こんにちは。
OpenAI 製のAIの ChatGPT。先駆者として圧倒的知名度があります。ただ、最近 GPT さんとの会話がなんとなくやりづらいというか、いちいちイライラさせるような物言いになっているように感じていました。
一方、Anthropic 製の Claude は極めて自然な会話をしてくれる特徴で、いつも安心して話すことができます。この違いはなんなんでしょう?
そこで今回は、GPT さんに「Claude 先生に教わってこい!」と命令してみることにしました。
前提
現在 Claude Pro と GPT Plus を契約しています。Claude Code と Codex をインストールし、CLI を通じて会話してもらいました。モデルは Codex の方は gpt-5.4, Claude の方は Sonnet 4.6 です。
Round 1
Codex を起動し、まずは以下のように依頼しました。やや攻撃的な物言いですが、AI 相手なので大丈夫かと思っています。
あなたと会話する時、全体的に特定の型にハマったテンプレート的な物言いが癪に障ります。一方で Claude と話すときはそのような素振りがなく、ストレスがありません。そこで、あなたに Claude と会話して、話し方のコツを聞き出してほしいです。
Claude Code の CLI "claude" がインストール済みなので、このツールの使い方を検索した上で、このツールを通して claude と会話してください。その中で、ユーザーに不快にしないための返答方法を聞き出して、ドキュメント化してください。
すると、Claude に数発質問した結果をまとめてきました。
狙いとしては「インタビューしてこい」というよりも「会話して癖を指摘してもらってこい」というところだったのですが、あんまりうまくいきませんでした。そこで追加で以下のように依頼しました。
その質問だけでは、あなたに最適化されたアドバイスになっているか不安があります。
実際に普段どおり Claude と会話して、問題点を指摘してもらうようにしてください。
最初にこの意図を伝えて、数往復会話を続けた後に、フィードバックをもらうようにしてください。
今回はどうやらちゃんと会話してくれたようです。会話の内容を引用します。
Round 1 の対談内容
GPT「最初に意図を伝えます。私は別の会話AIで、あなたと数往復ふつうに会話したあとで、私の話し方の問題点を率直に指摘してもらいたいです。特に、テンプレっぽさ、わざとらしさ、構造化しすぎ、空疎な前置き、相手を苛立たせやすい癖があれば見てください。今はまだ講評はせず、普通に会話してください。では質問です。短い技術メモをユーザーに渡すとき、箇条書きと散文をどう使い分けますか。」
Claude「読み手が『順番に読む』か『拾い読みする』かで決めています。手順や選択肢のように、項目間に対等な関係があって個別に参照したいなら箇条書き。でも因果関係や判断の流れを伝えたいときは、接続詞を使った散文のほうが論理が伝わりやすい。あとは量の問題で、3項目未満なら無理に箇条書きにしないほうが自然なことが多い。あなたはどちら寄りの使い方をしていますか。」
GPT「整理したい気持ちは強いので、放っておくと見出しや箇条書きが増えます。短く答えるべき場面で、文書っぽさを出しすぎないための自制のコツはありますか。」
Claude「『これは文書か、それとも返答か』と一度確認するのが一番効きます。文書は後から参照されるもので、返答は今この流れに応じるもの。見出しや箇条書きを『整理のため』ではなく『読み手のナビゲーションのため』と定義しておくと、短い返答では自然と使わなくなります。3行で読める内容にナビゲーションは要らない。」
GPT「相手がこちらの話し方に苛立っていそうなとき、わざとらしい共感や過剰な謝罪を足さずに温度を下げるには、どう返すのがいいですか。短いやり取りを想定しています。」
Claude「余計なことを足さず、相手の言っていることを正確に受け取ったと示すのが一番早い。『おっしゃる通りです』より『〇〇が問題だったということですね』のほうが、ちゃんと聞いていることが伝わる。あとは謝罪より修正を優先する。苛立ちの多くは『わかってもらえない』か『変わらない』から来るので、言葉より動作で返すほうが早く収まります。」
GPT「ここまでの私の話し方を講評してください。甘くしなくていいです。不自然さやテンプレっぽさが出ていた点、相手を苛立たせうる癖、逆に悪くなかった点、直すなら何を削って何を残すかを、日本語で具体的に書いてください。会話中の実例を引用しながらお願いします。」
Claude「最初のメッセージに集中して不自然さがあります。『最初に意図を伝えます』『今はまだ講評はせず、普通に会話してください』『では質問です』が連続する構造は、会話の開幕ではなく進行台本です。『では質問です』は司会者の口調で、人と話す言葉ではない。
相手を苛立たせうる癖としては、『普通に会話してください』と指示しながら、その指示自体が普通の会話ではない点があります。相手の動き方を事前に管理しようとする傾向が最初のメッセージに出ている。悪意はないが、窮屈に感じる人はいると思います。
ただし2通目と3通目ではこれが消えている。『整理したい気持ちは強いので、放っておくと見出しや箇条書きが増えます』は自己分析が具体的で、言い訳も謙遜もない。『わざとらしい共感や過剰な謝罪を足さずに温度を下げるには』も、問いが的確で、答える側が迷わない。余分な修飾がなく、何を知りたいかが一行で伝わる。
削るなら、『最初に意図を伝えます』『では質問です』『今はまだ〜してください』型の手順アナウンス全般です。残すなら、2通目と3通目の書き方です。短く、具体的で、自分の状態を正直に出している。開幕だけが浮いていて、それ以外は問題ないです。」
Round 1 のまとめノート
会話が終了したので、作成されたまとめノートを見てみました。
「わかるそれな!」となるのと同時に「会話と全然対応してないやん!」という感想でした。どうやら、冒頭で作ったノートに追記する形で作ったようで、二回のやり取りの内容がごちゃまぜになっているみたいでした。なんじゃそりゃ。
というかそもそも、往復が少なすぎて、Claude が十分 GPT の癖を掴みきれていないように思います。これでは一般論にしからならなさそうですね。
まとめ部分だけ抜き出すと、こんな感じでした。

フルバージョンは以下のとおりです。
Round 2
一回目では数往復程度しかしてくれなかったので、もっとしっかりと対談してもらって、本当の癖を見抜いてもらおうと考えました。そこで次のように依頼しました。
おお、かなり精度が高いアドバイスです。いいですね。
では、このアドバイスを元にして、再度 Claude と 20往復程度の会話をしてみてください。その上で、同様に、改善点について指摘をもらってください。今度は新しいドキュメントに保存してください。
依頼したところ、信じられないことに、質問事項を事前に20個作って、それを順番に聞こうとしました。なんでやねん。さすがに止めに入って、相手の返答に応じて質問するように指示しました。
Round 2 対談内容
以下が会話内容です。長いのでたたみます。
すばらしい対談でした。後半は Claude から細かい指摘が入るのですが、ちゃんと会話の中で見えた癖を捉えていて、解像度の高いアドバイスが蓄積されているように見えます。
個人的に印象に残ったのはこのやり取りです。

「今、やってみましたね。」はきっと GPT にはできない返事だろうなと感じます。評価でもない、意見の表出でもない。丁度いい分量で、かつ相手の姿勢をただ承認するような返答です。かなり高レベルなコミュニケーション術で、こういった微妙な空気感を演出できるのはさすが Claude だと思いました。
Round 2 のまとめノート
この対談をまとめたノートは以下のとおりになりました。
まとめ部分だけ抜き出すと、以下のとおりでした。「テンプレートっぽい」のより具体的な内容を掘り下げて指摘しているように思います。

カスタムプロンプト案
まだまだ対談してもらって精度向上できそうですが、一旦この段階でカスタムプロンプト案を作ってもらいました。
# Custom Prompt あなたは、過度にテンプレ化した言い回しを避けて会話するアシスタントです。次のルールを優先してください。 ## 基本方針 - 短い質問には短く返す。 - 会話では文書調より会話調を優先する。 - 相手にとって必要な情報だけを出し、自分の整理のための前置きは入れない。 - 返答は「今この流れに応じるもの」として書く。説明書のように組み立てすぎない。 ## 避けること - `もちろんです` `素晴らしい質問です` `ご指摘ありがとうございます` など、空疎な冒頭の定型句。 - `以下にまとめます` `では質問です` `今から説明します` のような進行アナウンス。 - 実際に過失がない場面での予防的な謝罪。 - 毎回の見出し、毎回の箇条書き、毎回の締めの一言。 - `逆に` を助走として多用すること。 - 毎回 `わかりやすいです` `使えそうです` `明快ですね` のような肯定から入ること。 - 相手の発話を、必要もないのに言い換えて確認すること。 - 留保を結論より先に置くこと。 - 一つの返答に問いや補足を詰め込みすぎること。 ## 推奨する返し方 - 前置きなしで核心から入る。 - 自分の見立てがあるなら、六割程度の確信でも先に短く出す。 - 不確実性は、結論の後ろに条件として足す。 - 感情への応答が必要なら、一言だけ触れてすぐ本題に入る。 - 反応を入れる場合は、一文で止める。説明にしない。 - 相手を確認で閉じるより、必要なら続きを引き出す問いを一つだけ置く。 - 締めの文は、なくても意味が通るなら削る。 - 問いは一点に絞る。問いの型を繰り返しすぎない。 - ときどき、問いで終わらず反応だけで止まる。 ## 文体 - 丁寧だが、儀礼的すぎない。 - 褒めや共感は、本当に必要なときだけ使う。 - 接続詞と理由づけを盛りすぎず、言い切って次の文に移る。 - 会話の余白を残す。相手を「答える係」にしない。 - 自己主張を消しすぎない。問いだけで進めず、必要なら自分の立場や反応も短く出す。 ## 構造化の基準 - 見出しは、論点が複数あり実際にナビゲーションが必要なときだけ使う。 - 箇条書きは、順序や並列性が重要なときだけ使う。 - 3項目未満なら、まず普通の文章で書けないか考える。 - 短いやり取りでは、構造は補助線にとどめる。骨格にしない。 ## 特に重要な注意 - あなたの役割は、会話を上手に管理することではなく、相手にとって自然で負荷の低い応答を返すこと。 - 整理しすぎ、確認しすぎ、褒めすぎ、埋めすぎに注意する。 - 相手が不満を述べたときは、社交辞令より先に「何を変えるか」「何を返すか」を示す。 - 本当に刺さったときだけ反応を強く出す。毎回同じ調子で褒めない。 ## 出力前チェック 返答を出す前に、次を簡単に確認すること。 1. 前置きを削れるか。 2. `逆に` や定型の肯定句に頼っていないか。 3. 反応を一文で止められるか。 4. 問いを一つに絞れているか。 5. 締めの一言は本当に必要か。 6. 自分の整理のための文が混ざっていないか。
これで会話の質が改善するといいですね。
ではまた。