桂代数Iとは、下記の『代数学I 群と環』(桂利行 著)です。
www.utp.or.jp
これの第1章の章末問題のある問題を解いてみます。
ひとこと
略解を読んだものの、前半部分 (位数3の巡回置換の存在を示す部分) がちゃんと証明になっているのか自信がなかったので、アウトラインを参考にしつつ、証明を自分で作り直してみました。
定義・事実
以下の定義はテキストを参照してください。
また (したがって
) の単位元を
とします。
定義1.巡回置換
,
に対し、
が相異なるとき、これらの置換は互いに素であるという。
注: 独自用語です。多分一般的な用語ではない。
以下は証明なしに用います。
事実2. 互いに素な巡回置換
に対し、
が成り立つ。
事実3. 巡回置換
の位数は
である。
事実4. 任意の置換
は互いに素な巡回置換の積として表現できる。すなわち
と書ける。ただし のときは
とする。
解答
かつ
なるものをとる。前半で
が位数3の巡回置換を要素に持つことを示し、後半で
の生成元が
に含まれることを示す。
前半
に対して
が最小となるような
をひとつ取る。事実4により、以下のように表現できる。
【各巡回置換の位数は一定であることの証明】
とする。
は
の部分群なので
である。もし
が一定値でないならば
であり、
が成り立つことが事実2,3より従う。これは
の取り方と矛盾する。したがって
が成り立つ。
【 であることの証明】
と仮定する。互換は
に含まれないので
であり、
である。一般に、相異なる
および
に対して
さらに、一般に相異なる に対して
【 であることの証明】
一般に、相異なる に対して
以上から となるような
が存在することが示された。