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2024年07月15日 05:00

ライブスタックの一夜③(2024/06/04・その一部始終・時系列記録)




の続きです。


 画角合わせ・粗ピント合わせ 
まだまだセットアップ作業は続きます。
次なる作業は、画角合わせ、粗ピント合わせです。
望遠鏡は天の北極付近に向いています。この状態で、EAFをFastにし、ASIAIRのプレビュー(露光2秒)で、星が小さくなるよう、ピントをザックリと合わせます。本当にザックリでいいです。
星がボケボケだと、画角合わせ、粗ピント合わせを行うために、1等星へ望遠鏡を振っても、ASIAIRがプレートソルブを完了できません。

その後、「星図モード」で、適当な1等星を選択し、Gotoします。
この日は、アルクトゥルスにもって行きました。
プレートソルブが完了し、出てきた画面が次です。
スパイダー光条が斜めになっていますね~。
画像は、左が北、上が西になります。
コマコレを仕込んだ時に、ちょっと水平・垂直が取れていなかったようです。
なお、私は、いつも縦構図でライブスタックしているのですが、CMOSカメラ・ASI585MCは常に、カメラ背面の「ASI585MC」という文字が、左に来るようにセットしています。いつも同じ向きにセットすることで、頭の中の混乱が避けられます。
スクリーンショット 2024-06-04 220057
ここで、画像の各辺が東西南北にキッチリ向くように合わせていくのですが、私は、PC画面上のスパイダー光条が、画面の上下左右の辺に対して水平・垂直になるよう調整することを以て、画角合わせとしています。
ところで、光条を水平・垂直に持って行くには、画角を回転させなければなりませんが、「SkyWatcher BKP250/F1000」の接眼部には回転装置がありません。
そのため、コマコレ・CMOSカメラ一式を直に回転させて画角を合わせなければなりません。

まずは、2インチ・スリーブ止め具の3つのネジを、カメラ背面を軽く押えながら一旦緩めます。
その後、コマコレ・CMOSカメラ一式が落下せず、かつ、コマコレ・CMOSカメラ一式を回転させることが出来るように、ネジを絶妙な加減で締めます。
そして、少し動かしては、PC画面を確認するというのを、繰り返して、水平・垂直にもっていきます。
次の画像が、完了形です。これでいいでしょう。
スクリーンショット 2024-06-04 220346
因みに、星図モードに飛ぶと、Rotation〇°と角度が出るので、確認してみました。
267°となっています。270°になっていませんが、まあいいんじゃないでしょうか。
ここに拘って、さらに調整すると、今度は、スパイダー光条の水平・垂直が崩れるので、あまり深入りしないようにしています。
スクリーンショット 2024-06-04 220433 - コピー

次に、粗ピント合わせを行います。
ここは、ライブスタック本番用ではなく、Flat用なので、簡易的にEAFのオートフォーカスを使います。
次の画像は、オートフォーカス動作中のものですが、ASIAIRのオートフォーカスが、放物線の底値から離れた所を合焦と決定した場合(これが、かなりの頻度で起きます)、底値を読み取っておき、その数値にもっていくようにしています。この時は、確か14000にしたように記憶しています。
スクリーンショット 2024-06-04 221302


 Bias、Dark、Flatフレーム撮影(Live、Autorun) 
セットアップも、そろそろ佳境に入ってきました。
次は、Bias、Dark、Flatフレーム撮影です。
私は、出来るだけクオリティの高い画像を視たいと思っているので、スタックするフレームに、これら3つを適用させています。
言うなれば、フルオプションでのライブスタックですね。
スタックフレームに適用させるには、当然のことながら、ライブスタックの前に、3種のフレームを撮影しておく必要があります。
また、ライブスタック用の3種のフレーム撮影の直後に、後で撮るのが面倒なので、画像処理用の3種のフレームも撮ってしまいます。

まずは、25cm鏡に、鏡筒キャップを付けて、光が入らないようにして、「ライブスタック用のBias、Darkフレーム」を撮影します。画面右パネルのPreviewをLiveに変えて、設定画面を開きます。

Biasの露光時間は、最短の0.001秒として50フレーム撮影します
これにより、ライブスタック用のMaster・Biasフレームが作られます

スクリーンショット 2024-06-04 221837

Darkの露光時間は、Lightの露光時間と同じ10秒、枚数は20枚撮影します
出来れば、もっと枚数を増やしたいのですが、設定が5枚刻みで、Maxが20となっていて増やせません

スクリーンショット 2024-06-04 222036

続いて、「画像処理用のBias、Darkフレーム」を撮影します。
画面右パネルのLiveをAutorunに変えて、設定画面を開きます。

各露光時間は、Liveと同様です
Gainは「Default Gain」(メインカメラ・メニューで設定した280)
Biasは、この後撮影するFiatと同枚数の50枚
Darkは、時間が掛かり過ぎるので30枚に抑えています

スクリーンショット 2024-06-04 222527

計80枚を撮影している間に、一服
Biasの露光時間は0.001秒なので一瞬で出来そうなものですが、
内部処理が追い付かないようで、結構、時間が掛かります

スクリーンショット 2024-06-04 223533

これはDark撮影終了後の様子ですが
ライブスタック中も、このように、PCを望遠鏡から遠ざけ、PC画面の光が撮像に影響しないようにしています
ASIAIRとPCは、Wi-Fiルーターを介してのLANケーブル接続なので、実はもっと離れることも出来ます

20240604_133756747_iOS


続いて、Flatの撮影です。
25cm鏡に付けていた、鏡筒キャップを外し、星図モードで天頂「zenith?」「zeth?」をクリックして、Gotoします。
望遠鏡が天頂に向いて、プレートソルブが完了したら、「フラット板(LEDトレース板)」を筒先に載せます。
※フラット板は、以前に「迷人会 YouTubeチャンネル」さんの動画「フラットフレームの撮影方法~LEDフラット編~「LEDパネル」を作ろう!」を参考に、自分なりのアレンジを加えて製作しました。

結構大きなLEDトレース板なので、25cm鏡まで使用可能です
USB給電で、調光できるタイプです 明るさはMaxにしています
(以前は、CMOSカメラがどうせ高感度だからと、明るさMinでFlatを撮っていたのですが、今年の1月に神割崎で
宮城の「そーなのかー」さんに、もっと明るくした方が良いと教えてもらい、それからはMaxにしています
ネットで情報を集めての独学だと、案外スタンダードが分かっていないということが多いですね)

20240604_134205648_iOS

次に、「ライブスタック用のFlatフレーム」を撮影します。画面右パネルのPreviewをLiveに変えて、設定画面を開きます。

Flatの露光時間は1秒、枚数は20枚撮影します
因みに、NBZ-Ⅱなどの受光域を極端に絞ったフィルターを使うときは、露光時間を2秒にしています
Flatの枚数を増やせばライブスタック画像の品質が上がることを経験的に知っているので
もっと枚数を増やしたいのですが、設定のMaxが20となっていて増やせません
ここは、任意の枚数に変更できるように、ASIAIRアプリの改善を望むところです
スクリーンショット 2024-06-04 224343

続いて、「画像処理用のFlatフレーム」を撮影します。
画面右パネルのLiveをAutorunに変えて、設定画面を開きます。

Flatの露光時間は、こちらも1秒、枚数は、ちょっと多めの50枚、Gainは「Default Gain」です
Liveと同様に、Flatの枚数を多くすればクオリティが上がるので、
時間が掛かるとしても、多めに撮影しておきます

スクリーンショット 2024-06-04 224540

こちらは、撮影中の画像です
結構、明るさにムラがあり、Flatを当てないと、かなり不味いことになるということがお分かりでしょう
1/1.2インチセンサーのASI585MCなので、これは周辺減光ではないと思われます
と、言うことは、CMOSセンサーの感度のムラと考えられます
スクリーンショット 2024-06-04 224630


 オートガイド(PHD2)のキャリブレーション 
さて、セットアップも、終盤です。
ここで、オートガイドのキャリブレーションを行っておきます。
星図モードを使って、天頂に向いていた望遠鏡を、天の赤道付近にGotoします。
ライブスタック時に鏡筒にフードを付けるので、同様に鏡筒にフードを付けてキャリブレーションを行います。(焦っていると、よくフードを付け忘れて実行してしまうので、要注意です)
スクリーンショット 2024-06-05 000043

メイン画面中のガイドグラフをタップして、PHD2の画面に遷移します。
右パネルの円形矢印「露出ループ・ボタン」を押し、星が表示されたら円形十字の「ガイド・ボタン」を押すと、画面に黄色の十字線が現れ、自動的にキャリブレーションが始まります。
次の画像は、キャリブレーションが終了し、ガイドが開始された状態のものです。

ガイドの露光時間(信号の発出間隔)は2秒としています
EQ6Rの場合、1秒よりも2秒の方が安定するようです
また、画面右下の「RA・DECのAggr(アグレッシブ)」を適切な値にすることも重要です
この頃までずっと、それぞれ60・85にしていましたが、
最近使い始めたEQ8-Rでは、RAを65にした方が安定しました
スクリーンショット 2024-06-05 000355


 本ピント合わせ 
次に、「ライブスタック本番用の本ピント合わせ」を、バーティノフマスクを使って行います。セットアップの最終工程です。
星図モードで、観望の1対象目の近傍にある1~2等星に望遠鏡を向けます。
1対象目と、あまりにかけ離れた輝星でピント合わせすると、1対象目に持って行くまでの長い行程で、振動によりドローチューブが動いてしまう危険性が増すため、近めの星を導入するのが良いと思います。念には念を。
この日は、1対象目から18°程離れたアルクトゥルスでピントの追い込みを行いました。

バーティノフマスクは、マスクの斜線部分が、接眼部の下方向に来るように、筒先に取付ます。加えて、マスクの縦線部分と斜線部分の間の直線が接眼部と一直線になるように取り付けます。
こうすれば、PC画面上で、マスクの光条が縦になります。(横の方が線を長く捉えられるのですが、中央線の位置、斜線の等間隔を確認するには、縦の方が見やすいと思います。)
また、ここは、いつも、同じ向きに取り付けるようにしています。都度都度の混乱を避けるためです。

続いて、EAFを使って、マスクの光条の「中央(縦)線」を「X光条」の中央にもっていきます。
EAFでのピント合わせは、手動時のように画像が揺れないので、本当に楽ですね。
長焦点距離の望遠鏡だと、その効果覿面です。


ピント合わせ時のプレビューの露光時間は2秒としています
画面をズームしてピント合わせを行っています
また、ヒストグラムの中間スライダーを右側に持って行き、暗くして、光条を見易くしています
(※これも、今年の1月に
宮城の「そーなのかー」さんに教えてもらったものです。ヒストグラムをAutoとしたまま、まばゆいばかりの明るさの光条でピント合わせに四苦八苦している時にアドバイスしていただきました。目から鱗。)

・長焦点望遠鏡と小センサーカメラの組み合わせなので、超クローズアップとなり、中央線が刻々と右に左に動きます。
(これは、追尾に係る揺れが原因かもしれません)
そのため、数フレームの傾向を見て、中央を貫く確率の高い平均的な位置を探り、そこを合焦位置と決定しています。

・BKP250/F1000は、接眼部が摩擦でドローチューブを動かすクレイフォード式のため、
時々、ドローチューブを繰入れ方向に動かしても、重力方向に滑って、逆に繰出し方向に動いてしまうことがあります
頭の中が混乱しますが、ここは如何ともし難い点です
スクリーンショット 2024-06-05 002052


 ==セットアップのおさらい== 
ライブスタックに至る前に、次の工程で機材のセットアップを行いました。

 ・赤道儀、望遠鏡設置
 ・バランス取り
 ・赤道儀の極軸合わせ
 ・画角、ピント粗合わせ
 ・Bias、Dark、Flatフレーム撮影(Live、Autorun)
 ・オートガイド(PHD2)のキャリブレーション
 ・本ピント合わせ

ここまでの記事で、各工程について、現状と言うか、ありのままを書いてきました。また、気を付けている点なども書き連ねてきました。
電視観望を始めて、まだ3年にも満たないことから、基本中の基本が抜けている可能性があります。
ご覧いただいた中で、間違っている点や、改善すべき点、もっと効率的な方法などがありましたら、是非、お知らせください

なお、経験豊富な方から見ると、随所に過剰だと思われる点が散見されるのではないかと思います。 
ただ、焦点距離の長い望遠鏡に、小さなセンサーのCMOSカメラを組み合わせると、拡大率が上がるため、いろいろな面でシビアさが求められます。
ピントを僅かに外しただけでも、ゲンナリするほど星が肥大します。
限界ギリギリの所を攻めていくには、やれることは、過剰なまでにやっておいて 間違いはないだろうと思っています。

さて、これで、ようやくライブスタックに入ることができます。
が、この日は、予報に反して雲が空を覆い、結構長い時間、晴れ待ちをしていました。
午前0時頃になって、ようやく雲が切れ始め、セットアップを再開できました。
当記事の「オートガイドのキャリブレーション」は、午前0時前後に行っています。

晴れ上がった時点で、ライブスタック開始から薄明開始まで2時間もない状況でしたが、雨上がりの翌日ということもあり、天の川がクッキリと見え、凄い星空となりました。

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キリが良いので、ここで一旦切ります。
「ライブスタックの一夜④」につづく。







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