以下の内容はhttps://sohujojo.hatenablog.com/entry/2024/11/22/060000より取得しました。


「図解版 人類の起源」篠田謙一監修

ヒトの遺伝子を解析する分子人類学が専門の篠田さんは著書も多く、そのいくつかは拝見していますが、やはり文章が多いと理解できたつもりでも意外に抜けているところも多いように感じます。

そこで「図解版」として、地図やイラスト、図表などを駆使して見ただけで感じ取れるような本として本書を監修しました。

読んでみて、言葉としては知っていたものでも地図や図表化してみるとそのイメージがかなり異なっていると感じたものもあります。

 

この本では遺伝子解析を主に、人類の起源からヒト(ホモサピエンス)の誕生、その世界展開、さまざまな「地域集団」の成立、日本人について、さらに人類の未来までをビジュアルに示しています。

 

最古の人類は「アウストラロピテクス」だというのがたいていの人が習った知識かもしれませんが、最近の考古学の成果でさらに古い猿人たちが発掘されています。

現在では最古の人類として700万年前のサヘラントロプス属、つづいてオロリン属、アルティピテクス属と続きその後にようやくアウストラロピテクスが出てくるのだとか。

 

ホモ・サピエンスはそれに先行する旧人類、ネアンデルタール人などを亡ぼして取って代わったというのが従来のイメージかもしれませんが、化石人骨からのDNA抽出とその解析、現在の人類のDNA解析などのデータから、現代人のゲノムの中にもネアンデルタール人由来の部分や、デニソワ人由来の部分がある程度含まれていることが分かってきました。

その交雑はかなり長い期間にわたり続けられてきたようで、彼らがホモ・サピエンスと別種だったと言えるのかどうかも怪しいものです。

ただしホモ・サピエンスだけにしか見られない遺伝子というものも存在し、それが進化に影響したのかもしれません。

 

ホモ・サピエンスがアフリカを出て全世界に広がっていった航跡は興味深いものですが、これもどんどんと多くの新説が出てきてそれまでの通説をひっくり返すことがあります。

オセアニア地域への拡散は、まず4万年以上前の初期拡散で東南アジアにあったスンダランドやサフールランドと言う陸地沿いにオーストラリアに渡りました。

しかしその後の舟を使った移動は台湾に居た初期農耕民が南太平洋に渡ったもので、3500年ほど前に始まり徐々に島伝いに渡って最後にはイースター島に800年前に到達したそうです。

 

かつては「人種」や「民族」などと呼ばれていましたが、現在ではそのような区別はないものとされています。

しかし地域ごとの集団というものは存在し、それが孤立する期間が長いと独自の形質を持つようです。

かつては「インド・ヨーロッパ語族」と言われていましたが、それらは7000年ほど前にコーカサス地方にいたコーカサス集団が黒海北方の地域に進み、ヤムナヤ文化というものを打ち立てた集団と見なせます。

これにはコーカサス集団の他にもウクライナにいた在来集団との混合があったようです。

なお、「語族」というものは、通婚する場合にどうしても同じ言語系統の集団との間でのものとなるために、形成されることになるということです。

 

なお、本書でもやはり言及されていたように、かつての単純な「二重構造モデル」すなわち一様な縄文人というグループがありそれに弥生人が多数やってきたというモデルはやはり少し簡単すぎたようです。

旧石器時代には各地から様々な集団がやってきており、それはさほど混合することなく日本列島に共存していたようです。

そこに多数の弥生人が渡来したということですが、それも一時期だけに限られるわけではなく、古墳時代になっても続いていたために、現代日本人の遺伝子の中ではその比率が非常に高くなっています。

なお、朝鮮半島南部には縄文的な要素を持つ遺跡もあり、どうやら一方的に半島から日本列島にやってくるだけでなく、行ったり来たりの交流もあったようです。

 

沖縄には古い時代に台湾から舟でやってきた人々がいましたが、その人たちは絶えてしまったようです。

その後、九州から縄文人流入しました。

しかし7300年前の鬼界カルデラ大噴火で南九州との交流が閉ざされ沖縄では独自の進化が進んだようです。

 

人類の未来を考えるうえで、現在の教科書的な記述を見ると、そこではアフリカの人類誕生の後にはすぐに古代四大文明になってしまいます。

そこに至るまでの人類の道のりについては記述がなく、中南米の歴史に至ってはヨーロッパ人の進出以降のことしか書いてありません。

教科書の記述に欠けているのは「世界中に展開したホモ・サピエンスはほとんど同一と言える均一な集団だ」と言う視点、「すべての文化は同じ起源から生まれておりその姿の違いは環境の違い、歴史的な経緯にすぎない」というものです。

人種などと言うものは幻想であり、「純血」な集団などありません。

グローバリゼーションというものは、いったん別れた集団がまた一つに混ざり合っていくものなのかもしれません。

 

なかなか深い内容を含むものでした。

 

そして今でも遺伝的にはほぼ同一としか言えない人たちが互いに争っています。




以上の内容はhttps://sohujojo.hatenablog.com/entry/2024/11/22/060000より取得しました。
このページはhttp://font.textar.tv/のウェブフォントを使用してます

不具合報告/要望等はこちらへお願いします。
モバイルやる夫Viewer Ver0.14