今「脱コスパ病 さらば、自損型輸入」という本を読んでいるのですが、その中で非常に興味深いことがあったので、読書記録を書く前にそれについて書いておきます。忘れないうちに。
その本は「コスパ病」というものに犯され切った日本人について書かれているものですが、その中で「自損型輸入」というものが解説されています。
著者の小島尚貴さんは中小企業などの輸出を手助けするコンサルタント業をしているのですが、それで気付いたのが現在の日本の産業というものが「自損型輸入」に苦しめられているということです。
それは何かというと、日本の経営者がある製品の製造から何から全部をコストの安い中国などアジア諸国にやらせて製品を日本に持ってきて安価で売ることで日本の対抗企業に売り勝つという、いわゆる現在の「勝ち組企業」ユニクロやニトリ、ワークマンといった企業のやり方のことです。
それで日本市場を制覇することができますが、日本の産業は空洞化し多くの会社が潰れ労働者が失業するということになります。
(なにやらトランプが救おうとしているアメリカと同じようなものですが)
そして何が興味深いかというと、そういった自損型輸入産業の端緒ともいうべきものが熊本県八代地方のイグサ栽培と畳表製造だと紹介されていたことです。
まさに私の住む八代のかつての主力産業のことでした。
そればかりでなく、私の家内の親戚や実家の近所の農家でも以前は皆それに従事していたのでした。
それがこの本にも紹介されているように、30年ほど前にいきなり中国産の安価な畳表が販売されるようになり、次々とその仕事をあきらめるようになりました。
その中国での製造が日本の業者の栽培指導と製造指導によるもので、必要な資材、機械すらこちらから持ち込んだということも、知られていたことです。
そしてそのやり方を他の産業が次々と取り入れていき、日本中が仕事を失い経済が低迷することとなりました。
イグサ栽培から撤退したこちらの農家はずっと打ちひしがれた状態でしたが、他の分野に転じてトマトやメロンなどの温室栽培を始めてようやく国内に知られた生産地となり生産に励んでいる農家もあります。
しかしそれもうまく行かずに農業を辞めたところも数多くあります。
このような自損型輸入の蔓延した業界をどうしたらよいのか。非常に難しい問題で高くても国産を買いましょうと言うだけでは片付かないことかもしれません。
もちろん、トランプのように中国産品に高関税を掛けますなどと言うことはできるはずもありません。