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「鬼平犯科帳(二十四)特別長編誘拐」池波正太郎著

鬼平犯科帳シリーズもとうとう最後となりました。

前作で密偵おまさと盗賊荒神のお夏との関りを描きその続きに期待を抱かせたのですが、その話が佳境となったところで著者の池波さんが死去。

その特別長編も未完のまま、おまささんも拉致監禁されたままで終了となりました。

 

本巻はその特別長編の前に単作が2編、そして長編誘拐の第3話までが収められています。

 

「女密偵女賊」密偵おまさは渋谷の盗みの口合い人佐沼の久七のところに連絡に赴きますが、そこで押切の勘太郎が顔を見せたことを聞きます。

さらにその帰りに近くの茶店で昔馴染みの女盗賊お糸と出会います。

お糸は盗みの仕事が一段落したのですが、男と待ち合わせているようです。

何日待っても男は現れないようなのでおまさがお糸を引き取り、その話を平蔵に伝えます。

平蔵はそれらの話を聞き、その一見関係のないような話が全てつながっていることを見抜きます。

さらに勘太郎とお糸が仕えていた盗賊の首領鳥浜の岩吉がかつては本格派盗賊だったものが最近は畜生働きの殺生強盗に堕落したことも知り、それを佐沼の久七に告げて証言を取り、岩吉の潜伏先を襲って一味を捕らえます。

するとやはり勘太郎とお糸が深い仲だったものの、勘太郎は久七のところを訪ねたその晩に岩吉の手の者に殺されていたことが分かります。

平蔵はその下手人を割り出し、お糸に代わって勘太郎の仇を討つのでした。

 

「ふたり五郎蔵」火盗改では髪結いを外に出かけてするわけにもいかず、巡回して行う「まわりの髪結い」が出入りしていました。

長くやっていた政吉が暇を取って故郷に帰ったため、その紹介で新たに契約したのが密偵五郎蔵と同じ名前の髪結いの五郎蔵でした。

五郎蔵の身元には不審な点はなかったのですが、その新妻が拉致されてそれで脅迫され、盗賊の盗みと火盗改襲撃を手伝わされることとなります。

これを謀ったのが暮坪の新五郎という盗賊で、かつて密偵の伊三次を刺殺した兇賊強矢の伊佐蔵の弟で平蔵に復讐をしようというのでした。

それと悟った平蔵は平静を装いながら役宅には沢田小平次や酒井佑助などの腕利きの同心にさらに息子の辰蔵を残して守らせ、盗賊の押し込み先にはその他の同心たちを配置、押し込みと火盗改役宅襲撃を同時に行うという暮坪の企てを見事に打ち破るのでした。

 

「誘拐」同心松永弥四郎が密偵寺田屋の茂兵衛と出会い茶を飲んでいると茂兵衛が見つけたのが相川の虎次郎という盗賊、茂兵衛の言う通りにすぐに捕らえて尋問します。

虎次郎は拷問されても何も語らなかったのですが、上方で荒神のお夏一味と関りがあったことが分かります。

お夏といえば密偵おまさを付け狙っているはずであり、平蔵は警戒を強めます。

虎次郎を脱獄させ後をつけて隠れ家や仲間を探り出そうとしたのですが、うまく行かずかえっておまさが誘拐されてしまいます。

話が佳境となったところで「作者逝去のため」終了となってしまいました。

おまさをどうやって救い出すのか、読みたかった。

 




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