『f植物園の巣穴』梨木香歩
『椿宿の辺りに』を読んだ勢いで、再読しました。
ぜんぜん覚えてなかったけど(ゆえに?)
楽しかったです。
自然豊かな日常と、
ちょっと奇妙な出来事と、
怪異に戸惑いつつも淡々と暮らしを営む主人公。
ザ・梨木さんらしい世界観の作品。
1行目から不思議なトーンで始まるけれど、
初っ端からすでに、巣穴に落ちていたんでしょうね。
気付いたら日が暮れていたり、
歯医者で犬が働いていたり、
唐突に不思議なことが起きるけれど
主人公はなんだかんだで日常を生きていく。
私だったら、とりあえず歯医者は変えるけどなあ…。
痛そうだし。
時代としては昭和初期ですかね?
再読して改めて感じたことだけれど、
主人公の「ちょっと古い亭主関白」感覚は
気になると言えばなる。
まあ、時代的にもこんなもんかと思えば、そうなんだけど。
不思議状態に巻き込まれているのに
洋食屋のレシピ(美味しかったらしい)を聞いちゃうとか
真面目に抜けている感じは、すごく良い。
この主人公「サタトヨヒコ」のひ孫が
『椿宿の辺りに』の主人公・山幸彦のようです。
前半、
ふと気付いたら女物の草履を履いていたようだ、
というエピソードが出てくるのだけど、
これ、最後に意味わかるんですけど、ゾクっとします。