今年は鳥取マラソンを見送ったものの鳥取に行きたい気持ちは消えなかったので探してみると、あるではありませんか、見るからに楽しそうな老舗のご当地大会が。大会と観光を盛り上げようという並々ならぬ熱意が迸っており、大阪からも行き易い場所なので、初参加を決めました。「京丹後市から鳥取市まで広がる山陰海岸ジオパーク。その景勝地である浦富海岸沿いを舞台に走ります。」というフレーズにも心惹かれます。
大会以前に、参加料は今時まさかの3,000円というだけでもすごいのですが、更に(鳥取県東部在住以外の参加者には宿泊補助(食事なしでも1,000円、食事ありなら3,000円)まで出てしまうという規格外の待遇です。Tシャツ、海産物、モサエビ汁のふるまい、岩井温泉入浴券に島めぐり遊覧船割引券なども付いて実質タダどころか明らかにプラスです。この調子では全国からランナーが殺到して大変なことになりそうですが、本当によいのでしょうか。




大会は、第40回を迎える老舗ですから、ご当地大会として成熟しています。会場運営もコース管理も地元の皆様の応援・ご協力も、全てがしっかりと根付いていて気持ちよく参加できました。私はこういう大会が大好きで、これでこそ遠征する喜びがあるというものです。そして鳥取にこのお方ありの感動請負人のあの男性が、栄光の架橋で応援して下さったのも胸が熱くなりました。鳥取マラソンでもそうですが、この応援は一生忘れることがないでしょう。





コースは、10kmとは思えない程アップダウンがありかなりきついのですが、その苦しさを補って尚余りあるくらいの景色に出会えます。“こういう景色を見たかったんだ!”と、自分の本当の願いに気づくことができます。




走りは、アップダウンが多いので、大体41分以内に収まればよしくらいのつもりで調節し、相応に苦戦しながらも40:28で終われました。閾値走にしてはきつかったものの、十分な負荷もかけられましたし、消耗するまでには至らなかったので、とてもいい練習になりました。(170bpm(※バグかと。7kmから先は下り基調なのに187bpmを超えており、それまでより10以上跳ね上がっていますので), 194spm, ストライド1.26m, 上下動比4.4%, 上下動5.9cm,左右接地時間バランス48.9%:51.1%, 接地時間242ms, タクミセン9)




そしてメインの観光は、一年ぶりの鳥取砂丘に五年ぶりの鯛喜さんの豪華丼、初めての砂の美術館も、岩井温泉も島めぐり遊覧船も楽しむことができ、浦富海岸の夕日も目の当たりにすることができました。“やはり鳥取は奥の深い観光王国だな、来てよかったな”と大満足で帰路につきました。鳥取でしか経験できない時間が詰まっていると、来る度に思います。






岩美・浦富の皆様、地域密着でありながら観光客にも優しい素晴らしい大会で、持ちきれない程の楽しい思い出を作っていただきありがとうございます!また是非遊びに行きたいと思いますので、よろしくお願いいたします!
鳥取マラソンもいい大会で、37kmの上りの応援も、会場や沿道での応援も胸に染みます。
10kmでシーサイドコースのアップダウンといえば美浜・五木ひろしふるさとマラソンが思い浮かびます。水晶浜にも是非。
大会のテイストは津山加茂郷フルマラソン全国大会が近いかもしれません。個人的に、土のグラウンドでフィニッシュするのが好きです。
続きのページには、行けば分かる鳥取観光の楽しさ、坂と絶景に充ちたコースの写真、公共交通機関オンリーの移動などについて詳しく綴っています。一ランナーが楽しんだことが伝わると嬉しいです。
コメント、スター、↓のバナークリック、SNSなど、何でもよいので読者の存在をお知らせいただけますと、私がいわみん達と一緒に目を閉じます。
次回予告は、“山に潮風!9年越しの摩訶不思議!”です。もう一度出よう出ようと思いつつ、ようやく決心がつきました。
前日
大阪から鳥取砂丘へ
朝は軽く走ってから、チーズ、サラダ菜、納豆、ヨーグルト、プロテインバーという普通の生活。梅田09:10発→鳥取駅12:03着の高速バスで移動です。

OCAT発だと遠いので、予約開始即押さえ、早いうちに購入して座席も確定します。トイレの前の席は後ろがいないので倒し放題です。まあ満席というわけでもなかったので、後ろさえ空いていれば大丈夫なのですが、この座席がベストです。運賃4,200円は電車より大分お安いです。サブスリーで鳥取駅に到着し、鳥取砂丘を目指します。


移動中読書は、サマセット・モーム『片隅の人生』でした。以前も書きましたが、モームの人物描写はいつも容赦ない程にリアルで、一人の人間の中にこれほどの矛盾が同居しているのに、本人はそのことを意識すらしないことが当たり前のように書かれています。今回も、登場人物のことを身勝手な奴だと思う反面、自分も大概支離滅裂なのにすまして生きているなと後ろ暗くも思いました。
もう一冊、元学習院大学陸上競技部監督の津田誠一さんの『常識破りの川内優輝マラソンメソッド』も久々に読み返しました。川内選手の大学時代の伸び具合は何度読んでも面白いですし、練習では達成感のレベルを下げるべきであること、リズムの重要性など、今の自分とこの本を最初に読んだ頃の自分を比較して分かって来たことなどが確認できてよかったです。
鳥取砂丘観光
鳥取駅に着くと丁度ループ麒麟獅子が出発前で、座れそうだったので乗ることにしました(12:30発→砂丘会館12:52着を考えていたので、ラッキーでした)。観光地を周遊するバスで一気に着くので便利です。

1回400円ですので、2回乗れば1日乗車券700円で元が取れます。全国交通系ICカードやクレジットカードには対応していないため、千円札や小銭は多めに持っておくとよいでしょう。
鳥取砂丘
昨年に続いてこの地を踏みしめることができました。この季節に来るのは初めてで、雲がかかると涼しい風が吹いてきて心地よかったです。


馬の背を上ると視界いっぱいに広がる日本海が。足元の砂のずっと下に波が打ち寄せ、右手は霧がかかっているのか白くなっています。このパノラマを見るにはここに立つしかありません。吹いて来る風も、波の音も、あの青い海と共に我を忘れさせてくれます。






馬の背から戻ろうと下りていくと、波の音がふっと止みます。こんなに変わるものかとまた驚きました。砂丘の色も、空の青と雲の色、地表を滑っていく雲の影に応じて変わり、やはり鳥取砂丘は絶対に訪れるべき場所だという思いを強くして砂の世界の中を歩いていました。






鯛喜さん
昨年の鳥取マラソンの際は予約していなかったためこちらの海鮮丼を味わうことができませんでした。このままでは死んでも死にきれないため、今年は1か月前に電話で予約をして13時に訪問です。

海鮮丼にカニ、エビ、いくらが追加される豪華丼を迷わず選択します。待っている時間も楽しみでなりません。そして5年ぶりに目にした海鮮丼は、食べ始めるのが惜しいと思うくらい輝きを放っていました。

一般論として、海鮮丼は別にそこまでいい具材を使わなくても十分成立するのですが、こちらのお魚はとにかく分厚くて新鮮なので、食べ応えも味も幸福感も違います。そしてお魚の種類が多いのも圧巻です。鯛、しめさば、すずきなど10種類も入っていて、その全てがおいし過ぎるのです。“こんなにうまい海鮮丼があるのか”といただく度に感銘を受け、一つずつ全身で味わっています。


砂の美術館
行きたいと思いつつもこれまでタイミングが合わなかったのですが、ようやく行けました。砂で世界旅行というテーマで、イタリア・ルネサンスやアジア、オーストリア等々15期を経て、今期は何と私のよく知っている日本でした。と言いますか、これまでは選ばれていなかったのですね。




砂像も、現物を見ずに何となく想像したところで全然だめで、実際に見る方が断然迫力もありますし細部の作り込みなどにも引き込まれて面白いですね。国生み神話から圧倒され、弥生時代や飛鳥時代、戦国時代や江戸時代を経て、第二次世界大戦と高度経済成長まで、日本の歴史を新たな形で体感することができます。砂で作られた原爆ドームは、一層哀しさを物語っているように感じました。








屋外展示もあり、小さな作品まで作られているのがまたよかったです。雨が降ったら大急ぎで保護しなくてはなりません。展望台から見られる砂丘の姿も初めてのものでした。




岩美観光
島めぐり遊覧船
砂丘東口14:25発→島めぐり遊覧船のりば前14:44着、32岩美岩井線(410円)で移動です。意気揚々と乗船場に向かうと、強風で13時30分以降の便は欠航になったという衝撃の事実が。しかし佐渡の経験がありますので、秒で“仕方ないっすね”と笑って立ち去りました。あの経験がこんなに早く役立つとは。




岩井温泉
少し歩いて景色を楽しみつつ、旅程の変更案を練ります。迷いましたが、とりあえず岩井温泉まで行ってみることにしました。無料入浴券が使えるのはレース当日の限られた時間帯だけですが、その時間に行くと混むでしょうから、前日に普通料金で入ることにします。





早速共同浴場のゆかむり温泉さんへ。380円とお安く、地域の空気を感じるならここでしょう。浴槽はあつめとぬるめの二つのみ、シャワーもあってきれいです。ゆかむりを象徴する柄杓は置いていないものの、温泉の香りも壁画もこの温泉地ならではのものでとてもよかったです。



温泉街といっても今やお店も多くはなく、スイーツなどを売りつけようという気配もありませんでした。おそらく、旅館に泊まって豪華なお料理をいただくのがベストなのでしょう。酒屋さんはありましたので、お酒を足してもよいのかもしれません。他はかなりリーズナブルな定食屋さんがあったのと、風情ある街並み、橋の上で強い風が吹いていたことが印象に残っています。






浦富海岸
週の中頃までは雨予報でしたが、願いが届いたのか雨は明け方までに止み、この日は絶好の空模様でした。心躍らせながら海岸に出ると、まず、海の白さに目を奪われました。雪原かと思うくらい、白と銀のように見えたのです。波が細かくかつ途絶えることなくやって来るので白く見える部分が多いと気づいたのは少ししてからです。夕方に海辺に立つことはほとんどないので、こんな風に見えるのだと知ったのも新たな経験でした。


そして沈みゆく夕日は、思い描いていた以上に柔らかな色をしていました。波が引いた跡に残った水が鏡のようになり、太陽からの光をただ映しています。日が沈むときは、見ていてはっきりと分かるくらいの速さで落ちていくことも、数年ぶりに実感できました。過去の自分と今の自分はつながっているし、今日ここに来られてよかったと思いました。



風も強く、あまり長くいると冷えそうなので、最後の方で雲に隠れた辺りで見納めとしました。すぐ傍には大砲の台場(江戸末期)跡の公園があり、ツツジが咲いていたり桜が植えられていたりと、今では地域の憩いの場になっていました。




パン活
- 焼きたてパン ティンクルさん
岩美駅前のお店です。日曜定休日なので土曜に行くしかありません。キャラのパンは予約すると作ってくれるそうです。流石に夕方となると大方売れてしまっていたので、一番小さい(というか他が大き過ぎて……。)名もなきパンを買いました(100円)。こちらは予想外においしく、かなりの底力を感じました。




- 松岡製パン所さん
こちらも駅前の老舗で、見るからに人の好さそうなおじさんが応対して下さりました。チョコレートクリームデニッシュとカツサンドにしましたが、どちらも昔ながらの味わいで、私は好みでした。パン以外に洋菓子もあるようですが、今日は作っていないか売り切れていた様子でしたので、気になるところです。




お宿
岩美のお宿ルチェーレさんです。会場のすぐ横。夕日も見られそうなのでこちらにしました。宿のオーナーさんも明るく親切な方で、あれこれと楽しくお話しできました。部屋やシャワーなどもきれいですし、和室で寛いで過ごせました。一泊6,480円で、宿泊補助1,000円も嬉しいところです。



夕食
シーサイドうらどめさんは事前予約が必須ですが、今日は満席とのことで、最初から諦めていました。サンマートで仕入れたお惣菜、牛乳などでしっかりと栄養を摂りました。昼にあれだけの海鮮を食べてしまったので、魚についてはこれ以上を求めるまいという境地でした。


レース当日
レース前
0:30頃消灯、急ぐ理由もないので8:20頃にようやく起床です。たっぷり眠れたので、かなりの負荷がかかっても耐えられそうです。朝食は食べなくてもよいのですが、一応ゆで卵、チーズ、牛乳だけは取っておきました。スタート2時間を切っていますが、これくらいなら食べても差し込みを誘発したりはしませんでした。

余裕を持ってテーピングやワセリン、トイレも済ませ、9:20頃に出発です。5分もかからず会場に着き、“おお、私好みの完璧なローカル大会感だ”と喜びながら受付を済ませます。受付自体は来ましたとお伝えするのみで、ドリンクと海産物は別の場所でチケットと引き換えという仕組みです。


シューズを履き替えて計測タグを付け、一応アミノ酸を飲んでから荷物を預かっていただきます。今回は時間があるので、13分で2kmちょいアップができました。遅くてもよいので、筋肉を動かしておくだけでも全然違います。折角なのでレース中には行かない方角へ進み、朝の明るい日本海を感じることができました。



会場に戻って待機エリアに10分前くらいに入り、10:10スタートのAブロックを見送ります。時々日が出ていましたが基本的に曇りで、風もそこまで強くなかったので、走り易そうだなと考えていました。坂以外は。

【ちょっと真面目な話】
練習
上田バーティカル自体の疲れは特になかったものの、その前からの練習の流れも考慮し、無理はしませんでした。
土曜:上田バーティカル↑700m, 43分台
日曜:有酸素ジョグ122分(Zone2, 22.6km, ライトレーサー5)
月曜:有酸素ジョグ132分30秒(Zone2, 23.5km, ↑327m, エンペラー2)
火曜:閾値走10km(40:33, タクミセン9)
水曜:有酸素ジョグ30分(Zone1, 5.08km, ズームフライ5)
木曜:有酸素ジョグ60分(Zone3, 11km, エアロ20R)
金曜:有酸素ジョグ55分(Zone3, 12km, ライトレーサー4)
土曜:有酸素ジョグ55分(Zone1,2, Hanzo R)
シューズ
上りも多くてきついコースなので、タクミセン9さんの力を借りることにしました。金沢市民芸術村は半分砂利道なので、たまには完全舗装路で自由に走らせてあげたいという思いもあります。アウトソールがそれなりに痛んでいますが、反発は十分です。


装備
ここはやはり鳥取マラソン2020Tシャツで走りたいところです。黄色は目立ちますし、2020年にお世話になったこともずっと覚えていますので。曇りではあったものの、晴れた時に弱気になるのはよくないため、奈良マラソンキャップも被りました。
下はミズノマルチポケットパンツ、Tabioレーシングプロにニチバンのテーピング(白くて安いやつ)です。

レース
前半
スタートがほんのり上りになっており、鳥取マラソン同様、鳥取は上りから始まるのが普通なのだろうと納得します。最初で追突するのは避けたいので、体つきとシューズからおそらく自分と同等以上と思われるランナーの後ろに並ぶようにします。
走り始めもそう混雑することはなく、浦富海岸に向かって進みます。ルチェーレさんも沿道で応援して下さり、嬉しかったです。


左折して西の方へ。最初はフラットですし、誰しも快調に走っていきます。応援も多くて希望に充ちた時間です。しかし浦富海岸の石碑を左折した後から、予告されていた上りが始まります。


最初の上りはそこまで長くないのですが、ここで見覚えのある「ファイト!」の文字が見えてきます。そう、鳥取マラソン37km地点で栄光の架橋を流して応援して下さるあのお方が来て下さっていたのです。やはり鳥取にこのお方ありだなと力をいただき、リズムよく上ります。

2km手前では軽く下りになり、民家の間を走ります。この辺りは道幅も狭いのですが、最初の上りが始まって以降は3分前スタートのランナーさんにも追いついていくので、結構気を遣います。

2kmをいくらか過ぎてから、急な上りが現れます。斜度表示10%とありますが、この傾斜を閾値に近いところで上るとかなり堪えます。“ウルトラのペースなら楽なのに……。”と嘆いてみたところで始まりませんので、地道に刻むしかありません。5kmの選手の折り返し地点には給水がありますが、そう暑くもない上に時間も短いので、今日は取らなくてよいと判断しました。


ようやく上り切ると、右手に美しい山陰海岸ジオパークの景色が望めます。上っている間は苦しいのですが、ここで呼吸を整えながら眺める景色はまた格別でした。“左側通行なので、帰りは上手く撮れるといいな”と考えていました。


3km過ぎからは下りで、苦しさも大分中和されました。しかし“このまま上ることなく終わってくれれば”という甘い考えが脳裏をかすめた頃には、長い上りが始まります。1kmで上るのは25mくらいのようなのですが、とてもそうは思えないくらいきつく、閾値走どころかVO2 Max寄りの負荷になっているように感じました。曲がった先に上りが続くという展開に、精神的にも疲れたのかもしれません。周囲もかなり荒い呼吸で走っていました。
きつ過ぎて写真を撮る元気もなかったのですが、ようやく下りに転じ、何とか呼吸と気力を整えます。折り返してきた方が苦悶の表情で戻ってくることに一抹どころか明確な不安を感じつつ、応援を受けて折り返します。


後半
折り返してから切り替えて上っていきますが、ペースを抑えていてもきつくなっていきます。上りの途中で2度目の給水がありますが、とても取ろうという気になりません。流石に、“ここで頑張ってしまうと終盤大崩れしてしまう”と察知しました。健康マラソンのはずが体調を崩してしまってはお話になりませんので、周囲と大きく乖離しないスピードで上ることにしました。
どうにか急な上りは凌ぎ、鴨ヶ磯展望駐車場まで来ればまた景色が力を与えてくれます。あれだけ苦しかった割に下りになれば割と早く回復することにも手応えを感じていました。こういう経験を積み重ねれば、フルの余裕度にもつながるのかもしれません。動きとしても、大股になったり蹴ったりするのではなく、フォアフット部の反発を少しだけ強く感じるイメージで概ねよさそうです。


上り返しもあってペースが安定しないことがランナーを苦しめるのですが、更に1km程行った先(7km手前くらいの城原かと思います)の景観は圧巻で、これまでのきつい上りを補って余りあるくらいのものでした。ここは少々左に膨らんで(駐車スペースに入るくらい)でも見届けておきたいところです。風光明媚という言葉はこの景色のためにあるのではと思う程の光景でした。


7km過ぎの下りでは花壇のアートもよく見えましたし、家の前で応援して下さる方もいて元気が出ます。また上り返しでうっとなるものの、ようやく残り2.5kmに至り、大きく下っていきます。ここで頑張って走り去っていく方も何名かおられましたが、別に彼らと張り合って順位を上げることが今日の目的ではありませんので、マイペースで回復しながら進みました。



そしてもうすぐ平地かなと思いながら下っていくところでは感動請負人さんの栄光の架橋が聞こえてきました。“ああ、これでもうすぐ終わるのか”と思いつつ、鳥取マラソンTシャツの胸を叩きながらしっかりとお礼をいいました。周囲にランナーがいなかったので、きっと伝わったと思います。本当にありがとうございます。

坂を下っていくと、3kmのファミリーの部との合流地点が見えてきます。係の男性も合流注意を頻りに呼び掛けて下さっており、一定の効果は間違いなくあったのですが、如何せん絶対的な人数が多いです。どんなに遅く走っていても後ろに気を遣うのは難しいですし、家族で走っていれば尚のこと難易度は跳ね上がります。
こうなると速い側が対応するのが道理ですので、何とか危険な状態にならないよう、動きを読みながら早め早めの進路どりと声かけでかわしていきます。“今更頑張ったところでタイムは縮められないし、これでいいや”と思いながら浦富海水浴場の碑を撮影したりします。

あと1kmになれば大分気が楽になり、どうにか心地よい疲労感+αくらいの負荷で終われそうと感じました。右折すると往路でも応援して下さったルチェーレさんがいて下さり、今度ははっきりと私のことが分かったかと思います。力を分けていただいたので、この緩やかな上りはだれずにピッチもペースも上げられました。

最後は会場に向けて左折し、フィニッシュゲートに向けて右折するのですが、当然ながらこの道幅で曲がるにはファミリーの壁がありますので、止まるくらいに減速してから、最後の土のグラウンドでリスタート。特にタイムも順位も狙っていませんので、これでよいのです。最後数十mで猛然と上げて来た人の気配を背後に感じたのですが、タクミセン9さんはレスポンスがよかったので、急な加速にも耐えられてギリ逃げきれました。

アフター
会場
まずは混む前にふるまいのモサエビ汁をいただきました。非常に濃厚でよいスープが出ており、走った後の身体に染み渡りました。地域の特産物を使ったふるまいこそ、マラソン大会の醍醐味です。


タクミセン9さんは元々のダメージ以上に損壊したという感じではなく、まだまだ頼りになりそうです。やはり純粋薄底シューズより進みやすいので、普通にいったら大敗を喫しそうなレースではお出ましいただきたいところです。



アミノプロテイン、アミノバイタル粉、プロテイン、プロテインバー二本でリカバリーです。着替え後、チケットを握りしめてドリンクと海産物を受け取ります。海産物は保冷バッグに入れてくれているとはいえ、干物というのはかなり攻めの姿勢が感じられますが(大阪に持って帰るまでに傷むのでは)のですが、食べられる状態で持ち帰れる可能性にチャレンジすることにしました。

閉会式は時間の都合上見ていられないのですが、ふと見渡すと、あの岡本直己さんが普通にモサエビ汁を食べておられるではありませんか。お声がけしたいと思ったものの、他の方と談笑されていましたし、別にゲストランナーとして参加されているわけでもないため、今回は間近でお姿を見られただけで十分と自重しました。引退はされましたが、まだまだ走力はすさまじいので、これからも走っていただきたいところです。

フィニッシュを迎えられるランナーさんを何組か見届け、誘導・応援されている方にお礼を言いつつ、楽しい会場を後にしました。



観光
島めぐり遊覧船(リトライ)
前日欠航になったくらいでこの私が諦めるわけはありません。レース後にサイトをチェックして欠航はないと確認できましたので、満を持して向かいます。11:47浦富発のバスで移動しました。


鼻息荒くチケット売り場に行くと、今日は大丈夫とのことで一安心です。大会参加者には割引+ソフトクリーム無料券が授けられていますので、こちらを利用しました。イカスミソフトは普通においしいのですが、やはりこの見た目が売りでしょう。しばらく口の中が黒いのもいいですね。


筋肉質な船員さんに誘導されて遊覧船へと乗り込み、いよいよ出航します。船長さんが景色の見所や言い伝え、地学的な話もして下さり、教えていただきながら見ると本当に楽しめます。鳥取砂丘も、写真では薄くしか見えませんが、肉眼でははっきりと確認でき、“昨日見たあの海の先から眺めているのか”と感心したりもします。


海賊が隠れていたと言われる岩穴、北前船が座礁して菜種が残されたことから菜の花が咲くようになった菜種五島、風向きや波の高さによって岩の割れ方や樹木の生え方に差が出ることなど、実に興味深い話ばかりでした。今日は荒れる日本海の波を楽しみましたが、穏やかな日に、岩美ブルーと呼ばれる透明度の極めて高い海を見てみたいものですね。




そして浦富海岸健康マラソンに参加した身としては、“なんでこんなに坂が多いんだ”と思っていたことにある種の納得感がもたらされる経験にもなります。そりゃ海から見てこんだけ断崖がそそり立っていれば、陸地を走るにも楽なはずがないと得心します。そういう意味でも、絶対に乗った方がよい船です。




ここまでしていただいたからにはお土産もここで買おうと、岩美特産品コーナーで、イカスミ煎餅、イカスミカレー、らっきょうタルタルと、ポストカードを買いました。親カニコロッケもおいしくいただき、リトライして本当によかったです。




鳥取で最後まで観光
遊覧船乗り場前13:23発→13:33福部支所着のバスで移動しましたが、福部駅周辺は想像以上に寄る所がありませんでした。それはそれでよし。福部13:46発→鳥取14:00着のJRで移動です。


折角鳥取にいるわけですから、ここは温泉に寄るしかありません。来たことのなかった元湯温泉さんにしました。こちらは13時から開いており、ボディソープも据え付けてあるのでとても便利です。
浴槽はお湯とややぬるめの水の二つで、お湯に浸かって副交感神経を優位に持っていくと共に交替浴もできます。10kmであっても練習よりは負荷がかかっていますので、リカバリーは大切です。銭湯にしては珍しく洋風の音楽が流れており、それもよかったです。

Sマートさんで大山おいしい珈琲モナカと白バラ牛乳を買って締めくくりました。鳥取を訪れながら石破茂事務所を外から眺める時間がなかったのはネタ的に惜しい気もしますが、今回も楽しい旅でした。鳥取駅前15:10発→大阪梅田18:03着(大阪に入ってからの渋滞で30分弱遅延。それも織り込み済みなので全く気にせず)のバスで、鳥取マラソンのことも思い出しながら帰りました。



帰宅後、恐る恐る干物を確かめると、言うまでもなく常温に(今思えばコンビニで氷でも買っておけばよかったですね)。勇気は要りましたが、においも大丈夫そうだったので、即フライパンで焼いておいしくいただきました。やっぱり魚はうまいですよ。田後漁協のおかあちゃんの善意を、母の日に受け止めることができました。


最後に
大阪からは割と近く、何かと惹かれる鳥取県。今回は岩美町の皆様の強い勧誘に(勝手に)応じ、熱烈な歓迎のお陰で楽しい時間を過ごさせていただきました。景色も空気も食べ物も素晴らしく、行ってよかったと心から思います。
地元の皆様にとって楽しい大会であることは勿論のこと、他の地域の人にとっても観光目的で気軽に参加して、楽しい思い出とお土産を持って日常に帰れる、そんな素敵な大会だと断言できます。全国の多くのランナーさんにこの魅力を知っていただきたいと思いますが、あまり人が押し寄せるとちょっと大変かもしれませんね。いずれにしても、この大会が多くの方に大切にされていってほしいと願っています。
大会の開催にご協力いただいた岩美の皆様に改めてお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。
ここまでご覧いただきありがとうございます。