庭園研究や茶室の研究などでも有名な建築家、堀口捨己の文章を集めたもの。おもに戦前に書かれたものが収録されており、茶道の美学を建築と絡めながら論じたものや近代建築業界における日本的なものを批判的に論ずるものなどを面白く読む。「建築家が、アーキアテクトであるという一つの自覚のもとに、自分の計画を進めてゆくには、自分がそれの範囲において主人である。帝王でなくてはいかんのであります」。このエゴイズムにも惹かれる。もっとも、文章よりもモダニズムに影響を受けた日本的な住宅を設計した堀口自身の作品のほうが面白い、というのはある。代表作のひとつである小出邸などはいまでも新鮮味を失わず「&Premium」にでてきそう佇まいである。
