9年前に何気なく参加して大変な思いをしたはずですが、その摩訶不思議な魅力に心のどこかを掴まれ、この間ずっと気になる存在でした。例年、黒部名水マラソンと連戦になるため二の足を踏んでいたものの、連戦も可能な程度には強くなったので、今回参加させていただき、長年の望みを叶えることができました。
自分の記憶にもある通り、また多くの方が異口同音に語る通り、やはりこの大会の応援はとても温かく個性的で、心に響くものでした。番神太鼓やトンネルでの演奏、名物応援になっているお猿茶屋やリサイタルも記憶がつながり、佐水地区の嫁求む看板で笑ったりと、とにかく走っているランナーそれぞれと、応援して下さるお一人お一人の距離が近いです。大都会の大会もよいのですが、私はこういう大会こそ、走る幸せを感じられます。






前回出場時よりエイドや景色を楽しめる力もついたので、今回は地元で収穫したお米のおにぎりに手作りの梅干し、自家製味噌の山菜汁にフルーツも沢山いただき、柏崎の盟主ブルボンさんのスローバーもおいしかったです。エイドで待っていて下さるお母さま方ともお話しや記念撮影でき、長年走ってきてよかったと心底思いました。






コースは記憶の通り、緑いっぱい坂いっぱい、アップダウンも豊富に用意していただいたものですので走り応え満点でした。“ここを全力で走ったぞ!”ということでも、“このコースでこれくらいのダメージで済むくらいに強くなったな”でも、必ず何らかの手応えと充実感が得られます。ハードコースも潮風も、一人一人のために待っていてくれるようにすら思えます。






今回も全く調整せずに無理なくロング走として臨み、エイドや沿道の皆様と交流しつつ、最後まで笑顔で元気に走ることができました。これだけ楽しんで3時間18分台と9年前より30分以上速かったので、自分の成長も実感できて満足しています。(150bpm,183spm, ストライド1.17m, 上下動比5.3%, 上下動6.4cm, 左右接地時間バランス49.3%:50.7%, 接地時間250ms, ズームフライ6)




観光は、前日大失敗(本文ご参照)をやらかしながら、食事処おおはしさんの松定食で当分これ以上うまい魚をお腹いっぱいは食べられまいという程に満足し、ドナルド・キーン・センター柏崎でもキーン先生の足跡と情熱を学ぶことができました。




柏崎の皆様、まるで一対一かのような細やかで温かな応援をありがとうございました!また遊びに行きたいと思いますので、この素晴らしい大会をこれからも大切に伝えていって下さい!




9年前は写真を撮る力も観光を楽しむ余裕もほぼありませんでしたが、今回記憶をつなげることができました。暑い日でしたが、応援ありがとうございました。
今年は新潟によくお邪魔しています。佐渡は更に更に遠かったですが、それでも行ってよかったです。
潮風マラソンが好きな方は、奥熊野いだ天も絶対に好きになると思います。ウルトラも是非。
続きのページには、潮風が香ることもあれば香らないこともあるコースの写真や、充実のエイド、ユニークな応援(ネタバレあり)、柏崎観光の魅力(少々)など、大会に参加するとこんなに楽しいことがあると分かるよう、徹底的に詳しく書いています。関わって下さった方に、一ランナーの歓びが伝わると嬉しいです。
コメント、スター、↓のバナークリック、SNSなど、何でもよいので読者の存在をお知らせいただけますと、私が猪木看板に紛れて坂のどこかに直立します。
次回予告は、“カーター閣下に花束を”です。
前日
金沢から出発
金夜のうちに金沢に移動しておき、7:30頃起床です。雨のため潔くオフにしました。明け方数か月ぶりに右ふくらはぎが攣ったので、その回復にも丁度よかったです。山代温泉ゆせん卵、チーズ、サラダ菜、納豆、ヨーグルトを食べ、余裕を持って出発です。

家を出た時点では予定通りだったのですが、この時間帯になると道路が混むのでバスは延着しましたし、ついでに両替・観光客ブロックでバスから降りるのにも時間を要し、金沢09:17発→糸魚川10:06着のはくたかを僅差で逃しました。もう一本早くするべきでしたね。晴れれば自転車が使えますが、雨だと駄目です。
富山までは便が多いのですが、そこから先は次が10:58のはくたかということで少々がっかりしました。しかし済んだことはどうしようもないので、すぐに切り替えてプランを修正します。糸魚川でのヒスイ関連と柏崎でのパン活(punktchen(ピュンクトヒェン)さん。14時閉店)を一軒カットするくらいで何とかなりそうです(フラグ)。
読書したり観光情報を調べたりで時間を潰し、金沢10:58発→糸魚川11:47着のはくたかに乗りました。1時間半くらいすぐに経つものです。
今回は愛用している(長年使い過ぎて穴も空いている)柏崎潮風マラソン2016トートバッグでお出かけです。このバッグは収納力にも優れている上に頑丈で、マラソン大会参加賞の中でもトップ5に入るくらいのお気に入りグッズです(他は第10回神戸マラソンの巨大エコバッグや函館マラソン2023のシューズケースが上位にランクインしています)。
移動中読書は、紀伊勝浦で買ったヘルマン・ヘッセ『郷愁』でした。人は引き返せない人生の中で自分でもそうと分かりながら過ちを重ねて生き続け、それでも失われない根源へと戻り、それで全てのような気がしました。『ブッダ』もそうですが、人間が一生で通り抜ける魂の遍歴は、避けようもないし、受け入れるしかないのでしょう。悲しい別れも、自分自身の世界との別れも。
もう一冊は森見登美彦さんの『恋文の技法』でした。売上の一部が能登への義援金になるということで、金沢駅のうつのみやで購入しました。二行目で既に香ばしい修辞が展開されており、懐かしいものも感じました。誰しも若い時はこんなもんだと思いますが、それを覚えていられることが違うなと。

糸魚川で痛恨のミス
ホオバルさん
糸魚川駅からそう遠くない場所にあるのですが、個人のお宅でやっているお店なので色々読めません。12時くらいに着くと中休みなのか営業しておらず、前に数名並んでおられました。まあそういう日なのだろうとぼんやり待ち、そろそろ諦めるかと思った30数分後くらいにセットアップが完了したようで、迂闊に去らずによかったと思いました。




ベーグルがメインのお店で種類が多く、選ぶのも大変です。前のお客さんも時間をかけて大量に買って行かれ、私もこのラインナップを前に迷いに迷います。ショコラバトンハニーナッツバター、フルーツプチSANDぶどうみるく、ごまあんこクリームチーズを購入。糸魚川に迫る中央アルプスの雄大な景色と共にいただいたパンはいずれもみっちり詰まった生地と具材のアレンジがたまりません。ぶどうなんて歩きながら食べるとこぼれますから。




糸魚川駅トラップ
糸魚川13:17発に乗って柏崎15:02着という乗継で十分と考え、駅で切符を買い(ICカード非対応)、改札を通ると「4番です」と教えていただきました。“ん?4番?”と思ったものの、富山方面とは逆のホームだったのでそういうものかと電車に乗りました。


動き出しから予想と違う方向に進み、一つ目の駅を過ぎたところで、誤りに気づきました。どう考えても海が見えてきません。二つ目の駅で辛うじて下りてみたものの、次に糸魚川に戻る電車は15時台。バスでもないものかと探してみましたが、それも15時台。5kmくらいありますが、キロ7で走れば14時12分くらいの電車に間に合うかもしれません。




とりあえずやってみようと走り出しますが、Googleマップ頼みでGPSがずれたり行き止まりだったりして、汗のかき損でした。嘆いたり怒ったりしたところで辺りには雄大な山と香り高い緑の草しかなく、憐れんでくれる人もいません。“こんな経験も滅多にないしな”とてくてく歩いて帰ってきました。実に1時間の時が消滅しましたが、こういうときの割り切り方は、“人生全体で見れば誤差の範囲”という一言に尽きます。保存直前でPCがフリーズしてWordデータが飛ぶことに比べれば楽しいもんです。

駅に戻ると次の電車まで1時間以上。直江津での接続もよろしくなく、柏崎に着くのは18:23と判明しました。ドナルド・キーンセンター・柏崎が無理になったのは勿論のこと、18時から予約しているお店にも遅れますと謝罪電話をする展開になりました。

糸魚川観光
- 日本海展望台
時間もあって駅から海も見えていますので、行くしかありません。心はまだ少なからず動揺していましたが、心地よい風に吹かれながら目の前に広がる日本海を眺める時間は、掛け値なしによいものでした。先週の鳥取砂丘に浦富海岸、昨年見た魚津の海、そして明日の柏崎を思いながら、比較的穏やかに見える青い海をぼんやりと見ていました。振り返るとすぐそこには中央アルプスが迫っているのが糸魚川のすごいところです。


- リーベルイノヤさん
前回訪問時はご当地パン(ミルクパン)を買ったため、今日は違ったものにしようと、チョコデニッシュ(予想よりしっかりチョコが入っていて満足度高し)と親子パン(ゆで卵と唐揚げでたんぱく質も摂れる)にしました。パンが大き過ぎないのも、色々選ぶ楽しみがあります。




塩の道で岩につながれた牛や50kgの荷物を背負ったボッカの強靭さ、観光物産センターで教科書で学ぶ石が悉く並んでいたりお土産に売られていたりすることを面白く感じてから、2番線の日本海ひすいライン糸魚川15:45発→直江津16:29着の電車で移動しました。








直江津
ここでも約70分もの待ちが生じました。佐渡トキマラソンの時も思いがけず立ち寄ることになりましたが、またしても来てしまいました。折角なので、昨年10月以来のBoulanger Mさんにお邪魔しました。




ミルティーユ・フロマージュとフリュイのハーフを選び、まずは前者を美味しくいただきました。直江津に来たからには是非寄りたいお店です。

直江津17:41発→柏崎18:23着の信越本線(長岡行き)でようやく柏崎に辿り着きました。






柏崎の夜
夕食
食事処おおはしさんです。念のため数日前に電話で予約しておきました。18時30分頃になってしまいましたが、席は取っていて下さりました。9年前は柏崎でお金を使おうと思っていたもののあまり消費できず、今回も後泊はないため、ここは奮発し、定食内で一番豪華な松にしました。


こちらがとにかく海の幸を堪能できる旅館のようなセットで、料理を並べて撮影するようなものではありません。品数が多過ぎますし、できたてを食べるのが一番おいしいことは論を俟ちません。


サザエのつぼ焼きは火をつけて加熱しますし、めばるのお刺身はお頭付きで一匹丸々姿を見せます。更にカニも懸命に身を掻き出して満足したところで、“まだ終わりではない”と運ばれてきた焼魚の鰊がとびきり脂がのった至高の逸品で、こんなによい食材・お料理でここまで満腹になるなんて……。と幸せに感謝するばかりです。一日の辛さが消滅しました。

途中で、ご飯や汁物は更に別注文だったことに気づきましたが、これだけおかずを食べられればもうそれ以上望むことはありません。
お宿
ホテルニューグリーン柏崎さんにお世話になりました。駅前の好立地で6,900円と良心的な価格です。部屋も広く、シャワーとトイレも広いので、しばらく滞在したいくらいです。一階にレストランもあるので、いざという時にも助かります。



少し歩いてウオロクさんでご当地牛乳、べこの乳会津の雪無糖ヨーグルトと水を仕入れ、フリュイ半分程と一緒においしくいただきました。予定外のことも多くて疲れましたが、終わりよければすべてよしです。23:40頃に消灯しました。

レース当日
レース前
やはり東の方なので日の出が早く、5時半頃に目覚めましたが、予定通り6時半まで二度寝します。カーテンを完全に閉めてしまうと寝坊リスクがあるため、これでよいのです。

朝食は昨日取っておいたフリュイを2切れに牛乳、金沢スイーツの別所のかすていらのみでした。チーズはおろか卵すらなしですが、これでどのくらい持つのか試してみることにしました。結果として、エイドも充実していたことから全く問題ありませんでした。

テーピングも含めた装備を整え、荷物を区分けして預かっていただき、何と出発は7:30になりました。駅からは徒歩15分とありますので、まあ大丈夫でしょう。周りにも歩いておられる方が何人もいますし。すぐに走れるよう、ズームフライ6も履いておきました。





7:46には会場のみなとまち海浜公園に到着し、懐かしい気持ちに包まれます。“そうそう、この広さと解放感だよ”と。手荷物預かりは、札を付けて自分でテントの中に末尾番号ごとに置く方式で、入口と出口でチェックを受けます。非常にスムーズですので、一瞬で終わります。スタートにも近くて配置も見事です。特別賞抽選権も忘れずに抽選箱に入れましょう。



軽く上半身の動的ストレッチをして、緩やかな整列エリアへ。のんびりしたものです。選手宣誓では応援の魅力を語っておられ、やはり皆、この大会は個性的な応援を楽しみにしておられるのだなと同じ心境になりました。

スタートは横幅が狭いので、少し間を詰めるように案内があってから、午前8時の号砲となりました。

【ちょっと真面目な話】
練習
今回も当然のように無調整です。浦富海岸健康マラソンでは通常の閾値走より強めの負荷がかかったものの、普通に練習を継続できました。木曜には閾値走10mをこなせる程度に回復も早まっています。
日曜:浦富海岸健康マラソン(40:28, タクミセン9)
月曜:有酸素ジョグ47分30秒(Zone1,2, 8.6km, , Hanzo R)
火曜:有酸素ジョグ70分(Zone3, 14.3km, エアロ20R)
水曜:有酸素ジョグ60分(Zone3, 12.1km, ターサーRP3)
木曜:閾値走10km(39:58, ソーティマジックLT2)
金曜:有酸素ジョグ40分(Zone1, km, エボライド, 懸垂逆上がり、懸垂)
土曜:オフ(※ただし無駄な歩行とジョグあり)
シューズ
奥熊野いだ天以来のズームフライ6です。両踵のアウトソールがはがれているものの、前足部はまだ無傷に等しいので余裕と判断しました。この先のウルトラで使えるかも確認したいですし、いずれにしてももう一足買う機会もあるでしょうから、積極的に使っていきます。なお、コース上に破片が落ちないよう、捲れているゴム部分は事前にちぎっておきました。


装備
特に記録を狙うつもりもなく、曇りで暑過ぎることもないようですので、えちご・くびき野100kmマラソンTシャツにしました。佐渡トキマラソンもよいのですが、距離的に近いのと、前から見て分かり易いのはこちらかと。Tシャツは擦れがちなのでワセリンは厚めに塗ります。
愛媛マラソンキャップは念のため持っては行きましたが、完全に曇ってくれたので、最後まで腰のポケットに差したままで使いませんでした。
下はミズノマルチポケットパンツ、asicsロングソックス、ニューハレ踵二重です。足趾にワセリンは塗りませんでした。
持ち物はジェルフラスク一つだけ。経口補水液(300mlに粉一袋と濃いめ)にアミノ酸を溶かしたもののみです。終了後用にアミノプロテイン、アミノバイタル粉も持参し、被り水の可能性も考えてスマホはジップロックに入れました。

レース
序盤~前半
- 序盤(潮風・地下道・山道へ)
スタート直後に花火が噴き出しており、いきなり他とは違う演出です。よさこいも明るく送り出して下さります。ここは混んでいて周囲のペースも読みにくかったため、写真は撮れていませんが、公道に出て1分もすれば距離が取れるようになります。

1.5km程行くと番神太鼓の力強い響きで子供たちが旅路の無事を願ってくれます。右を見ると復路の最終エイドの位置でもあり、協賛イベントを開催されている夕海さんもあったので、後で来ようかなとも考えていました。



御野立トンネルの前ではご家族で応援していただき、嬉しくなります。そして入口ではライブ演奏があり、“9年前もそうだったな”と思い出します。サックスやギターは分かりましたが、木琴のような音色はエレクトーンだったんですね。ボンゴ?はわかりませんでした。曲は序盤でありながら定番の走る走る俺たちで、覚悟を決めろというメッセージだったのかもしれません。





トンネルを抜けると海岸線が広がり、今日は確かな潮風が吹いてきました。これでこそ潮風マラソンです。海の家などのお店もあり、建物の前で応援して下さる方も多かったです。


左折すると、“もうすぐ地下道です。追い越しをしないようにご協力ください”といったアナウンスが、少なくとも三名の男性からなされていました。初めてフルマラソンで地下道(階段)を通った時は面喰ったものですが、珍しい演出ですので今回は楽しみにしていました。鯨波地下道は山側は鯨になっていますが、海側は普通のデザインだと思います。軽快に追い抜いていく人を見送り、軽く走りました。


地下道を出ると、最早海の姿は見えず、潮風も吹いてきません。しかし山の方からはいい感じの風が吹いてきて、身体を冷ましてくれます。4kmから8kmくらいまでは上り基調ですが、応援して下さる方も多くて、写真撮影にもノリよく応じていただけました。全体を通じて距離表示の看板は大きくて見やすい上に、やけにGPSと一致していることが多くて不思議なくらいです。


4.5kmで鯨波給水があり、どんどん海から遠ざかっていきます。やはりハーメルンの笛吹き感があります。個人的な記憶では、「カメルーン」という看板があった辺りから本格的に山に分け入っていったはずなので、きょろきょろしていたところ、割と新しい建物に"CAMEROON"の文字が。ここでやけに嬉しそうに走っている人は私くらいのものだと思いますが、そのような事情があったのです。そしてこの先は上りになっていたので、場所は合っているはずです。

いくらか急な坂を上りますが、最初は2分もかからずに落ち着いたはずです。7km手前くらいは、割と大きな周期で緩やかに上り下りを続けていたと思います。7kmで手元32:27。全く気負わずこれくらいなら十分です。




- 前半(長い下りと田んぼ道)
7.5kmでは大河内給水です。上りが概ね落ち着き、もう一押しあるかというくらいです。ここは確かコース右手だったと思います。文字通り復路最大の山場となるコース最高点では、お猿茶屋の皆様がウッキーと跳ね回っておられます。“そういえば以前もそうだった”とまた記憶がつながります。


頂上からはひたすら下っていきますので、帰りの目安をつけるためにGPSで大体どのくらいになるのかをチェックしておきました。1.5km程になるようです。この長い下りでガンガン抜かれるのも9年前と同じですが、順位もタイムも気にせず、最後まで元気に走ることを目指しているので、ここはジョグでよいのです。

視界が開け肥料の香りに包まれる頃には下りも終わり、右折して9.8kmの新道給水へ。ハーフ折り返し地点を通過し、更に山の方を目指します。潮風のことは忘れましょう。ここから6km程はほぼ直線で落ち着いて走れると思います。単調といえば単調かもしれませんが、この直線でも応援の方が明るくて笑顔になります。





11.8km黒滝給水を経て13km付近では、カンカンという金属音が聞こえて来ます。“そういえば以前はフライパンだった気が”と思いつつ近づくと、今回はシャベルでした。一つ一つの応援に個性があり、長く思い出として残ります。ありがとうございます。


カエルや鳥の鳴き声を聞きながら緑豊かな道を進むなんて、日常ではまず経験できませんので、“この先はどうなっているのだろう”と楽しみに進んでいきます。14kmで1時間4分台でした。

中盤
- 中盤①(ついに例の看板が、そしてリサイタルが※ネタバレあり)
14.2km山口給水もにぎやかに迎えて下さります。後ろも詰まっておらず安全に止まれそうだったので、ここで給食タイムとします。見てみるとブルボンさんのスローバーがあったので、ありがたくいただきました。柏崎銘菓といっても過言ではないでしょう。今大会のスポーツドリンクもブルボンさんご提供で、大変お世話になりました。




左折して細い道をクランク気味に走り、左折と右折を経ると田園地帯に出ます。ここでかの有名な佐水地区の例の看板があります。トップバッターは「ようこそ佐水へ」です。歓迎して下さっているようです。そして二番手は「大募集」です。“売土地かな?”くらいしか凡人の頭に浮かびません。


三つ目で急展開を迎えます。「嫁求む!」てあなた。四つ目五つ目はご覧の通りで、こういう求人もあるのかと目からうろこが落ちます。六つ目で一区切りついたかと見せかけて七つ目にその気がないことを知ります。





八、九、十とフェイントをかけたかと見せかけて右折する先には“その気やないか”としか思えないご神体が。ネタバレになってしまいすみませんが、この一連の流れは本当に笑えます。




15.8kmの佐水給水には黄門様もおられ、今度こそ終わったと思ったところで駄目押しのもうひと看板。自分も求人を出そうか、いやむしろ嫁ごうかしらという心境にすらなります。この看板に心を動かされて(多分違う理由)嫁がれたと思われるお母さま方の応援が眩しいです。



給水の後、16kmから17kmくらいで40m程上ります。最初の方は割と余裕なので、沿道の方の記念撮影をしながら上っていけるのですが、その先、いこいの里から1分くらいが結構傾斜が厳しいです。ある程度覚悟していないと参るかもしれません。

しかし坂を進むと聞こえて来ます、そう、演歌が。“演歌?今時聞けるのは銭湯くらいでは?”とその選曲ににやりとしながら進むと、「演歌の坂道 鳥羽二郎リサイタル」の文字が。

“以前自称猫ひろしが登場したのはここだったのか!”と思い出しつつ、この自由で他所ではお目にかかれない応援を楽しませていただきました。実際ここはきつい箇所なので、ここにいて下さることは本当に力になります。ランナー心理をよく理解しておられます。


T字路を右折すれば下りになるのでしっかり休めます。今日は曇りで快適ですが、晴れてしまうとものすごく暑いのがこの大会。その中でもこのエリアは木々のトンネルがランナーを直射日光から護ってくれます。


野田地区に入り、17.7kmで給水です。こちらではおにぎりと梅干をありがたくいただきました。“ここで取れたお米”、“朝から用意した手作り”とのことでしたので、喜んで味わい、楽しさも伝わったかと思います。ナンバーカード自体も、印刷されている名前も都道府県の文字もとにかく大きく、応援して下さる方ともお話しし易いです。




エイドの後は基本的に上るもので、城山トンネルへと向かいます。ここも気温が低く涼しいのですが、何故か足元は濡れています。水が流れるのか湿度のなす業なのかは分かりません。トンネルの出口ではまたもライブ演奏が待っていて下さり、“あれ、もしかして最初のトンネルに帰って来たのかな?”と前回思ったこと(耄碌ともいう)を思い出しました。トンネルの先は少し下ります。



またも水田エリアですが、奥の山も揃ってきれいです。ここでトップの選手とすれ違いました。とんでもなく速いですね。進んでいくとよさこいの曲が聞こえて来て、踊りも近くで見ることができました。ありがとうございます。



この辺りも応援が多くて元気が出ます。両サイドで応援して下さる方の記念撮影は復路にしようと考えながら20.3km別俣給水で補給し、久米で折り返しです。折り返し地点の時計が普通の時計なのがいい味出しています。中間点は1:38:34だったそうです。


- 中盤②(交流してこそ潮風マラソン)
法被を着て応援して下さるお母さま方に笑顔をいただき、元気に復路を行きます。21.9km別俣給水にはスペシャルドリンクを置けますが、ここで自前の温いドリンクを飲んだところで回復する気もしませんので、そもそも利用しませんでした。今の自分なら停止によるロスなど気にしませんので、取れることは取れるでしょうが。





左折して万人用のエイドに到着です。こちらではオレンジとバナナ、スローバーをいただき、“沢山食べてこそ”といったことを言っていましたが、“すぐそこで山菜汁もあるから是非”という情報をいただきました。“前回は心の余裕が全くなかったのに、そんな素晴らしいふるまいがあったのか!”と驚きを抱きつつ、歩を進めます(走りましょう)。


見えてきました「自家製みそ 山菜汁 元気百倍」の文字が。後続を妨げないよう迷わずコースアウトして、テントの内側でおいしくいただきました。この味噌がうまく、山菜もたっぷり入っています。贅沢な振る舞いで元気百倍から千倍くらいです(幅あるな)。毎回書いていますが、ご用意していただいた料理は食べた方が絶対に盛り上がります。




よさこいの応援を再度見届け、軽く下りながら眺める両側の田んぼと、その間を伸びていく道の先にある山に囲まれた風景は、初めてではないはずなのですが、新たな記憶として刻まれました。




別俣地区に別れを告げるべく、急な坂を一瞬上りますが、ここはどうということはありません。城山トンネルは、往路は気づきませんでしたが、どうも往路上り・復路下りのようです。入口の演奏も二回聞けるのが、往復コースのよいところです。


野田に戻って来て、24.5kmのエイドではまたもおにぎりと梅干をおいしくいただきました。ご親切な皆様と話したり記念撮影をしたりと楽しく過ごさせていただきました。更にスローバーも一本丸々サービスになっていましたので、こちらもゆっくり止まって完食しました。そんな急には呑み込めませんので、“大阪から9年ぶり2回目なんです”などと話し込んでいました。“まぁ、こんな片田舎まで来て!”と驚いておられましたが、違うんです。とにかく理屈抜きで来たくなるものなのです。そして都会の生活は便利ではあっても、そう楽しいものでもなく、もっと静かで落ち着いた土地に来ないと感じられない喜びと心の平穏があるのです。


時間もランナーも過ぎ去っていきますが、大会趣旨に「第1回から貫いてきた私たちの想いは、競技会ではなく、市民ランナーが主役になれる大会です。そして、参加者同士、さらには地元ボランティアと親交を深め、私たちの想いを肌で感じていただくことでもあります。」とありますので、これでこそ潮風マラソンのベストな楽しみ方だと思います。

ここからは猪木上り坂応援看板も登場するのですが、往路で下りと感じた割には、復路の上りは緩やかに感じました。左折して鳥羽二郎リサイタルと再会し、演歌に人情と義侠心を感じながら笑顔で下りに入ります。ここから先の下りはかなり急で、ウルトラマラソンを思わせる景色でした。



26.4km佐水給水では折角なのでかぶり水も使ってみました。太陽が照り付けるわけでも熱風が吹いて来るわけでもないとはいえ、汗はかいていたのですっきりしました。嫁求む看板を裏から見ながら、佐水の誇る田園風景を見渡しながら帰りました。


少し行っただけなのに、28.0km手前で山口エイドに出会えましたので、こちらでもオレンジとバナナ、スローバーをいただきました。坂や景色だけではなく、エイドもウルトラマラソン並みに充実していますので、本当にありがたい限りです。おいしそうに沢山食べることで少しはお応えできたかと思います。28kmで2:16:00くらい。ペースも何もあったもんじゃありません。




後半~終盤
- 後半(例の坂もいい思い出に)
この先は緩やかな下り基調の道が続く貴重な区間ですので、落ち着いて走ることができます。風向きがよかったのか何なのか、普通に走ってもそれなりに進んでいたようです。30kmの少し手前では、スコップの音が。沢山のランナーの背中を見送り、こうしてまた戻って来る面々を見守って下さることに感謝の気持ちが強まります。


30.4km黒滝給水くらいになると少し見通しがよくなることもあり、“潮風が吹いているのでは。海が近づいているのでは”と思いそうになります。しかし勿論願望であり幻想です。海のことはまだ忘れたままでいましょう。とにかく淡々と進むばかりですが、これはこれで結構楽しいと思います。長い直線の途中にも、一人で立っていて下さる方もいて、本当に“応援しよう!”という気持ちが伝わってきます。


32kmくらいになると、迫りつつある上り坂の気配を感じ、心の準備をしていかなくてはなりません。32.4kmの新道給水では、折角ですのでオレンジとスローバーをいただき、しっかりと給水もして力を蓄えます。坂の前には必ずエイドがあり、心強いことこの上ありません。




さて、左折するといよいよお待ちかねの上りです。“坂マニアの皆様、お待たせしました”くらいの勢いでどっしりと構えています。地図を見る限り別のルートを開拓すればこの坂は回避できそうな気もするのですが、それを言っては坂の神様の罰が当たります。今日だけは坂大好き教の信徒として、現実を受け入れましょう。

上り始めからおおよそ1.5kmを目安に軽く入って行きます。入口では猪木応援看板で闘魂を注入していただき、33kmを少し過ぎてから、「登りあと1000m」というフルでは珍しい表示を目にします。「心臓破りのエン魔坂」とあるものの、本当に心臓破れたら恐ろしいよなあと思いながら進みます。ご安全に。



このエン魔坂看板は200mごとに設置されているので、実際目安になりますし、かなりの励みにもなります。なんだ坂看板、あきらめんなコノヤロー看板などもあり、苦しいながらも動き続けることさえできれば十分です。残り200mになってからは少し落としましたが、最後の方はペースダウンしても割と大丈夫ですので、思い詰めずに走り切りました。大体80mか90mくらい上るのですが、7分程上り続けていたようで、流石に楽ではありません。




お猿茶屋の看板も登場し、少し行くと完全に上りが終わったことが分かります。34kmの表示を左手に見る頃には、もう頂点は過ぎています。そしてここではありがたいことに私設エイドにコーラも準備していただいており、上りで追い込まれた心に潤いが戻りました。ここで一気に回復でき、このご配慮には感謝し切りです。勿論上り坂の神様にも感謝しております。



ここまで来ればこっちのもので、後はリラックスしながら下っていく時間が続きます。34.7kmの大河内給水でもしっかりドリンクをいただき、いよいよゴールが近づいて来ました。35kmで2:48:40くらいです。


- 終盤(潮風と笑顔の赤絨毯)
往路では、川の流れる音と車の音が混ざっていて位置関係がよくわからなかったのですが、復路で上から見ると、北陸自動車道とクロスしている箇所があり、謎が解けました。高低差があるコースならではの面白さがあります。

一瞬の上り返しも挟みますが、カメルーンの横までくれば戻って来たなあという気持ちになりますし、37.7km鯨波給水まで来ればもう残り5kmもないのです。9年前へとへとになった記憶があるためか、今日は何だか短く感じました。給水も手渡していただけるので、目を見て、取りますよの合図をして確実に受け取ることができました。


鯨波地下道も、復路の方が口から吸い込まれていくので画的に楽しいです。中は一応追い越し禁止なのですが、こんなところで追い越さなくてはならない程心身に余裕がなくては、この先も知れていると思いますので、軽めに走りました。

高架を過ぎて鯨波海岸と再会します。最早忘れていた潮風も間違いなく吹いてくれています。御立野トンネルは、復路側は鯨があしらわれていて和みます。演奏は定番の負けないでで、最後はやはりこの曲だなという安心感があります。



40kmを過ぎ、本来ならスパートに入るところですが、木曜に閾値走もやっていますし、来週黒部ということも考えると、そこまで上げるメリットもないかなと考え、リズムだけ意識して進みました。それでも体感的にも悪くないくらいのペースでした。

番神給水はコースマップでは41.7kmとありますが、40.7kmだと思います。最後に高校生くらいの子達が力を籠めて応援して下さるのは、前回もとても力になったのを覚えています。

あと1kmの表示も出る頃には見通しのいい道路になり、フィニッシュ会場の気配も感じられるようになります。最後の橋からの景色も、また新たに心に焼き付けられました。


会場に入ると真っ赤な絨毯が敷かれており、“これぞ潮風マラソンのラストだ!”と感じ入ります。司会の方に労っていただきながら、そしてつながった記憶と新たな思い出と共に、“またここに来られてよかった!”と実感しながら、持って下さっていたゴールテープを切らせていただきました。


アフター
会場
フィニッシュ後は給水がありますので、ここではマイカップを使って気兼ねなくおかわりをしました。展開次第ではレース中に使えればと持参したのですが、思いの外真面目に走ってしまったので、せめてここだけは使います。
バナナと参加賞の圧縮ポーチ、ドリンクにスローバー(ブルボンさんありがとうございます。会場でも買い足しました)を受け取り、荷物もスムーズに返却を受けます。トートバッグのように外から見て分かるものではないのですが、実用的なものですので、遠征では活用できそうです。Tシャツやタオルは溜まってしょうがないのですが、目の付け所がよいですね。


更衣室は海水浴場のもので扉がついているためガっと脱げて便利なのですが、反面スペースが限られていますので、外で着替えるとよろしくない部分に絞って利用しました。シューズは外で履き替え、顔や体もできるだけふきとってから半袖短パンに着替え、そこから先は改めて外に出てからゆっくり整えました。

海水浴場ということで水シャワーもあり、浴びておられる方もちらほらいました。しかし正真正銘の水ですので、この気温で頭からかぶると寒いのではと思います。走るには大助かりの気温でしたが。

ズームフライ6さんは新たな損傷はなさそうで、奥熊野いだ天で踵が削れたのは、走りのせいというよりはコースがハードだったためかと思います。反発も良く、終盤まで疲労も感じずに済んだので、まだまだ活躍してくれそうです。




会場にはキッチンカーも並んでいたので、柏崎なら鯛だろうということで丸い鯛焼きを選びました。レモンフロマージュは最後の一つだったようでラッキーです。走った後はやはり甘いものが嬉しいです。




しばしフィニッシュ地点で余韻に浸ります。帰って来られる方の充実の表情、よさこいや実況の方の応援、テープを持ってランナーを迎えてくれるガールスカウトの女の子など、全てが温かな気持ちにさせてくれます。会場の音楽もここでしか聞いたことのないような丸っこい感じのものでした。なお、特別賞の抽選は当然のごとくハズレでしたが、当選数自体は多かったですし、県から一人の参加者といった方にも記念品が授与されていたりとなかなか太っ腹です。




フィニッシュ後、おばあちゃんも一緒になってご家族で嬉しそうに記念撮影されている方もおられ、とてもよい場面に立ち会うことができました。最後まで、走った方も応援して下さる方も、一人一人が主役の大会だと感じました。




柏崎観光(今度こそ)
ドナルド・キーン・センター柏崎
ここまで来て行かないのは惜しいと思いつつ調べると、2kmくらいなので歩いて行けると判断しました。バーベキューを始めようとしている方々や、立派なアクアパークに感心しながら、20分強で到着しました。


館内の展示は基本的に撮影不可なのですが、ニューヨークの書斎を復元した展示室だけはOKとのことでしたので、写真を残しておきました。この荘厳さすら漂う書斎で静かに心を落ち着けて仕事をし、また友人と語らったのかとしばし往時を思い浮かべていました。




源氏物語と出会って後、太平洋戦争では海軍語学将校として従軍、戦後は三島由紀夫や安部公房らを始めとする名だたる作家とも交流を重ねながら日本文学を世界に紹介し続け、東日本大震災の後には日本国籍まで取得されるまでに日本を大切にされた方です。こうしてその歴史を感じることができ、貴重な時間となりました。

柏崎市街地
柏崎駅に向かう途中、閻魔堂や閻魔通りがあり、33km手前からのあの坂がエン魔坂とされていた理由が分かりました。フォンジェはコミュニティセンターのような感じでしたが、地下の最上屋さんでは柏崎太鼓を買い、カステラ生地の中の黄身餡の優しい味わいに和みます。





お土産は駅前のぷらっとさんで選びました。意外と品数が少なく、職場で配るにはどうしたものかというところでしたが、幸い最上屋さんの鯛サブレがありましたので、こちらにしました。見た目も味も、職場で好評でした。光月堂さんのえんままんじゅうと、やしろさんの三階節みそどーなつは自分用です。





柏崎14:22発→直江津14:50着(しらゆき)で直江津に移動し、直江津では今月も三野屋さんと草野屋さんに寄り、継続だんごとささ餅をいただきました。






直江津15:25発→糸魚川16:10着(大の里関ラッピングでした)、糸魚川16:28発→大阪20:09着(チケットレス早得7で6,250円+2,310円)で帰ってきました。当分魚は満足ということで、豚バラと野菜を炒めて、塩麴で味付けして食べました。洗濯も終えて楽しい一日を振り返りながら眠りに就きました。

最後に
世の中には、記録が狙えるわけでも交通の便がいいわけでもインフルエンサーや著名人が大挙して押し寄せるわけでもないにもかかわらず、どういうわけか“また出たい”と思う摩訶不思議な大会が存在します。柏崎潮風マラソンはその代表的な存在だと思います。
この大会を知っていると知らないのとでは、マラソンというものに対する考えが違ってくると思います。人生観とまでは言わないまでも、マラソン人生観は変わる素敵な大会です。こういう大会が存在してくれるからこそ、走り続けたいという願望が自然と湧き上がって来て、それが継続しているのです。私が長年走っていることのルーツの一つがあったと、また嬉しい発見がありました。
前回も書きましたが、大会を作って下さっている皆様が大好きな柏崎の温もりを体感し、楽しめるようにという思いが詰まっているからこそ、不思議でも何でもなく自分は惹かれているのだと思います。こんなに素晴らしい時間と思い出を作って下さった柏崎の皆様に、改めてお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。
ここまでご覧いただきありがとうございます。