1953年に発表されたファーマーの初めてのSF小説です。
恒星間宇宙飛行や異種生物接触といったハードSF的テーマを扱いながら、セックスというものも大きく構成要素としたということで、当時のSF界に大きな衝撃を与えたといういことです。
なお、あとがきに伊藤典夫氏が細かく書いていますが、ファーマーの本名はフィリップ・ジョーズ・ファーマー、ミドルネームのジョーズ(Jose)は祖母のファーストネームをとったということで、女性名が入るのを嫌った本人がスペイン語風に読ませて「ホセ」としたということで、ファーマーはスペイン系とは全く関係がなく、アイルランド、ドイツなどの血を引くそうです。
地球上では最終戦争が起き、生物兵器を用いてほとんどの人類が死に絶えましたが、生き残った人々が再び国を作り、いくつかが相争う時代となりました。
主人公ハル・ヤロウの住む国は前駆者アイザック・シグノンが作り出した宗教により統治されており、生活の隅々までその統制が厳しく、一人一人に監視者が付けられているような状態です。
夫婦もその選択から宗教が指示しているようなもので、その生活にも監視が行き届いています。
ハルは言語学者として専門家の待遇がされていますが、宗教的には問題ありと見なされており、監視も緩みません。
一応メアリという妻がいますがまったく心が通うことなく、それに嫌気がさしたハルは逃れるために別の恒星系の惑星に探査に出る業務に応募し出発してしまいます。
その星には昆虫から進化した高等生物が社会を作っており、そこで調査を始めます。
ところがそこで人間そっくりの女性と出会い、彼女ジャネットを愛し始めます。
もちろんそのような行為は規定違反であり、監視者たちの目を逃れての生活となります。
「人間そっくり」ということはおかしいと思うのが普通でしょうが、地球の最終戦争の際には多くの人々が宇宙船で逃れ出ることがあり、それがたどり着いていたという説明に納得します。
その後、様々な事件などがありますが、最後はジャネットの正体が明らかとなります。
さすがにそこまでは明かせないのでこれでおしまい。
今読んでも70年以上前の作品とは思えないほどのものと感じます。
ファーマーはその後も色々な作品群を発表していきますが、その好みは人により分かれるようで、絶賛もあり逆もありというところだったようです。