円錐、みなさんもご存知ですよね。そう、こんな図形です。

円錐を描くときは普通、底面に対応する楕円に書いて、その上に三角形の傘を描くと思います。こういう図を見取り図と呼ぶのでした。
ふと思いました。見取り図を二次元の図形と見たときの面積は、見る角度を変えるとどのように変化するんだろう?
ということで計算してみます。
見取り図の描き方
冒頭でも説明した見取り図の書き方をもう少し精密化すると以下のようになります。
- まず楕円を描く
- 円錐の頂点にあたる点を楕円の外に取る
- 頂点から楕円への接線を2本引く
この方法を使って、GeoGebra を使ってグラフ化してみると、以下のような感じになります。

グラフを構成する方程式
グラフを構成する式を整理しておきます。
楕円の長半径を 、短半径を
とします。このとき
です。長軸と短軸がそれぞれ
軸と
軸に重なるように座標軸を取ります。すると楕円の方程式は
第一象限にある接点の座標を
とすると、楕円上にあることから
円錐の頂点に対応する点は、2つの接線の交点なので、連立方程式
面積の計算
では見取り図の面積を求めていきましょう。求める面積を と置きます。見取り図は左右対称なので、右半分を求めて、最後に2倍する作戦にします。
まずは以下の斜線部分の面積を求めます。これを と置きます。

いろんな求め方がありますが、ここでは積分を使います。斜線部分の上側の直線の方程式は、先ほど述べた接線の方程式を変形すると
斜線部分の 座標の範囲は
なので、
は
以上から
楕円の右半分の面積は なので、結局全体の半分の面積は
ひとつの円錐を斜めから見る
見取り図の面積の公式が得られたので、与えられた円錐を斜めから見ることを考えます。
底面の半径を 、円錐の高さを
とおきます。底面の中心と頂点を結ぶ直線に対して、視線の向きがなす角の大きさを
とおきます。水平より下から見上げるときの見取り図は、同じ視線で反対側から見下げたときの見取り図と (隠線かどうかを除いて) 一致するので、見下げる角度だけ考えれば OK です。そのため
の範囲は
とします。
下図のように、円錐に対して斜めから光を当てて、スクリーンに影を投影することを考えます。このときスクリーンには、見取り図を塗りつぶしたような影ができます。この図から、見取り図の底面の短半径は 、頂点の
座標は
と分かります。

また、これまでの公式を使うためには、頂点の影が楕円の外側に出ている必要があるため、 が必要です。これを満たさない小さな
の場合は、影は底面の楕円のみになります。以下、しばらく
が満たされる場合を考えます。
前節までの記号との対応関係を取ると、以下のようになります。
を
を使って表すために、すこし式を整理します。まず
が楕円上にある式
これより
また については
となることから、逆三角関数
以上をまとめると
最後に となる小さい
の場合を考えます。この場合は単純に楕円の面積になるので
グラフにする
式は求まりましたが、複雑すぎて全く挙動がわかりません。そこでグラフを描いて雰囲気を見てみることにします。
その前に、無次元化をしておきます。長さパラメーターとして を使って、無次元化面積を
、無次元化高さを
とおきます。
が大きいときは
まず のときは以下のようになりました。赤線が小さい
に対応し、青線が大きい
に対応します。頂点が低く、ほぼほぼ楕円の面なので、赤線でほぼ決まってしまいます。

次に の場合は以下のようになりました。先ほどよりは、尖った部分からの寄与の存在感があります。

もうすこし大きくして とすると以下のようになりました。青線部分が単調減少ではなくなり、青線の最大値が赤線の最大値を超えました。

もっと大きくして とすると、青線が完全に支配的になりました。このケースでは、真横から少しだけ傾けた角度が最大になるようです。

まとめ
計算した結果、以下のような傾向が見られました。( は底面の半径,
は円錐の高さ)
が小さいときは、ほぼ底面の効果で決まるので、真上から見るのが面積最大。傾けると単調に面積が小さくなる。
が 2〜3 付近で単調性が破れ、極大点が2つになる。特に3付近になると、大きい
側が最大になる
がもっと大きくなると、ほぼ横向きですこし傾いた角度が最大になる。
意外と複雑でおもしろい挙動でしたね。
ではまた。