以下の内容はhttps://siyuiisi.hatenablog.comより取得しました。


『会話の0.2秒を言語学する』 トークが上手くなりたい。

『会話の0.2秒を言語学する』水野太貴

PODCAST番組「ゆる言語学ラジオ」パーソナリティーの水野さんの単著。
相方である堀元さんの本ばっか読んでいましたが、せっかくなのでこちらも読んでみた。

「ゆる言語学ラジオ」の台本は主に水野さんが書いており、この単著も彼らしい言語学愛にあふれた内容。

タイトルの0.2秒というのは、会話の話者交代にかかる時間だそうです。
つまり0.2秒の間に、相手のセリフを理解して自分の回答を用意しているわけで。
私の脳みそ、そんなにテキパキ働いてるか…?!と、興味が惹かれる良い主題。

この0.2秒のやりとりで発生している文脈を理解するために「語用論」から始まり、文章ってなんだ?ってことで「統語論」「生成文法」の話しをし、さらに単語レベルを考える「意味論」に触れ、会話で自然発生する「フィラー」まで語る。
これは、あれですね。
大人の自由研究だ。
内容は本格的だし、ちょっと難しいところもあるけど。

良い意味で、水野さんが好きな学問の興味ある部分を逍遥した一冊です。
「ゆる言語学ラジオ」で聴いたエピソードや文例もあったりして、「あー、これ、あれだ!」となります。どれがなにだって表現ですが。

とはいえ「ゆる言語学ラジオ」のお二人は、自称「おもしろ説明おじさん」である。
学者の論を翻訳するのとか、解釈するの、すごくお上手なんですよ。
めちゃくちゃわかりやすい!
さすがです!!

個人的には、第一章の語用論の研究者ジョン・オースティンの説の翻訳がわかりやすくて良かった。
「ことばって、(中略)事実そのものを伝えることってめっちゃ少ない」
「発話って、事実を伝えるというよりは、それを通して聞き手や世界へ働きかけている」
確かに〜!!
例題の「この部屋、ちょっと寒いな」というセリフは、事実を伝えるよりも温度調整の「提案」「要求」を働きかけているわけだ。
この「言語行為論」は、文法のルールや法則を解き明かすのではなく、それを通じて実現される働きかけに注目するアプローチ。
私は門外漢ですが、マニュアルより現場主義って感じで納得感が高かったです。

ちなみにジョン・オースティンの本業は哲学者。
ご本人の新書を渡されても一生読まないし、読んでも理解できないと思う。
ありがとう、おもしろ説明おじさん!水野さんも堀元さんも年下だけど!!

意味が曖昧な文章の話しもおもしろい。
「警官は叫びながら逃げる男を追った」
どっちが叫んでるんだ?という。

西洋古典こぼればなし』の中にも、幸田文の作品に出る文章がどうしても翻訳できない外国語話者のエピソードがあっておもしろかったんですが。
修飾語がどこにかかっているのかわからん!という文章はありますよね。しゃべり言葉だとなおさら。

フィラーの解説も勉強になった。
リモート会議が増えた頃に録画で自分のプレゼンを見ましたが、私は「なんか〜」という言葉がめちゃ多かった笑
これはフィラーというより口癖なのかな。
しゃべりが上手くなりたい気持ちもありますが、録画した自分を見るのは嫌なんだよな笑

『お菓子でたどるフランス史』 ジュニア新書って読みやすい

『お菓子でたどるフランス史』池上俊一

岩波ジュニア新書!読みやすいのに骨太で学習に良い〜。
ありがたい新書レーベルなんです。
『砂糖の世界史』は本当に良い)

『お菓子でたどるフランス史』は、お菓子雑学が増えるといいなあくらいな気分で読んだのですが。
意外とお菓子知識も、フランス史も、ちゃんとしていた!骨太!
そりゃそうなんですが。失礼な感想である。

ワイン史でも活躍したベネディクト派。スイーツではその中でもクリュニー修道院が重要な役割を担ったそうです。
クリュニー修道院は910年にアキテーヌ公ギヨーム1世の肝煎りで設立。
領地から届く小麦、果実、乳製品で葡萄酒、パン、そしてお菓子の発展に貢献。
特にワッフルの原型になった「ウーブリ」はミサにも必要で、中世には好んで食べられたお菓子。初期は甘くなかったみたい。

11世紀は十字軍
当時、西洋より全然進んでいたアラブ文化がやってくるわけです。
砂糖菓子、ジャム、砂糖漬け果実などがフランスに登場。
そもそも西洋には砂糖がほとんどなかったから、十字軍国家はシリアのあたりでサトウキビの栽培をしていたそうです。それは知らなかった。

15〜16世紀はイタリア戦争。
フランスは戦争で得るものは何もなかったらしいんですが、すでにルネッサンスが花開いていたイタリアから文化と芸術の洗礼を浴びまくったらしい。
ちなみにフランスの戦績ですが、ナポリを4回征服しては失い、ミラノを6回制服しては失ったそうです。
最後にきっぱり諦めたのは偉いよ。他に褒めるとこないよ。
フランソワ1世は、芸術が権力と栄光の重要な要素となることに気づいた最初のフランス王。ダ・ヴィンチをパリに招聘もしている。
で、
1533年はカトリーヌ・ド・メディシスとアンリ2世の婚姻。
マカロン、アイスクリーム(シャーベット)、フォーク、香水がイタリアから到来。やったね!

17世紀のルイ14世絶対王政期に「美食のフランス」のイメージができる。
池田先生の書きっぷりが良い。以来、
P91.
世界中が、「フランス美食神話」によってたぶらかされつづけている

だそうです笑
フランス、意外とグルメじゃない説、あるよね。

18世紀パリで活躍した伝説的菓子職人アントナン・カレームは、フランスの美食外交を体現したような人でもある。
政治家タレーランに重用されて、ナポレオン期の外交で食卓を彩る。ナポレオン失脚後のウィーン会議でも腕を振るったそうです。「会議は躍る」のやつ。ごはん美味しかったら長引くよなあ。ロシアのアレクサンドル1世にも招かれる。
晩年はジェームズ・ロスチャイルド家の料理人に。食材に出費を惜しまないので楽しかったみたい。

19世紀の共和政期には、王族貴族の館から街に出た料理人によるレストラン、菓子店がパリに増える。バルザック、ボードレールはそんなパリを食べ歩くのが好きだったフラヌール(散策者)。
サヴァラン、デュマは歩いたかどうかはわからんが美食家で有名。

サヴァランは美味しいよね。
あとラデュレのマカロン、好き。
ところで私が子供の頃にも一度マカロンが流行ったんですが、その頃のマカロンって美味しくなかったですよね?

『物語 食の文化』 食文化のおつまみ本

『物語 食の文化 ―美味い話、味な知識―』北岡正三郎

様々な国や時代の食文化を辞書的にまとめた一冊。
通読というよりも、興味ある項目をつまみ食いすると良いと思います。

以下、読書メモ。

・海藻を食べる国は少ない(日本、韓国、中国、イギリス)。
日本では縄文初期の遺跡からも発掘されているし、『万葉集』にも海藻を詠んだ歌があるらしい。日本人の海藻好きは古代からなんだな。私はあおさの味噌汁が好きだ。

・鳥の肉。
古代ギリシア、ローマではキジ、白鳥、孔雀、フラミンゴなどの豪華な外見の鳥が宴席で好まれた。中世ヨーロッパでも孔雀が好まれたが、見た目だけで肉は不味く、あまり食べられなかったらしい。エコじゃないですね。
他の本で江戸時代に将軍が鶴狩り(鷹狩りのテンションで)をしていたと読んだ記憶が。あまり美味しくなさそうだったけど、どうなんでしょう。

・おろすという技法は日本独自。西洋にも中華にもないと言われる。
大根おろしとかわさびとか。
ところで、ローストビーフに西洋わさびのすりおろしが添えられると思うけど、あれって例外?日本オリジナル?
もしやS&Bのチューブもないのかな(香辛料のチューブペーストは日本独特らしい、海外在住の友人に贈ってあげよう)。

・シナモンは、最も古いスパイスのひとつ。
中国では紀元前2700年の記録があり、地中海沿岸には紀元前8世紀に到達し『旧約聖書』に記されている。聖書はさておき、中国の記録の古さがやばい。

・美味いとは。
食べ物のおいしいまずいは「味」に加えて舌触りや喉越しなどの「テクスチャ」による。一説では35%の味と65%のテクスチャで美味しさが決まるという。
うーん、ほんまかいな。
さらに日本人の特徴として「粘り嗜好」があるらしい。
これは納得。とろろ+納豆+めかぶ+シソ+きゅうり+茗荷を混ぜてごはんにかけたやつ、永遠に食べれる。

『ルネサンスの歴史(上)黄金世紀のイタリア』 分裂国家の黄金時代だ

『ルネサンスの歴史(上)黄金世紀のイタリア』
モンタネッリ/ジェルヴァーゾ/訳:藤沢道郎

モンタネッリはイタリアのジャーナリスト。『ローマの歴史』でおなじみ。
『ルネサンスの歴史(上)』は、13世紀からコロンブスの新大陸発見(1492年)まで。決して統一国家になり得ないイタリアの分裂っぷりを描いた一冊です。
フランスはカペー朝からヴァロワ朝へと移行し、王権国家として固まりつつある時期。なんでイタリアは分裂したままなのか。と。

本の始まりはフリードリヒ2世の死(1250)から。
神聖ローマ皇帝にして、シチリア・ナポリ国王。というわけで教皇領を南北でサンド。イタリア統一までリーチだ!!
という偉業半ばで亡くなったのがフリードリヒ2世。
こうして13世紀イタリアは、教皇・皇帝・自治都市が三つ巴で争う分裂の世紀になる。

中世イタリアといえば自治都市ですよね。
海運大国ヴェネツィア、ジェノヴァ。
学問と聖堂があってなんとなくブランド都市なピサ。
内紛が名物な割に商売が強いフィレンツェ

と思ってたんですが、とにかく政情が落ち着かず治安が悪すぎて、市民はみな疲弊しており、安全が保障されるなら専制でも良いという機運もあったそうです。
例えばミラノのヴィスコンティ家、ヴェローナのデ・ラ・スカーラ家、フェラーラのエステ家などなど。『ルネサンスの女たち』にも登場した家ですね。

いずれにせよ公国や侯国レベルで、他の自治都市と同様の小国家が林立しているのが13世紀イタリア。

これ、教会が邪魔してるんじゃないか…?
と思ったところに登場するのがボニファティウス8世(在位1294―1303)。
憤死で有名な教皇ですが、さもありなんな人柄なのです。
現世利益を至上とし、天国を信じて金になるかと言い放ち、聖年祭でローマを観光地化してボロ儲けする。世俗全力おじさんだ。
フランス王フィリップ4世(美男王、怖い人)と喧嘩。教皇を捕らえて裁判にかけようとしたのがアナーニ事件。で、教皇を捕まえようとするなんて不敬!と怒って憤死である。さもありなん。

次の教皇はフランス出身クレメンス5世。
有名なアヴィニヨン捕囚(自分からフランス行ってるから捕らわれてないけど)。

これでイタリアも国家意識とか芽生えちゃう?!
と思ったんですが、やはり都市国家同士で争い続けるし、どこか一強にはならない。そして神聖ローマ皇帝がちょこちょこやってくる。
神聖ローマ皇帝は一応イタリア王も兼ねるらしいので。でも実権はなんにもないので。なんで来たの?となる。かわいそ。

うーむ、教皇がいなくても統一の気配ゼロだなあ。
気づくと教皇が荒れ果てたローマに帰還。フランスにも対立教皇が即位して教会分裂。気づいたら第三の教皇ヨハネス23世まで登場。第三の教皇って何?発泡酒の広告みたいだな。
このジェネリック教皇はコジモ・デ・メディチが恩を売って銀行業の足がかりにした人です。

この分裂の後にくるのが、ビザンツ帝国の正教会との合同に向けた公会議。
ぜんっぜん合意できなくて一年以上やってたらしい。地獄みたいに長い会議だ。
このビザンツ使節団にいた学者たちが古代ギリシア哲学(特にプラトン・アリストテレス)の知識を持ち込み、ルネサンスの種子となった。
意外なお土産!

ちなみに正教会とローマ教会は大して折り合わない。
1458年コンスタンティノープル陥落

1492年にはコロンブスの新大陸発見。
これにて中世終了と言われています。
そしてイタリアの二大海洋共和国ヴェネツィア・ジェノヴァの時代も終了。
イタリアの分裂しつつも商業と芸術が華やかだった黄金世紀も終了するのだった。
うーん、切ない。

『飼い犬に腹を噛まれる』 日常の非日常感!!

『飼い犬に腹を噛まれる』
彬子女王/挿絵:ほしよりこ

去年、彬子女王さまがオールナイトニッポンに出演なさった際に、radikoで拝聴してから、密かにファンなのです。
品があって学もあるのに、なんでこんなに面白いんだ、と。

まずお名前が凄いじゃないですか。
エッセイの著者名が「彬子女王」さまである。リアルプリンセス!
この件はANNで解説しておられたが、「女王」というのは皇室の身位を表すそうで。
彬子女王とお呼びするのは呼び捨てと同義で失礼。
一方で彬子女王殿下だと二重敬称なので日本語として間違い。

プリンセスにお会いする機会があっても(ないけど)、お声がけするだけで頭がパンクしそうです。ないけど。
(妥当なのは「彬子さま」だそうです。覚えておこう。ないけど)

そして『赤と青のガウン』を買おうと本屋に行き、最新エッセイ『飼い犬に腹を噛まれる』を買って帰った次第。
相変わらず買い物が下手で申し訳ない。近況の方に興味が移っちゃって…。

京都新聞と朝日新聞に連載された日常エッセイを編集した一冊です。
「日常」の非日常感が凄いですけど。
毎日、側衛(皇室の護衛官)さんが一緒だったり。(財布を忘れてお金を借りている。サザエさん!)
「ちょっとそこまで」が赤坂御用地から虎屋本店までだったり。(虎屋の会長は旧知の「おじちゃま」。確かに、近所の菓子屋のおじさんで間違いではないが…)
ぜんぶ非日常だし、ぜんぶ面白いんですけど!!

皇室のお仕事や行事のお話しもおもしろいし、由来や意味の解説がわかりやすくて勉強になります。
日本文化の研究者でもあるので、そこらへんのお話しも良い。
例えば「茶碗」と「飯椀」の字、よく見ると「わん」が違う。と、言われるまで気づきませんでした。石へんと木へんだ!これは茶器などの焼き物(石へん)と、漆器(木へん)の違い。ためになる〜。

新米のお話しもよかった。
新米といえば9月くらいから出回るイメージですが、新米を頂くのは11月23日以降とする人も多いらしい。というのも、11月23日が新嘗祭。天皇陛下が天神地祇にお米をお供えし、新米を召し上がる日。なので、新米解禁はその日を待ってから、という方が、神社関係者などに特に多いようです。
ニュースで新嘗祭の話題を聞いたりはしますが、こういう意義や歴史とか、自分の生活に地続きで考えることとか、してなかったなあ…。
今から腕まくりして勉強するのも違う気がするので、こういうエッセイを通して学べるのはありがたい。そして今後は「5歳の頃から知ってましたけど?」という空気をまとって生きていこう。

しかし宮家のお仕事はあっち行ったりこっち行ったり忙しいし、酷暑だろうが極寒だろうが(寒さにはお強いらしいが)日程調整なんぞはないし、大変だなと思います…。
健やかに日常(庶民的には超絶非日常)を楽しんでいただきたい。

あと、ちゃんと『赤と青のガウン』も買います。

『古代マヤ・アステカ不可思議大全』 マヤとアステカは違う文明だよ!

『古代マヤ・アステカ不可思議大全』芝崎みゆき

イラストたっぷりでマヤ・アステカ文明を概観させてくれる便利な一冊。
そして恐ろしいことに、300ページすべてが手書きなのである…。
挿絵じゃなくて、文字ですよ。本文が手書き!レイアウトも手書き!(文字組みも文字囲みも手書き。恐怖!)
データ印刷はノンブルだけという狂気!
なぜ!!

しかもテキストは打ってからなぞっているのかな?おかげで手書きなのに読みにくさは皆無です(その手間も恐怖である)!

さて、マヤ・アステカ文明。
私はマヤとアステカの違いすら分かっていなかった。侵略したスペイン人が違う?みたいな認識(失礼)。
これが、時代も場所も言語も違うんです。大変失礼しました…。

マヤ・アステカを包含する大きな概念として「メソアメリカ(中央アメリカ)文明」がまずありまして。これはアメリカ大陸の南北が繋がっている細い部分。バカリズム的に言うと、持ちやすいところ。
ちなみにインカ帝国は南米(現在のペルーの辺り)。マヤ・アステカとは全然違う場所。

メソアメリカ文明の中で、マヤとアステカはお隣さん同士。
エリアの南米側、いわゆるユカタン半島に紀元前500年頃から16世紀(スペイン人!)まで長らく続いたのが「マヤ文明」です。
一方の北米側、現在のメキシコエリアはメイン文明の移り変わりがある。
「オルメカ文明(BC1000〜BC500)」→「テオティワカン文明(BC500〜AC500)」→「トルテカ文明(500〜1000)」→「アステカ文明(1000〜16世紀)」
の順で登場したイメージ。
異なる民族、異なる場所での変遷ではあるが。ざっくり。

それぞれの文明に特色があり、一方で共通するものもある。
神様のテスカトリポカ、ケツァルコァトル(羽のある蛇)はいろんな文明に登場するとか。ヒスイが尊ばれる(金銀もあったが)とか。(私はここらへんの単語を『スプリガン』という漫画で覚えた世代でして。パレンケの仮面…!)
あと車輪の概念はあったけど、活用はしていなかったらしい、というのが面白かった。平らな道があまりなかったからとか?

古株のテオティワカン文明には、「太陽のピラミッド」と呼ばれる巨大建造物が残っているそうで。現存するピラミッドでは世界第3位の大きさ(1位2位はエジプト)。
権力が生まれると巨大建造物をつくりたくなるプリミティブな欲求があるんだろうか。
そして造ろうと思ったら、やはり三角錐(頂上は平らだけど)になるものだろうか。
地球のあっちとこっちの似たような挙動。不思議な感動があります。

マヤ文明には「ゼロ」があったというのも驚き。
1世紀ごろにできたらしく、インドのゼロよりはやい。
厳密に言うと「無」ではなく「満杯」のイメージで、現代に通じるゼロとは違うみたいですが。

5世紀頃のトルテカ文明(トゥーラという都市で栄えた)は謎が多い一方で、周囲には憧れを持って語られる文明だったらしい。良いポジション。
「トルテカヨトル」(=トルテカっぽい)という言葉は「徳が深い」という褒め言葉だったとか。
アステカ人や周辺部族も「トルテカの末裔」を自称していたそうです。後北条氏みたいなイメージかな。

イラストたっぷりでガーッと読んでしまいましたが、もうちょっとゆっくり読むべきだったかも。
マヤ・アステカ関連の新書をじっくり読みたいな。

『歴史のなかの奇妙な仕事』 働くって大変

『歴史のなかの奇妙な仕事』ニコラ・メラ/訳:寺井杏里

著者はフランスのサイエンスライター。
なので「歴史の中」の舞台はヨーロッパがメイン。

100近い職業をピックアップし、それぞれ数ページで紹介する構成です。
死体泥棒」「抜歯屋」「道化師」などの有名なものから、「国王のトイレ係」「罪喰い」「パンカー係」などの「?」というものまで幅広い。
気になった項目をちょこちょこ拾い読みするのに良い一冊です。

私は「知らなかった〜」系の職業が楽しかったかな。

「罪喰い」はイギリスの風習。
弔問の際、遺体の上にケーキなどの食べ物を置いておく。と、「罪喰い」と呼ばれる人がやってきて食べるらしい。
それは死者の罪や穢れを引き受ける行為で、弔問客は「罪喰い」に対して冷ややかに接する。幾ばくかの支払いをして追い払うそうです。
職業というよりも民俗学の範囲な気がする。
『金枝篇』や他の本でも読んだことがなかったので興味深い。

「パンカー係」というのは、イギリス植民地時代のインドの職業。
植民地の暑さに慣れない支配者層の家で、天井から四角い布を吊るしたものが「パンカー」。その大きな布を「パンカー係」が外側から引っ張っては下げる。すると風が通って暑さがやわらぐ。
要するに人力の送風機である。
動かしている当人はもちろん暑い。賃金もお小遣い程度だったそうです。
帝国ムーブの産物ですね。

「サイコロ飲み」というのもおもしろかった。
サイコロ賭博が禁止されていた時代に、踏み込まれた際に文字通りサイコロを飲みこんでくれる仕事。飲めるか…?6面サイコロよりダイスの方が飲みやすいかな…。
これはイギリスにしかなかった職業で、その理由はフランスではダーツやルーレットが流行っていたから。それはさすがに飲めないな。

既知だった職業も、由来や歴史上のエピソードが盛り込まれているので読み応えがありました。
もっと古代の職業とか、アジアやメソポタミアの職業とかの本もあるといいなあ。




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