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「ダルタニャン物語10 鉄仮面」アレクサンドル・デュマ著

フーケ財務卿を破滅させようとするルイ14世とコルベールの企みが目標を遂げようとする中、フーケの腹心となっているアラミス(デルプレー司教)の逆転の陰謀も徐々にその形を表していきます。

 

そこにはフランス王家の大きな秘密、ルイ14世は双子であったということが隠れていました。

先王ルイ13世の長子としてルイが生まれた時、実はそれから少し後になってもう一人の男子が生まれていたのでした。

しかし先の子の誕生で廷臣たちや侍女たちのほとんどもそちらについていってしまい、その場に居合わせたのが産婆とごく内輪の侍従、そして王妃アンヌ・ドートリッシュの親友シュブルーズ公爵夫人のみでした。

ルイ13世の意志で次に生まれた子どもは極秘とし、侍従と産婆に田舎の家で養育させることとしました。

ところがしばらく後になり王妃からの侍従への手紙をその子フィリップに見られるという事態となり、即刻侍従と産婆は殺されフィリップは直ちにバスチーユ監獄に幽閉されることとなります。

これがいわゆる「鉄仮面」伝説となります。

そして、この事実をシュブルーズ夫人の当時の恋人であったアラミスも知っていたのです。

 

アラミスはこの事実を基にイエズス会管区長となることもでき、さらに様々な支配下の結社に対する権力も得ることができました。

そして、その時のバスチーユの監獄ベーズモーもその結社の一員であり命令できることも熟知の上でした。

 

ちょうどその頃、ラ・ヴァリエールに対する国王の恋心を聞いたアトス(ラ・フェール伯爵)は、以前息子ラウルとラ・ヴァリエールとの結婚を国王に願い出、国王から止められた事実について、国王に直接糾弾しに出かけます。

そして国王の気持ちに変わりはなく、詐欺同然に奪い取った行為に対し、アトスは自らの剣をへし折り国王に投げつけもはや忠誠は放棄することを宣言し退出します。

 

ちょうど当番であったダルタニャンに対し、国王はアトスの逮捕とバスチーユへの送致を命じます。

ダルタニャンはすぐさまアトスを追い、家で面会しますが逮捕を口にすることなく、従僕のグリモーや息子ラウルにも悟らせないまま、アトスと外出するようなふりをして馬車でバスチーユに向かいます。

 

バスチーユで出会ったのが監獄ベーズモーとアラミス、彼らはそこで夕食を共にするところだったので、アトスもその場に残しダルタニャンは国王のもとに戻ります。

そこでルイ14世に対し厳しい諫言を繰り広げます。

これまで忠誠を尽くしてきたラ・フェール伯爵に対し、その息子の婚約者を奪い、面目をすべてつぶした上にしかも本人をバスチーユに入れるということの非を糾弾し、もしもそうなら自分もアトスと共にバスチーユに入れるようにと言います。

これにはさすがに国王も何も言えず、アトスの釈放命令を出すこととなります。

ダルタニャンはすぐさまバスチーユに戻り、アトスと共に帰宅します。

 

国王から数々の上納金を命じられもはや破産も寸前のフーケ財務卿ですが、その自宅ボーの屋敷に国王などを招いて大宴会を行うこととなり大々的なその仕掛けについて描かれます。

ラ・フォンテーヌやモリエールといった実在の人物たちの活躍も描かれます。

そして、そのようなことを計画したアラミスの真意が明らかになります。

国王の寝所とした「夢の神(モルフェ)」の間のベッドは階下から取り外しが可能となっており、国王が眠りについたらそれをポルトスの怪力でベッドごと降ろし、国王を拉致するというものでした。

そして国王ルイ14世をすぐさまバスチーユから連れ出したフィリップと入れ替え、ルイ14世はそのままバスチーユへ送り、フィリップを戻したかのように見せかけるというものでした。

バスチーユの監獄ベーズモーもアラミスの命令には逆らうこともできず、言われるままにフィリップを釈放し、そしてその代わりにルイ14世を収監したのでした。

とはいえ、二人は瓜二つでありベーズモーもそれとは気づかないままです。

本巻はここまで、この解決は次巻の最終話で。

 

この巻の見ものは、ルイ14世に対して糾弾するアトスの言葉、そしてその後バスチーユにアトスを送った後に戻ってきたダルタニャンのルイ14世への諫言でしょう。

ただし、双方ともかなりの長文ですので、引用は控えます。

格調高く、なおかつ厳しくルイの行動を批判するもので、デュマもかなり力を入れて書いたものと思います。

 

 




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