアースのような高度に技術集積が必要なものを自国内製造など、ほとんど夢のような話でしょう。
トランプのウクライナ問題解決もグリーンランド領有も、実はレアアース資源の確保という理由があるのではということです。
しかしたとえ資源の確保に成功したとしてもその製品化となると技術も人材もないも同然です。
そんな状況でレアアースの無い武器で戦おうにも不可能でしょう。
トランプの掲げるアメリカ第一主義というものがいかに空虚なものか。
そろそろ化けの皮もはげ落ちそうです。