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ドイツ旅行の往復の機内で見た映画

飛行機=映画を集中的に見る場所

40代に入った頃から飛行機でなかなかよく眠れなくなりました。思えば若い頃は、飛行機に乗ったとたんに寝始めて、機内食も何もかも無視して気づいたら目的地近くまで来ていたということが少なからずありました。

しかし、だんだん眠れない時間が長くなり、しかたなく機内では映画を見るようになりました。今回はウクライナ・ロシア戦争の影響で前回よりも所要時間が伸びて、往路は14時間、復路は12時間くらいかかりました。

今回の旅行では、往路・復路ともに5本以上の映画を見ていたので、具体的にどんな作品のどんなところがよかったのか、思い出しながら紹介します。



往路で見た作品

1 関心領域

多くの人がこの夏に見に行ったであろう作品ですが、学期中はなかなか時間が取れず見に行けずじまいでした。せっかくなのでこの機会に見てみました。

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収容所のすぐとなりに住むドイツ人家族が、壁の向こうで行われていることに無関心を装いながら自分たちの美しい生活をいかにして整え、守っているかが描かれています。

彼らの無関心を揺るがすような音がときどき聞こえて、それが非常に重要な効果を持っていることがわかりました。

しかし半分くらいまで見たものの眠くてしょうがないし、せっかくならもう少しちゃんと集中して見られる体調のときに見たほうが良かろうと思い中断しました。

 

2 Die Herrlichkeit des Lebens 

晩年のフランツ・カフカとドーラ・ディアマントの恋愛、そしてカフカの死を描いた作品です。

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カフカ没後100年を記念して伝記映画が作られたのでしょう。カフカを演じる俳優さんは、細身で、夏の海水浴場でも分厚い三つ揃いのスーツを着ています。いかにもカフカらしい雰囲気がありますが、今どきの人なので、かなり背が高く、そこはちょっとカフカとは違うんじゃないかなと思いました。

ドイツ語音声で字幕なしだったものの、まあまあ話はわかりやすく楽しく見ていたのですが、ちょうど消灯時間で私も少し寝てしまっていて、気づいたらカフカが死んでいました。

 

3 十二単を着た悪魔

ルフトハンザの機内映画ですが、けっこういろいろな国やジャンルから作品が選ばれています。せっかくだからこういう機会でもないと見ないであろう作品を、ということでこの作品を見てみました。

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薬品会社が源氏物語と関連付けたイベントを行い、その設営バイトをしていた主人公は、雷に打たれたショックで源氏物語の世界に入り込んでしまい、陰陽師として、弘徽殿の女御のもとで活躍するという話です。

ふだんテレビドラマを見ないので、最近話題の『光る君』も『虎に翼』も見ていませんでしたが、源氏物語の世界だし、主人公の妻役は伊藤沙莉さんだったので、両作品の雰囲気を味わうことができました。

 

4 バカ塗りの娘

もう一つ邦画作品も見てみました。これが往路で見た中ではベストだと思いました。

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津軽塗職人の娘、美也子は大人しくて自己主張が苦手だけど、父のもとで漆塗りの仕事を手伝っています。父は兄に跡を継がせたいと願っているものの、兄は恋人とともにロンドンへ移住します。美也子は廃校になった母校に残るピアノを津軽塗で修復しようと試み、長時間にわたる作業で体を壊したりしながらも、職人として大きく成長し、周囲にも認められていきます。

安易なテレビドラマなどでは、すぐに田舎の人間は頑迷で保守的な人たちとして描かれがちですが、この映画では、田舎の人をステレオタイプ的な悪として描かない点が非常に好感が持てました。

 

5 Das ganze Leben

オーストリアの作家ローベルト・ゼーターラーの小説を映画化した作品です。YouTubeでトレイラーを探していて気づいたのですが、ちょうど日本でも公開されたばかりだったのですね。

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日本語訳は、新潮社から浅井晶子さん(大学院の先輩です)の訳で刊行されています。たしか以前に買って半分くらい読んでいたはずですが、ほとんど忘れていました。

孤児として農家にもらわれた男はひどい虐待を受けて育つが、頑強な体を活かして山での肉体労働に励みます。結婚し、自分の家を持ち、子供も生まれそうというところで、大きな雪崩で家族も家も一気に失います。その後彼は一人で暮らし、黙々と働きながら、亡き妻にひたすら手紙を書き続ける、という話です。

オーストリアの山の美しい風景が印象的な映画でした。

 

6 Der ganz große Traum

5本見たところで時間がほとんどなくなってしまったので、最後は授業等で何度も見ている作品を途中まで見ました。邦題は『コッホ先生と僕らの革命』です。

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同世代のスター、ダニエル・ブリュールがとても若くて、ああもう10年以上たってしまったんだなと実感しました。



復路

復路も同様に、ほとんど眠らずに映画を見続けました。

 

1Eine millionen Minuten

ドイツ語の新作映画で、『コーヒーをめぐる冒険』で主演していたトム・シリングが出ているので見てみました。これもいい作品でした。

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国連職員として多忙を極める夫と主婦として二人の子育てに追われる妻、長女の発達に遅滞があることがわかったことをきっかけに、夫はリモートワークに切り替え、タイへ一家で移住します。オンラインで仕事を続けていくもののネット環境の悪化などのため、結局仕事はうまく行かず退職。その後アイスランドに転居し、ここで妻は自分の専門知識を活かし地域社会に溶け込む一方、夫のほうは子育てと家事に忙殺され、これまでの関係と逆転していることに気づきます。家族とともに過ごす時間のなかで長女は成長し、夫婦の関係も変化していきます。

タイ、そしてアイスランドの美しい風景、子役の演技など見どころが多く、おそらく日本でもヒットしそうな作品だと思いました。

 

2 Freud's last session

一本目がとても良かったので、復路は洋画だけに徹しようと決め、次は英語の作品を見ました。いちおう私はフロイト研究者でもあるので、フロイトの生涯を扱ったこの作品も見ておきたいと思ったのですが、字幕なしの英語がわかりにくくて半分くらい眠っていました。

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ロンドンに移住した晩年のフロイトと、作家C. S. ルイスとの神をめぐる討論を中心に、二人の関係、そして娘アンナ・フロイトと父との関係が描かれています。

 

3 Rickerl Musik is höchstens a Hobby

オーストリアのシンガーソングライター、ヴードゥー・ユルゲンスが主役のミュージシャンを演じている作品です。

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映画が始まってすぐ、主人公が何を言っているのかドイツ語がまったくわからず衝撃を受けました。上のトレイラーでは、ドイツ語字幕が入っているのでとてもわかり易いのですが、字幕無しで登場人物たちのオーストリアドイツ語を聞き取るのは、私にはとうてい無理でした。

途中から英語字幕を表示して見ました。主人公リッカールは音楽活動をしながら職を転々とし、元妻との間の男児を育てています。映画では、彼が歌う場所、そして生きる場所を求める苦闘が描かれています。

作中ではしょっちゅう飲み屋でタバコを吸い、酒を飲む場面が描かれます。ビールとともに登場人物たちがシュプリッツァー(白ワインのソーダ割り)をやたらと飲むところがいかにもオーストリアらしくておもしろかったです。

内容はあまり良くわからなかったものの、いちばん印象に残る作品でした。

 

4 Das Beste kommt noch

『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア』(1997)で知られるティル・シュヴァイガーの新作です。

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借金の抵当として家や財産を失ったフェリックスは、昔なじみの友人で医学部教授のアルトゥールの元に身を寄せます。破天荒なフェリックスと生真面目なアルトゥールは正反対ながら、互いを認め合う親友同士です。あるときフェリックスが肺の病気で余命半年であることをアルトゥールは知りますが、逆にフェリックスはアルトゥールが余命僅かなのだと思い込み、後悔のない最期を迎えようと二人でさまざまことにチャレンジします。不治の病、そして死ぬまでにあれこれやってみようというあたりは、まさしくかつての名作『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア』へのオマージュとなっています。

 

5 Schock

次にちょっと違うジャンルのドイツ映画を見てみることにしました。

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主人公は犯罪者や違法滞在者など、訳ありの患者を診る闇医者。彼は依頼に応じて、不法に(そしてものすごく苦労して)薬品を入手し、治療を続けますが、徐々に依頼者たちの関わるさまざまな犯罪に自らも巻き込まれてしまうという話です。

ちょうど機内食のころに見ていたのですが、すごく痛そうなシーンが続いていて、近くに座っている人が私のモニターを見て不快になるかもしれないと思い、残酷シーンをスキップしながら見ました。スリルはあるけど、まああまり気分の良い作品ではありませんでした。

 

6 Der ganz große Traum

さて、帰路もまたほとんど眠らず5本ぶっ通しで見たところで残り時間が一時間を切ったので、『コッホ先生』の続きを少し見ました。

この作品については、専業非常勤時代には担当する全クラスの授業で見せていたので、ほとんどセリフも覚えてしまっています。とはいえ何度見てもいい作品です。

 

ということで、往復で合計11本の作品を見ました。

面白かった作品を三本挙げるとすればこんなところです。

1 Eine Millionen Minuten 

2 バカ塗りの娘

3 Rickerl Musik is höchstens a Hobby

ドイツ語の二作品は、よくわかっていない箇所もあるのでまた別の機会に見直してみたいと思います。




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