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細田守『バケモノの子』に登場する本を解析してみた

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時をかける少女』『サマーウォーズ』『おおかみこどもの雨と雪』――作品を重ねるに連れて徐々に観る人の幅や世代を広げ、いわゆる「国民的」な作家になりつつある細田守監督。

彼の作品には、常に<文学作品のモチーフ>や<文学に対する敬愛の念>が含まれていて、その中でも最新作『バケモノの子』では文学作品が大きな存在感を示しています。

今回は『バケモノの子』の劇中にチラッと登場する本を解析してみました。時系列順に並んでいます。

また、KAI-YOUさんに<本棚から見える『バケモノの子』の世界 細田守は文学で何を伝えたかったのか>というコラム記事を寄稿したので、そちらも合わせて読んでもらえると嬉しいです。

 

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 蓮 - 自宅本棚

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今作の中で最も重要なカギを握る本が『白鯨』。映画の公開に伴い、角川文庫から新装丁版が発売されました。このデザインのもとになったのはおそらく小学文庫から出ていた『白くじら』。絵は白鯨ではなく渋いおっさんになっています。

 

 

東京都渋谷区立渋谷図書

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東京都渋谷区立渋谷図書館で九太が手に取っていたのは、講談社から出ている世界文学全集のメルヴィル。現在は絶版状態です。

Amazonでは中古品が30,000円とかで出品されていますが、あくまでそれは「他に出品する人がいないから自由に値をつけられる状態にある」というだけであって、それだけの価値のある本というわけではありませんのでご注意ください。

 

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九太の横で楓が手に取っていたのは筑摩書房の世界文学全集(65)『カフカ』。

映画を観る限りでは解析不可能でしたが、小説版には丁寧にタイトルが記載されていました。さすが細田監督。楓は海外文学が好きみたいですね。

 

 

東京都渋谷区立渋谷図書

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バケモノ界の自宅 - 寝床

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作中に登場する本はやはり古いものばかりですね。その多くは絶版状態です。

 

 

階段 - 教科書1

九太が使用する教科書の山なのですが、Amazonでは販売されていないものがほとんどのため、タイトルだけを羅列しておきます。

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『新しい国語2』(東京書籍)

『新中学校歴史 日本の歴史と世界』(清水書院

『English Series SEED BOOK2』(青山学院)

『社会科 中学生の地理 世界のすがたと日本の国土』(帝国書院

『未来へひろがるサイエンス2』(啓林館)

 

 

階段 - 教科書2

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『精選国語総合古典編』(筑摩書房)

『世界史A』(実教出版

『高等学校 生物』(第一学習社

『ELEMENT English communicationI』(啓林堂)

POLESTAR English communicationI』(教研出版)

 

 

図書館 - 勉強会1

ここからは『白鯨』をもとに、九太があれこれ勉強していくシーンです。ここに出てくる本がとても面白い。

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『鯨と捕鯨の文化史』 がとても面白そう。4000円もするけど。

時代とともに次々と姿を変える鯨は、常に人間社会を映し出す鏡だった。近代捕鯨の誕生から現在の捕鯨問題まで、400年にわたる歴史を解読し、東西の捕鯨文化を浮彫りにするとともに、自然と人間の関係を鋭く洞察。

 

 

図書館 - 勉強会2

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山川出版社の『新版世界各国史』があるのは確かだと思うのですが、どこの国かまでは分かりませんでした。でもたぶんラテナメリカのⅠかⅡじゃないかな。

 

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以上です。

今回の本棚解析の中でのおすすめは『アメリカ文学のレッスン』(講談社現代新書)です。アメリカ文学を楽しむのには翻訳者・柴田元幸は必ず通る。

よく見ると「階段1」と「階段2」では教科書のレベルが上がっていたりして、細田守監督の細やかな描写表現にうっとりしてしまいます。本棚解析は楽しいのでおすすめです。

<了>

 

 

【過去の本棚解析記事】




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