<読書メモ 2013年1月③ 浅田次郎2冊>
カッコ内は、2020年現在の補足コメントです。
『日輪の遺産』浅田次郎
おもしろい。いい意味での大衆小説家なんだなじろう。
(なんだかんだで、(浅田)じろりあんな私です。
これは、映画にもなった人気作ですよね。
93年初版の、作者の初期長編。
ご本人が「大幅に書き直したい」といっているくらい
細部や文体が荒かったりしますが、
それでも!一気読みできる!!
エンターテイナー浅田次郎節が感じられる
マジで良い意味でのエンタメ小説ですよ!!
校閲が趣味!みたいな文章の粗にこだわらない人なら、
一読の価値あり!
始まりは競馬場で、破産ギリギリだめオジサンから。
浅田次郎らしいなあ…。ほっこり。
で、小汚いおじいちゃんに親切にしたら、
戦後の財宝の隠し場所メモ?みたいな手帳を託され…。
そしてストーリーテラー浅田の本領発揮!
時空が飛んで、終戦間際の様々な人間ドラマが紡がれ、
パズルの様に繋がり、徐々に全貌が見えてきて…。
ああ楽しいっ!!
個人的にはプリズンホテルが一番好きだけどね!)
『蒼穹の昴』浅田次郎
途中から主人公の影が薄くなったな…。
中盤以降、ちょっとだれた気がする。
(とはいえ大作&名作ですよ!
清朝末期が舞台の歴史エンタメ小説。
直木賞の候補になったり、日中共同制作のドラマ化されたりしました。
主人公の二人は架空の人物。
貧しい子ども時代から、一方は宦官として、
もう一方は進士(科挙に合格しないとなれないアレ)として
紫禁城に仕えるようになります。
李春雲(り しゅんうん)・春児(チュンル)
梁文秀(りょう ぶんしゅう)・史了(シーリャオ)
文庫版四冊分、なかなかの時間を共に過ごすので、
主人公ふたりの名前とルビを見るだけで
なんだか懐かしい気持ちになります笑
話しが進むと、主人公の二人が大人になって
社会的な地位や人間関係も出来上がり、
激動の政治や時代に対してできることが少なくなってくるというか。
ちょっと影が薄くなる感はありますが。
西太后や李鴻章、袁世凱などの教科書でよく見る人々が登場し、
清朝末期の空気感や政情がよくわかります。
フィクション部分を見極めた方がいいけれど、
それでも歴史の勉強になる小説です。
一読の価値ありです!
シリーズというか、後日譚というか、スピンアウトというか、
って感じで『珍妃の井戸』『中原の虹』『マンチュリアン・リポート』
『天子蒙塵』があります。
が、春児と史了の成り上がってやるぜ!という
あの頃の胸にギュッと来る感じは取り戻せないですね。
『蒼穹の昴』がシリーズ内で最高傑作となります。
個人的にはプリズンホテルが一番好きなんだけどね!)