『コードギアス奪還のロゼ』最終幕ネタバレ感想(&同日公開『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト』についても少し)
奪還のロゼ最終幕。 pic.twitter.com/p579qE4ZEX
— 相楽 (@sagara1) 2024年8月2日
ヒロアカの岡村天斎監督映画を観る。 pic.twitter.com/wBbAGujhVZ
— 相楽 (@sagara1) 2024年8月2日
どちらもチネチッタのLIVE ZOUND版で封切り日に続けて観てきた。
で、まずは『奪還のロゼ』。
1:全体としてめちゃくちゃ好き。サービス精神溢れる傑作だと思う。
2:明かされたノーランドの正体と目的は率直に言えば、つまらなかった。ただし「何を描くか」などより「どう描くか」において非常に面白かった。
3:幾らなんでも自爆特攻、自己犠牲が好きすぎるのはどうかと思う。
1:全体としてめちゃくちゃ好き。サービス精神溢れる傑作だと思う。
なによりまず全体としてめちゃくちゃ好き。全編、サービス精神に溢れに溢れている。とにかく楽しかった。
形式としてたとえばTVアニメシリーズ、その劇場先行上映、あるいは劇場版映画……どういう形をとるのであれ。『コードギアス奪還のロゼ』くらい面白くあってくれるなら、喜んで(お金も)時間もかけて観る。
最初から最後まで、とても面白かった。
ただし、そういう全体的な好感を大前提とした上で……幾つか言いたいこともある作品ではあった。
2:明かされたノーランドの正体と目的は率直に言えば、つまらなかった。ただし「何を描くか」などより「どう描くか」において非常に面白かった。
まずはノーランドの正体と目的。
皇帝シャルルの老いと死から逃れるための身体の予備、クローン体。
望まぬ役割と与えられて生まれ、役割を果たさないまま打ち捨てられ、人類全体への軽蔑と憎しみに満ちた存在。
……これについては序盤からいろいろ考える中で割合最初の方に思いつくし一応検討はしたけど、その正体、目的、どちらについても「それだとつまらないだろ」と思って割とすぐ想定から外してたやつだったので「えー、そうなんだ」とは思えた。
ただ「何を描くかより、どう描くかが面白い」ということは一般論としてよくあることだし、この作品においては特にそうだったかとも思えて。
ノーランドが世界に放った「ロキ」がようするに殺人ルンバであるというの、その在り方がそのままノーランドの考え、思想、欲望、願望といったものをそのまま表現していたわけで、それは表現としてだいぶ面白かった。
また、ノーランドが駆る「ファールバウト」は北欧神話におけるロキ……父はアース神族の宿敵たる巨人、母はアース神族というハーフという特殊な出自のトリックスターで最終決戦「ラグナロク」では巨人側について戦うその神の、その巨人である父の名前であるわけで。その名前からしてノーランドの自認する立ち位置を象徴する存在でもある。
その「ファールバウト」がキャサリン・サバスラをはじめ人類とその機体でまともに戦おうなどとせず、人類の殆ど全てにとって手の届かない空/宙の高みにあって意思を持たない殺人掃除機を操りその「掃除」を見下ろし、周囲に自由な動きを不可能にするバリアを張り巡らせ、その全身の十数か所から近づいてきた相手の動きを停めてしまう光線を放ってくる……ようするに「うるさい、下等なハエどもが。消えろ。近づくな。黙れ。鬱陶しいから停まれ」と全存在をかけて訴える機体であるというのはなんというか、大変にわかりやすかったし、面白くもあった。
3:幾らなんでも自爆特攻、自己犠牲が好きすぎるのはどうかと思う。
七煌星団の窮地を救うのが大体味方の自爆という事実がきつくて…それだけ勝負にならない戦力差で戦い続けてるということでもあるし、ルルみたいにモニターが「LOST」で埋め尽くされる逆転もあり得ないんだなと。
— ぱすくろ (@zes_F) 2024年7月24日
犠牲を繰り返さないよう、指揮官としてスキルアップしたロゼを最終幕で見たいよ
『コードギアス奪還のロゼ』で「七煌星団の窮地を救うのが大体味方の自爆」という展開。"ギアスに強制されない自発的な意思により、自身を犠牲にしても誰かに希望を託す"という意味合いが大きい。ただ、それは分かるけど、さすがにそう毎回毎回やられると……とはやっぱり思うは思う。
— 相楽 (@sagara1) 2024年7月24日
つまり『コードギアス奪還のロゼ』全体の作劇の中で。
— 相楽 (@sagara1) 2024年7月24日
シザーマンが煽り、突きつけてきた「ギアスの力で得られる信頼などありはしない」に対置されるものhttps://t.co/vF8u3VMwQ6
という意味合いが大きいわけで。
この問題、最終幕でも解決されなかったし、むしろ悪化すらしてしまっていたなあ、と。
もちろん自己犠牲でない、人と人の信頼や情愛に基づく関係性とその価値、決断は随所に描かれてもいた。
まず第一にギアスが解けたアッシュがサクヤをこれからも助け、見定めていくと決めたのがそう。
サクヤとサクラの間の絆。
春柳宮サクラとキャサリン・サバスラの交流と絆。
ヴァルターのその母に捧げる忠誠のために娘にも向けられた忠誠。
ナラ・ヴォーンの行動を認め信頼で返した漣志郎。ロゼの通信要請に応じたナラ・ヴォーン。
ロゼとアッシュに命をかけて協力する黒の騎士団の面々。
ハルカと黒戸剣成……娘と父であり、団員と団長である2人。父は娘を愛し案じると共に認め、「必ず行きて帰ってこい」と告げて送り出す。
でも、それらを踏まえた上でもなお、なんというか「英雄的な自己犠牲」というやつが多すぎたし、肯定的に描かれすぎていたというか、だいぶ無批判なようには見えた。
勿論、誰も好きでそうしたわけではなく、そうしなければ当人含む皆が全滅したり深刻な被害が避けられない……当人はいずれにせよ(ほぼ確実に)死ぬ、という状況下のものではあったのだけれど(最後のアッシュにせよ、ああしなければサクヤは決して見過ごせず自らを犠牲にするしアッシュはそれを見過ごせず付き合うことになったので、いずれにせよ死んではいた)。
それにしても幾らなんでも多すぎだろ、とは思うは思った。
また第一話や最終話、それに「コードギアス」シリーズ全体を観ても作中世界はようするに命の価値が非常に軽く「当人にとって大きな意味のある死、価値があると信じて逝くことができる死」というのは作中キャラクターにとって(それぞれの境遇や価値観による違いは勿論あった上で)概ね非常に魅力的だろうといったことも分かる。
あと闇鍋はにわさんの感想記事
で触れられている「孤独の奪還」という視点もとても面白い(良い感想記事だと思う)。
ただ、それでもなお、なんというか構図としてアレ過ぎるだろうとも改めて思う。
対の関係に気付かなかったのですが、そこは確かに不満でしたね。手癖でやってるなら安直だし、意図的にやってるならなおまずい。
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2024年8月3日
地形なり陣形なりギミックなりその他戦術なりなんなり工夫して、バカの一つ覚えみたいな自爆特攻の繰り返しにしないでほしい、とはまあ、少し……
— 相楽 (@sagara1) 2024年8月3日
ロゼの知略も段々控えめになった印象がありますし、はい、全く……
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2024年8月3日
奪還のロゼ、ロゼは智略担当キャラクターだけど、実際の作戦が「爆弾の罠で被害を与えつつアッシュの圧倒的暴力で一掃/倉庫内に誘導した敵を爆弾で一掃/ハコウ爆弾(正式表記を教えて……)でダモクレスのフロートユニットを破壊」だから、もはや爆弾担当キャラクターという表現のほうが妥当だと思う https://t.co/f2QgrYvLIc
— 爆裂トマト (@extomato) 2024年6月10日
だって、作品終盤がどういう構図だったのかといえば。
「うおおお!人間を掃除すべきゴミ扱いして無人兵器で人類絶滅に乗り出したノーランド許せないぜ!
世界中の人間の力と意志を結集して対抗だ!
そこにブリタニア人も日本人も◯◯人も何も無い!!!
人類の敵ノーランド・フォン・リューネベルクに人間の意志と信頼の力と尊さを見せつけてやる!
いくぜ、自爆特攻!自己犠牲!!」
人間の力と意思とギアスでは育めない信頼の象徴が自爆特攻とか……そして最後のアッシュの自己犠牲とかで、それで本当にいいの?
命の価値が非常に軽く、「意味のある死」に飛びついてしまいがちな世界だからこそ……命の尊さ、その価値をそれこそ「奪還」してみせないといけなんじゃないの?
そう思えてならない所はかなりある。
それこそ第一幕からずっと思っていることではあるけど、例えば地形なり陣形なりギミックなりその他戦術なりなんなり工夫して、バカの一つ覚えみたいな自爆特攻の繰り返しにしないで欲しくはあったし。
なによりアッシュ・フェニックスはアレで死んで終わりではそりゃあダメだろう。
古川慎さんの言う通り(?)
『コードギアス 奪還のロゼ』 舞台挨拶 8:30回のキャストコメント(バルト9)
— ななお (@kanako17527) 2024年8月3日
その2(簡略)(大体こんな感じの事を言ってた)
※誤字脱字があったら申し訳ない🙏 pic.twitter.com/zDGOzGwG97
フェニックスなんだから、なんか適当に理屈でっちあげてでもなんでもいいから、早く復活して戻って来い。
「重護さんの気持ちが分かった」とか言ってる場合じゃない。
残される側の気持ちというのも少しは分かるべき。
いいから早く戻ってこい、この馬鹿。
コードギアス奪還のロゼの自爆特攻や自己犠牲好きすぎ問題。
— 相楽 (@sagara1) 2024年8月3日
最終幕観た時点より少しだけ時間経って……なんかますますアレだと思えてきたな……。
つまり、 https://t.co/6k9xzEbYS1
個人的には、続編で簡単にひっくり返せるよう見越した描写止まりで本気で悲しめないのが一番のネック。>RP
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2024年8月3日
令和に滝つぼ落命の類をやっていいのは同一作品内だけだと思う。メタ思考に慣れきった我々に「生きててほしいが無理だろ」と思わせてほしい。それを超えるから続編での復活は嬉しいのであって。
続いて『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト』。
ヒロアカの岡村天斎監督、ボンズ制作劇場アニメ。ベタなシナリオをベタにやり切りつつ「このスタッフ陣でアクション面白くなかったらむしろすごく驚く」というスタッフ陣揃えて、期待通りに冒頭から、それに以降も要所要所、大変楽しいアクションを見せてくれる。良かった。 pic.twitter.com/zMAv7ZZ0rU
— 相楽 (@sagara1) 2024年8月2日
「アクションを楽しむのに邪魔にならない程度にお話はある種ベッタベタな「マフィアのお嬢様と拾われた孤児出身の執事の忠義と恋の物語」としてまとめ、ダークマイトという胡乱でどうしようもなく小物でしょうもない、しょうもなさすぎてぶん殴って倒せばそれで終わり……という便利なやられ役も用意しました。素晴らしい心躍るアクションを存分にお楽しみ下さい」
ということに尽きる作品だったかと思う。
『僕のヒーローアカデミアTHE MOVIEユアネクスト』。
— 相楽 (@sagara1) 2024年8月3日
岡村天斎監督ボンズ制作勿論中村豊さんががっつり参加という上で、他にもずらりと並ぶ面子の中でも杉田柊さんは『ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉』での活躍が非常に印象的だっただけに、あ、こちらでもなんだ!と嬉しい驚きがあったりした。 pic.twitter.com/RDaZ1UMDJs
アニメージュ2024年 07月号https://t.co/ZX2iZfrcGA
— 相楽 (@sagara1) 2024年6月10日
ウマ娘新時代の扉、EDの原画クレジットで別格っぽく最初に一人一行で杉田柊、前並武志と並んだ二人が各々どのレース(のどこ)を担当してその個性を存分に示してもらっていたかを山本健監督が明示してる。あと色彩についての話が特に面白い。
『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト』本編感想はこうで。https://t.co/efxVo2KsTP
— 相楽 (@sagara1) 2024年8月2日
あと特典ブックの「教えて!堀越先生!『ヒロアカ』一問一答PLUS URTRA Ver.」はQ30.のエンデヴァーに関するやつが面白くて(?)良かった。分かってしまうけど、しかし、ダメ過ぎる。
ヒロアカ映画、『変なエンデバのカットが見てえ〜』『言うか言わないかで言うと、ギリ言わないセリフっぽいのを連発するエンデバが見てえ〜』という人にはおすすめです
— こんの(ダークあおの) (@aonokanso) 2024年8月2日
多分他も『ギリ言わなさそう』『さっきまでお前は何してたの?』みたいな謎のシーンがたっぷりあるので、そういうの好きな人向け
『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト』のエンデヴァーさん(及び精神攻撃くらって素敵な夢にドハマりしてた轟焦凍くん)を観る楽しみは、特典ブックの「教えて!堀越先生!『ヒロアカ』一問一答PLUS URTRA Ver.」のQ30.を読むことで「完成」されるよ。https://t.co/6hpNSfrfvG
— 相楽 (@sagara1) 2024年8月2日
とりあえずは以上です。