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『怖い絵 死と乙女篇』 カラーがきれい!文庫でお得!

『怖い絵 死と乙女篇』中野京子

<怖い絵>シリーズの3作目。とってもお得な文庫版です(カラー満載680円!)。
1作目はこちら。2作目「泣く女篇」はこちら

今作の収録作は以下22作。

レーピン『皇女ソフィア』
ボッティチェリヴィーナスの誕生
カバネル『ヴィーナスの誕生』(文庫オリジナル)
ベラスケス『フェリペ・プロスペロ王子』
ヨルダーンス『豆の王様』
レオナルド・ダ・ヴィンチ『聖アンナと聖母子』
ミケランジェロ『聖家族』
セガンティーニ『悪しき母たち』(文庫オリジナル)
伝レーニ『ベアトリーチェ・チェンチ
ルーベンス『メドゥーサの首』
アンソール『仮面にかこまれた自画像』
フュースリ『夢魔
ドラクロワ『怒れるメディア』
ブリューゲルイカロスの墜落』
レッドグレイヴ『かわいそうな先生』
フーケ『ムーランの聖母子』
ベックリンケンタウロスの闘い』
アミゴーニ『ファリネッリと友人たち』
ホガース『ジン横丁』
ゲインズバラ『アンドリューズ夫妻』
ゴヤマドリッド、一八〇八年五月三日』
シーレ『死と乙女』

レッドグレイヴ『かわいそうな先生』は住み込みの女家庭教師ガヴァネスを描いたもの。出自はレディ(働かなくて良い身分)なのに、働かざるを得ないという矛盾。使用人やメイドとも異なる、もちろん雇い主(上流階級)とも異なる、どこにも居場所がない身分。キュリー夫人シャーロット・ブロンテも務めた職業ですね。

ゴヤマドリッド、一八〇八年五月三日』はナポレオンのスペイン侵攻による、理不尽なレベルの一般市民殺戮を描いたもの。
この傑作との対比でマネ「マクシミリアンの処刑」(1868)のダメっぷりが登場するのですが、この構図は『名画で読み解く ハプスブルク家12の物語』ですね。セットで覚えると便利!

シーレの『死と乙女』のモデルは、シーレ自身と、彼が身勝手に捨てた恋人ヴァリ。絶望的な表情をしているのは捨てられる女ではなく、捨てているシーレである。
中野さんはその目をレーピン『イワン雷帝とその息子』の子殺しをした雷帝に重ねている。確かに。
ちなみに個人的にはイヴァン・クラムスコイ『荒野のイエス・キリスト』に似ていると思った(悪魔の誘惑と苦悩しながら戦っている。だいぶ人間臭い表情のイエス)。
余談に余談を重ねると、この荒野のキリストを中野作品のどれかで読んだはずなのに、本棚の蔵書から見つけられず。整理整頓ができなすぎて辛い…。




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