『十字軍物語』を高テンションでガツガツ読みつつ、
川上弘美『大きな鳥にさらわれないよう』を
オヤツのようにつまんでおりました。
遠い未来を舞台にした短編集です。
一本目の「形見」は、元々は、
岸本佐知子編集の『変愛小説集 日本作家編』のために
書かれたものだそうです。
その独立した短編から世界を膨らませて、
一冊分の連作を綴ったそうで。
その割には、一冊の小説として構成ができているというか、
お話しの環がキレイになっているというか。
すごいなあと思います。
短編ひとつひとつも、どれもこれも良い感じ。
さらさらとして、淡くて、ちょっと沁みる。
中盤のお話しは個人的にちょっと好みに合わないものも
あったのだけど、おしまいまで読んで、お話しの環が完成して、
やっぱり必要だったんだなあと思い直す。
一冊を読了して、読者の感想も完成するんだなと。
良い本です。
個人的には冒頭の「形見」が一番好き。
最終章「なぜなのあたしのかみさま」のエリとレマは
エリエリレマサバクタニですかね。
第44回 泉鏡花文学賞受賞作。