2月27日に新宿で開催されたEMConf JP 2025に参加してきました。
ネームプレートからチェキ、アンカンファレンス、ブースなど、「増幅」と「触媒」というテーマに合わせて、トーク以外にも参加者が多くの人や学びに出会えるよう設計された非常に良いイベントでした。
参加して帰ってからもグルグルと頭の中を駆け回っていた様々な学びを、このブログを書くことで整理したいと思います。
全てのエンジニアは、AIをメンバーに持つエンジニアマネージャーになる
オープニング・キーノートの広木さんの発表にあったこの言葉。事業やプロダクトにAIを活用するイメージはつくものの、日々の業務でどうAIを活用するかいまいちしっくりきてなかった自分にとって、的確かつ具体的にこれからの働き方を示す言葉として心に刺さりました。
Chat GPTやClaudeといったチャットベースのAIから、CursorやWindsurfのようなコーディング支援ツール、さらにDevinのような自律型エージェントまで、AI技術は急速に進化しています。「最近の流れについていけない...」「新しいツールの活用方法が思い浮かばない...」と感じている人も多いでしょう。広木さんの"AIをメンバーに持つエンジニアマネージャー"という表現は、これからの働き方を示す指針として私の視座をグッと引き上げてくれました。
自分のタスクを他の人に任せるというのは今でもやっていることですし、他の人がAIに変わっただけと考えるとAIの活用方法のイメージも湧きます。例えばPRやブログのレビューだったり経費精算など、小さいところはどんどん渡せそうです。他にもAIをリソースとして考えれば、マンパワーの拡大を採用ばかりに頼らずAIで代替していくような施策は必須レベルで必要だと思います。キーノートの発表を聞いて、AIの活用方法とその必要性を言語化できるようになったと思います。
クロージング・キーノートの岩瀬さんも同様の視点で現状を整理されており、この考え方が今後の仕事の質を大きく左右すると感じました。
世の中の情報から感覚的に重要だと思っていたことが、一つの言葉でしっかりと腹落ちする体験はいいですよね。言語化の大切さを改めて実感しました。
「なんとかする」こと VS Everything Manager
広木さんのキーノートの中で、"エンジニアリングマネジメントは「価値を実現する」ために「なんとかする」こと"とありました。そして、自分一人が全てをできる必要はなく、必要なものを理解して「調達」してくることがEMの仕事だと。
この考え方には賛同する一方、橘高さんが発表の中で「EMがEverything Managerになっちゃうよ」問題を取り上げており、理想と現実が一つのイベントの中で話されていたことが面白いと感じました。
EMは「なんとかする」人という認識はコミュニティ内で進んでいる一方、現実問題として様々なタスクや責任が舞い込んでくる中でうまく必要なものを調達できなかったり、タスクの差配ができず抱え込んでしまう中で「なんとかできない」状況に陥っている人も多いのではないでしょうか。
よくEMは「何でも屋」とも言われますが、広木さんが「なんとかする」人と表現されていたことも興味深く、Everything Managerとは違う整理をしたいのかなとも感じました。いわゆる悪とされるEverything Managerの状況を脱するキーワードは「調達」で、橘高さんが発表の中で大規模アジャイルフレームワークをエンジニアリングマネジメントに落とし込んでいた例はまさに一つの「調達」の方法だと思います。
今後さらにEMのコミュニティが進化していく中で様々な「調達」の実践例が共有されていくと、よりEMが働きやすい世の中になるのではないかと思います。
プレイングマネージャーの是非
プレイングマネージャーをどう捉えるか?今回のトークの中でも複数人が取り上げていたのが印象的でした。他のEMイベントの懇親会でもプレイングマネージャーはよく話に上がるテーマだと思います。
ohbaryeさんの発表によれば世の中の9割はプレイヤー業務を兼務しているとのこと。想像よりも多いような、そんなものなような。
すずけんさんが「プレイングマネージャーは本当に悪なのか?」というタイトルでトークされた通り、世間一般にはプレイングマネージャーは「悪」と認識されているのでしょうか?
これも「調達」という視点で整理すると、価値を実現するために自分のプレイヤーとしての能力が必要なのであればそれを使うことは正しいはずです。一方で、すずけんさんが発表中におっしゃっていたようにプレイングをするためには周囲のサポートが必要です。プレイングがしやすいメンバーを集めたり、メンバー数に上限を設けたりするなど。そういった自分というリソースを投入することで生まれるデメリットがカバーされるよう、制約と誓約の上でうまくプレイングされていた点が素晴らしいなと思いました。
EMの価値発揮の仕方は色々なバリエーションがあるはずで、一概にこれは良い・これは悪いとは言えないはずです。今回のイベントがそういう様々な実践例を学び合う場になっていたのは素晴らしいと思いましたし、オープニングの広木さんのキーノートはそれらの器として非常に機能していたなと思いました。
おわりに
ここで紹介したトーク以外にも学びあるものがたくさんありました。改めて運営の方々、発表された方々お疲れ様でした&ありがとうございました。
また次回を楽しみにしています。