「解決志向リスク評価」とは何か。
まあ当然の話なんですが、「リスク評価」というものを問題解決に利用していこうという、極めてまともな方向のものです。
それと正反対のものが、よく週刊誌などに見られる「これも危ない、あれも危ない」という、警笛だけは鳴らすけれど解決しようなどと言う姿勢は全く無いものです。
この解決志向リスク評価について、さきごろ開かれた日本リスク学会シンポジウムにおいて基調講演およびパネルディスカッションが行われたそうです。
産総研の保高徹生さんの講演では、スポーツイベントにおいて「声だし応援」を認める場合の条件といったことについて報告され、Jリーグの試合応援に利用されてまさに解決志向であるということでした。
一方、解決志向を妨げる例として挙げられていたのが、新型コロナウイルスについて政府から諮問される新型コロナウイルス対策分科会の専門家の政府報告についてですが、専門家は4つの具体策を示しそこから選択するように示したのに政府は選べないから一つに絞れと言ったようです。
政府はとにかく責任を取りたくない一心で、専門家委員会に一つに絞って結論を出せと命じたようです。
この場合は、政府が「意思決定機関」であるにも関わらず、その責任を果たそうとしないことが阻害要因となっています。
しかしこれは政府だけにとどまらず、他の多くの組織でも同様であり、「科学的に判断しました」と言いたいだけで専門家に丸投げとか、「結局どれが正解なの」とあくまでも正解を求める態度が阻害要因となりそうです。
リスク評価というものは正解か不正解かを選ぶのではなく、価値判断を行なうものだということが広く認識されていないのでしょう。
リスクというものの認識度は徐々に上がっているようですが、やはりその根本について勘違いがありそうです。