ポッドキャスト「コテンラジオ」で「項羽と劉邦篇」を聞きまして。
めっちゃ楽しかった!
鴻門の会は抱腹絶倒でした。
しかし「項羽と劉邦」という単語は知っていても、「楚漢戦争」とか「覇王別姫」とか正式名称(?)に近い表現は全然知らなかった。なんなら虞美人は夏目漱石の作品名(正しくは『虞美人草』。もちろん読んでない)だと思ってました。花の名前じゃないの?
私は大人になるまで三國志の内容も知らなかったのですが、「項羽と劉邦」は、もっと知らんのだ。なんで開き直っているのかわからんが。
ここは素直に御大の名作を読もう。というわけで、司馬遼太郎の『項羽と劉邦』全三巻をまとめ買い&まとめ読みです。
司馬遼太郎御大、久しぶりだな〜。
やっぱり文章が読みやすくてすらすら頭に入るし、司馬先生に言われると全てが史実な気がしちゃう。こうやって私の脳内に司馬史観が形成されちゃうんだなあ。と思いつつ、おもしろいのでぐいぐい読む。
劉邦の「巨大な虚無」という表現、なるほどと思います。
「懐が深い」「度量が大きい」では言い表せない劉邦のダメな部分と凄い部分がよくわかる。
『泣き虫弱虫諸葛孔明』(酒見賢一)の劉備のダメっぷりも爆笑しましたが、これはシバリョーの劉邦を意識していたんだな。
あと項羽は埋めすぎですよね。
司馬先生の筆もふるっています。
殷の遺跡や始皇帝陵墓などの事例を引きながら中国史は大量の人間を埋めがち、という説明をする。
「阬」(あなうめ)という漢字一文字で「大量の人間を生きながらに埋める」意味になるあたり、規模がすさまじいな!と思います。
特に項羽は、すぐ「阬」する。
その対比として劉邦が優しく見えるから、民衆に支持されたのもむべなるかな。
あと、しょっちゅう煮殺すんだよなあ、とも思っていましたが、下巻になると酈食其(れきいき)が斉王に煮殺されているので、項羽の持ちネタではなかった。
小説だとゆっくり向き合えるので、「コテンラジオ」では省略されていた彭越(ほうえつ)、蒯通(かいとう)、鍾離眜(しょうりまい)がどんな立ち位置でどんなキャラなのかがわかって、良かった。
ちなみに虞美人の詳細は史実では何も残っていないらしいので、彼女の描写は司馬先生の「小説」なのである。
と知っていても、なんというか、「ふーん、こういう女性だったのかあ」「最期はこうなのね、悲劇!」と感じてしまう。
恐るべし司馬史観!
(もしくは私の影響されやすさが恐るべしである)
なにはともあれ、上中下巻一気読みであります。
楽しかったな!