『海の帝国: アジアをどう考えるか』白石隆
植民地時代から現代にかけての
東南アジア事情を書いた一冊。
ラッフルズという人物から始まるのがいいですね。
父親がイギリス系の商人(?)で、
ジャマイカ沖の船上で産まれたと言われる人物。
なので、イギリスの東インド会社社員として
植民地執政官を務めていた人物ですが、
イギリスで暮らしたことはあるのかな?というくらい
東南アジアの人でもある。
シンガポールを「建設」したと言われており、
有名なラッフルズホテルの縁の人。
のっけから面白い人を出すなあ、と。
当時の植民地運営に関しては、
たくましい中国系商人の協力が必要だったそうで。
いわゆる華僑ですね。
他にも苦力(クーリー)として出稼ぎに来たまま定着し、
多言語を操るため重宝される人々も多かった模様。
東南アジアの島々は、
イギリス、オランダ、フランスなどが
奪い合ったり利権をせめぎ合ったりして
植民地化が進む一方、
東アジア、中国と日本のことですが、
どちらも閉じる政策によって
植民地化を奇しくも避けていたとのこと。
とはいえアヘン戦争や黒船襲来で扉がこじ開けられたあとの
挙動や行く末は周知の通りだけれど、かなり異なる方向。
東南アジアから世界を見る視点は新鮮で、
なるほどなあ、と思う一冊。