春分の日を含む3連休、せっかくだから「ビア旅」に行きたいなってんで、どうせなら日帰りでは行きにくいところを回ってみようか、と考えたのでした。そんでいろいろ考えた末に決定したのが、埼玉。
浦和あたりならばまだしも、埼玉も地味に広うござんす、なかなか簡単に行きづらい場所もあるんでございます。でもそういうところに魅力的なブルワリーが固まっていたりする。これはもう、行くしかないじゃあないですか、ねえ。
というわけで、3月20日(金・祝)から21日(土)の1泊2日で、翔んできました埼玉県!ε=ε=ε=(ノ*>∀<)ノ
行きは、特急あずさのチケットが完売だったので、茅野駅から朝7時過ぎの鈍行列車に乗って甲府駅へ。特急かいじに乗り換えて八王子駅へ、八高線に乗り換えて、高麗川駅で乗り継いで明覚駅で下車。

当たり前ですが初めて降りる駅です。無人駅。コインロッカーなんて便利なものはないので、旅行カバンを担いで歩かねばなりません。五十肩にはちょいしんどい。
駅舎を出たらそこはのどかな田園地帯。ひばりのさえずりを聞きながら、線路沿いの道をてくてく、てくてく、てくてく歩きます。15分ほど歩いて、ようやくたどり着いたのが最初の目的地、「Teenage Brewing Taproom "bekkan"」です。時刻は11時過ぎ、ゆうに片道4時間かけてやって来ました。遠かったーーー(;´Д`)

例によって、ブルワリー訪問記は別の記事にまとめます。完成したらここにリンクを貼りますね。お楽しみに。
さて、"bekkan"を後にしたのは午後1時半過ぎ。オシャレ空間の扉を閉めたら、のどかな農村地帯に逆戻りです。BGMはひばりのさえずり。
ふと、途中の畑で作業しているおじさんと目が合いました。おじさんが大きな声で「こんにちは!」と声をかけてくれたので、私も「こんにちは」と返します。
「何しに来たの?」
「はい、ビール飲みに」
「いいなぁ。俺も飲みてぇ。でも高いんだろ?1杯1500円ぐらいすんだろ?」
「ええ、でも美味しかったです」
「そんなら良かった!また来てね!」
おじさんはニカッと笑って白い歯を見せ、手を振って見送ってくれました。なんか不思議な時間だったなぁ。こういうのを一期一会っていうんだろうなぁ。何でもない数秒間だったのに、何だか妙に心に残りました。
明覚駅まで戻ると、タイミング良く次の列車が来ました。乗り込んで、次に降りたのはお隣の小川町駅です。小川町駅はJR八高線と東武東上線の接続駅で、JR側から東武側の出口に抜ける際に、Suicaを2回タッチするちょっと変わった仕組みになっています。

駅前から5分ほど歩くと、次の目的地が見つかりました。「麦雑穀工房マイクロブルワリー」です。

こちらも、訪問記は別記事にしますね。完成したらリンクを貼りますので、しばらくお待ちください。
小川町駅から、今度は東武東上線に乗り込みます。今夜の宿がある川越駅まで揺られて行きますが、なにしろけっこう飲んでます、居眠りしちゃうのはしょうがない。でも、ちゃんと乗り過ごさずに川越駅に降りられた私、えらいえらい。一瞬、川越市駅で降りそうになっちゃったけど踏みとどまれた私、えらいえらい。ややこしいな駅名(笑)

ホテルにチェックインしたのが夕方の5時半頃。ベッドでごろごろしてテレビを眺めて、あー今日はよーけ飲んだわー、なんかもーめんどくさいけん、このまま寝ちゃってもいいかもなー、などと益体もないことを考えながら1時間ぐらいダラダラしていたものの、いや、やっぱり出掛けようと思い直し、がばっと跳ね起きたのでした。
というのも、麦雑穀工房で知り合った方から、「川越に泊まるんだったら、雰囲気のある素敵なレトロバーを知ってるよ。美味しいカクテルを飲ませてくれる。駅前だから行ってみたら?」とアドバイスをもらっていたのでした。今日は既にビール5杯も飲んでいますが、雰囲気だけでも見てみたいなと思ってね。
ホテルを出て歩き出したものの、小雨が降り始め、風も強くてけっこう寒い。しかもGoogleMapで検索したところ、「徒歩30分」と出た。えええ、駅から近くないじゃあぁぁぁん。どうしよう、ホテルに引き返そうか、どうしようか、と迷いながらひたすら歩き続けていたら、ようやく目的地に着きました。レトロな大通りからちょっと入った小路の中にあるので、そうと知らなければ行き過ぎてしまうかもしれません。
店のたたずまいも、昭和にタイムスリップしたような雰囲気です。ホントに入っていいのかな、と戸惑いましたが、ええい、ままよ、と扉を開けてみました。

店内は暗く、カウンターと酒棚だけに照明が当たっています。椅子や止まり木はなく、カウンターだけの立ち飲みスタイルです。いわゆる正統派のオーセンティックバーで、フリースにジーンズというラフなスタイルで来てしまったことを恥ずかしく思いましたが、マスターは「大丈夫ですよ」とニッコリ。ドレスコードは特になくて、ジャージ姿で来る人もいるそうな。
雨天で祝日だったからか他にお客さんはおらず、マスターとじっくりお話しすることができました。「初めてですよね?」と尋ねられたので、紹介してくれた方の名刺を見せながら、ここに来た経緯を説明しました。そして、「川越の駅前って聞いたから歩いて来たんですけど」と付け加えたら、「駅前では……ないですねぇ」と苦笑い。
店に入るまでは敷居が高そうと思ったのですが、全然そんなことはなくて、BGMのジャズや、マスターの気さくな話し方もあいまって、とても居心地の良い空間でした。チャージ料も取らないので、ドリンク代しかかかりません。
メニューはなくて、フードもありません。マスターに好みを伝えると、それに合ったカクテルを作ってもらえます。とはいえ、過去にカクテルを作ってもらった記憶ははるか昔で、少なくとも20年ぐらい、バーとは無縁の生活を送ってきました。独身の頃の記憶を思い出すと、そういえば昔、「XYZ」っていうカクテルが好きだったなと思い出し、注文してみました。するとマスターはカウンター上の果物籠からレモンを取り出し、レモンを絞り始めます。ひとつひとつの所作がとっても丁寧で、うっとりしながら眺めてしまいました。

「ここまで歩いてこられてさぞかしお疲れだろうと思ったので、少し酸味を強くしておきました」というその「XYZ」は、搾りたてのレモンの瑞々しさがキュッと喉を刺激して、とても美味しかったです。若い頃に初めてカクテルを飲んだときのときめきを思い出しつつも、年を経て、丁寧な仕事、思いやりのこもったもてなしのありがたさを知った今、本当に身に染みる味でした。
たくさんのお話をしました。マスターがこのお店を立ち上げようとした思いや、私がクラフトビールにハマった理由のことや、ビア検1級の問題の鬼畜なことや、『ガラスの仮面』はいつになったら完結するのかといった漫画に関することや、五十肩が痛い痛風が怖い糖尿病が怖いといった病院の待合室のような話や、そのほかにも思い出せないぐらい、たくさん、たくさん。どんな話をしてもちゃんと話を聞いてくれて、自分の思いをちゃんと言葉にしてくれるので、本当に話しやすかったです。あ、マスター、オススメの漫画『バーテンダー』、近所の図書館にあったので近いうちに読んでみますね。
今日の〆に、軽めでデザートのようなカクテルが飲みたかったので尋ねてみると、塩キャラメルとバナナのカクテルはどうでしょうかと。きゃー、それにしますっ!
もちろん、こちらも冷凍庫から出したバナナを丁寧にスライスするところから始まります。お酒やココナッツや、いろいろなものが次々と足されていくのが、見ていてホントわくわくしますね。

甘~い。幸せ~。バナナのとろりんとした食感がいいなぁ。でもアルコールもしっかり感じる。うん、今日はもうこれでおしまいにしましょうね。
ふと時計を見てビックリ。うわ、もう夜10時じゃん。どんだけ喋り倒してたんだろう。マスターったらホントに聞き上手なんだもん。そろそろホテルに戻らなきゃ。マスターが、すぐそこにバス停がありますよと教えてくれました。
その言葉のとおり、小路を出て大通りに出たところに、「札の辻」バス停がありました。ちょうど川越駅行きのバスがやって来たところだったので乗り込みます。夜も更けて渋滞もなく、ものの5分ほどで川越駅のバスターミナルに到着しました。最初っからバスを使えばよかった。まぁ、こういうトライアンドエラーも、一人旅の醍醐味のひとつなんですよね。マスター、ご馳走様でした!
***
早朝4時半。久しぶりに、あの懐かしい肩の痛みで目が覚めました。ううう、最近は五十肩がずいぶん穏やかになってたから油断してたけど、やっぱりボストンバッグ担いで歩き回ったせいか、今朝は肩や腕がピリピリ痛いなぁ。でもビジネスホテルだから大浴場やサウナはないし、お灸も据えられないし、うーんうーん、痛い。しかも、当たり前だけど、クラフトビール5杯+カクテル2杯の後遺症として、うーんうーん、二日酔い。頭もぼんやりしてるし、食欲もないんだよなぁ……。
ベッドの上でごろんごろんしたり、早朝のNHKをボーッと眺めたり、お湯を沸かしてお茶を淹れたりしながらダラダラと過ごしておりましたが、朝7時になると「よし!映画を観に行こう!」という気力が戻ってきて、そうと決まれば速攻で荷物をまとめてチェックアウト。こういうところのメリハリはすんごくイイんだ、私。
喫茶店で軽めのモーニングを食べて、ボストンバッグを川越駅のコインロッカーに預けたら、JR川越線でお隣の南古谷駅へ。駅から歩いて5分ほどの距離にある「ユナイテッド・シネマ ウニクス南古谷」に到着しました。観た映画の感想については、別の記事にまとめますね。完成したらここに記事を貼ります。
その後、再び川越駅に戻ってきました。時刻はまもなく昼の11時半になるかなというところ。最後の目的地「COEDO BREWERY THE RESTAURANT」に向かいます。駅からは歩いて3分ぐらい。近くていいね。

例によって、そちらの訪問記は別記事にします。完成したらリンクを貼りますのでしばらくお待ちくださいね。
これで今回の旅の目的は全て終了。川越駅に戻って荷物を受け取り、JR八高線の鈍行列車で八王子駅に向かいます。もっと速い経路もあったけど、酔ってるし肩も痛いしで、あれこれ乗り継ぎするのが面倒じゃったのよ。ぐーすか居眠りしている間に、八王子駅に到着。
すると、都内での人身事故が原因で、中央本線の下り線は大幅に遅延しておりますとのこと。あらま。ま、あずさの遅延には慣れっこなので、いまさら驚きもしません。遅れて来る予定の特急あずさに空席があったので、すばやく特急券をゲット。しばらくしてやってきたあずさに乗り込んで、またうとうとしている間に、無事に茅野駅に到着しました。ただいま!ヾ(*´∀`*)ノ
いやー、それにしても、飲んだ飲んだ!ホントに飲んでばっかりの旅行だったなぁ。でも、行きたかったブルワリーには行けたし、素晴らしい出会いもあったし、たくさんお話しできて、大満足の旅でした!皆さんありがとうございましたー!!!

