来年3月末開催のマラソン大会に向け練習に励む日々だが、例によって猛暑対策が欠かせない。
早朝、帽子、アームカバーを装備して走っているが、約10㎞ほどを走り終えるとTシャツとショーツは汗がしたたり落ちるほどぐっしょりになってしまう。
家族から貰った木曽三川公園マラソン参加賞Tシャツが2着あるので、それを交互に使用していたが、さすがにここまで暑さが酷いと、猛暑対策の一つとしてもっと良いTシャツを使いたくなった。
とはいえ、マラソン参加賞Tシャツも決して低性能ではなく、低価格ながら吸汗性と速乾性について評価が高いglimmerのドライTシャツである。ちょっと検索してみれば分かるが、500円そこらで買えるこのTシャツ、一般的には十分な性能らしく本当に評価が高いのだった。
参加賞Tシャツは他に高知竜馬マラソンのASICS製も持っているが、こちらも着心地はglimmerと同程度。ただ色が黒なのでこの夏のランニングには使用していない。
いづれにしても過酷過ぎない環境であれば十分使えるもので、こうしたものを愛用しているランナーも多いはずだ。
しかし参加賞Tシャツではもう限界、より涼しく走れる性能を求めて以下4種類のTシャツを購入した。
1, ON Performance-T オン パフォーマンス-T
2, Arc'teryx Cormac Logo SS アークテリクス コーマック ロゴ SS
3, ASICS METARUN SHORT SLEAVE TOP アシックス メタラン ショートスリーブ トップ
4, Workman ワークマン 氷撃冷感 -10℃プリント半袖Tシャツ
個人の感想ではあるが、ダメなものはダメと辛辣にレビューする。






最初に購入したのはON Performance-Tである。大胆なソールデザインのシューズCloudmonsterで有名なスイスブランドの製品だ。
生地が超薄々で重量僅か78g、しかも背中側は通気性の高いメッシュ生地にするなど、いかにも涼しそう。おしゃれなデザインで最近人気が高いランニングブランドということもあって定価8800円という高価格ながら飛びついた。
実際、到着後すぐに袖を通すと羽のような軽さで通気性も良く涼しかったが、ランニングに使ってみると、その期待は早々に裏切られた。
僅か3㎞程度で全体がぐしょぐしょに濡れてしまい、以降それが乾くことはなく、軽い生地はそのまま身体にぺったり貼り付いてしまう。そうなると通気性も何もあったものではない。
個人の体質にもよるが、滝のように発汗する自分のような汗っかきには全く無力であり、使えない。
ほどほどの発汗で多少濡れても乾く余地のある季節であれば、圧倒的な軽さが生きて快適かもしれないが、現状では保水量に余裕がなさすぎで全くダメだ。
がっかりしたので、もっと良いTシャツはないかと、必死でネット検索する。そこで見つけたのが、ある海外サイト。
The 6 Best Running Shirts (GearLab)
ここでは独自のレビューで高得点を挙げた上位6つのみならず、17のTシャツの性能が比較されていて、その中にはON Performance-Tも含まれる。しかしON Performance-Tは6つには含まれておらず、最もコストパフォーマンスの低いシャツという不名誉なデータも示されている。つまりもっと良いシャツは他にあるという訳だ。
レビューを子細に読んで選んだのがArc'teryx Cormac Crewだ。あまり知らなかったがArc'teryxは登山用品では新興ながら誰もが憧れるらしいカナダのハイブランドである。
なおArc'teryx Cormac Crewにはロゴのサイズと配置の違いによるバージョンが数種あり、実際に購入したのはArc'teryx Cormac Logo SSである。
これは当たりだった。保水量が多く、汗を吸い込んでもすぐにはべしゃべしゃにはならず、走って5㎞までは乾いた感触だった。5㎞を過ぎるとさすがに生地が重くなって全体がずぶ濡れになっているという感覚になるが、それでも表面はサラサラした感触で皮膚に貼り付かない。その状態で通気性もある程度保たれているので暑くならず、これまでのTシャツとは快適さが全然違う。
しかしただのTシャツが12,100円とは、庶民感覚では頭がおかしいとしか思えないが、ロードバイク用品で既に金銭感覚が狂っているから、高性能であれば仕方ないかという感覚である。
Arc'teryx Cormacは幸い当たりだったが、外れであれば当然別の選択肢が必要という事で同時にもう一着注文したのが ASICS METARUN SHORT SLEAVE TOPだ。
自分は現在使用しているランニングシューズは3足あるが全てASICS。その最高峰のランニングアパレルがMETARUNシリーズである。その特徴はACTIBREEZEテクノロジーと呼ぶ物。簡単に言えば、サーモカメラでランニング中の人体を写し体温が上昇している部位に集中的に通気口を設けるという仕組み。コロンブスの卵的発想で、実に分かりやすいw
とはいえ実現するのは大変そうで、複雑なメッシュパターンを織り込んで形にするため必然的に高価な物となる。Arc'teryxほどではないが、9,900円もする。
使用してみると、その単純明快な仕組みが効果を発揮して抜群の通気性である。吸汗性も適正だし、Arc'teryx同様完全に濡れてしまっても肌に貼り付く事もない。
これも当たりである。
最後4つ目はワークマン 氷撃冷感 -10℃プリント半袖Tシャツ
当たりのシャツが既に2着あるので、もう充分だが、確認のために購入。巷では大人気で、それが本当なら高価なシャツを買ってしまった自分は大ショックだが、果たしてどうか?
結論から言うと、全くお話にならなかった。glimmerと同レベルである。
大体、走る以前部屋で袖を通した時から怪しい。巷では「着た瞬間からひんやりと感じる」などと冷感性を強調するようなレビューが見られるが、日頃glimmerを部屋着として愛用している自分は何も感じなかった。冷感素材だ何だとやたら強調して宣伝する節が見られるが、気持ち程度であり、木綿シャツと比べれば化繊シャツはどれも漏れなく涼しい物である。冷房のない廊下などで作業しているとじんわり汗ばんでくるが、その時の感触もベタベタして気持ちの悪い物だった。濡れると速やかに気化冷却が起きてより涼しくなるというが……
これはヤバいと思いながら走ってみると、やはり2㎞も行かないうちにぐっしょりベタベタ。通気性もなく皮膚に貼り付きっぱなし。価格相応の物だと改めて確認できた。
とはいえ少し擁護すると、走行風など全く期待できず長時間走り続けるランニングだからこういう結果になるのであって、汗が引く時間もある間欠的な作業でなおかつある程度の風量を期待できる現場であれば、気化冷却が有効で効果があるのだろう。これ単独ではどうにもならないが、空調服や扇風機との組み合わせであれば案外快適なのだろう。
同じことはON Performance-Tにもいえ、同じペースで走り続ける長距離ランニングには向かないが、楽なペースのジョギングや、1㎞くらい走っては歩き回復したらまた走るという間欠的なランニングであれば問題ないともいえる。ただそれならば、そんなに高価でなくてもいいわけで、コストパフォーマンスが悪すぎる。
以上、大変高価だったとはいえArc'teryx Cormac Logo SSとASICS METARUN SHORT SLEAVE TOPには満足しているが、これらにも価格以外に問題がある。
Arc'teryxは海外の希少製品であるため、希望の色とサイズが入手し辛い。明るい色で小さいサイズの物が欲しいが、現在では黒で大きなサイズしか残っていない。また、通気性と肌離れを確保するためか肌触りも今一つで、ざらっとした硬い感触がある。Arc'teryxには似た素材でmotusという別のシリーズもあるが、そちらは滑らかな感触らしい。しかし、そちらは通気性があまりなく夏は暑いとの評判だ。
ASICSの方は売りのACTIBREEZEテクノロジーによるメッシュパターンがある意味大胆過ぎて、見た目に恥ずかしさを覚える向きもいるかもしれない。場所によっては1㎜角以上の大穴が多数空いていてスケスケである。遠目にはそんなに目立つとも感じないが、ランニング中は良くとも、家の中でカジュアルに着ていたりすると何か指摘されるかもしれない。またトレイルランニングなどでは、穴に木の枝や尖った葉っぱなどが引っ掛かるおそれもある。