以下の内容はhttps://skipturnreset.hatenablog.com/entry/2024/12/27/152512より取得しました。


話数単位で選ぶ、2024年TVアニメ10選

「話数単位で選ぶ、2024年TVアニメ10選」への参加記事です。

現在は個人ニュースサイト「aniado」さんが集計されている企画 で。
過去、2014年2017年2020年2021年2022年と五回参加させて頂いています。

 

話数単位で選ぶ、2024年TVアニメ10選」ルール

・2024年1月1日~12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。

・1作品につき上限1話。

・順位は付けない。

 

規定に従い以下、順不同です。

1:『小市民シリーズ』9話「スイート・メモリー(前編)」

2:『ガールズバンドクライ』11話「世界のまん中」
3:『響け!ユーフォニアム』3期12話「さいごのソリスト
4:『負けヒロインが多すぎる!』5話「朝雲千早は惑わせる」
5:『無職転生』2期22話「親」
6:『推しの子』2期17話「成長」
7:『義妹生活』9話「義妹 と 日記」
8:『逃げ上手の若君』9話「わたしの仏様」

9:『ダンダダン』7話「優しい世界へ」
10:『変人のサラダボウル』7話「姫とこたつ」「異世界人の戸籍問題」「姫と馬」

 

1:『小市民シリーズ』9話「スイート・メモリー(前編)」

監督:神戸守
アニメーション制作:ラパントラック
脚本:大野敏哉
絵コンテ:神戸守
演出:新井美穂
作画監督:大河内忍、香田知樹、池津寿恵、宮田かんち、川上暢彦、赵煜恵、廖菲、胡雲涛

総作画監督:具志堅眞由
放送日:9月8日

9話全体を通じ、ひたすら主役二人がその場で対峙し言葉の戦いを繰り広げる。

罠に掛けた狼への勝利を確信し決戦の場に訪れた狐は会心の推理を披露し……ものの見事に覆され、醜態を晒した後。全ては狼の掌の上に過ぎなかったことを完全に悟り、うなだれ、ため息を漏らす。

 

圧巻の迫力の会話劇、鮮烈な決着、卓抜な演出。

TVアニメにおける会話/推理劇、ミステリ描写の一つの指標になっていきそうな話数だったかと思う。

十数年に渡り読み続けてきたシリーズ小説について、こうして素晴らしいアニメ化が為されてくれたことに、感謝に堪えない。羊宮妃那さんによる小佐内ゆきはかけがえのない名演かとも思う。

 

なお9話(、10話)で明瞭に示されたように小佐内ゆきは恐るべき「狼」ではあるけれど。無闇に攻撃的・暴力的な存在などではなく。
作中において"小柄で童顔な少女は何かと侮られ、不当に扱われる"といったことも随所に示されている中、小佐内ゆきの復讐はそうした不条理な社会や人間から自らの尊厳を護る戦いという側面も強くあるだろうことは非常に大事であるかと思う。

 

ブルーレイ3巻、特典ブックレットの神戸守監督、シリーズ構成=大野敏哉、遠藤一樹テレビ朝日プロデューサー鼎談では原作で「小佐内さんの心の内が描かれない」ため推測していくしか無く、そこが難しいと重ねて話題とされた上で。

神戸「小市民になろうと二人で決めたけど、自分の意思で動ける小鳩と、過去のある一件でできたしがらみを倒さねば穏やかになれない小佐内、その背景の違いはとても意識しましたよね。『夏期限定』が終わらないとスタート地点にすら立てない。そこまではとにかく必死である。そんな小佐内像を確立するまでかなり時間がかかりました」

とあったのが印象的だったりもした。

心の尊厳だけでなく、身の安全も確保する必要を感じ、それに迫られ安らげず「とにかく必死」だったいう小佐内ゆきの人物像かと思う。

 

■アニメ(1期)全体については、

■原作小説については、

■各話の描写・表現についての細かい話等は、

でそれぞれ紹介・解説・感想等をまとめている。

 

2:『ガールズバンドクライ』11話「世界のまん中」

監督:酒井和男
アニメーション制作:東映アニメーション
脚本:花田十輝
絵コンテ:酒井和男
演出:平山美穂
放送日:6月15日

ベスト話数が8話なのか10話なのか、この11話なのかはすごく悩ましい所。

あまりにも鮮やかすぎる転機の回であり、仁菜の台詞があまりにも完璧だった8話か。井芹仁菜というキャラクターのこれまでとこれからを見事に描いた上で、1話の上京と多くを経ての帰郷/帰京との対比も鮮やかに決めてみせた10話か。

安和すばるのあまりにも安和すばるらしい決意の姿、ルパのキャラクター像、きっとトゲナシトゲアリの5人に勝るとも劣らない濃密な時間を過ごしてきたと感じさせる新生ダイヤモンドダスト四人の見事な「ロック」魂と挑戦状、それを受けてのトゲナシトゲアリのライブもまた圧巻だった11話か。

 

悩ましいけれど、やはり映像として、音楽として、演奏する姿としてトゲナシトゲアリ……そして新生ダイダス、特にヒナというキャラクターの在り方(ひいては対になる井芹仁菜の在り方)を見事に描き抜いてみせた卓抜さから、11話を選びたい。

濃密極まる話数なので細かく書いていくとキリがないので幾つか抜粋して書くと、例えばトゲトゲのライブ描写については(勿論ギターの弦一本一本まで細かく動かす演奏描写の凄さ等もあった上で)以下の諸々が目を引いたりもした。

 

そして新生ダイヤモンドダストの「Cycle Of Sorrow」。

ガルクラのキャッチコピーである「怒りも喜びも哀しさも全部ぶちこめ」を体現してみせていたのは、トゲナシトゲアリだけでなくダイヤモンドダストもだった、ということを鮮烈に示したライブ場面。

ヒナは仁菜の(かつての)親友に相応しい正論モンスターであり、どのように自らの正論を、自分の「正しい」を貫いてみせたのかを、この「Cycle Of Sorrow」の場に全部ぶちこんで示して見せている。

「Cycle of Sorrow」、その中でも特に

四面楚歌で笑い合う 君の不気味な視線に 狂い合いたいけど それだけじゃ埋められない

は2024年のアニソンの中で圧倒的に印象に残った一節だった。

 

『ガールズバンドクライ』という作品全体について改めて書くと。

話が進んだ後に改めて過去の話を見返すと、それこそ1話アバンからしてまるで見え方が違ってくる、たとえば2話のシーリングライトぶん回しが、いかにイジメ事件のトラウマ刺激されての井芹仁菜の普段通りではない異常行動だったか等も分かる。

"手のつけようのない「狂犬」のような井芹仁菜"などというキャラクターははじめからどこにもいなかったことが分かりもする。

そうして観ていくことで、キャラクターがどんどんと魅力的に立ち上がってくる。

そんな構成にも非常に大きな特徴があったかと思う。

 

また、ガルクラでは細やかな感情表現やライブ描写を実現したCG描写・演出が大きな話題ともなったわけだけれど。
様々なwebインタビューや雑誌等の記事、「あにつく2024」といったイベントでの情報などを追ってみるとわかるのは各々十二分に蓄積ある超優秀な人たちが歴史と蓄積ある東映アニメーションという会社のバックアップと、平山理志プロデューサー&酒井和夫監督&シリーズ構成花田十輝等の中核メンバーの肝の座った覚悟の下、効率化なんてできることはしまくった上で、ひたすら工夫しアイディアを出し試行錯誤し手間をかけ。関わる皆ががんばってがんばってがんばって5年以上がんばり抜きました……といった経緯になり。なにやらわかりやすい成功のコツといった話が入り込む余地がほとんどなさそうでもあった。すごいものだなと思う。

 

 

 

3:『響け!ユーフォニアム』3期12話「さいごのソリスト

監督:石原立也
アニメーション制作:京都アニメーション
脚本:花田十輝
絵コンテ:小川太一
演出:山村卓也
作画監督:髙橋真梨子、引山佳代

総作画監督池田和美
放送日:6月23日

 

1期1話から諸々原作小説と微妙な違いをにじませつつ描かれてきた物語はその積み重ねがあまりにも見事に、この3期12話での原作改変、強烈なアニメオリジナルの展開に結実するものとして全貌を顕にしてみせた。

1期の高坂麗奈が感じていた「悔しさ」を感じられなかった自分を変えたいと願った黄前久美子は、こんな形でこの3年間を必死にやってきたからこそ感じる……アニオリ展開から生じた敗北の「悔しさ」に涙した……そうすることができた。

そして敗北の理由と、そこから毅然と立ち直り向き合って見せられた理由が共に続く13話で明かされた(こちらは原作通りの)黄前久美子の選ぶ進路、生き方、在り方と不即不離に繋がってもいる。

アニメ化における、原作の展開や出来事の改変というテーマにおいて、一つの記念碑的な作品になったのではないかとも思う。

 

決選投票にもつれ込んだ所から完全アニオリ(原作だとあっさり久美子がソリ選出)であるわけだけれど、投票の結果だけでなく、主要キャラクター一人一人の投票時の様子も精緻な描写を見て取ることが出来、たまらなく面白いところだと思う。

またこの作品は全体にそうなのだけれどアニメ版と原作小説で結構キャラクター像が異なる所、特に黒江真由はおよそ別人といった趣もあるのだけれど、そこもまた(賛否両論は勿論あるだろうところとして)興味深いところかとも思う。

諸々について、詳しくはこちら。

 

ところで2024年の花田十輝先生の活躍はなんともすさまじい限り。

上記に加え更に『ラブライブ!スーパースター!!』3期、『戦国妖狐 千魔混沌編』も手掛けていたわけで。

 

4:『負けヒロインが多すぎる!』5話「朝雲千早は惑わせる」

監督: 北村翔太郎
アニメーション制作:A-1 Pictures
脚本:横谷昌宏
絵コンテ:小原正和
演出:河野亜矢子
作画監督:滝山真哲、相音光、茂木眞一

総作画監督川上哲也
放送日:8月11日

 

画面の「色」の見事さ、画の綺麗さかわいさ、キャラクターデザイン、原作の良さとアニメ化にあたってのその脚色、主要人物たちの魅力、凝りに凝ったOP/ED映像、各話及び全体の構成、抜群のコメディ、メリハリのあるシリアス描写、劇伴、背景美術、プロップデザイン、舞台となった愛知県豊橋市との様々な連携……どんな方面においても素晴らしく、今年のTVアニメ作品のベストに挙げる人も数多いかと思う(個人的には『ガールズバンドクライ』『小市民シリーズ』と甲乙つけ難い)。

どの話数も面白く、例えば5話,11話,4話,3話,7話,12話,1話のいずれを選んでもこうした10選で当然に1枠を占めるに相応しいと思えもする。

 

それでもあえてひとつを選ぶなら、遠野ひかるさんの名演もあり圧倒的なコメディの輝きを放ったこの場面を含む5話を。

何よりもまず観て楽しく笑えることにおいて、この作品は今年一番のTVアニメだったかと思えるので。

 

またA-1Picrures菊池雄一郎班の『負けヒロインが多すぎる!』、CloverWorks梅原翔太班の『逃げ上手の若君』は北村祥太郎監督、山﨑雄太監督といずれも初監督作品である中で1話から最終回まで非常に充実した映像の話数が途切れず続いた様子からは、単体の作品に留まらないそれぞれの会社及び名物プロデューサーの幾年にも渡る積み重ねの成果という趣も強く感じられもする。

菊池・梅原両プロデューサー(及び関連スタッフ)は作品放送中、各回毎にX(Twitter)上で関係スタッフと担当箇所の紹介を詳しく公開してくれることも特徴で、それらを観ていくことで優れた作品がどのように優れた人たちがどのように努めた結果そうなっているのかの一端を窺え、一層思えたりもする。

各回毎の感想まとめには

そうした情報も作品を観ていく面白さの重要な一部分として、各話感想冒頭に入れていってもいる。

 

5:『無職転生』2期22話「親」

監督:渋谷亮介
アニメーション制作:スタジオバインド
脚本:漆原虹平
絵コンテ:白井宏旨
演出:邱家和、秋山泰彦
作画監督:田和寛、泉坂つかさ、世良コータ、嶋田聡史

総作画監督:五十子忍

放送日:6月17日

 

まず、明確な戦術と戦術目標を設定した上での役割分担がはっきり分かるパーティ戦闘描写が素晴らしい。ヒュドラの首を斬る、その首を燃やし再生を防ぐ、牽制する、攻撃を防ぐ盾になる、負傷した者を回復する……明快な意図が非常に緊張感溢れる構図と動きの中で繰り出される、見ごたえのある長いバトル場面。

この作品のアクション面の守護神・邱家和さんが原画だけでなく、秋山泰彦さんと共に演出にもクレジットされてた。

この話数の放送後、多くの海外アニメーターアカウントが「今回演出の邱家和さんにスタジオを誘われいただき、原画に参加することができて、誠に光栄です」と同じ文面を投稿しており、どうも邱家和さん当人の原画・演出等に加え、その人脈や評判が大いいに活かされた回でもあったらしい。

 

そして激戦の勝利とその後の安心と虚脱、喪失の重み。この作品の大きなテーマであり続けている「家族」の描写においても鮮やかな回だった。

ノルンとルーデウスの和解を繊細に描き抜いた17話と共に、非常に優れた話数だったと思う。

 

6:『推しの子』2期17話「成長」

監督:平牧大輔
アニメーション制作:動画工房
脚本:田中仁
絵コンテ:猫富ちゃお
演出:猫富ちゃお
作画監督山本恵美里、稲手遥香、渡部里美、谷口淳一郎、水野公彰、室賀彩花、立口徳孝

総作画監督:渡部里美    
放送日:8月7日

 

『推しの子』2期12-20話の2.5次元舞台篇では舞台をどうアニメで描くかを見事に表現し。その上でアート映像風の心象表現も組み合わせた演出が圧巻だった。
中でもベスト回はメルトに制作陣入魂の活躍をさせた17話「成長」だったかと思う。

 

Newtype2024年8月号での潘めぐみ(有馬かな役)✕石見舞菜香(黒川あかね役)インタビューの中で

「「2.5次元舞台」編」を演じる……「内山昂輝さんが言ってたんですけど、2次元の原作コミックのなかに描かれている2次元のコミックを2.5次元舞台にしたものを、アニメで私たちが演じる。これはいったい、何次元なんだろう?と(笑)」

といった話が提示されてもいた中で。
17話Aパートは「2.5次元の舞台とは何か」を示すことに徹した演出となっていた。その示し方の徹底ぶりがまず凄い。
IHIステージアラウンド東京の幕をスクリーンにして映像を映し出す演出、ライティング、ワイヤーを明示したワイヤーアクション、舞台上の立ち位置と動き、舞台で響きを意識した音響、等々……素晴らしかった。この回以降、アニメでの2.5次元舞台の様子の描写がこれを基準にして観てでもいかれるようになってしまったら、後の人たちはさぞかし大変だろうなと思えたりもする。
その上でBパートでのメルトのドラマ、特に「一ヶ月をその感情を掘り下げることに費やした」と語る「悔しさ」の表現は2.5次元の舞台演出とはぜんぜん違う、メルトの内面の劇としてめちゃくちゃ力を入れた映像で示してみせた。

 

ちなみに作品全体のバランスに目を向けると。

17話でのメルトの半生をかけ、一ヶ月の稽古をその1分だけのために注ぎ込んだ渾身の演技は強烈に感情を乗せた見事なもので、メルトはその時舞台の主役だった……「全員が平等の演出」の中で一旦、"その日の主役"の座にすら座って見せるような一分を演じて見せたわけだけど。

それも18話、天才役者黒川あかねが子どもの頃から抱え続け、そのために努力を重ね待ち望んで望んで望み続けた末にぶつける演技には当然に"その日の主役"の座を譲る……その上で有馬かな、星野アクアの華々しい見せ場が重ねられていく……原作漫画ではおそらくそういう劇全体の流れの構図だったのかなと思える。

つまりアニメ版ではそういう流れを考えると"メルトの1分"をちょっとあまりに見事に演出しすぎていたかな……とは思えなくもないのだけれど。

しかし、そういうバランスを崩してでもなおメルトに肩入れしたくなる気持ちはそりゃあすごくわかるし、その上であまりにも見事で楽しく素晴らしい場面だったから、あえてそうする/そうしてしまうだけの価値は十二分にあったかと思えるし、そうしたあるいは踏み外した逸脱や過剰さすら、かえって大きな魅力の一部になっているかとも思える。

「私たちは!この作品が!そして中でも鳴嶋メルトというキャラクターが!!大好きだ!!!」という制作陣の強烈な思いが伝わってくるような話数。

 

ところで最近の動画工房作品は『夜のクラゲは泳げない』の毎回放送後のスタッフ参加スペースの様子等もそうだったけれど。

『推しの子』関連でも主要スタッフのSNSアカウントから非常にスタッフ同士の中が良さそうな……"終わらない文化祭"といった感じの並外れて良好な空気が伝わって来続けていたのが印象的でもあった。

 

7:『義妹生活』9話「義妹 と 日記」

監督:上野壮大
アニメーション制作:スタジオディーン
脚本:広田光毅
絵コンテ:上野壮大
演出:上野壮大、小林美月
作画監督:張昀、太田衣美、澤田知世、日下岳史、宮川智恵子、Rad Plus、スタジオCL、無錫月霊動画

総作画監督:仁井学
放送日:8月29日

 

最初から最後まで真摯に貫かれた浅村悠太と綾瀬沙季、義理の兄妹となった二人の「すり合わせ」。その上で互いに「期待」を向け合う、そうすることを自分自身に許した二人。
静かな「音」の表現、光の陰影、ゆったりと必要な「間」をとった会話劇、ここぞという時の長回しの多用、リアリティを求めつつしばしばあえて現実から離した表現の頻出……『義妹生活』は非常に大胆で特徴的な演出に貫かれた異色で真摯な傑作だった。

絵コンテ・演出をこれがTVアニメ初監督作となる上野壮大監督はじめごく少人数で固め、総作画監督はずっとキャラデザも担当の仁井学さん。

大胆な構図の数々等様々な挑戦があり。かつ「何のために挑戦し、巧くあるか」に極めて意識的な作品だったと思う。こうでないと描けないキャラクターとその繊細な心情、どこまでもそれに寄り添うためのアニメーション。

特にそれまで積み重ねられた二人の関係の(ひとまずの)総決算という趣があった9話は、描写・演出においても卓抜。見ごたえに溢れた話数だった。

 

8:『逃げ上手の若君』9話「わたしの仏様」

監督:山﨑雄太
アニメーション制作:CloverWorks
脚本:枦山大
絵コンテ:今井有文
演出:今井有文
作画監督:コーコラン健太、永山歩美、冨田真理

総作画監督:西谷泰史
放送日:8月31日

 

前述の通り『逃げ上手の若君』はCloverWorks梅原班の幾年にも渡る蓄積が全話に渡る充実した内容に繋がっている作品と思える中で。
この9話は絵コンテ・演出に今井有文さんを迎え、こちらのまとめに収録した今井さん自身のアカウントでの投稿にもある通り、

(梅原班の面々に加え)witスタジオの作画、株式会社モーションアクターの面々のモーションアクター等も加わり、時行の分身場面の「トータル動画枚数11000枚超え」といった華やかなアクションをはじめした見せ場に溢れた傑作回。
それこそもう手を合わせて拝むしかないような、ずっとカメラワークと作画が良すぎてとんでもなかった話数。映像の凄まじさが描くべきものとちゃんと合致もしていた。

この作品は全体にコミカルな軽さも、凄惨なシリアスも自由自在。表現手法の多彩さも、精緻さも面白さも盤石というものだったけれど、その中でも一際華麗な回だったかとも思う。

 

なお、CloverWorksとWIT STUDIOの協業としてはなんといっても『SPY×FAMILY』の事例が有名。
両社とも優れたクリエーターが集い実績豊かな制作会社だけれど、それでも単独でなく手を組むことに多くのメリットがあり、こうした取組もその一環ということらしい。
『あにつく2024』の基調講演(小松田大全浅野恭司WIT STUDIO取締役/アニメーター)中武哲也(WIT STUDIO取締役/プロデューサー)、瓶子修一)でも『SPY✕FAMILY』劇場版の商業的大成功はTVシリーズ2期から間をおかず劇場公開できたことも明らかに大きく、それは協業があってこそできたことだった、という話題も語られていた。

 

9:『ダンダダン』7話「優しい世界へ」

監督:山代風我
アニメーション制作:サイエンスSARU
脚本:瀬古浩司
絵コンテ:榎本柊斗
演出:松永浩太郎
作画監督:榎本柊斗

放送日:11月15日

 

描くべき心情、キャラクター、出来事を最小限の台詞を交えて最初から最後まで圧倒的な構図、動き、色彩で描き出す。

最後の抱擁やバレエの回転と流れていった時間・思いの表現もだけど。悲嘆と動揺を描き抜く一人称視点の走り場面はとりわけ凄かった。

 

正直に言えば作品全体はやや個人的な趣味嗜好から外れるところがあり、全体に非常に質の高いTVアニメだとは分かりつつも、あまり好きだとは言えないのだけれど。

この7話くらい更に突出した映像としての素晴らしさをぶつけられてしまうと、この回ばかりはその凄みと面白さに押し流されもするし、この年のTVアニメの優れた話数という括りにおいて外すわけにもいかない。

 

 

10:『変人のサラダボウル』7話「姫とこたつ」「異世界人の戸籍問題」「姫と馬」

監督:佐藤まさふみ
アニメーション制作:SynergySP、スタジオコメット
脚本:平坂読
絵コンテ:葛谷直行
演出:宇根信也
作画監督:趙小川、陳玲玲、姜海華

放送日:5月17日

 

『変人のサラダボウル』は異世界からの来訪者も、社会の中のはぐれものや異端者たちも……様々な変人たちが岐阜を舞台にエキセントリックに好き勝手ふるまいつつ、華やかな成功や、貧窮や逮捕といった没落も織り交ぜともあれしたたかにしぶとく「日常」を過ごしていく、ゆるい中にもおおらかな器の大きさを感じさせた作品。

その中でも7話ラストの以下の場面とやりとりは作品を象徴するような、さりげない良さに溢れていた。古川慎さんはやはり凄いなあ、とも思う。

 

以下、余談。

■2024年TVアニメ10選に入れ切れなかった好きな話数・作品

次点(順不同)。

①『怪異と乙女と神隠し』9話「夢とダンスと付喪神

『ラブライブ!スーパースター!!』3期6話「タカラモノ」

③『〈物語〉シリーズ  オフ&モンスターシーズン』1話「つきひアンドゥ」

④『忘却バッテリー』11話「俺は嘘つきだ」
⑤『夜のクラゲは泳げない』12話「JELEE」
⑥『ぷにるはかわいいスライム』7話「Sweet Bitter Summer」
⑦『戦国妖狐 千魔混沌編』6話「雲の上まで」
⑧『先輩はおとこのこ』12話「本当のぼく」
⑨『疑似ハーレム』12話「物語の始まり」

⑩『真夜中ぱんチ』4話「次の企画の主役はwho?」
⑪『異世界失格』11話「君の物語を書き終えるまでは、死ぬわけにいかない」
⑫『最弱テイマーはゴミ拾いの旅を始めました。』1話「ひとりの旅へ」
⑬『杖と剣のウィストリア』7話「十二の氷秘法」

 

■劇場映画、配信

今年も配信専門でも面白いアニメは幾つもあり。

特に

■『ARCANE(アーケイン)』シーズン2

は2021年のシーズン1に続き必見と言えるだろう素晴らしさで。

 

Netflix配信の『機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム』

や『BEASTARS FINAL SEASON』『T・P・ぼん』等も注目すべき作品だと思う。

 

劇場アニメも傑作ぞろいで、実写とあわせて観た作品のベスト10を選ぶと自然とアニメ映画が多く入ってくることにもなったりした。

■2024年に観た映画ベスト10

①劇場版ウマ娘プリティーダービー新時代の扉
②ソウルの春
③ラストマイル
④ルックバック
⑤マッドマックス:フュリオサ
⑥きみの色
⑦侍タイムスリッパー
⑧化け猫あんずちゃん
⑨トラペジウム
⑩ロボット・ドリームズ

 

 

■2024年好きなアニソン

①Cycle Of Sorrow/ガールズバンドクライ11話挿入歌
②つよがるガール/負けヒロインが多すぎる!OP
LOVE 2000/負けヒロインが多すぎる!1-4話ED
④雑踏、僕らの街/ガールズバンドクライOP
⑤空の箱/ガールズバンドクライ
⑥おっちょこちょい節/怪異と乙女と神隠し9話挿入歌
⑦UNDEAD/〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズンOP
⑧鎌倉STYLE/逃げ上手の若君ED
⑨プランA/逃げ上手の若君OP
⑩君へ/真夜中ぱんチ4話ED
⑪ギミギミ/真夜中ぱんチOP
⑫我がまま/先輩はおとこのこOP
⑬あれが恋だったのかな/先輩はおとこのこED
⑭なんもない (feat. 星街すいせい, sakuma.)/トラペジウム主題歌
⑮ファタール-Fatal/推しの子2期OP
⑯晴る/葬送のフリーレン2クール目OP
⑰feel my soul/負けヒロインが多すぎる!8-12話ED
⑱運命の華/ガールズバンドクライ13話挿入歌
⑲ブラウス/疑似ハーレムOP
⑳未完成ランデヴー/かつて魔法少女と悪は敵対していた。OP
㉑イロドリ/夜のクラゲは泳げないOP
㉒Enemy/ARCANE(アーケイン)OP

 

 

以上です。

よいお年を。

 




以上の内容はhttps://skipturnreset.hatenablog.com/entry/2024/12/27/152512より取得しました。
このページはhttp://font.textar.tv/のウェブフォントを使用してます

不具合報告/要望等はこちらへお願いします。
モバイルやる夫Viewer Ver0.14