「ハヤカワ文庫SF」は1970年、早川書房より娯楽SF路線の叢書として創設され、多くの人気シリーズを次々と発行してきましたが、2015年に2000冊に達しました。
それを機に、これまでの2000冊を振り返り100人以上のSF作家や評論家がレビューするという企画を「SFマガジン」誌上で実施しました。
この本はその特集企画を単行本化したものです。
SFの作品を一作品一段のスペースで紹介するというのも厳しい話ですが、それぞれなかなか工夫した文章で作品の魅力を伝えようとしています。
私もこのシリーズからは何冊かは読みましたが、印象強く残っているものもあります。
No.731 「楽園の泉」アーサー・C・クラーク
野尻抱介さんの評です。
「軌道エレベーター」というものの可能性を広く知らしめたということです。
なお、実際には赤道上であればどこでも良いのですが、「赤道上の一点にしか建設できず、それは古い仏教寺院である」というのは作者の設定に誇張があり「クラークの東洋趣味、宗教観がふんだんに盛り付けられた」という、評者の文章がこの小説の性格をよく伝えています。
私もこの本は出版直後に読んでかなり深い印象を持ちました。
No.568 「高い城の男」フィリップ・K・ディック
評 佐藤大
第二次大戦でドイツや日本が勝利し、アメリカを占領したという物語です。
原書は1962年出版ですが、このシリーズでは1984年でした。
まあベタなテーマと言うことでしょう。
No.757 「九百人のお祖母さん」R.A.ラファティ
評 西島伝法
「初めて読むラファティとしても最適」ということです。
SFは昔からよく読んでいたような気がしていましたが、意外にこのシリーズでは読んでいないということを発見です。
- 発売日: 2016/07/08
- メディア: Kindle版