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「ビッグデータの罠」岡嶋裕史著

ビッグデータといえば単に「大規模なデータ群」というだけでなく、巨大IT企業がその活動の中で使用者たちのデータを集め(一応、承諾は受けていることになっていても)それで自分たちのビジネスを有利にするように使うだけでなく、他の企業に販売もされているといったことが知られています。

そういった状況について、ネットやITの研究者である著者が危険性なども書いたものですが、2014年と少し古い本なので、少し現況は変わっているかもしれません。

しかしおそらく岡嶋さんの危機感をさらに大きくするような方向に変わっていることでしょう。

 

監視社会というものの危険性については、「1984」などといったSF小説では繰り返し取り上げられ、独裁者(組織)による全国民の監視と統制というものが近未来に起きるかもという構図が示されました。

しかしそういったSFの予想と異なり、どうやら国民たちは自ら望んで監視下に入ろうとしているようです。

 

街角や店舗内の監視カメラというものは急速に数を増やしています。

そしてそれに対しさほど嫌悪感も危機感も抱かない人が多いようです。

自分は悪い事はしないし、そのカメラのおかげで犯罪の発生も防げるし、犯罪者の逮捕にもつながるという感覚なのでしょう。

しかしそれが一歩違えば極度の統制社会につながることも十分に考えられることです。

 

ネット上に個人情報を公開するのは危険だと言われ続けています。

しかし、それに等しいことが無意識のように行われています。

SNSやネット通販、その他のサイトの登録に個人情報を書き込むことは普通に行われています。

その場合に細かい字で書かれた規約の中に、得られた情報を自由に使うといった項目があっても気にしません。

それに登録することで、そのサイトの使い勝手が非常に向上し、便利に使うことができます。

その便利さの代わりに多くの個人情報をその企業に奉納しているようなものです。

 

スマホを常時携帯し、さらに自分の身体にセンサーを付けてネットにつなげる人も出てきました。

そこで得られたデータは「契約に従い」集められ使われます。

今までだったら気が付かないような身体の異変にも本人や主治医より早く教えてくれるかもしれません。「そろそろ遺言状の用意をした方が良いですよ」などと。

 

このように情報を開示しよりよいサービスを受けられるということは、無条件に批判されることではありません。

情報開示の損失を利得が上回れば良いのですが、実際にはそれは難しいことです。

人には誰も絶対に人には知られたくない情報がいくつかはありそうです。

それまで捕捉され記録され、そしていつかは使われることになるかもしれません。

 

恐ろしい世の中になったものです。

これが今ではさらに進んでいるのでしょう。

 

 




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