『パリ左岸のピアノ工房』
T・E・カーハート
村松潔:訳
作者の「大人になってから」のピアノ体験記。
ピアノだけでこんなに書くことある?というページ数ですが、
全編ピアノのお話しです。
ピアノが弾けなくても楽しめるピアノエッセイ。
アメリカからパリに移り住んだ作者が、
裏道にひっそり存在する中古ピアノ店に入るところから
始まります。
一見さんお断りのピアノ屋に、まずは客として認められるのが
第一歩である。
って、パリっぽいよなあ。
パリのことよくわからんけど。
無事に中古のベビーグランドピアノを買い、
学び直す過程で、子供時代のレッスンの思い出も綴られます。
ピアノの喜びを教えてくれる良い先生もいれば、
権威主義でスパルタの、相性が悪い先生もいる。
私は、ピアノの才能どころか、そもそも音感が無さすぎて
レッスンで辛いことの方が多かったなあ。
と、我が身を振り返る。
ちなみに私の歌(ジャイアンレベルで凄い)は
超狭い一部友人の間では伝説である。えへん。
フランス人は議論が好き、というエピソードは
『パリの国連で夢を食う。』でもまったく同じ話があったので、
ひとつの真理なのかもしれません。
ピアノの歴史や、メーカーの違いなどの豆知識も豊富。
ピアノの誕生はバッハと同時代だったので、
バッハがメインで使っていたのはチェンバロだったとか。
おもしろいですね。
「ゴルトベルク変奏曲」もチェンバロのための曲だったらしい。
ピアノ曲の代表みたいなイメージでした。
へえ〜。
良い文章。
良いストーリー。
本当にノンフィクションかな?と思うけど、
作者の想いを綴った雑記ということで良いと思う。