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「内田樹の研究室」より「近代市民社会の再興のために」

近代市民社会というものが崩壊の危機にさらされています。

それがどういうことなのか、内田樹さんが月刊日本のインタビューに応えました。

blog.tatsuru.com内田さんの認識では現在は近代市民社会というものが危機に陥っている。

近代市民社会は「公共」というものを基本理念としていました。

かつての社会は弱肉強食で強者がすべてを取ろうとしていた。

しかしそのような社会は決して安定することがない。

そこで市民すべてが私財の一部、私権の一部を公共というものに供託し、公権力、公共財というものを立ち上げた。

それでこそ私権私財も安定するというものが近代市民社会であった。

 

しかしその基本となるべき国民国家が機能しなくなりました。

さらに非国家アクターというべき勢力が急激に力を伸ばしています。

その一つがテロ組織、そしてグローバル企業です。

どちらも国境にとらわれることなく世界を舞台にやりたい放題です。

そのため「公共」という概念が急激に空洞化しました。

 

グローバル企業の中でも急激に大きな力を持ってきたのが「テックジャイアント」です。これは巨大IT企業で、グーグル、アマゾン、メタ等々です。

これが民主制、近代市民社会にとって巨大な脅威となっています。

 

これらの非国家アクターの超越化に対して国民国家が悪あがきを始めたのが、自国ファーストだということです。

アメリカのトランプが象徴的ですが、他国でもそれに追随することで人気を集める指導者が増えています。

アメリカがそれを徹底すれば「世界最強のならず者国家」になるでしょう。

しかしそれではたとえアメリカだけが生き残っても世界は破滅でしょう。

 

さらに、それは「自分たちだけが良ければ」の単位をどんどんと狭めていきます。

すでにアメリカではテキサスでもカリフォルニアでも州の独立運動が起き始めています。

アメリカでも裕福な州は他の貧乏な州に囚われたくはないのでしょう。

しかしそれも自国ファーストを謳うのと同じ心理の中から出てくるものです。

 

日本の現状は「縁故主義」と「部族独裁主義」によって統治される「三流独裁国家」になり果てたということです。

この辺の内田さんの解説は見事というしかないでしょう。

日本は「縁故主義」(nepotism)と「部族民主主義」(tribe democracy)のせいで、今や「三流独裁国」に転落しつつあります。自民党世襲議員たちは縁故がらみの部族を形成して、国民から供託された公権力を私利のために用い、公金を私物化しています。でも、そんな無法ができるのは、エスタブリッシュメントのメンバーたちがお互いに融通を図り、連携を密にして、相互扶助ネットワークを形成しているからです。
 一方、貧しい国民は「自己責任」を求められ、分断し孤立しています。奇妙な話ですが、豊かな人たちはしっかり相互扶助の仕組みを作り、その恩恵を享受しているのに対して、貧しい大衆は苛烈な競争に投じられ、お互いの足を引っ張り合い、公共財の分配に与ることができず、政治的に無力な状態に釘付けにされている。

 

そのような現状に対し、内田さんの提示するのはやはり「日本型コミューン主義の形成」ということです。

 

提示するところは何となくわかるのですが、具体的なイメージにはならない。

それを作り上げるのは別の人の才能が必要なのでしょうか。

 

上に挙げられた自民党議員やその他の権力者たちの悪徳ぶりはもはや国民の多くが知るところとなっています。

しかしそれを変えてどうするかというビジョンを持った人はほとんど居ません。

それができれば一挙に国政を変えることができるのかもしれません。

 




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