桂代数Ⅱとは、下記の『代数学Ⅱ 環上の加群』(桂利行 著)です。
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これの第1章の章末問題のある問題を解いてみます。
問題
(26)
を環とする.
-加群
が有限表示 (finite representation) であるとは, 自然数
が存在して
なる完全系列が存在することをいう. が -加群の完全系列であるとき,
が有限表示の
-加群であれば,
も有限表示であることを示せ.
ひとこと
解答ページに書いてある通りなのですが、まとめ直したくなったので、行間をある程度埋めてみました。あと、 から
への写像は印刷だと
になっているのですが、解答では
になっていたので、誤植とみなして差し替えています。
解答
は有限表示なので、以下の図式のような自然数
および
-準同型写像
が存在する。

以下の図式を可換にするような -準同型写像
が存在することを示す。

の基底のひとつを
とする。
は全射なので、各
に対して
となる
が存在する。任意の
に対して
次に、以下の図式を可換にするような -準同型写像
が存在することを示す。

(※注:後の流れを追うために、この図式をメモっておくことをお勧めします。)
の基底のひとつを
とする。
なので、
が成り立つ。また
は全射である。よって各
に対して
となるような
が存在する。任意の
に対して
さて、-準同型写像
を
まず
最後に が全射であることを示す。
とする。
は全射なので、
となる
が存在する。
とする。
であり、かつ
は全射なので、
となる
が存在する。以上から