こんにちは。
あなたにはこんな経験はありませんか?いつかできるようになりたいのに、いつまでもうまくいかない。何度も挑戦を繰り返しては、その度に挫折してしまう。
私にとって Vim コマンドがそのひとつです。使いこなせれば便利そうだし、使いこなせる人はかっこいいと感じるのですが、毎度覚えられず挫折しています。
一方で、同じように「学習が大変だ」とよく言われる Rust については、挫折することなく楽しく書き続けています。
「なぜ Rust ができて Vim コマンドはできないのか」と考えていると、だんだん「挫折を乗り越えるためのノウハウが、実はもう自分の中にあるのではないか?」と思うようになってきました。
そこで今回は、独学で挫折せずに前進し続けるにはどうすればよいかについて、整理してみることにします。さらにそれを踏まえて、自分が Vim コマンドを身につけるためのヒントを探します。
なぜ独学は難しいのか
大抵の場合、何かを習得できるかどうかは、あなたが時間と労力をどれだけ注いだかで決まります。つまり量が大切です。
しかし「よし!じゃあとにかく勉強だ!」で勉強できる人は稀です。だからこそ何度も挫折しているわけです。
独学する人の前には3つの壁があります。
①時間・体力の壁
仕事や家事をこなしていると、あっという間に一日が終わります。へとへとの中、なんとか勉強時間を捻出することになるので、時間的にも体力的にも大変です。
②効率の壁
独学だと自力で情報を集める必要がありますが、資格予備校と比べると、どうしても効率で劣ってしまいます。効率的にポイントをついた学習の難易度は高いでしょう。
③モチベーションの壁
独学ということは、自分を拘束して無理やり勉強させてくれる他者がいないということです。自分で自分を奮い立たせるのはなかなか大変です。
特に独学で一番対策が大変なのは③です。遊びたい盛りの中高生の多くが勉強できるのは、学校や塾といった強制力がしっかり働いているからです。何も無い状態で9教科独学しようと思っても、相当高いモチベーションがなければ継続は至難の業でしょう。知識や技能の習得において、強制力はとてつもない価値なのです。だからこそ予備校は経営できるのです。*1
では、強制力がない中でどうやって結果を出していくか。主体は自分しかいないわけですから、自分でなんとかするしかありません。具体的には、以下の二つをコントロールしていくことになるでしょう。
- 自分に対して強制力を働かせる自分
- 自分で進んで勉強したい自分
この記事では「自分で進んで勉強したい自分」をサポートする方法について述べていきます。というのも、私自身、自分に対して強制力を働かせるのが非常に苦手で、到底高い山を超えるパワーはないと感じるからです。きっと、私と同じように感じる人も多くいると信じています。
モチベーションを上げるためには
モチベーションの分析
実は、進んで勉強したい自分を元気にするための原則は至ってシンプルです。
- 感情にマイナスなものを減らし、
- 感情にプラスなものを増やす
これだけです。
勉強に際して、感情にマイナスなものとプラスなものを探して、代表的なものをピックアップしてみましょう。
- プラスなもの
- 新しい知識が面白い
- 成長を感じられる
- 見える世界が広がる
- マイナスなもの
- 内容が分からない
- 間違えて×ばかりでつらい
- 何回やっても覚えられない
- 体力が削られる
- 他の好きなことが犠牲になる
プラスが抽象的なのに対し、マイナスは具体的ですね。これらに対して「私ならこうする」という方法を紹介します。
マイナスを減らす方法
先程の各項目に沿って考えてみます。
- 内容が分からない
→勇気をもってレベルを下げます。一時的に進みが遅くなるようにも思えますが、モチベが上がる分、むしろ推進力は増すはずです。 - 間違えて×ばかりでつらい
→おそらく自信が足りていません。自分は「やればそのうちできるようになる」という自信が強いのであまり感じませんが、仮にこう感じたら半分以上○になるぐらいのレベルに落とします。それでも辛いなら8割ぐらい分かるところまで落とします。 - 何回やっても覚えられない
→覚える範囲を絞って、反復回数を増やします。なにかを覚えるためには、脳が「これは生きるために必要な知識だ」と認識する必要があるので、100回でも200回でも反復したほうが記憶に定着しやすいです。記憶術はかなり深いテーマなので、書籍を調べていろいろテクニックを試すのも大事だと思います。 - 体力が削られる
→机に座ってテキストを開かなくてもできるやり方を増やします。スマホアプリだったり音声を聞いたりする形なら、寝転びながらでもできるので、体力が厳しくても取り組みやすいです。 - 他の好きなことが犠牲になる
→勉強自体を好きになれば部分的に解決です。人生の時間は限られているので、好きなことを全部ずっとやるのはそもそも無理です。「自分は好きな勉強を選んでやっている」という自己認識になれば、ハッピーになれます。しかし、他の好きなことが「自分はこれが生きがいなんだ」と感じることであれば、勉強なんてしている暇はないはずなので、そちらを優先すると思います。
プラスを増やす方法
先程の項目はいずれも抽象的なものだったので、具体的な方策はかなり文脈依存になります。すこし見方を変えて、「自分にとって感情をプラスにするものは何か?」を考える方法について考えてみましょう。
一番のヒントは「自分は何をしているときに一番ブチ上がっているか?」です。これは本当に人それぞれ全く違うでしょうし、複数思いつく人も多いと思います。もし「自分はオタク気質だ」と感じているのであれば、超ラッキーです。なにかに熱中できるということは、脳の報酬系がフルに動くスイッチを持っているということです。うまくそのスイッチを見つけて、勉強中に押すことができれば、無敵モードになれます。
以下、ゲームが好きな人を例として考えてみます。
- タイムアタックが好き
→「時間制限のプレッシャーの中でうまくやるのが楽しい」と解釈できそうです。タイマーで時間を測って、何かしらの形で成果を測定すれば、きっと楽しくなります。測定の仕方は、進んだページ数、覚えた単語数、テストの正解数などがありそうです。 - 長考するゲームが好き
→「頭の中で思考している時間が好き」と解釈できそうです。問われていなくても常に理由を考えるようにすれば、きっと楽しくなります。理由がないものについても、こじつけで理由のようなものを考えると、かなり応用が効きそうです。 - RPGのストーリーが好き
→「物語が好き」と解釈すると、まとめノートでストーリーを紡いでいくと楽しめそうです。また、できた内容を人に話したりブログ記事にしたりするのも有効でしょう。アウトプットするときには自然とストーリーを作ることになるので、楽しめると思います。 - RPGのレベル上げが好き
→「単純作業を繰り返して前進するのが好き」と解釈すると、シンプルな練習問題をひたすら反復するのが向いていそうです。また「レベルが上がった」という報酬も大切なので、反復してどれぐらい自分のレベルが上がったのか、成果が数値で見えると、より楽しめそうです。 - 実績解除が好き
→「決められた小目標を消化するのが好き」と解釈できそうです。学習する内容を細かい ToDo リストに分解しておけば、まさに実績解除のように楽しく取り組めると思います。また、学習記録をつけるのも効果的でしょう。達成した実績が可視化されてモチベが上がります。 - 攻略情報を調べてその通りに進めるのが好き
→「マニュアル通りに作業をするのが好き」と解釈できそうです。マイナーな対象でなければ、大抵誰かが「ぼくのかんがえたさいきょうの進め方」みたいなものを書いています。そういうもののうちからひとつ決めて、丁寧になぞると楽しめると思います。 - インターネット対戦が好き
→「他の人と競争するのが好き」と解釈すれば、同じ目標を持つ仲間を見つけるのが効果的そうです。できれば同様に競争が好きな相手であれば、互いに「今度は負けないぞ」と切磋琢磨できるでしょう。ただ、独学だとそういった仲間を見つけるのが難しい場合も多いです。その場合は「普通の人ならどれぐらいかかるのか」といった数値を調べておき、その数値と競争すれば、擬似的に「他者との競争」を演出できるかもしれません。
以上のように、ゲームが好きと言っても、どのような側面が好きなのかによってやる気スイッチの位置は異なると思います。いろいろ言葉を言い換えてみると、きっとどこかでヒントが見つかるはずです。
一方、直接的には活かしづらいものもあります。例えば「食べるのが好き」「酒を飲むのが好き」「寝るのが好き」などです。もし活かし方が思いつかないのであれば、他の「ブチ上がり行動」を掘り下げるとよいでしょう。どうしても他がなさそうなら、ご褒美として利用する手もあります。スタンプカードを作っておき、勉強したらスタンプを押し、スタンプが溜まったら○○というお店でご飯を食べる、などが考えられそうです。
Vim をどう学習していくか
以上を踏まえて、私が Vim をどう学習していくのがよさそうか考えてみます。
まず現状の Vim の学習の壁は「満足に使える状態になるまでコマンドを覚えるのがしんどい」でした。マイナスを減らす観点からいうと、これは「覚えようとしている量が多すぎる」のが問題でしょう。また、これを裏返せば「コマンドを使って動かすのが楽しい」となりそうなので、実用的な数コマンドに絞って練習するとよさそうです。
また自分の好きなことを分析すると、以下の 3 つを思いつきました。
- 楽器の練習が好き
- 理論化するのが好き
- おしゃべりが好き
「楽器の練習が好き」は「繰り返し練習して高いクオリティを目指すのが好き」と言い換えられそうです。覚えるコマンド数を絞った上で、それらについては完璧に体で覚える状態を目指すとよさそうです。
「理論化するのが好き」を活かすのであれば、ただコマンドを丸暗記するのではなく、コマンドの覚え方やコマンドの法則性をまとめるのが良さそうです。
「おしゃべりが好き」は「他の人と考えを共有するのが好き」と言い換えられそうです。Vim の話を誰かと積極的に話すと、よりモチベの向上に繋がりそうです。
まとめ
この記事では、独学の難しさのひとつであるモチベーションの維持に焦点を当てて、自分なりの考え方を整理しました。さらにそれを応用して、Vim を習得するための作戦を考えてみました。かなり具体的に作戦が決まったので、満足しています。
モチベーションを維持・向上する方法は人の数だけあると思います。しかし、同じ人であれば別の内容でも応用が効くことが多いと思います。自分自身のやる気スイッチを見つけておき、それを押す練習をしておけば、高いパフォーマンスを楽しく出せるようになるはずです。
ではまた。
*1:もちろん、難関資格を受ける上では、②も重要です。事実上、予備校に通わないと合格できない資格というものもたくさん存在します。しかし、もし仮に試験の効率的な対策法だけを教わることができたとしても、それだけで勉強を継続して合格できる人は一握りでしょう。やはり「予備校」という環境によって、強制的に勉強する効果は絶大だと思います。