これまで私は現代文明の崩壊の大きなものは「化石燃料エネルギーの枯渇」によって起きると思っていました。
これはオイルピーク説というものに触れてそこから思考を発展させ、現代文明がエネルギー依存文明であり、その中でも特に化石燃料に依存しきっていることに気付き、さらにその化石燃料がやがて枯渇に向かう中で文明自体が崩壊に向かうものと考えたからです。
しかしシェールオイル・ガスという資源をぎりぎりまで絞り出す技術が発展ししばらくの間エネルギー依存文明の寿命が延命されることとなりそうです。
ただし、よく言われるように「シェールオイルでもうエネルギーは大丈夫だ」などと言うことは絶対にありません。
いや、最後の最後まで絞り出すということで、それが尽きた時の崩壊の激しさはより厳しさを増すことになるでしょうが、それでもその時が来るのが先送りされるということで、私のような年寄りばかりでなく今の中高年もその命のある程度の時間は最終崩壊を免れるかもしれません。
しかしこの数年特に別の文明破壊の危険性が拡大してきました。
それが①電力供給崩壊、そして②インターネット信頼性崩壊の二つです。
いずれも最初に述べた化石燃料エネルギー枯渇のような世界文明全体の崩壊につながり人類の生存自体も脅かされるといったレベルの崩壊にまでは至らないかもしれませんが、それでも多くの人びとの生活を根底から変えることになるかもしれません。
なお、これら以上に危険なものとして、戦争や地震津波・火山噴火、そして超大企業による世界支配といったものがありそうですが、いずれも文明破壊といったこととは少し違った局面となりそうなので、ここでは触れません。
それではまず①の電力供給崩壊から。
①電力供給の窮乏から破壊に向かう。
エネルギーの利用は化石燃料を単に燃やすといった初期のものから徐々に電力化が進んできたともいえるでしょう。
端的に現れているのが「オール電化」というやつで、ガスや石油を直接燃やすということなしに、住宅内のすべてのエネルギー源を電力にしてしまおうというものです。
これはかなりエネルギー的には非効率なのですが、そういったことは目に見えにくいために分かりやすい「手間が省け清潔」といったことで普及してきました。
しかしそういったオール電化住宅に住む人々を直撃しているのが電気料金の高騰です。
まあオール電化でない住宅でもかなりの打撃となっていますが、それが集中しているのですから仕方ない状況でしょう。
こういった電気料金高騰は、現在の電力供給の問題点を反映したものです。
電力供給の大半を占める化石燃料を使った火力発電において燃料代が高騰していることがそれを引き起こしています。
さらに日本に限って言えば円安が進んだために輸入燃料代が事実上引き上げられたことも影響します。ただし電気代高騰は他の国でも起きており主因ではありません。
原発停止も影響が強く、日本ではいまだに停止中のものがほとんど。欧米でも原発廃止の動きがあったためと言えます。
そして電気料金とも深く関わっているのが二酸化炭素温暖化の進行が激化しているという意識のもとに進んでいる電源の再生エネルギー化というものです。
再生エネルギーとは言いますが、これはあくまでも「エネルギー源が事実上再生可能」というだけであり、それに関わるエネルギー変換装置(太陽光発電装置、風力発電装置、水力発電ダム等々)についていえばとても「再生可能」などとは言えないものなのですが。
そのような非効率発電システムへの転換の強要ともいえる状況となったために当然ながら電力料金にも跳ね返りが出ています。
今後の見通しとして、さらに再生可能エネルギーによる発電を増やそうという暴挙が進んでいますが、それが進めば進むほど電力料金は高騰を続けるばかりでなく、電力安定供給が危うくなることになります。
不安定な電力源というのは結局「クズ電力」に過ぎないのですが、それを安定化させるために蓄電システムを整備などということになれば、余計な設備がさらに必要となり、それに対してエネルギーと資源が莫大な量を費やされることとなり、それは当然電力料金に跳ね返ります。
このような電気代の高騰という危険性は、「現在の電力需要」のレベルであってもかなり危ういものなのですが、それがさらに「電力需要の大幅な増加」が見込まれることになっています。
それが「AIの運用増加」です。
ChatDPIやgeminiのようなAIはどんどん利用者を増やし、利用機会が上がり続けています。
当然ながらその利用はネットと端末を必須としますので、そこで使われる電力も増え続けていることとなります。
しかしAIの電力需要にはそれ以上に大きな要素があります。
AIはその機能を維持しさらに増強し続けるために常にネット上の情報を収集し、自らの中で整理しなおすということをしています。
それはたまに検索される場合の使用電力などとは比べ物にならないほどの電力量を費やす必要があるということです。
それを例のデータセンターという施設の中でやっているのですが、そのデータセンターをあちこちに建設するようになっています。
欧米や中国では大規模データセンターがそこら中に建設されていますが、日本でも建設と周辺住民の反対といった問題が頻発するようになりました。
すでにあちこちで電力供給の問題が発生しており、巨大IT企業などはそれを自分たちで賄うこととして原発建設などにも手を伸ばすと言われています。
しかしわずかばかりの発電所を作った程度では賄いきれないほどの電力需要をAIは求めるでしょう。
そして電力不足が次々と明らかになっていきます。
それではどのような事態になることが予測できるでしょうか。
つい先日もスペインで大規模な停電が発生しましたが、日本でも真夏や冬には電力事情が逼迫し供給割合が95%などと報道されることがあります。
これがどんどんとぎりぎりとなり、予想がほとんど100%になると企業の操業抑制が政府から依頼(半ば強制)されるようになるでしょう。
それが度重なると電力会社への増産圧力となりますが、そう簡単にできるわけもなくなります。
かくして、電力使用制限をしても停電頻発ということになります。
あの東日本大震災後に電力供給のストップという事態になったことを記憶する人もあるでしょうが、その再現となります。
それに対して電力会社は発電所増設を急ぐことになります。
もちろん原発再稼働はできるだけ行うこととなりますが、それでもそんなものでは足りません。
火力発電所を多数建設することとなります。
しかしその負担は大きくそれが電力料金の大幅上昇をもたらすでしょう。
それでも供給できている間はまだ良し。それが不可能となっていきます。
電気代は上がる、停電は頻発。
それでもIT大企業はAI運転を止めることはできません。
庶民の生活用電力や、他の企業の操業などは止めてもAI用電力確保を推し進めます。
かくして、電気で成り立っている現代文明の多くはまともな操業ができなくなり破壊されることとなります。
(その2、インターネットの破壊に続く)