概要
PixInsightで星景写真に星図を書き込みたい、あるいはSPCCで色合わせをしたい、という方にとって、朗報です。Manual Image Solver(MIS)が使いやすくなって帰ってきました。
MISは画像の星を手動で選択して、プレートソルブを行うツールです。広角で撮影された天体写真は、周辺の歪みが激しいために全自動のImageSolverではほとんどプレートソルブができません。そのためPixInsightには、手動で画像を解くことができるMISが用意されていました。ところが、ver. 1.9あたりのアップデートでMISはなぜか廃止されてしまい、それ以来、広角の画像をプレートソルブできない状況が続いていたのです。
Manual Image Solverを復活させてくれたのは、日本初のCertified PixInsight Developerに認定されたysmr3104さん(さとしさん)です。ありがとうございます!
この記事ではさとしさんによる、Manual Image Solverを紹介します。
導入方法
PixInsightのResourcesメニューから"Manage Repository"を実行してリポジトリに
を追加してください。そのあと同じくResourcesメニューから”Check for update”を実行してPixInsightを再起動すると、スクリプトがインストールされます。成功すれば
Script>Astrometry
にManualImageSolverが追加されています

こちらが実行画面です

Manual Image Solverの使い方
すごく簡単です。スクリプト画面上でめぼしい星を選択して、星の座標を登録していきます。満遍なく星を選択したら、右下の"Solve"をクリック。成功したらば"Apply to Image"を押せば完了です。プレートソルブの情報が画像に書き込まれます。
詳しくは、さとしさんのgithubに説明がありますので下記のリンクをご覧ください。
実際に使ってみました
スクリプトはとてもユーザーフレンドリーに作り込まれています。下の画面は実際にMISで星を指定している様子です。画像の星をクリックして、右側のメニューからその星を検索、ダブルクリックで星の座標を書き込んでいきます。

正確にプレートソルブするには、なるべくたくさんの星を指定した方がベターですが、これがちょっとめんどくさいんです。便利なことに、さとしさんのMISはいくつかの星を選択してSolveを行えば、周辺の星の推定位置をオレンジで示して星を探す手間を省いてくれます。同時にプレートソルブの精度の確認にもなります。
Solveが成功したらApply to Imageをクリックすればプレートソルブの情報が画像に書き込まれます。あとはスクリプトを閉じて大丈夫です。
下の画像は、同じく
Script>Astrometry
のAnnotateImageスクリプトで星図を書き込んだ様子です。うーんええ感ええ感。

Annotate Imageのトラブルシュート
MISではなくてAnnotateImageスクリプトにバグ?があり、星図を書き込むとグレーの画像や色が変になった画像が出力される場合があるようです。
その時は、AnnotateImageのインスタンスを書き出して(例の三角マークをワークスペースにドラッグ&ドロップ)、スクリプトを閉じ、インスタンスを画像にドラッグ&ドロップすることでカラーの画像が出力されます。
またAnnotateImageの"Apply STF before annotation"や"Drop shadow"をオフにすると解決したという情報もありました。

おわりに
いやー、それにしてもすばらしい。
以前のMISは、星図を生成して、手動でアライメントして、それから解く、って3ステップの手続きでかなり大変だったんです。
これに比べて、さとしさんのMISはとても使いやすくなっています。
もう一つ、密かなメリットがあって、MISを使い込むと2等星の名前を覚えられるんです。そうすると
「ほら、Alderraminの西側あたりですよ。」
なんて会話が星仲間と成立するようになって、とてもお得です。赤道儀で2starsや3starsのアライメントをするときもスムースになりますね。
顧問は覚えてる星が少ないので、どんどんつかっていこうと思います
