2025年1月放送開始の新作アニメ第1話を観れる限り観て感想をまとめた。第1話レビューなので、第2期以降で13話など表記が1話でない作品は省いたが、表記が1話になっていたものは第1期を観ていなくても観た。
並びは放送開始順になっている。
- 天久鷹央の推理カルテ
- グリザイア:ファントムトリガー THE ANIMATION
- BanG Dream! Ave Mujica
- もめんたりー・リリィ
- クラスの大嫌いな女子と結婚することになった。
- 空色ユーティリティ
- Sランクモンスターの《ベヒーモス》だけど、猫と間違われてエルフ娘の騎士として暮らしてます
- 青の祓魔師 終夜篇
- 沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる
- メダリスト
- 妃教育から逃げたい私
- 全修。
- 魔法使いの約束
- この会社に好きな人がいます
- サラリーマンが異世界に行ったら四天王になった話
- ニートくノ一となぜか同棲はじめました
- 黒岩メダカに私の可愛いが通じない
- 没落予定の貴族だけど、暇だったから魔法を極めてみた
- 外れスキル《木の実マスター》 ~スキルの実(食べたら死ぬ)を無限に食べられるようになった件について~
- 花は咲く、修羅の如く
- いずれ最強の錬金術師?
- 誰ソ彼ホテル
- マジック・メイカー ~異世界魔法の作り方~
- ハニーレモンソーダ
- RINGING FATE
- Dr.STONE SCIENCE FUTURE
- アラフォー男の異世界通販
- 不遇職【鑑定士】が実は最強だった
- 悪役令嬢転生おじさん
- 想星のアクエリオン Myth of Emotions
- どうせ、恋してしまうんだ
- FARMAGIA
- ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います
- Übel Blatt~ユーベルブラット~
- 聖女なのに国を追い出されたので、崩壊寸前の隣国へ来ました
- UniteUp! -Uni:Birth-
- Aランクパーティを離脱した俺は、元教え子たちと迷宮深部を目指す。
- 魔法つかいプリキュア!!~MIRAI DAYS~
- 地縛少年花子くん2
- 魔神創造伝ワタル
- 君のことが大大大大大好きな100人の彼女
- SAKAMOTO DAYS
- 戦隊レッド 異世界で冒険者になる
- ババンババンバンバンパイア
- 全体の感想
天久鷹央の推理カルテ
原作:知念実希人、監督:いわたかずや、シリーズ構成:杉澤悟、アニメーション制作:project No.9
現役医師の作家知念実希人氏のベストセラー小説のアニメ化。天医会総合病院統括診断部部長の天才医師、天久鷹央が事件の謎を解き明かす医療ミステリー。
連続放送の1、2話は原作者知念氏書き下ろし。大きな獣に足を食いちぎられた青い血の男が心肺停止で搬送されてくるも死亡する。なぜワニやサメがいる水辺が近くにあるわけでもないのに、なぜ男の足が大型肉食獣に噛み切られたのかという謎が非常に魅力的で引き込まれ、50分を一気見した。
天才だが強引な性格で好奇心旺盛な天久鷹央が、ワトソン役の常識人小鳥遊を振り回すというのは定番のキャラ造形だが、こういうので良いんだよ!という感じ。いとうのいぢ氏原案のキャラは可愛くて華がある。
グリザイア:ファントムトリガー THE ANIMATION
原作:フロントウイング、監督:村山公輔、アニメーション制作:バイブリーアニメーションスタジオ
『グリザイアの果実』の続編。国防を担う人材を育成するSORD訓練校が舞台の少女ガンアクションもの。
拳銃を使うレナとマキ、狙撃が得意なトーカとグミ、爆弾と情報処理のクリス、諜報担当のムラサキ達が警察や自衛隊には解決できない事件を解決する。
1話はプロローグ的な内容で、ラストでようやく事件が動きだす。
前作は未見。キャラクターの日常が描かれており、前作を見ていれば、あのキャラが数年後にこうなったのか、という感慨があってより面白く見れただろう。
「とにかくこの世は馬鹿馬鹿しいことが多い。しかしそういうものの中に大切なものがあるのかも知れない。そしてその大切なものに気づいた時、本当の意味で人は成長するのかもしれない。」など思弁的な台詞が印象深い。
BanG Dream! Ave Mujica
原作:ブシロード、監督:柿本広大、シリーズ構成:綾奈ゆにこ、アニメーション制作:サンジゲン
「BanG Dream!」プロジェクトのTVアニメ新シリーズ。「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」の豊川祥子が結成したバンド、Ave Mujicaで巻き起こる起こる騒動を描く。
It's MyGOは未見。中盤で豊川祥子の過酷な境遇が明かされるのだが、これは絶対It's MyGOを観た後に観た方が、「えー!豊川祥子がこんなことになってしまったの!?」と衝撃を受けただろう。
終盤の武道館公演の展開には驚かされた。Ave Mujicaの公演自体が耽美な独特の世界観で面白いのに、さらなる波乱要素を入れることで二重に面白くなっている。
もめんたりー・リリィ
原作:GoHands×松竹、総監督:鈴木信吾、監督:工藤進、横峯克昌、脚本:八薙玉造、アニメーション制作:GoHands
「好きな子がめがねを忘れた」のGoHandsが贈るオリジナルアニメ。
正体不明の機械によって大半の人間が消滅した街を舞台に、少女達が敵の機械と戦ったり、廃墟3分割烹したりする。
アクションは異様に動きまくっていて、目で追うのが大変な程。アングルもかなり凝っている。とにかくアクションを観てくれという作り手の主張がビンビン伝わってくる。
少女達は個性バラバラで勝手にしゃべりまくっていて大変にぎやか。すぐどんなキャラか把握できるのは良い。
料理シーンは唐突だが、平和な料理シーンを入れることで戦闘シーンの激しさが際立っている。
クラスの大嫌いな女子と結婚することになった。
原作:天乃聖樹、監督:大嶋博之、シリーズ構成:髙橋龍也、アニメーション制作:Studio五組×AXsiZ
同じクラスで顔を合わせれば罵り合っている高校生の北条才人と桜森朱音が、互いの祖父、祖母の意向で無理やり結婚させられるというMF文庫Jのライトノベルのアニメ化。
若い頃親に決められた相手との結婚を強いられたことを恨んでいる祖父が、孫に決めた相手との結婚を強いるというのが支離滅裂。目的のためとは言え、主人公達が横暴な権力者の言う通りにするというのはもやもやする。強大な敵に挑む話の方が気持ちが良い。
才人と朱音に関しては最終的に結ばれる二人は最悪な関係から始めろというセオリー通りで、しょっちゅう罵り合っているので会話劇が賑やかだ。
空色ユーティリティ
監督:斉藤健吾、シリーズ構成:佐藤裕、アニメ制作:Yostar Pictures
Yosterのオリジナルアニメ。普通の女子高生美波がゴルフを始める話。
課金していたソシャゲが終わってしまい、「このままじゃ、ただの村人Aで卒業しちゃう」と色んな部活に参加してみたが、どれもこれも全然駄目。美波の、「どこかに自分の埋もれたスキルを発揮できるスペシャルな場所があるのではないか」という願望がめっちゃ共感できる。会話もリアルでありながら洒落ている。
おじいさんを助けたことからゴルフ練習場にたどり着き、メンターである茜遥に出会ってゴルフを始めるという展開は日常におけるリアリティのあるRPGという感じで面白い。
「クラブは小鳥を握るように優しく、でも小鳥が逃げないぐらいの強さで」のようなディティールが新鮮。やはり多くの愛好家がいて自分が知らないジャンルのディティールは面白い。
茜が語った「辛いことばかりだが、最高の一打が打てると全部帳消しになる」という言葉が印象深い。
https://anime-sorairo-utility.com/
Sランクモンスターの《ベヒーモス》だけど、猫と間違われてエルフ娘の騎士として暮らしてます
原作:東雲太郎、銀翼のぞみ、監督:平川哲生、シリーズ構成:加藤還一、アニメーション制作:ゼロジー×セイバーワークス
命を落とし、ベヒーモスとして転生した主人公だったが、その姿は子猫。ドラゴンと戦い、重症を負って倒れていた所を冒険者アリアに拾われ、ペットのタマとして飼われることになる。
「犬になったら好きな子に拾われた」にバトル要素を加味したみたいな内容。巨乳のアリアになでなでされたり、おっぱいに挟まれたり、一緒にお風呂に入ったりとお色気要素が多い。
バトル的にはベヒーモスが非常に強い。アリアが行くような所に出て来る敵相手なら楽々倒せそうなので、どうやって緊迫感のあるバトルにするかが今後の腕の見せ所だ。
青の祓魔師 終夜篇
原作:加藤和恵、監督:吉田大輔、シリーズ構成:大野敏哉、アニメーション制作:スタジオヴォルン
奥村燐がメフィストフェレスの導きでユリと獅郎の過去を見る話。青の祓魔師は少ししか観ていないのだが、本作は過去篇なのでいきなり見ても内容が理解できた。
ゴミ捨て場で一人遊ぶ幼少期のユリは服や物は小汚いがすごく楽しそうで、愛情深く育てられていることが伝わってくるし、雪の街を一人歩くユリからは厳しい境遇がひしひしと伝わってくる。画面がずっと灰色の雲から雪が降り積もっていて、冷たさと共にしっとりとした空気感までもが伝わって来て郷愁を誘う。台詞がなくても感情が伝わってくる画作りに舌を巻いた。
ユリを見つめる燐が「俺は本当の孤独は知らない。だからこの時の母ちゃんの孤独がどんだけか、どんだけ心細いのか俺には想像もつかない」と言うのに心打たれた。
沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる
原作:空えぐみ、総監督:板垣伸、監督:田辺慎吾、シリーズ構成:田辺慎吾、板垣伸、アニメーション制作:ミルパンセ
沖縄に転校してきた中村照秋(てーるー)は同じクラスの喜屋武さんを好きになったが、喜屋武さんが老人のようなバリバリのうちなーぐちを話すため全く理解できない。喜屋武さんの友達の比嘉さんが方言を通訳してくれるのだが、比嘉さんはてーるーに片思いしていたという内容。
県外の人が沖縄名物を食ったことがないと聞くと寄ってたかって食わせようとするといった沖縄あるあるが楽しい。まぶいを落としたのを戻すために背中を叩くというのは、未だにそんな伝統が残っていることに感慨を覚えた。
しかしてーるーはなぜ何言っているのか少しも分からない喜屋武さんを好きになったのか、そして喜屋武さんはなぜ現代人なのに標準語を話せないのかという点は不思議だ。
愛知出身の鬼頭明里氏がバリバリのうちなーぐちを流暢に演じていて舌を巻いたが、練習には限界があるので、沖縄ネイティブの声優さんがやった方が良いのではないか。
メダリスト
原作:つるまいかだ、監督:山本靖貴、シリーズ構成・脚本:花田十輝、アニメーション制作:ENGI
スケーターとして挫折した青年、明浦路司。アシスタントコーチの誘いを受けてやって来たリンクで、フィギュアスケートを渇望する11歳の少女、結束いのりと出会う。
いのりがボロボロ涙を零しながらスケートをやりたいと必死に訴えるシーンには泣きそうになった。抑圧されていた人間が内に秘めていた強い感情を爆発させるシーンは心を打つなあ。
いのりのスケートへの熱だけでも心を揺さぶられたが、同じく始めるのが遅かったがやはりスケートへの熱い思いを持っている路司の想いが重なって、より高い波となっている。
遥か高みへと続く物語がここから始まった感があって、ここからどうなるかが楽しみでならない。
妃教育から逃げたい私
原作:沢野いずみ、監督:田頭しのぶ、シリーズ構成:金巻ともこ、アニメーション制作:EMTスクエアード
アスタール王国の王子クラークの婚約者として厳しい妃教育を受けてきたレティシアは婚約破棄して自由に生きることを望んでいた。ある日の舞踏会で別の女性をエスコートするクラークを目撃。婚約破棄の言質を取り、大喜びするのだが。
自由に暮らしたいというレティシアの望みは共感できるが、次期王妃なのに、貴族として民の暮らしを守るノーブルオブリージュ的な視点がないのは気にかかる。
また、棚ぼた的に婚約破棄されたので達成感がない。もっと権謀術数を駆使して勝ち取ってほしい。
全修。
原作:山﨑みつえ、うえのきみこ、MAPPA、監督:山﨑みつえ、脚本:うえのきみこ、制作:MAPPA
天才アニメ監督広瀬ナツ子が子供の頃夢中になったアニメ『滅びゆく物語』の世界に転移して活躍するオリジナルアニメ。
大好きなアニメの世界に入って、料理を食べたりできるワクワク感が伝わってきた。
広瀬ナツ子が作画する、白黒の手書きタッチを残した動画が圧巻。作画できれば何でも召喚できるというのは能力として強すぎる気がしないでもない。
全修。というタイトルはナツ子が『滅びゆく物語』を全修正するという意味にも、ナツ子が原点である『滅びゆく物語』と対峙することで全修正されるという意味にも取れて興味深い。
魔法使いの約束
原作:coly、監督:龍輪直征、シリーズ構成・脚本:樋口七海、アニメーション制作:ライデンフィルム
プレイヤーが賢者として異世界に召喚され、イケメンの魔法使い達を従えて戦う乙女ゲーム原作のアニメ。
真木晶はマンションのエレベーターに乗ったはずが、不思議な男性と乗り合わせ、賢者として異世界に召喚される。魔法使いを管理する組織の長は自分に従うよう強要してくるが、アーサー達魔法使いが乗り込んできて、仲間の命を救うため一緒に来てくれないかと頼まれる。
「風が強くて猫が騒ぐ満月の夜には何か不思議なことが起きるって」というフレーズが印象的。完全に女性向け作品だが、魔法使い達が俺様系ではなく誠実に協力をお願いしているので男性でも違和感なく見れる。
晶の急に異世界に召喚された戸惑いと、魔法使い達側の方が信頼できると判断するに至るまでの心の動きを丁寧に描いていて共感できる。
この会社に好きな人がいます
原作:榎本あかまる、監督:武市直子、シリーズ構成:横谷昌宏、アニメーション制作:BLADE
お菓子メーカー経理部勤務の立石真直と企画部の三ツ谷結衣。周囲からは犬猿の仲だと思われているが、実は密かに付き合っていて、という秘密の社内恋愛ラブコメ。
派手な設定ではないが、秘密の恋愛のドキドキ感を丁寧に描いていて、見ていてドキドキした。三ツ谷がお互い下の名前で呼ぼうと提案するも、いざ「結衣」と呼ばれると照れて自分からは下の名前で呼べないとか、なんてことはないエピソードなのだが、可愛い声で照れていると本当に可愛い。
漫画における会社の描写は適当なことも多いが、本作は仕事内容にリアリティがあり、本当に大手メーカーに勤務経験のある人が描いていることが伝わってくる。
サラリーマンが異世界に行ったら四天王になった話
原作:村光、ベニガシラ、監督:福田道生、シリーズ構成:福田裕子、アニメーション制作:GEEKTOYS × CompTown
出世レースから遅れ、海外の工場に飛ばされたウチムラデンノスケ。必死に努力しようやく工場を軌道に乗せるも、再び他の国に飛ばされてしまう。そんなウチムラが魔王から異世界召喚され、四天王としてヘッドハンティングされる。
異世界転生ものは付与された何らかのチート能力を駆使して活躍するのが定番。本作のウチムラは何の魔法能力も持たないただの人間だが、サラリーマン時代に培った交渉力を駆使して活躍するのが面白い。
1話でウチムラは四天王になるための試験として、決裂寸前になっているミノタウロスとの交渉を任される。ウチムラの交渉術に派手さはないが、確かにそういうこともありそうだというリアリティがある。
ウチムラの地道な努力を別の誰かが見ていて評価してくれるという展開には、同じサラリーマンとして胸が熱くなった。
ニートくノ一となぜか同棲はじめました
原作:小龍、八木戸マト、監督:斎藤久、シリーズ構成:あおしまたかし、アニメーション制作:Quad
サラリーマン安海政を妖魔から守るべく、凄腕くノ一だが普段はニートの出浦白津莉が同居を始める話。
ニートがくノ一と同棲するのかと思ったら、ニート兼くノ一なのか。三木一馬氏が魅力的なキャラクターには憧れと愛嬌が必要だと書いていたが、ニートくノ一はニートという愛嬌要素とくノ一という憧れ要素を併せ持つ良い設定だ。
白津莉がニートとしてガツンと言ってやらねばならんみたいなことを言っていたのが良く分からなかった。ニートたるものぞんざいに扱われるべきだというポリシーがあるのだろうか。
黒岩メダカに私の可愛いが通じない
原作:久世蘭、監督:奥村よしあき、シリーズ構成・脚本:筆安一幸、アニメーション制作:SynergySP
幼少期からモテモテだった美少女川井モナ。だが隣の席の転校生・黒岩メダカはそんなモナに見向きもしない。モナはプライドにかけてメダカのことを落とそうとするが、メダカは険悪な顔でモナのことを拒絶。そうこうするうちにモナはメダカのことが気になってきてしまう、というラブコメ。
あらゆるアイデアが出されまくっているラブコメでまた新たなコンセプトをひねり出してきた。ラブコメ界隈のアイデア勝負は本当にすごい。
モナが関西人で、外面を気にして標準語を喋っているが、心の中で本音で考えている時は関西弁なのが良い。
モナ、既にパンツを見せたりブラを見せたりへそを見せたりしていてこれ以上誘惑しようがないように思うが、これからどうするのだろうか。
没落予定の貴族だけど、暇だったから魔法を極めてみた
原作:三木なずな、監督:石倉賢一、シリーズ構成:髙橋龍也、アニメーション制作:スタジオディーン×マーヴィージャック
ある日突然、庶民だった男がハミルトン伯爵家の五男リアムとして転生する。魔法の才能があったリアムは次々と難しい魔法をマスター。没落間近の実家からの独立資金を稼ぐために商売を始める。
転生して魔法を探求する話は沢山あり、大枠の設定に新鮮味がない。リアムが元平民なので貴族ならではのプライドがなく、アドバイスを素直に聞き入れる点は好感が持てる。
おそらく魔法のアドバイスをくれた師匠がすごい人なんだろうけど、すごさを示さずに去ってしまった。師匠がいる遥かな高みを示してくれた方がロードマップが描けて良かったのではないか。
外れスキル《木の実マスター》 ~スキルの実(食べたら死ぬ)を無限に食べられるようになった件について~
原作:松琴エア、はにゅう、監督:木村隆一、シリーズ構成:市川十億衛門、アニメーション制作:旭プロダクション
スキルの実を食べることで、特別な能力を一つだけ授かることができる世界。最高の冒険者を目指す少年ライトが手に入れたのは戦闘力皆無の外れスキル《木の実マスター》だった。スキルの実は二度食べると死ぬためやり直しはできない。剣聖のスキルを入手した幼なじみのレーナは史上最速でSランクになり圧倒的差をつけられてしまう。だが、《木の実マスター》には実はすごい能力があり、という内容。
《木の実マスター》というスキル名の残念さがキャッチ―で、実はチートスキルであるロジックも秀逸。せっかくきれいなどんでん返しなのに、タイトルでネタバレしているのがもったいない、
外れスキルを得た鬱屈がレーナに引き離されたこととヤンキーにバカにされたことだけなので、逆転したことによる爽快感が薄い。もっと屈辱的な扱いを受ければ良いのに。
花は咲く、修羅の如く
原作:武田綾乃、むっしゅ、監督:宇和野歩、シリーズ構成:筆安一幸、アニメーション制作:スタジオバインド
高校のアナウンス部を舞台にした部活もの。小さな島からフェリーで高校に通い始めた春山花奈。花奈の朗読を耳にした放送部部長の薄頼瑞希は花奈を熱心に放送部に勧誘する。
全国高校放送コンテストは存在すら知らなかった。武田綾乃氏が吹奏楽に続いてまた一部の人にしか知られていない絶妙なテーマを設定してきた。
朗読がテーマということで、声優さんの演技が重要になってくるが、クライマックスの春と修羅の朗読は鬼気迫る迫力があって引きこまれた。朗読のすごさを視覚的に表現した演出が過剰で、もっと朗読そのものに集中させてほしかった。
いずれ最強の錬金術師?
原作:小狐丸、監督:葛谷直行、シリーズ構成:広田光毅、アニメーション制作:スタジオコメット
勇者召喚に巻き込まれてしまったサラリーマン入間巧。お詫びに女神ノルンから手厚いサポートを受け、ミルドガルドに錬金術師として転生する。
典型的な異世界転移もの。手違いで召喚されたので女神からチートスキルを付与されたり、正式に勇者として召喚された連中とは別の所でのんびりやるなど、内容に既視感がある。
錬金術師として素材を集めるのはやや珍しいが、方向性としては魔法を極めるのと同系統。手堅い内容だが、本作ならではのキャッチ―な要素がほしい。
誰ソ彼ホテル
原作:ベノマ玲、SEEC、監督:紅水康介、アニメーション制作:ピー・アール・エー
アプリゲームのアニメ化。あの世に行くか現世に戻るか行先を決めかねている魂が迷い込んでくる黄昏ホテルが舞台。客は記憶をなくしており、ホテルの部屋にあるものを手掛かりに自分のことを思い出していく。
死後の魂が登場するオムニバス形式の話は時々あるが、本作はあの世と現世両方に行く客がいるという点がユニーク。記憶を取り戻すミステリーというのは事件を起こさなくて良いので話が作りやすそうだ。自分が誰だか思いだすことで顔も取り戻すというのは象徴的で面白い。
マジック・メイカー ~異世界魔法の作り方~
原作:鏑木カヅキ、監督:古賀一臣、シリーズ構成:大知慶一郎、アニメーション制作:スタジオディーン
リスティア国の片田舎に住む下級貴族、オーンスタイン家のシオンとして転生した主人公が、魔法のない世界で魔法を作ろうと奮闘するライトノベルが原作。
異世界転生ものだと当たり前のように魔法があるのが普通だが、本作は魔法という概念がない世界で一から魔法を作ろうとするというのがユニーク。
終盤に姉萌え要素がさく裂して驚いた。もっと姉萌えアニメであることを喧伝した方が良いのではないか。
ハニーレモンソーダ
原作:村田真優、監督:錦織博、シリーズ構成:和場明子、アニメーション制作:J.C.STAFF
りぼん連載の少女漫画のアニメ化。中学時代"石"と呼ばれていじめられていた石森羽花は、町中で偶然ハニーレモンソーダのような金髪の三浦界と出会い、界の言葉がきっかけで進学校ではなく八美津高校に進学する。高校で界と同じクラスになり、喜ぶ羽花だったが、中学時代のいじめっ子達が再び羽花をいじめ始める。
ヒーローの界がつっけんどんかつ偉そうな、いけ好かない野郎で、羽花は何でこんな奴のことが好きなんだ、イケメンだからか? 納得いかねえなあ、と思って観ていたが、最後まで観たら実は優しいので女子がキュンキュンする気持ちも分かった。
自分を変えたいと願う羽花が界から勇気をもらって一歩前に踏み出した様は心を打った。だが、羽花は親からのプレッシャーで優等生を演じていたわけでも、本当は他にやりたいことがあるのに我慢している訳でもないので、特に変わらなくても良いのでは。内気で真面目な優等生だって立派な個性ではないだろうか。
RINGING FATE
原作・監督:Haolin(リ・ハオリン)、アニメーション制作:MOJO、元気蛙
Haolin監督のオリジナルアニメ。謎の世界でメカを操縦して戦うバトルもの。
いきなりヒロインの要が銃を突きつけられている所から始まり、キャラクターも等身が低く、ここが現実世界なのか仮想世界なのかも何が何だか全然分からんと思っていたら、要も記憶喪失になっており、要と一緒にこの世界とは何なのか探っていく構成になっているのが上手い。
助けてくれた男が本作の相棒なんだろうと思っていたので、中盤の展開には結構驚かされた。
取り戻した過去の記憶が実写のような映像で、今までの世界と解像度が全然違うことに心動かされた。一話で視聴者が共感できる大目標がはっきり示されているので続きを見たくなる。
Dr.STONE SCIENCE FUTURE
原作:稲垣理一郎、Boichi、監督:松下周平、シリーズ構成: 砂山蔵澄、アニメーション制作:トムス・エンタテインメント
「Dr.STONE」のテレビアニメ最終シーズン。人類石化の黒幕の本拠地が月であることを突き止めた千空たちは、月へ行くための宇宙船開発を目指して動き出す。まずは大量のコーンを手に入れるためアメリカ大陸に向けて出港する千空たちだが、船の航路を等角航路にするか大圏航路にするかで龍水と千空が対立する。
1話は龍水&ゲンvs千空&コハクのポーカー対決。ゲンの人間心理を巧みについた視線誘導テクニックは鮮やかだし、千空の対抗策も見事。
本筋と関係ないポーカー勝負がめっちゃエキサイティングになる所はマルドゥックスクランブルを彷彿とさせる。
アラフォー男の異世界通販
原作:朝倉一二三、うみハル、監督:夕澄慶英!
シリーズ構成:赤星政尚、アニメーション制作:イーストフィッシュスタジオ
突如異世界転移したアラフォー独身男性のケンイチが、ネット通販サイト「シャングリ・ラ」で様々な商品を購入してサバイバルする話。
すごい勢いで商品を買いまくるのが特徴。貧乏性なので、ケンイチの金遣いが荒いのを見て勿体ないと感じてしまった。
通販ができる異能力というのは「とんでもスキルで異世界放浪メシ」と同じだが、とんでもスキルが食材調達に絞って使っていたのに対し、本作は主に商売の仕入れに使うようだ。現代日本の品を異世界で売って儲ける話は結構あるので、差別化が難しいのではないか。
不遇職【鑑定士】が実は最強だった
原作:茨木野、監督:大西健太、シリーズ構成:待田堂子、アニメーション制作:オクルトノボル
生まれ持ったスキルが鑑定士のアインは、戦闘系スキル持ちのゾイドやジョリーンからゴミ拾い呼ばわれされ、バカにされている。なかなか仕事を得られないため、屈辱的な扱いに耐えていたアインだが、パーティーがヘル・ハウンドの群れに遭遇。ゾイドとジョリーンはアインを囮にして逃げてしまう。
不遇なスキルが実は最強というのは良くあるパターンだが、本作は不遇描写がエグくて引きこまれた。扱いが屈辱的な程、逆転した時のカタルシスが大きくなるので今後に期待が持てる。
一話は主人公が弱いままで終了し、何で実は最強なのか全く分からなかった。不遇描写をたっぷりやったから仕方がないのだが、どういう理屈で最強になるかのヒントぐらいは示して欲しかった。
悪役令嬢転生おじさん
原作:上山道郎、監督:竹内哲也、シリーズ構成:入江信吾、アニメーション制作:亜細亜堂
52歳の公務員、屯田林慶三郎は交通事故で死んだはずだったが、なぜか乙女ゲーム「マジカル学園ラブ&ビースト」の世界の悪役令嬢グレイス・オーヴェルヌとして転生する。ゲーム通りの悪役令嬢として振舞おうとするも、生来の親目線の優しさが出てしまいーという内容。
ギャップのあるものを取り合わせると面白いという典型。悪役令嬢の中身が庶民的な薄毛のおじさんというだけで面白い。見ている間ずっとニコニコし通しだった。
悪役令嬢の中身が良い奴というのは良くあるパターンだが、親目線というのは新しい。
老眼だったのが良く見えて感激するなど、おじさんならではのギャップも楽しい。
想星のアクエリオン Myth of Emotions
原作:河森正治、サテライト、監督:糸曽賢志、シリーズ構成:村井さだゆき、アニメーション制作:サテライト
優秀な子どもを集めて英才教育をしている私立江ノ島学園。特殊強化クラス〈エレメント〉に選ばれたサッコ、リミヤ、トシは、戦闘機〈ベクターマシン〉で謎の侵略兵器〈神話獣〉と戦うことを命じられる。
お葬式だからと故人と親しくないのに形式的に泣いているのをとがめられるシーンにははっとさせられた。欠落している者が集まって合体することで補い合うというのは興味深い。
前回の肉感的なキャラクターからキッズアニメのようなキャラデザに変更されており、意図が分からなかったのだが、どうも羽があった肉感的な古代人との違いを強調する意図があるようだ。
どうせ、恋してしまうんだ
原作:満井春香、監督:山元隼一、シリーズ構成:村井雄、アニメーション制作:颱風グラフィックス
なかよし連載の少女漫画のアニメ化。主人公西野水帆と幼なじみの四人の男子の恋愛模様を描く。
逆ハーレムものは結構あるが、普通の女子がひょんなことからイケメン達と関わることになってドキドキするというのが普通。本作の生まれながらにイケメンに囲まれていたので、ただの幼なじみとしか思えないという設定は斬新だ。
コロナで色んなイベントが軒並み中止になってしまったことを正面から描いているのも意欲的。だが、コロナ下という設定なら人込みではマスクをつけている描写を入れるべきではないか。
水帆に想いを寄せる輝月のセリフや言動の強度が強い。私が乙女だったら「キャー!!」と叫んでいるに違いないシーンが満載で、乙女ならざる身ながら大いに心を揺さぶられた。
FARMAGIA
原作:FARMAGIA(マーベラス)、総監督:石平信司、監督:佐野聡彦、シリーズ構成:根元歳三、アニメーション制作:ブリッジ
真島ヒロ氏キャラデザのゲーム原作のアニメ。モンスターを畑で育てて収穫し、使役するファーマギア達のバトルを描く。
ファーマギアとして各大陸を治める領主・竜顎六柱将(オラシオンセイス)を目指している少年テンはまだモンスターを一匹も使役できておらず、仲間のレイからは「0点野郎」と呼ばれていた。そんなある日、魔王ディルクロムが死んだという知らせが届く。
モンスターを畑で育て、電灯のような日用品から戦闘まで様々な用途で使うという設定がユニーク。
テンが犬が苦手なのと、アルシェがすぐ薬草を食べるのがギャップがあって面白い。
ギャグシーンのわちゃわちゃした所がいかにも真島作品っぽい。
ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います
原作:香坂マト、監督:長澤剛、シリーズ構成:千葉美鈴、制作:CloverWorks
電撃小説大賞金賞受賞作のアニメ化。ギルドの受付嬢アリナ・クローバーが安全安定終身雇用の受付嬢職を守るため、実は異様に強い冒険者<処刑人>であることを隠し通そうとする話。
原作は既読で面白かった。異世界ものは色々あるが、受付嬢が主人公でしかも異様に強いなんて聞いたことがない。まだこんな切り口が残されていたのかと感心した。
原作はなろう小説っぽくサクサク話が進む。アニメは力の入った戦闘描写でアリナの異常性を強調するなど、メディア特性を生かした違いが面白い。
ナナオアカリ氏のエンディングが原作の精神を体現した良い歌でほっこりする。
Übel Blatt~ユーベルブラット~
原作:塩野干支郎次、監督:直谷たかし、シリーズ構成:髙橋龍也、アニメーション制作:サテライト×Staple Entertainment
闇の異邦を討つため、皇帝は14人の若者たちに聖なる槍を与えて送り出す。そのうち4人が敵を討ち、アシュリート一人が生還するが、残りの7人の裏切りにあって殺されてしまう。7人は4人に裏切りの汚名を着せ、七英雄として君臨する。それから二十年後、七英雄を激しく憎む少年ケインツェルが国境の街に現れる。
冒頭から非常に良い設定で舌を巻いた。命がけで敵を倒してきた真の英雄が殺された上に裏切り者の汚名を着せられるなんてひどすぎるので、視聴者の誰もが「七英雄許すまじ!」と思うだろう。主人公ケインツェルと視聴者の心が一つになり、物語に一気に引き込まれる。
ヒロインピーピが何度も殺されそうになってハラハラするし、ヴィドはケインツェルほど強くはないが大人として頼りになる。敵がどうしようもないクズ野郎なので、殺しても全然心が痛まないのも良い。
聖女なのに国を追い出されたので、崩壊寸前の隣国へ来ました
作画:ミドリ RTC STUDIO、漫画原作:よどら文鳥、監督:葛齋旭也、アニメーション制作:かぴこ(株式会社動楽)
Renta!が配信している、漫画に色、音、動きをつけた「アニコミ」作品。アニメというより漫画に近い。
聖女リーシャは、婚約者のバーズーデン国王ダルエストに突然国から追放されるが、隣国メートポリスの国王ラオウハルトに助けられる。
内容は良くも悪くも典型的な追放聖女もの。善玉と悪玉がはっきりしているので、気持ちよくすっきりできそう。
UniteUp! -Uni:Birth-
監督:牛嶋新一郎、シリーズ構成:Teamきずにゃ、制作:CloverWorks
ソニーミュージックが贈る多次元アイドルプロジェクト「UniteUp!」のTVアニメ第二期。
新人メンズアイドルフェスで優勝したPROTOSTAR。次なる目標は同じsMiLeaプロジェクション所属アイドルLEGIT、JAXX/JAXXとの新曲リリースバトル。PROTOSTARの三人はTV番組の名物コーナー、リレーチャレンジに挑戦する。
PROTOSTARの明良、万里、千紘は個性はあるのだが、基本的にみんな温厚で優しい良い子というのが今時な感じ。三人組だと炭治郎、善逸、猪之助のように全然違う性格の奴を組み合わせて引き立て合うのが普通だ。
実際にレコード会社が関わっているだけあって、芸能界の様子は非常にリアリティがある。
かっちゃんに代表される観てくれている人たちに挑戦する気持ちを伝えたいから、難しい記録にチャレンジする姿には心動かされた。
Aランクパーティを離脱した俺は、元教え子たちと迷宮深部を目指す。
原作:右薙光介、監督:小野勝巳、シリーズ構成:筆安一幸、アニメーション制作:BNPictures
赤魔導士のユークは仲間からの評価が低く十分な分け前を貰えないことに耐え切れず、5年間在籍したAランクパーティ「サンダーパイク」を離脱する。ユークは元教え子3人に誘われて、彼女達のパーティーに加入。様々な迷宮に挑んでいく。
教え子は性格に違いはあるが、三人ともユークを素直に尊敬して慕ってくれる。会話劇という点では善逸や猪之助のような極端な性格の奴がいた方が楽しいが、癒されるという点では良い。
ユークはコミュ強なのに、何でサンダーパイクの連中がユークの有能性に気づけなかったのかは謎。
arank-party-ridatsu-official.com
魔法つかいプリキュア!!~MIRAI DAYS~
原作:東堂いづみ、シリーズディレクター:浜名孝行(第2期)、シリーズ構成:村山功、アニメーション制作:スタジオディーン
魔法つかいプリキュアの続編。みらいはナシマホウ界(人間界)で大学生、リコは魔法界で先生をしている。
魔法を使って人助けをしているみらいだったが、新たな謎の敵が出現する。
具体的エピソードで魔法のルールや人に見られてはいけないことなどを説明してくれるので、前作未見でもすんなり入り込めた。
リコが登場したタイミングが完璧でテンション爆上がりになった。
魔法つかいというから遠方から魔法を撃ち合って戦うのかと思っていたが、めっちゃ肉弾戦だった。プリキュアは殴ったり蹴ったりするものだという美学があるのだろうか。
子供向けかと思っていたが、謎の敵もミステリアスで普通に面白かった。
地縛少年花子くん2
原作:あいだいろ、監督:福井洋平、シリーズ構成:中西やすひろ、アニメーション制作:Lerche(スタジオ雲雀)
かもめ学園の七不思議の一つであるトイレの花子くんと助手の寧々と光が他の七不思議や怪異と戦うアニメの第二期。第一話では七不思議の『三人の時計守』がらみと思われる事件が発生する。
緒方恵美氏演じる花子くんの声が艶っぽくて妖しい魅力がある。モテクイーン葵がすごい勢いで告白されまくったりと、ギャグのテンポが良い。
最後に明らかになった時計守の正体も一ひねりしてあって意外だった。
魔神創造伝ワタル
監督:かまくらゆみ、シリーズ構成:加藤陽一、制作:バンダイナムコピクチャーズ
魔神英雄伝ワタルのリメイク。小学4年生の動画配信者星部ワタルといとこの天部カケルが異世界「宙部界」に吸い込まれてしまう。そこで出会った剣豪「御富良院」と人気Vtuber「マロ」はワタルのことを救世主と呼んで歓迎する。ワタルは人々を無理やりチャンネル登録させている「爺チャンネル」を止めようとする。
主人公をYouTuber(作中ではリューチューバー)にして今っぽくリメイクしている。タイトルが象徴的だが、ワタルがデジタルツールを活用してどんどん自分で作っていくのが印象的だ。
空中をタップするとブロックが現れ、どんどん階段を作って空中を降りていくシーンはワクワクした。
基本的には小学生向けなので大人が見るとやや物足りない。
君のことが大大大大大好きな100人の彼女
原作:中村力斗、野澤ゆき子、監督:佐藤光、シリーズ構成:あおしまたかし、アニメーション制作:バイブリーアニメーションスタジオ
恋の神様の手違いで運命の人が100人になってしまった恋太郎が彼女達を死なせないために次々恋人を増やしていく、驚異の100股ラブコメの2期。
前半は倦怠期を恐れる羽香里たちが新たな魅力を求めて楠莉の新薬を使った所、互いの中身が入れ替わってしまう話。普通のラブコメだと好きな相手と付き合うまでを描くので、手が触れあうレベルのドキドキだが、本作は全員と付き合っているので、キスしまくるし、恋太郎が相手の魅力を言いまくるのがすごい。見ていて顔がニヤニヤしっぱなしである。
後半はすぐお腹が空く新キャラの中学3年生、原賀胡桃の話。相変わらずコンプレックスが受容されるという構図がしっかりしているので、心打たれた。恋太郎の好きな人のために全力を尽くそうとする姿勢は本当に格好良い。
100カノって、彼女の可愛さにキュンキュンする話というより、彼女側に感情移入して恋太郎の優しさにキュンキュンする話なんじゃないだろうか。
SAKAMOTO DAYS
原作:鈴木祐斗、監督:渡辺正樹、シリーズ構成:岸本卓、アニメーション制作:トムス・エンタテイメント
少年ジャンプ連載の人気漫画のアニメ化。引退し個人商店を営む最強の殺し屋坂本太郎が襲い来る敵と戦う。
冒頭からかつての坂本が様々な武器で襲い来る敵を皆殺しにする様が描かれ、アクションがキレッキレである。
引退し、太ってしまった坂本が店長をしている商店を後輩のシンが訪れる。エスパーのシンを語り手にすることで、平和な日常で坂本が実は怖いことを考えていることが分かるようにしたのは上手い。
中盤の飴玉などの菓子を使って敵を撃退するアクションシーンは、新鮮で見ごたえがあった。
坂本は銃弾を箸で受け止めたりと、完全にリアリティを無視した強さ。ここまで異様に強い坂本に対し、無謀にも戦いを挑む敵が馬鹿すぎる。
淡々とした冴えない風貌のおっさんが滅茶苦茶強いというギャップが坂本の魅力ではあるのだが、あまり感情を見せてくれないので感情移入するのが難しい。
戦隊レッド 異世界で冒険者になる
原作:中吉虎吉、監督:川口敬一郎、シリーズ構成:冨岡淳広、アニメーション制作:サテライト
異世界転移した戦隊ヒーローの活躍を描く異色ファンタジー。
悪の組織秘密結社ゼツエンダーに立ち向かう絆創戦隊キズナファイブ。最終決戦で絶縁王に挑んだキズナレッドは命を落としたかと思いきや、異世界に転移する。魔法使いの少女イドラの元にレッドこと浅垣灯悟がやってきて一緒に冒険することになるのだが――
魔法世界でも戦隊レッドは変わらず熱く正義のために戦っているのだが、戦隊ものを全然知らない魔法使いの少女イドラがツッコミを入れることで、戦隊ものの変さが浮き彫りになっている。特に変身すると背後で爆発が起きるので、イドラが爆発に巻き込まれそうになったのには笑った。
戦隊ものの変さを笑うだけでなく、レッドの熱く真っすぐな心の良さも描いており、作者の戦隊愛を感じる。
ババンババンバンバンパイア
原作:奥嶋ひろまさ、監督・脚本:川崎逸朗、アニメーション制作:GAINA
銭湯に住み込みで働く450歳の吸血鬼、森蘭丸。彼は三年後に18歳童貞になった銭湯の四代目李仁の血を吸うことを目論んでいる。だが、李仁は登校中にぶつかった女子に一目ぼれしてしまう。
非常にユニークな内容。主人公森蘭丸は三年後に李仁の血を吸うという目標があるのだが、血を吸うと李仁は死んでしまう。李仁は純朴な好青年なので、視聴者のほとんどは主人公の目標が達成されないでほしいと思って観ることになる。普通、主人公は視聴者が達成して欲しいと感じる目標を持つ、応援したくなるようなキャラにする。本作はセオリーの真逆を行っている。
基本的にはギャグ漫画っぽいのだが、愛した相手を殺してしまう吸血鬼の悲しき性のようなシリアスな側面もある。耽美さと下品さが同居していていわく言い難い感情になる。
全体の感想
1.特に面白かった作品
特に面白かったのは『悪役令嬢転生おじさん』、『メダリスト』、『君のことが大大大大大好きな100人の彼女 第2期』、次いで『天久鷹央の推理カルテ』、『空色ユーティリティ』、『青の祓魔師 終夜篇』、『RINGING FATE』、『Dr.STONE SCIENCE FUTURE』、『Ubel Blatt~ユーベルブラット~』が面白かった。
面白い1話の条件として1)視聴者が好きになる、共感できる主人公、2)キャッチ―な設定、3)意外な展開、4)大目標の提示があり、面白い作品はそれらをより多く盛り込んでいるという印象を受けた。
2.作品数が多すぎる。
1話表記の作品だけで44作品もあった。こんなに多いと熱心なアニメファンでも観きれない。
特に異世界作品が非常に多い。異世界ものは大枠の基本設定が共通なので作品ごとに新たに覚えなくてはならないことが少なく気軽に見れるという利点があるものの、これほど作品数が多いと飽きられかねない。もっとアニメ化する作品数を絞った方が良いのではないか。