以下の内容はhttps://siyuiisi.hatenablog.com/entry/2025/05/07/115905より取得しました。


『感情教育』 感情を教育されても成長しない主人公はこちら

感情教育
ギュスターヴ・フローベール 訳:生島遼一

 

1869年に発表されたフローベールによる長編小説。私が読んだのは1971年初版、岩波文庫
始まりは1840年のパリ、「平民王」と呼ばれたルイ・フィリップによる七月王政期です。自由主義政策、ブルジョワ王政、反カトリック主義がキーワード。反勢力は共和派、ボナパルチスト、正統王朝派がいる時代。
そんなパリにやってくるのが貧乏貴族の大学生であり、『馬車が買いたい!』の「我らが主人公」の一人、フレデリック・モロー。

 

このフレデリックくん、オープニング早々に出会ったアルノー夫人に恋をします。そして上巻の150ページくらいまで、ぐだぐだと夫人への恋心をこねくり回します。
勉強もしないし仕事もしないし叔父の遺産を期待しつつの貧乏暮らし。話も進まない。おいおい、やばい主人公だな。お前、上下巻ずっとこの調子か?(この調子です)

 

恋はぜんぜん進まないのですが時は流れ、第二部では2月革命(1848年)勃発。民衆の蜂起、市民が王宮乱入してパリ市内を占拠(フランス市民は地元を荒らしがち)。その後の第二共和政はいまいちうまくいかず、1852年、ナポレオン3世による第二帝政へ。
という動乱のなか、フレデリックくん、ぜんぜん成長しない。それどころか、恋はへたくそだし金の使い方もセンスないし仕事しないし心が狭いままだし。お前、さてはずっとこの調子なんだな、わかったよ!と、読者(私)の方が諦めました。そのブレなさはすごいよ!ほめてないけどな!!

 

フローベールは資料主義の作家でもあり、歴史的背景や描写の正確さが有名(対照的な作家がゾラ)。もちろんこの時期のパリ動乱を実際に生きた人でもある。
ので、普通選挙を求める気運や、2月革命の王宮乱入の描写はリアリティがあります。若者の政治批判も表現が細かいなあ、と感心してしまう。歴史をもっと勉強すれば、こういう角度でもさらに楽しめるんでしょうね。

 

個人的にはバルザックのスピード感と色んな人間性が見れる作風の方が好きです。
が、フローベールは何度も読む系なので、今後、スルメのように旨みが出るかもしれません。フレデリックの印象が変わるなら、それは楽しみではある!




以上の内容はhttps://siyuiisi.hatenablog.com/entry/2025/05/07/115905より取得しました。
このページはhttp://font.textar.tv/のウェブフォントを使用してます

不具合報告/要望等はこちらへお願いします。
モバイルやる夫Viewer Ver0.14