副題に「世界のトンデモ学問19選」とありますが、私の見るところトンデモなどというものではないように思います。
私自身が農学部出身ということで産業と非常に近い内容の研究があれこれとされていることを知っていますが、この本に描かれているものもそういった内容が多いようです。
「ウマ」「芝生」「ブドウ栽培・ワイン醸造」「羊・ウール」「ベーカリー」「温泉」「富士山」などはまさにそういった内容で、多くの産業を学問的に支えている分野であり、とても「トンデモ」などと言われるようなものではありません。
まあ、「忍者」「アニメ」「アーユルヴェーダ」「ギャンブル」「サーフィン」というと少しは「ヘン」と言われそうな面もあるかもしれませんが。
ただし、「大麻」はヘンとばかりは言っていられないようで、すでに合法化されている地域もあり、そういったところでは学術的に不備なままビジネス化されている場合も多く、早急な取り組みが必要なのでしょう。
サーフィンの科学では、世界の多くの地域でサーフィンを実施する場合に必需品であるウェットスーツの現状についても触れられています。
その販売をする企業が「最も速乾」「最も暖かい」「最も軽量」などと言う謳い文句で売っていますが、サーフィン工学に取り組み始めた研究者がそれらの企業に聞き取りを始めたところ、そういった謳い文句を裏付けるデータ取りなど「いや特に何もしていません」と答えがきて驚いたそうです。
競合他社が虚偽表示をしているとしても、自分たちも似たようなものなので何も言わないとか。
「従来製品より30%暖かい」という製品はメーカーのラボでは対照実験は行われたものの、実際に着用した実験ではなかったので、着用して計測したところほとんど違いはなかったそうです。
Part2で示されている「水中考古学」「北極圏工学」「砂漠農業」などはまったく「トンデモ」などとは言えず、「本格」学問分野と言えるでしょう。
特に水中考古学は重要な分野だと思いますが、これまでは不当と言えるほどに注目されていなかったのではないでしょうか。
アトランティスのように文明が海中に沈降したということはあったかどうかは知りませんが、ほんの数万年前の寒冷期でも海水面が数十mも低かったことを思えば現在の海中に重要な遺跡があることはあり得ることでしょう。
沈没船の捜査ばかりに着目されがちですが、こういった遺跡発掘の可能性もありそうです。