シーズン3、第8話「愛の仔馬物語:Lisa's Pony」November 7, 1991

(日本初放送:1993年10月2日、録音日:1993年8月15日)
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吹き替えの収録順としてはシーズン3の第5話ですが、WOWOWの放送順としては第7話として放送されたエピソードです。
また、台本の表紙からも分かるように当初は邦題として原題をそのまま訳した「リサのポニー」が予定されていたようです。
<以下、ネタバレになります>
【画面】(台本上の通信欄)
・00:53 字幕「人類の夜明け」

・02:04 学校

状況説明
・09:00 字幕「いいペットを安く」
・09:27 字幕「キョセー飼育場」
・10:21 字幕「社員用信用組合?あるいは雇用信用組合」

字幕案が2つ提示され、最終的な判断をスタッフに委ねられています。
・11:40 シンプソン家
状況説明
・17:28 コンビニ
状況説明
・17:52 車中 眠気におそわれるホーマー ホーマー 帰宅

状況説明
・20:14 コンビニ
状況説明
【音声】
・01:18 ホーマーザル

・02:00 リサからおつかいの内容を聞くホーマー

台本上は「《 》ああナンバー4&ハーフリード 分かった」とあるところ、大平さんによって手が加えられ「《ウ?》ああナンバー4&ハーフリード 分かったよ」になっています。
追加されたたった1文字の「よ」ですが、この「よ」だけとっても、内心面倒くさく思っているホーマーが見事に表現されています。
・02:24 ビールの誘惑からは逃れられないホーマー

モーの店の看板を見ながらお下品に唇を鳴らすホーマーですが、こちらの音も大平さんによってアテられています。
・02:33 ごもっともなツッコミを入れてくるモーにホーマーは
台本上は「何だ客に命令するのか」とあるところ、最終的な音声では「何だ客に命令するのかよ」になっています。
ちょっと畳みかけるシーンなので、セリフをギチギチに詰め込んで口パクぴったりに。
・03:12 楽器屋店主と話すホーマー
台本上は「あーこのバカッ バカな事言って」とあるところ、最終的な音声では「あーこのバカッ バカな事言っちゃって」になっています。
ホーマーの口パクに合わせるためと、ホーマー自身がやらかした(店主側をバカ呼ばわりしているわけではない)ことを明確にするため、大平さんがアレンジされたものと思われます。
・03:58 給食のドリスさんのものまねを披露するバート

原語版では“Today's special is refried dog poop.”であるため、台本にもそれに忠実に「はい今日は犬のウンコのフライですよー」とあるところ、最終的な音声では「はい今日はいつものトカゲのフライですよー」になっています。
当時はWOWOWで晩御飯時に放送されていたため、それに配慮してかマイルドな表現に変更されたようです。
・05:17 チャック・ベリーの「マイ・ディンガリン」を歌う少年チャック。

「マイ・ディンガリン」を「僕のタマタマ」と訳されるさすがのセンスの徐さんです。
日本版シンプソンズの吹き替えソング史に残る名曲の1つ(笑)
・06:31 発表会の埋め合わせにリサにパフェをご馳走しようとするホーマー

原語版では“Okay, who ordered a Mount Bellyache?(直訳:腹痛マウンテンをご注文の方は?)”なのですが、視聴者に分かりやすく、徐さんの翻訳では「えーと腹痛パフェをご注文の方は?」になっています。
・06:43 落ち込むリサに対してホーマーは
台本上は「約束を破ったのはパパが悪かった アイス位で帳消しになるもんじゃないけどでもちょっとは許そうかなーって気持ちにならないか?」とあるところ、最終的な音声では「約束を破ったのはパパが悪かった アイス位で帳消しになるもんじゃないけどでもち_っとは許そうかなーって気持ちになんないかよ?」になっています。
リサに愚痴を言いたいけど、嫌われたくないから少し気遣いながら話すホーマーを、大平さんが見事に表現されています。
・07:01 赤ちゃんリサ
神代さんの赤ちゃんリサボイスに注目!
・07:25 今更反省するホーマー
台本上は「憎まれて当然だ リサが生きている事さえ自覚していなかった」とあるところ、最終的な音声では「憎まれて当然だ リサが生きている事さえ自覚していなかったんだもんなあ」になっています。
セリフの追加により、ホーマーの口パクぴったりに。
・07:35 マージにリサと遊ぶよう促されるホーマー

台本の大平さんによるメモからも分かるように、感情が爆発しかけているホーマーの声を原語版のダン・カステラネタ氏のセリフに忠実に大平さんがアテられています。
・07:44 リサと遊んでいる様子を覗いてくるバートとミルハウスにキレるホーマー

台本上は「見るなぁ!」(大平さんによって「!」マークが1つ追加されています)ですが、最終的な音声では「見るなぁ!もう~!」になっています。
大平さんのパワフルボイスはさすがです。
・07:54 ブランコから落下するリサにホーマーは
原語版ではホーマーのセリフはなく、よって台本上にも何の指示もありませんが、大平さんのアイディアで日本版ホーマーお馴染みの「アラ?」が追加されています。
・07:57 諦めが早いホーマー
台本上は「こんな事したって無駄だ リサは諦めてマギーを手なづけるか」とあるところ、最終的な音声では「こんな事したって無駄だ リサは諦めてマギーを手なづけるかな」になっています。
こちらでも口パクピッタリに。
・08:24 とんでもない比較をするホーマー
台本上は「今日びガソリン代を考えたら馬の方が安い」とあるところ、最終的な音声では「今日びガソリン代_考えたら馬の方が安いぜ」になっています。
このような微調整からも大平さんのこだわりを感じられます。
・08:28 どうしてもリサに仔馬を買ってやりたいホーマー
台本上は「買ってやらなきゃしょうがないだろリサの目からもう愛情が伝わってこない」とあるところ、最終的な音声では「買ってやらなきゃしょうがないだろリサの目からもう愛情が伝わってこないんだ」になっています。
追加された「んだ」の2文字からも、ホーマーの情けなさがとてもよく伝わってきます。
・08:52 はっきりしないホーマーを問いただすマージ

台本上は「何よソレ イエスなのノーなの」とあるところ、大平さんの台本への書き込みからも分かるように最終的な音声では「何よソレ イエス?ノー?」になっています。
セリフが短くなることで、さらにテンポが良くなっています。
・09:13 犬を売りつけられそうになるホーマー

台本上は「スコットランドディアハウンド こりゃ犬じゃないか!」とあるところ、大平さんによって手が加えられ「スコットランドディアハウンド 「こりゃ犬じゃないかこのー!」」になっています。
「お前ってやつはこのー!」よろしく、大平さんホーマーの「このー!」も定番ワードですね。
・09:36 調教師・ミリセント、登場
ミリセント役の吹き替えは火野カチ子さん。
以降、S6#17『スーザン・サランドンはバレエ教師』(サランドン氏演じるバレエ教師役)、S7#03『やっぱりシンプソン家が一番!』(児童福祉課職員役)、S8#04『バーンズの愛情テスト』(ドゥエガー役)、S8#05『清く、正しい、スプリングフィールド』(ベル役)といった、強い女性役で出演されています。
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・10:07 小切手の日付を指摘されるホーマー
台本上は「問題ある?」とあるところ、最終的な音声では「問題あります?」になっています。
大平さんがホーマーの口パクに合わせつつ、ちょっとかしこまった表情を表現されています。
・10:14 プライドを捨てて尋ねるホーマー

台本上は「家出した馬を安く売ってる動物収容所みたいなとこないか?」とあるところ、最終的な音声では「家出した馬を安く売ってる動物収容所みたいなとこないスカね?」になっています。(大平さんの台本のメモからも分かるように当初は「~ないかな?」とのセリフを考えられていたようです)
語尾を少しいじっただけで、ここまでホーマーの小物感がよりよく出ているセリフに仕上げられるのは、大平さんだからこそ。
・10:33 突如登場するバーンズ
台本上は「シンプソンとな?どうしたね?」とあるところ、最終的な音声では「シンプソンとな?どうしたんだね?」になっています。
・10:52 優しくて怪しいバーンズ

台本上は「ほう仔馬を スミサーズ シンプソンは馬主になるんだと そうなんだろ?食べるんじゃないんだろ?」とあるところ、最終的な音声では「ほう仔馬をね スミサーズ シンプソンは馬主になるんだと え、そうなんだろ?食べるんじゃないんだろうな?」になっています。
大平さんも絶賛されていた北村弘一さんのバーンズらしい言葉遣い、最高ですね。
・11:50 映画『ゴッドファーザー』風寝起きドッキリを仕掛けられるリサ
神代さんリサの叫び声、パワフルで大迫力です!
・12:18 リサを羨ましがるバート

台本上は「俺も親父嫌い モペッド買って」とあるところ、最終的な音声では「俺も親父嫌い バイク買って」になっています。
モペッド=ペダル付きオートバイのことですが、こちらも視聴者に分かりやすく、現場で変更されたようです。
・13:49 リサから感謝のキスをされるホーマー
台本上は「キスより金の方がいい」とあるところ、最終的な音声では「キスより金が欲しい」になっています。
大平さんによる少しの変更ですが、娘からの愛情はうれしいからしっかり受け止めているものの、でもお金問題は悩ましい、というホーマーに仕上げられているように感じます。
・14:14 マージはどっちかはっきりしているが・・・
ホーマーのセリフ、台本上は「どっちかはっきりしろ!」とあるところ、最終的な音声では「どっちかはっきりしろよ!」になっています。
語尾の「よ」1文字分の追加ですが、ちょっと憂いのある「よ」からもホーマーが嫌なやつになりすぎないように大平さんが工夫されていることがよく分かります。
普通にホーマーの言葉遣いやワガママなセリフを吹き替えしてしまうと、高確率でホーマーがとっても嫌なやつに映ってしまうはずなのですが、大平さんならではの熟練のテクニックだからこそ、愛すべきダメ親父が出来上がっているのだと改めて感じました。
・16:13 激古ホットドッグを買いに来るただ唯一のバカ
アープーのセリフ、台本上は「これを買いにくるバカは一人しかいません」とあるところ、最終的な音声では「これを買いにくるバカは一人しかいませんの」になっています。
口パクに合わせるために語尾の「の」が追加されているようですが、このちょっとした追加だけで、どこか過激になりすぎず、おちゃらけたアープーになっていますね。
・16:31 マージと内緒話がしたいホーマー

台本上は「大きな声じゃ言えない事なんで子供に聞かせたくないんだ」とあるところ、大平さんによって手が加えられ「大きな声じゃ言えない事なんで子供に聞かせたくないんだよ」になっています。
移動しながら画面上からフェードアウトするホーマーの発する語尾の「よ」もフェードアウトしていきます。
こういったところにも大平さんのテクニックが。
・16:50 寝落ちするホーマー
いびきの音もしっかり大平さんがアテられています。
・18:41 居眠りしながら帰宅するホーマー

ガレージの電ノコが頭に直撃するホーマーですが、原語版では声にならない声が入っており、よって台本上にも特に指示がないわけなのですが、最終的な音声では大平さんホーマーによる眠たげな「イテ」との声が入っています。
(台本のメモからも分かるように当初は原語版と同様に大平さんも「ウッ」との息遣いを考えられていたようですが、現場で変更されたようです。)
・19:52~マージと子供たちの会話
一城さんマージと神代さんリサのセリフのやりとりが胸に来ます。そして、通常運行でやんちゃな雰囲気の堀さんバート・・・とにかくバランスが良い!
・20:27 ミリセントにプリンセスを託すリサ
台本上は「オート麦の後でニンジンをやって」とあるところ、最終的な音声では「オートミールとニンジンをやって」になっています。
この後の神代さんリサの愛馬を想う優しいセリフ運びは必見です!
・21:03 バイトをやめるようリサに説得されるホーマー
台本上は「大人はゼニというものが必要なんだ…」とあるところ、最終的な音声では「大人はゼニというものが必要なんだよ…」になっています。
口パクに合わせつつ、眠たい満身創痍のホーマーを表現されています。
・21:12 馬よりもっと好きな動物がいることを告白するリサ

原語版では“There's a big dumb animal I love even more than that horse.(直訳:あの馬よりもっと好きなおバカな動物がいるんだ。)”とあるところ、翻訳家の徐さんの手にかかると「馬よりもっといいおデブちゃんの動物がいるもん」というセリフに。また、その後のセリフ“I mean you, you dummy.(直訳:あなたのことよ、おバカさん)”は、「違うわ パパゴリラよ」になっています。
さらに、そこに神代さんのお芝居が合わさることで、本当に愛くるしく優しいセリフに仕上がっています!
素敵すぎる日本版シンプソンズの世界!!
・21:33 いいとこを全部持っていくアープー
ラストのセリフ、異様にかっこいい!