私が2025年に読んでためになった・面白かった技術書を振り返るいつものコーナーです(ちなみに昨年はこれ).
ちなみにこの「技術書籍」コーナーは2017年から続いてます(長い*1)
今年2025年は来年2026年もアツい(であろう), 「プラットフォームエンジニアリング(含むクラウド・SRE)」「キャリア」「生成AI」の三軸でお送りします.
なおこのエントリーはもちろん自分が読んだ本の話かつ, 自分で執筆(not AI)および, 書評を書くと何かしらの疑義が生じる可能性*2ある書籍は省いております.
TL;DR
情報のキャッチアップと実践はしつつも, 迷わず己の道を進みましょう&己の道を探す意味でも本は読もう.
色んな考え, 新しいもの, 書籍はあるのでインプットとアウトプットは続けよう, でも自分を見失うな.
といった感じでしょうか.
対象読者
ソフトウェアエンジニアとして従事している方々すべて(のつもり).
なお私の現在の役割が「SRE」「シニアなプレーヤー」な感じなため, その方向に偏りがあるかもしれません*3.
また, マネジメント系の本は外してあります.
個人的なBest of 技術書2026
待てない人もいると思うので先に書いちゃいます.
「いいからshinyorkeのおすすめ早く教えてくれ」など, 読むお時間が無い方は以下を抑えてもらえればと.
- プラットフォームエンジニアリング - 成功するプラットフォームとチームを作るガイドライン
- AWSクラウド設計完全ガイド
- SREの知識地図 - 基礎知識から現場での実践まで
- ITエンジニアの転職学 2万人の選択から見えた、後悔しないキャリア戦略
- チームトポロジー 価値あるソフトウェアをすばやく届ける適応型組織設計
- AIエンジニアリング - 基盤モデルを用いたAIアプリケーション開発の基礎と実践
本ブログの大半が上記書籍の感想やなぜ読んだのか的な話です.
ちなみにNotebool LMまとめはこちらです.

おしながき
プラットフォームエンジニアリング
もうすでに流行りワード感ありますが, 2026年は「プラットフォームエンジニアリング」って色んなところで言われそうな予感*4がしています.
私shinyorkeの感覚としては.
- 現実的に書籍やブログで読まれそうな文脈
- プラットフォーム = 日本語で「基盤」という解釈・文脈で違和感ない範囲
でこれらの書籍の感想を言語化します.
オライリー本の感想
プラットフォームエンジニアリングで真っ先に思いつく書籍といえば, 最近の本ですが「プラットフォームエンジニアリング - 成功するプラットフォームとチームを作るガイドライン」かなと思います.
こちらはつい先日読みました.
自分の感想としては,
「プラットフォームがなぜ必要か?というアーキテクチャ論から, 設計パターン・組織づくり・(人という意味での)ロールの役割, SRE/DevOps/デリバリーとめっちゃ多くの要素があって, 良いサマリーである一方深みにハマると大変そう」.
と思いました, タイトルだけ見たらアーキテクチャ論ぐらいに思ってましたが想像以上に色んな要素てんこ盛りのおせち料理みたいな書籍でびっくりしました.
一つ一つの要素には触れませんがとてもいい本であることは間違いない感じです.
一方で, クリーンアーキテクチャの時のようにいろんな議論や意見, 解釈が生まれそうでこれはこれで来年以降の展開*5が楽しみだと思いました.
「祭」に参加する意味でも抑えておきたい一冊です, 実際読んで損はないと思います.
クラウドと生きるための本
プラットフォームエンジニアリングの大切な文脈として.
- クラウドサービス, 特にIaaSやSaaSを利用する
- そもそもインフラを絡めた設計・アーキテクチャのベストプラクティスは?
を追求し, 良いテックアーキテクトになるための書籍として, 「AWSクラウド設計完全ガイド」はとても良い書籍です(強く推します).
詳しくは出版された3月に書いた感想エントリーを御覧ください.
上記ブログを要約した感想はこんな感じです by NotebookML(に上記ブログを要約させたもの).
本書は、タイトルに「AWS」とありますが、実はGoogle CloudやAzureなど他のクラウドにも応用できる汎用的な設計ノウハウが詰まった良書です。特定のクラウドの操作手順だけでなく、設計の「考え方」を学びたいエンジニアにとって、強力な武器となります。
元同僚たちが書いた書籍ではありますが自身を持っておすすめできる一冊です.
なお, 著者の顔触れは少し代わりますがAzure版も出るみたいです*6.
SREの知識地図
プラットフォームの安定した運用, DevOps含むxOps的なモノを司るSREも相変わらず重要なTipsであります.
「SREの知識地図 - 基礎知識から現場での実践まで」はその意味で本当に良い書籍でした!
こちらも詳しくは先日感想エントリーを執筆したので御覧ください.
上記ブログを要約した感想はこんな感じです by NotebookML(に上記ブログを要約させたもの).
本書は、何から着手すべきか悩むSREにとって「羅針盤」となる必読書です。単なるインフラエンジニアの言い換えではないSREの本質的な価値や、SLO、トイル削減といった基礎知識が体系的に整理されています。特筆すべきは、オンコール体制の設計や燃え尽きケア、PRR(本番稼働準備レビュー)といった、現場で暗黙知となりがちな運用の実情まで言語化されている点です。さらに、チームトポロジーを用いた組織論や、立ち上げ時に短期的成果を出すための勘所など、実践的なノウハウも詰まっています。ツール選定集としてではなく、自分たちの組織に合わせて思考し実践するためのガイドとして、チームに一冊置いておくべき良書です。
SREの仕事, やるべきことの言語化していい本が出てくれたなと思いました.
キャリア
誤解を招かないように書くと, 別に転職がどうこうって話じゃないです.
- エンジニアの「成長戦略*7」として転職学は知っておけ.
- チームトポロジーがベースな組織が確実に増えている&自分の持ち場・出すべきバリューを明確にしておけ.
ぐらいの話です.
転職しなくても読むべき転職学
「成長なくして生存なし」という事を再認知する意味で「ITエンジニアの転職学 2万人の選択から見えた、後悔しないキャリア戦略」は滅茶苦茶推します!
最初読んでいた時は「なるほど, いい転職指南の本だな」ぐらいの感想でした.
が, 後半の第10章の冒頭に滅茶苦茶良いことが書いてありました(これだけでも読んだ・買った価値ある).
転職活動は交渉の連続です。しかし、多くのITエンジニアは自身が交渉されていることに無自覚です。
第10章のテーマが「交渉」とはいえ, 冒頭から全力火の玉ストレートな表現*8でさすがに笑っちゃいました...と同時に本当にこれは思います.
転職文脈だと, 「年収交渉」「退職交渉」「選考している企業同士の比較」みたいな事になりますが.
実はエンジニアという商売は「交渉(駆け引き)」の機会がめっちゃ多いと思っています.
- とある機能開発で複数の選択肢(実装のアプローチや技術選定的な意味で)がある時, 自分の案を説明して合意を取る(議論だけじゃなくてADRの執筆など).
- QCDやバックログの優先度といった, 限定されたシチュエーションでのトレードオフの意思決定.
- 自身の評価や査定にまつわる営み.
- 自分のチームの外に出て, 関係するステークホルダーを巻き込んでの推進(大きい施策を出す, インシデント対応etc...).
これ, 全部「交渉」が必要な話*9で, IC/Staff Engineer/EM/CTO/VPoEみんなこれと戦っているのは当然のこと, ジュニアな方も(気がついていないだけで)この交渉を日々しています.
これを再自覚する意味でも必読な一冊と思いました.
ちなみにガチ転職を考えている方(≒本来のこの書籍の意味合い)にもオススメな一冊です.
改めてのチームトポロジー
3年前の書籍, それもだいぶ浸透している本を紹介して恐縮ですが「チームトポロジー 価値あるソフトウェアをすばやく届ける適応型組織設計」はチーム・組織運営以外の文脈でもおすすめしたいです.
昨年のブログでも少し紹介しました.
今回紹介する文脈として, 以下のチームタイプと.
- ストリームアラインドチーム
- プラットフォームチーム
- イネイブリングチーム
- コンプリケイテッド・サブシステムチーム
以下のインタラクションモード.
- コラボレーションモード
- X-as-a-Serviceモード
- ファシリテーションモード
この掛け算・襷掛けで自分の役割を考えると良さそう, 現に私も自分のチームの立ち位置is🤔といった考察・議論も増えたので, 自分の立ち位置確認としても改めて読むと良さそうです.
生成AI
ラストはおなじみ生成AI.
他に言葉はいらないでしょう笑
仕事のために読んだ
「AIエンジニアリング - 基盤モデルを用いたAIアプリケーション開発の基礎と実践」, 網羅的・構造的にAIサービスを開発, 運用する時に絶対読んだほうがいいです.
プロンプトエンジニアリング, RAG, 評価からデータエンジニアリング, ユーザーフィードバックまでいい感じに網羅しているにもかかわらず, 良い感じの深さもあり読みやすいし読んでて面白かったです.
私のように業務としてSREをやってるエンジニアがAI Agent/AIサービス開発を理解するのに良い書籍だと思いました.
AI Agent開発のために読んだ
「AIエージェント開発/運用入門」「やさしいMCP入門」「AIエージェント実践入門」あたりを個人開発のために読んでいます.
この辺は斜め読み, 必要な知識を得たら読書終了!って感じで読んでますがどれもおすすめです.
なお完全に個人の話ですが, 「野球AI Agentを作るんや!」という野望の元, 日々頑張るため学びながらバイブコーディングしてます.
結び
長々と書籍のおすすめを紹介しましたが最後に大事な事を書きます.
情報のキャッチアップと実践はしつつも, 迷わず己の道を進みましょう&己の道を探す意味でも本は読もう.
色んな考え, 新しいもの, 書籍はあるのでインプットとアウトプットは続けよう, でも自分を見失うな.
ここまでの紹介・案内はあくまで「キャリア25年目エンジニアが読んでて思わず人に勧めたい本」の話であって, 読者の皆様自身にとっては自身で必要なものを考え, 「あ, shinyorkeのおすすめ本良さそう」と思ったら読むぐらいがいいと思います, 毎年やってるこのエントリーもそのためにあるので.
というわけで, 最後までお読み頂きありがとうございました&おまけもお楽しみください(興味ある人は).
【おまけ】2025年に読んで良かった書籍
毎年恒例のやつです.
「交渉」に必要なのは「説明」という意味でこれめっちゃ良かったです.
上記も殆どの方にとって耳が痛い話かもですが読むとお得です, ぜひとも*10.
「知識地図」シリーズ, 今年は大変お世話になりました.
自分の理解の立ち位置を知る意味でもこのシリーズ大変ありがたいです.
自分をAzure初心者から中級者ぐらいに持ってくるのにこの本良かったです.
クラウドの理解の半分はネットワークだと自分は改めて実感しました.
*1:元々Python書籍紹介からスタート(最初はこれ), 自分のエンジニアなキャリアの変遷でPython以外の領域にも広がり今に至ります.
*2:直接的に言えば現職メンバーが執筆している書籍(読んでいますが).
*3:相対的にジュニア向けの書籍は少ないかも
*4:個人的な感覚としては, 「SRE」「クリーンアーキテクチャ」以来のパワーワードかもしれない.
*5:色んなものに影響すると思います, いやすでにしてそうかな...
*6:著者の何人かは前職同僚で楽しみだったりします.
*7:余談ですが私shinyorkeは「生存戦略」という言葉が嫌いだったりします, その場で生きるというより伸び続けて前に進むからこそ生存できるのであってですね(以下略)
*8:こういう表現って最初に来るのが常套手段ぐらいに思ってましたが書籍後半でくるのは面白いな!と唸ってしまいました.
*9:おそらくこの辺は今まで「交渉」「駆け引き」と言ってしまうとタブー的なところがあったかもですが, 今だと正直になったほうがいいなと個人的には思っています.
*10:少なくとも私の前職(アクセンチュア)みたいな会社で勤めている or 希望する方は絶対読むべきです.