世界には多くの言語がありますが、その中の28の言語をほんとうにざっと解説したという本です。
その言語とは何かといえば、東京外国語大学で学ぶことができるものだとか。
英語、スペイン語、フランス語等々のものばかりでなく、かなり珍しいと感じるウズベク語、マレー語などといったものも入っています。
各言語に与えられたページ数は8ページのみ、しかもどの言語についても全く平等に扱われています。
まず最初にその言語が使われているところ、その特徴、会話の例として「初対面の挨拶」「スケジュールを尋ねる」「道を尋ねる」「注文する」という4つの場面。
さらにその言語で使われている文字。そして文法の特徴。
よく目にする言語の例はやはり広く使われている英語、スペイン語、フランス語、中国語などといったものに限られるようで、この本で取り上げられている言語はある程度の使用者があるものですが、それでも普段は全く目にしないものがあると感じます。
まず、文字がさっぱり分からないというものが特にアジアのものに多数ありました。
ウルドゥー語、ヒンディー語、ビルマ語、ベンガル語などは文字なのか記号なのかも判断できないようなものですが、インド古代文字の梵字から発達してきた歴史もあるようです。
アラビア文字、ハングルは一応見たことはあるのですが、まあ全く意味は分かりません。
文法の特色も各言語2ページ足らずでの説明ですが、それでも独特ともいえるものが多く、「日本語は世界でも珍しい」などと言うことは全くなく、もっと変わった?言語があることも分かります。
中国語には四声という四種類の抑揚が使い分けられ、それが違うと全く違う意味になるということは有名かと思いますが、ベトナム語はさらに多い6つの声調があります。
しかも中国語同様にその音の抑揚の違いで違う意味になるため、それを正確に使い分けなければ通じないということです。
さらにベトナム語では語形変化が一切なく、動詞には過去形も未来形もないのだとか。
トルコの人たちは、個人名を2つと姓(名字)を1つ持っているそうです。
普段の日常生活では個人名のどちらかを用いるのが普通で、姓を使うことはほとんどないとか。
日本語は発音は単純な方のようで、複雑な発音の言語を習得するのは日本人にとって難しいようです。
世界で最も発音が難しい言語は何か。
それはアフリカ南部のナミビアからボツワナに居住している人々が使う「コン語」という言葉だそうです。
それは子音を163種類持っています。
日本語では十数個、世界の平均でも22.8個しかないのに、コン語の163は特別多いと言えます。
それには舌打音であるクリック子音というものが非常に多いからということです。
さらに母音も44種あるとか。
一番活用のシンプルな言語は、やはり孤立語と呼ばれる、中国語、タイ語、カンボジア語、ベトナム語などのようです。
なにしろ「語形変化がないタイプの言語」です。
逆に活用の複雑な言語はなにか。
ヨーロッパ系の言語では動詞の変化が多く、ロシア語やイタリア語では6種類の形があります。
しかしそれは動詞だけの例であり、世界には主語と目的語の両方で形を変化させる言語があり、エスキモー語、アイヌ語、ジョージア語などがそのようです。
時制については、アフリカのコンゴ語では過去だけでも「今日過去」「近過去」「遠過去」と三種類あるとか。
言語というものが人類の歴史のどこで現れたのか分かりませんが、少なくとも現生人類(ホモサピエンス)が現れた30万年前にはアフリカのどこかで皆同じ言葉を話していたのでしょう。
それが何万年もかけて移動し分離していき、それぞれ違う言語を使うようになり、ここまで違うものにしてしまった。
言葉というものは時と共に移り変わるということでしょう。