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ハリス暗殺を煽動する似非”リバタリアン”

米国リバタリアン党の極右の派閥Mises Caucusの危険性については、このブログやXの投稿でたびたび訴えてきましたが、とうとう深刻な事件が起きました。9月15日、Mises Caucusの牙城であるリバタリアン党ニューハンプシャー支部の公式Xが次のようなハリス副大統領の暗殺を煽動する投稿を行ったのです。

「カマラ・ハリスを殺す人は誰でも米国の英雄になるだろう。」

リバタリアン党ニューハンプシャー支部公式X 2024年9月15日の投稿(既に削除済み)より

常識ある人はこの投稿が暴力の煽動であり、一線を越えたものであることを当然理解されると思います。トランプ暗殺未遂事件が7月に起きたばかりで、この投稿の直後にはトランプ元大統領の暗殺未遂事件が再び起きています。こういう緊迫した状況でハリス副大統領の暗殺を煽動する投稿をするのは冗談では済まされない恐ろしい行為です。

Mises Caucusはリバタリアンを自称しながら、陰謀論者や人種差別主義者を積極的に受け入れ、マイノリティーへの差別や暴力煽動を繰り返してきましたが、中でも最悪なのがこのニューハンプシャー支部です。

問題の投稿は数時間後に削除されましたが、相当な数の人が閲覧し、リポストしたり評価したりしています。この投稿と同時に投稿された以下のような投稿はいまだに削除されていません。これは誤解しようのない脅迫です。

(銃の所持を認める)修正第二条のポイントは専制的な政治家を撃ち殺すことだ。*1

民主党員はリバタリアンの秩序の下で居場所はないし、物理的に取り除かれるべきだ。*2

進歩主義者や他の暴君たちに不安を感じさせることこそ自由を産み出す方法だ。*3

これらの投稿は全くリバタリアニズムの対極にある暴力を賛美するファシズムです。こんなものを弁護する”リバタリアン”など笑止千万です。

私はこれまで何度も「Mises Caucusは陰謀論者や人種差別主義者の巣窟であり、全ての人の自由を尊重する哲学であるリバタリアニズムとは相いれない考え方を広める危険な極右だ」と訴えてきましたが、今回の事件でMises Caucusの危険性は誰の目にも明らかになったのではないでしょうか(そうであることを望みますが!)*4

問題の投稿を削除した際、リバタリアン党ニューハンプシャー支部からはハリス副大統領への謝罪は一切なく、それどころか反省のかけらもない次のような投稿をしています。

我々は、我々自身が同意したこのウェブサイトの規約〔暴力の煽動等を禁じるXの規約のこと〕に違反したくないので、ツイートを削除した。”言論の自由”があると称するウェブサイトでさえ、リバタリアンが自由に話せないのは恥ずべきことである。リバタリアンは本当にもっとも抑圧されたマイノリティーだ。*5

極めて挑発的で人を馬鹿にした投稿というべきでしょう。殺害の煽動や脅迫は”自由”ではありません。FBIはこの投稿をした当人であるリバタリアン党ニューハンプシャー支部のXアカウントの管理人であるジェレミー・カウフマン(人種差別主義や反LGBTの投稿でよく知られた極右)の事情聴収を行ったそうですが、全く当然のことでしょう*6

まあ、「これが言論の自由であり、暴力の煽動はリバタリアンらしいことだ。迫害されていてかわいそうだ」といいたい方はどうぞ大声でそう言っていただいて構いません。あなた方は民主主義を否定し、暴力を賛美し、他人を脅迫し、殺害予告を送る自由の支持者だと声を大にして叫んでください。まあ、なんと素晴らしい”自由の戦士たち”であることでしょうか!そのような馬鹿馬鹿しい思想は決して支持されないでしょうし、自由の実現とは何の関係もありません。

なお、リバタリアン党の大統領候補で、Mises Caucusとは対立しているチェース・オリバー候補はリバタリアン党ニューハンプシャー支部の暴力賛美の投稿を直ちに非難しましたが、Mises Caucusやその影響下にあるリバタリアン党全国委員会は今のところこの問題を放置しており、リバタリアン党ニューハンプシャー支部に対して何の処置もとっていません*7。その組織が何と名乗っていようと、明らかに極右と付き合い、極右的な言動を繰り返し、極右が実際にメンバーになっているならば、それは極右と呼ぶのが妥当です。他にどう呼ぶのでしょうか?

*1:リバタリアン党ニューハンプシャー支部のX投稿(9月15日)

*2:リバタリアン党ニューハンプシャー支部のX投稿(9月15日)

*3:リバタリアン党ニューハンプシャー支部のX投稿(9月15日)

*4:これまでMises Caucusが極右であることを否定してきた方々は何か言うことがあるのでしょうか?見たところこの問題を取り上げている方はいないようですが、まあ、予想される(というかリバタリアン党ニューハンプシャー支部の関係者がすでにしている)弁解は「左翼も暴力を煽動している人がいる」とか「私たちだけではない」というものでしょう。これは「みんなやってるもん。僕だけ怒られるのは不公平だ」という聞き分けのない子供みたいな言い分ですが、常識的に考えてまともに取り合うべきでしょうか?これに対する正しい返答は「暴力を煽動する左翼もあなた方も同様に間違っており、もちろん同じようなことをすれば同じように公平に非難されるべきです。そんなことを言えば自分の罪が軽くなると本気で思ってるんですか?」というにつきます。そんな主張は何の弁解にもなりません。

あるいは、「言論の自由は神聖だ」という線の弁解で行きますか?脅迫の自由?そんなものを祝福する理由はありません。もし仮に言論の自由絶対主義で行くとしても、自分自身が他人を傷つける言論をやっていいという理由にはならないと思いますが、いかがでしょうか?飲酒の自由を擁護するからと言って、自分自身がべろべろに酔っぱらわなければならない理由なんて何もないですよね。誹謗中傷をやる人やらヒトラー賛美者やらを自由の戦士と称えるのは倒錯しています。まあ、そういうことがしたければしても結構ですが、大半の人が脅迫の自由、暴力賛美の自由擁護者とはかかわりあいになりたくないでしょう。そういう主張は決して多数派にならないし、むしろ多数派を遠ざけます。過激派を気取っていたいならそれは自由ですが、それはただの観念の遊びです。そのようなことがしたいのであれば、どうぞご自由に勝手にやっていただきたいと思いますが、たぶんそれはリバタリアニズムと別の名前で呼ぶべきでしょう。

*5:リバタリアン党ニューハンプシャー支部のX投稿(9月15日)

*6:FBI agents visit home of NH Libertarian Party member (youtube.com)

*7:Mises Caucusの多くのメンバーが同性愛者のオリバー氏を中傷したりトランプ元大統領を公然と支持したり問題行動を繰り返していますし、よほどなことがない限り何もするつもりはないのでしょう。ちなみに、Mises Caucusの公式Xは最近では、トランプ元大統領やヴァンス副大統領候補が宣伝した「ハイチの移民がペットの猫や犬を誘拐して食べている」という偽情報を拡散する言語道断な投稿を繰り返しています。何度も書いている通り、この組織は一部に問題があるのではなく、組織全体に問題があるのです。




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