ただでさえエントリーを躊躇うくらい遠いのに、前日は時化で直江津・小木航路が欠航。新潟経由に切り替えるもしらゆきまで遅延。過去一番のDNS寸前まで追い込まれるも、“ここまで来たら行くしかない”と海を渡り、弾丸ツアーで帰ってきました。それでも、“今回参加してよかった”としみじみ思っています。DNSへの挑戦もいつしか笑い話になります。行きさえすれば、きっと最後は大団円です。拍手の合間に。
一番驚いたのは、残雪を冠った山の美しさです。“透き通る海だけではなく、山もこんなにきれいなのか!”と衝撃を受け、また新たな世界を知ることができました。春の空の青、菜の花の黄色と共にある姿は、事前にどんなに想像を膨らませていても、軽くそれを超えてしまうと思います。そして両津湾も加茂湖も、佐渡のゆったりとした時間の流れを感じさせる景色で素晴らしかったです。




エイドではうめぇっちゃ給食も大きな楽しみで、苺姫、団子、八幡芋の芋煮、西三川りんごジュース、たくあんパンも完食し、サラダホープもいただきました。終了後は炊き立ての佐渡コシヒカリが深い器にたっぷりと盛られ、お米のうまさにも打たれます。牛カルビ串と合わせるとまたご飯が進みます。







応援も温かで、沿道では沢山の方が声援を送って下さりました。参加者も仮装など思い思いに楽しんでおられ、スライド区間では阿佐ヶ谷姉妹?らしき二人組が前方から走ってきたり、えちご・くびき野にも出ておられた妖精さんにもお会いできました。






走りは、奥熊野いだ天100kmの翌週ですので、最初から無理は一切せず、観光ついでのロング走でよいと割り切りました。佐渡での滞在時間がわずかなので、マラソンで観光するしかありません。風も強くて正直難しいコンディションでしたし、頑張ってしまうと消耗してしまったと思います。またそのうち速く走る時も来るでしょう。
(3時間23分台。155bpm, 186spm, ストライド1.11m, 上下動比5.4%, 上下動6.2cm, 左右接地時間バランス49.1%:50.9%, 接地時間252ms, マジックスピード初代)




時間が無さ過ぎて観光は全くできずでしたが、宿泊した相川地区の中庄さんのお刺身定食は、どのお魚も大変おいしく、それだけでご機嫌です。佐渡牛乳も低温殺菌でクリームのような味わいでした。新潟駅からときライナーで移動した高田駅では初音さんの焼魚定食に時を忘れ、上越妙高でも釜ぶたの湯さんで回復できました。転んでもただでは起きず、広大な新潟でまた楽しい思い出を作れたので、よかったです。




佐渡の皆様、この度は佐渡の春の魅力を全身で感じられる楽しい大会を開催していただきありがとうございました!次こそは存分に観光させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします!




春の景色が似ているのは、意外にもいわて奥州きらめきマラソンでした。フラットコースの走り易さも魅力です。
観光を詰め込みに詰め込んだのが長井マラソンです。こちらは全て予定通りでしたが。芋煮つながりで、是非。
離島の大会も沢山参加させていただいていますが、五島つばきマラソンも想像を超えるすごい大会です。
えちご・くびき野100kmマラソンも怒涛のエイドに圧倒されます。新潟の大会は個性溢れるいい大会ばかりです。
コメント、スター、↓のバナークリック、SNSなど、なんでもよいので読者の存在をお知らせいただけますと、私が天然記念物に指定されます。
続きのページには、弾丸ツアーの諸々、マラソンという名の観光、素敵な応援の様子など、写真満載で詳しく書いていますので、よろしければ是非ご覧ください。
次回予告は、“赤き鎧と六文銭”です。縦に上るやつです。
前日
初めての佐渡へ(DNSとの戦い!)
金沢から上越妙高まで(万事順調)
昨年のえちご・くびき野100kmの前日に、直江津駅で佐渡島の方が特産品を販売しておられ、“佐渡トキマラソンも行きたいですね”と話したことを覚えています。折角滅多に行けない土地に行くのですから後泊して観光したいところですが、二週連続休むのは少々難しく、かなり迷いました。しかし、“二の足を踏んでゼロで終わるより、とりあえず一回行ってみて、チャンスがあれば二回目をもっと満足のいくものにすればよい”という発想で参加を決めました。また、100kmの翌週にハーフは辛い(昨年の魚津しんきろうマラソンはきつかったです)が、フルなら遅いので、何とか形になるかもという発想もありました。
金曜に金沢に移動しておき、朝はゆっくり眠ります。身体をほぐすために軽く走ってパン屋さんに行き、昨夜お買い得になっていた牛肩ロースをしゃぶしゃぶくらいの茹で加減で、小松菜、しめじ、水菜と共にいただきました。味付けは、能登の深層水を使ったうずまき酢さんのポン酢です。山代温泉の温泉卵には輪島の塩です。

- パン活:アリスファームキッチンさん
金沢の有松で長年営業されている人気店、久しぶりに訪問しました。ブルーベリークリームチーズは、こんなにたっぷりジャムが入っているのかと驚きました。イチジクとクルミフランスは、重量感も密度も満足のいくものです。このお店のパンは、個人的にも思い入れのある味です。





駅までは自転車で移動し、金沢駅10:58→上越妙高12:00着のはくたかで移動です。自由席でも問題なく座れました。ここまでは完璧でした。



移動中読書は、國分功一郎先生の『中動態の世界 意志と責任の考古学』です。能動態と受動態しかないと思いがちだが、かつては中動態という概念が当たり前のものとして存在しており、それにもかかわらず何故それが姿を消していったのかを、哲学的な視点から考察している一冊です。まだ途中ですが、スピノザの能動と受動にどう結びつくのか、楽しみです。
上越妙高で突き付けられた現実(直江津・小木港ルート欠航)
上越妙高駅でのんびりバスを待っていましたが、ふと気づくと不穏な張り紙が。何としけのため、午後の便は欠航とのこと。この時点で諦めて帰ろうかとも思ったのですが、とりあえず直江津まで行ってから考えることにしてバスに乗ります。


調べてみると、新潟経由なら何とか行けそうですし、直江津13:25発→新潟15:07着のしらゆきに乗れば16:05発のカーフェリーにも乗れそうです。追加の出費は痛いですが、行けるのであればよしということにしました。ここは一旦穏やかな気持ちになり、昨年のえちご・くびき野100km以来の直江津駅前を歩き、草野屋さんで笹団子を、三野屋さんでペンギンサブレを買いました。笹もちの香りもよく、お店の方もお変わりない様子でしたので、嬉しかったです。予定外の遠回りもたまには悪くないと思いました。




しらゆきは初めてでしたので、ウルトラで通る柿崎区や、また来ることになる柏崎の景色を見て喜んでいました。途中昼寝を挟み、本を読んだりもして快適だったのですが、新津駅直前で緊急停止、新潟駅直前で信号待ちという展開に、呑気な私も流石に焦ります。結局到着は23分遅れの15:30。バスも逃していますので、カーフェリーに乗るには走るしかありません。


これで済めばまだよかったのですが、えきねっとで予約してICカードに紐づけたつもりが、特急券は紙の切符を発見しなくてはならない(要するに紐づける仕組みになっていない)らしく、駅員さんとあれこれやり取りすることに。これで数分ロスして、カーフェリーは完全にアウトとなりました。嘆いても早くならないと分かりつつ、“わかりにくいっすね……。”と言葉が漏れました(こういう時こそ顔は笑っています)。
このまま帰るのか、進むならいつ海を渡るのか
悪いことは重なるもので、翌日の小木港→直江津便も欠航という発表が出て、これで相川地区まで行く理由もなくなりました(元々佐渡金山を諦めていた時点であれなのですが)。もう“新潟駅に宿泊して翌朝のジェットフォイルでよいのでは”と考えたのですが、当日満席だったら辛過ぎる(今すぐ帰った方がまし)ので、ひとまずフェリーターミナルまで歩いて行ってみることにしました。

歩きながら滞在時間などを計算し、新潟経由で金沢まで帰るには、往復ジェットフォイルしかないと判断します。そうであれば、16:20新潟港発→17:25両津港で渡り、夜少しゆっくりできた方がよいと考えました。金銭的には損切のタイミングを逸したのかもしれません(金曜時点で発表されていた欠航情報を知っていれば、DNSが無難。ジェットフォイル往復13,510円は、直江津カーフェリー比で7,500円程高く、直江津・新潟間の交通費も加えると考えたくなくなるくらい痛いです)が、多分この大会に出られるのは一生に一度のチャンスなので、引き返さないことにしました。人生トータルで見れば、誤差の範囲です。というわけで、ここも金で解決します。
少しでも安くするべく復路のジェットフォイルも予約しようとしたところ、程よい時間の16:25両津港発の便は満席とのことで、一つ前の14:35発の便しかありませんでした。フルのスタートは10時。今回の体調とスタンスからして3時間半前後やむなしですので、終了後即着替えて帰るしかなくなりました。小木港経由なら16:00会場発で、かなりゆっくりできたのですが、言っても始まりません。上手くやれば帰路で寄り道できることを肯定的に捉えます。
佐渡島まで移動、佐渡島でも移動
ジェットフォイルは港を離れ、どんどん進んでいきます。高いだけあって速いです。海水を年中浴びている都合上、窓がクリアではなく、景色が楽しめる場面はあまりなかったのですが、それでも傾きつつある夕日の光はきれいでした。



佐渡島に到着してフェリーターミナルへと向かう中では、隠岐の島や小豆島、福江島などを思い出していました。もう少しゆっくりできればと思うのですが、次は17:45のバスに乗らねばなりません。長距離移動の大変さが身に染みます。でも一人旅なので文句を言う人もおらず、気楽なものです(自分さえニコニコしてればそれでよし)。



両津港17:45発→相川18:44着のバスに乗車し、初めての景色にワクワクしながら揺られます。途中、沈んでいく陽が真っ赤で、久しぶりにこんなに赤い夕陽を見た気がしました。相川に着いた頃には夜になっていました。ここまで来るだけでも金沢から8時間以上かかっています。

夕食
中庄さんでお刺身定食をいただきました。いくつかあったお店は貸し切りで、“佐渡島まで来て食にも見放されるのか?”と思いかけたところで救われました。

お刺身はタイもマグロもブリもイカも全ておいしいのですが、それに止まらず長芋もお味噌汁もご飯も全てがなかなかないレベルのお味でした。“流石は佐渡!”と、一気に移動の悲劇が払しょくされ、今やすっかりご機嫌です。お店の方も明るくてよかったです。

お宿
ホテルみやこさんです。両津港の方はあまりに高過ぎて困っていたのですが、スタート地点へのシャトルバスが相川から出ることを踏まえて探したところ、最安で立地もよかったことから選びました。


部屋も広く、大浴場もあり、子供の頃の修学旅行を思い出すような味のある旅館です。こういう所に一人で泊まれるのは贅沢なものですが、それでいて6,600円は明らかにお得です。到着した時からとても親切にしていただけて、気楽に過ごせます。


ショッピングプラザキング相川店さんは、地元スーパーでありながら、かなりの品揃えでした。魚は充実していますし、お惣菜もご当地牛乳もあります。何日か滞在して、こういうお店に通いたいですね。佐渡牛乳はパッケージもよいですし、75℃で15秒殺菌というのも珍しく、クリームのような上質の味がしました。




ローソンでゆで卵を、ウェルシアでチーズ、プロテインバー、水も仕入れて準備万端です。23時30分頃消灯です。怒涛の一日でしたので、今自分がどこにいるのか分からなくなり、新潟市内で宿泊しているような気すらしました。

レース当日
レース前
6時40分頃起床です。食事で身体に負荷をかけず、普通に過ごせたので、平常通りの心拍数、Body Batteryの数値です。静かでよく眠れました。

朝食は中川製パン所さんのチーズフランス、佐渡牛乳、ゆで卵、チーズです。地元のパン屋さんのようで、スーパーやドラッグストアでよく見かけました。ダイス状のチーズがたっぷり入っていて、見た目に似合わぬ食べ応えでした。

チェックアウト時、お宿のワンちゃんが見送りに来てくれました。見送る時は吠えるそうで、私も当然吠えられました。この写真はかわいいところを撮れました。

シャトルバス乗り場の相川支所へと徒歩で向かいます。ここで私が大変迂闊だったのですが、何となく“昨日バスを降りた場所は民間の施設だし、もうちょっと先にある庁舎っぽいところが支所なのだろう”と思って通り過ぎてしまいました。別に旗が立っているわけでもありませんし。きらりうむまで行って流石におかしいと気づきダッシュで引き返し、30秒遅れくらいで乗せていただきました。お待たせしてしまい、大変申し訳ございません。

車窓からは佐渡の美しい海が望めました。西の七浦海岸線を走るバスなのですね。この時間だからか、海の色がとてもはっきりしていました。濃い青と影がカチッとしているというか。完全な予習不足で夫婦岩が何なのかもわからないままでしたが、何も知らなくても海の美しさを感じることはできます。海が見えないエリアに入った後は、目を閉じてうとうとしていました。




9:05には両津港に送り届けていただき、帰りの便(小木港行き)には乗らないことをお伝えして、会場へと向かいます。佐渡汽船のトイレにも寄り、リスクを減らすことができました。後はいつも通り走って帰って来るだけです。

会場のおんでこドームまでは10分もかかりません。既に出来上がっているというか、沢山の屋台とテーブルが並んでいます。これは終了後が楽しみです。そして終了後に全然時間がないのが残念です。


シューズを履き替え、日焼け止めも重ねて塗り、那智勝浦のan寿anさんのカステラもいただきます。上品な味で、お土産にも喜ばれそうです。

荷物預けは、置いてあるポリ袋を各人取り出してシールを貼るスタイルです。それはよいのですが、荷物置き場のテニスコートには日陰がなく、リュックの中は結構な高温になります。先に書いておくと、チョコレート系のプロテインバーは別の食べ物となり、水は温湯になっていました。他に置く場所はないのでどうしようもないのですが、“終わった後は時間がないから先にお土産を買っておこう”という発想でいくと悲劇に見舞われます。ヨーグルトは酸味と苦みの臨界点を突破し、牛乳の中には無数の生物が増殖し、刺身は別の物体になることでしょう(そんなものを入れる人はいません)。

スタートに向かう前に、セルフ給水がどんな具合か試しておくことにしました。そして当然ながら出は左程よろしくないことを確認します。まあ半分以上は紙コップ給水ですので、死ぬことはないでしょう。

スタートセレモニーは9:45からです。佐和田中学校ブラスバンド部の生徒さんの演奏で明るい気持ちになります。しかし何故に選曲がおジャ魔女だったのでしょうか。滅多に聴くことのないメロディーに面白さを感じました。動的ストレッチをして、スタートを待ちます。

【ちょっと真面目な話】
練習
奥熊野いだ天100kmの後は、概ね72時間で筋肉痛は抜けたものの、無理はせずに回復に努めました。金曜には力が入るようになっており、フルも十分に走れる状態には戻りました。
日曜:奥熊野いだ天100km
月曜:観光スロージョグ50分
火曜:オフ
水曜:オフ
木曜:有酸素ジョグ34分(Zone1)
金曜:有酸素ジョグ35分(Zone2, 懸垂逆上がり、懸垂)
土曜:有酸素ジョグ29分(Zone1)
シューズ
フルマラソン13本目のマジックスピード初代さんです。ご長寿といえばこのお方。とにかく頑丈で長持ちなので、一体どこまでいけるのだろうと起用しました。しかしすぐに帰らなくてはいけないのなら、もっと速く走れるシューズにした方が心にゆとりがあったと思います。


ウェア
特に速く走るつもりもなく、そこまで暑いわけでもないので、新潟つながりでえちご・くびき野100kmマラソン2024Tシャツにしました。下はTIGORAマルチポケットパンツ、asicsロングソックス、ニューハレ踵二重です。赤い奈良マラソンキャップにしましたが、朱鷺は頭が赤いわけではないため、黒くて細いオホーツク網走マラソンキャップで嘴をイメージした方がよかったかもしれません。

レース
序盤~前半
- 序盤(出し惜しみなしの絶景から)
“On Your Mark”から10時に号砲、のはずがまさかの不発に終わります。ただでさえ滞在時間が短いのに、ここに来て更に状況は悪化します。スタートは10:01になりました。

二度目は、“鳴らなくてもスタートします!”というアナウンスの中、無事に“パァーン!!”、とはならず、光ったもののやはり不発。一呼吸置いてから改めて“スタートです!”と立合いが成立したことが行司さんから告げられ、皆笑って出発です。フル125本目でこんな事態は初めてですが、誰のせいでもないと思います。ネタが増えてよかったです。
スタート直後は右の方を陣取っていたので、とっぴーときっぴーの御姿が見られました。佐渡に来たという気分が高まります(佐渡というより新潟全域のキャラのようですが)。最初は順風で、無理せずともスピードが出ました。


1kmも行かないうちに早速左手には実に美しい両津湾が。序盤からこんなにいい景色を見せておいてよいのでしょうか。尻すぼみを恐れないコース設定に感謝です。


沿道ではご家族で応援して下さる方もおられ、笑顔でお応えしながら走っていきます。トップの選手が折り返して来られ、毎度ながらその速さに惚れ惚れします。


開始から13分台で折り返します。ここで景色が一変し、雪を冠った山々の美しさに打たれます。金北山になるのでしょうか。“佐渡は山もこんなにきれいだったのか!”と衝撃を受けました。やはり現地に来てみると、空気も色もスケールも、感じられるものが全然違います。


最初のセルフ給水は、まだ必要ないかと考えてスルーしました。写真から察しがつくかと思いますが、この設計ではそう勢いよく水が出るわけではありません。しかもエイド当たりの設置台数が多いわけではなく、おそらく後の方になると混雑したと思います。このセルフ給水は普通の給水所と同じペースで配置されていますので、全スルーするとかなり身体に負担がかかると思います。

往路でチェックしていた太鼓の応援にもお応えし、スタート付近の交差点を左折します。折り返してからこの先は、19kmまで基本強い逆風でした。前半は無理せず、折り返してからピッチを刻めばよいと考えました。それでも何故か割とスピードは出ており、キロ4分30秒台が続いていました。



6kmくらいで“温泉もあるのか、行きたいな~(しかし時間がない)”などと考えながら風の中を進みます。7kmの通過は手元32:09でした。

- 前半(風を抜ければうめぇっちゃ給食)
この先も右手の海を眺めながら、強い風に向かっていきます。後でアメダスを見ると全体的には南西~西南西の風で、12m/sくらいの数字が並んでいます。集団で走っておられる方も多い印象でしたが、気を遣うのが苦手な私は勿論単独走です。今日はジョグでよいと割り切っていますので、風が強いのもいい練習になります。しかしつむじ風とは言いませんが、時折風向きも変わり、そのままどこかに運ばれていってしまいそうな気もしました。オズの魔法使いのごとく。


9.4kmで初めての給水所です。43分台ですので、今思えば、最初のセルフでも水を飲んでおけばよかったです。紙コップは一人一つという協力の呼びかけがあったため、沢山飲むことはできません。貴重な水分を身体にかけるのも勿体ないので、“逆風ゆえに暑さはない”ものとします。ゴミ箱がかなり近い場所にしかないので、そこに至るまでに減速してでも一気に飲み干すことになります。貴重な水を捨てるなんてとんでもありません。

10kmで手元45:45くらいです。この先、やや長い上りに入ります。ウルトラのように延々と続くことはなく、2分くらい耐えれば平坦になるのですが、フルのペースと逆風だとそれなりに堪えます。ここも無理をしないことが大事と言い聞かせ、頑張っている方とは張り合わないことにします。


上り切った先では応援の方も多くなり、また回復していきます。復路はどれくらい順風なのだろうと楽しみになってきました。12.2kmのセルフ給水も立ち止まり、水を飲むと共に身体にもかけます。つまりおかわりが必要になり、水がマイカップに溜まるまで気長に待つことになります。しかし中途半端にタイムを狙って疲労を残すのは望ましくなく、とにかく無事に一日を終えてこそですので、これで合っていたはずです。



その先はなだらかに下り、お店や民家の多いエリアに入って行きます。応援の方も多くて嬉しいことです。トキとの共生ルールとオブジェもあり、人間の都合で損なってはならないものが、世界にはあまりに沢山あることに思いを馳せます。


昔からの商店が並ぶ地区に入り、応援を受けながら進んでいきます。14kmのうめぇっちゃ給食エイドも近づいて来ました。


苺姫はとても甘くて走る意欲が回復しますし、佐渡島朱鷺認証米100%のお団子も光り輝いています。後続ランナーさんの走路を塞がないようコースアウトして停止し、佐渡の恵みを堪能させていただきました。応援して下さる皆様に見送られて、先を目指します。






中盤
- 中盤①(美しき春の景色と絶品芋煮)
この先も水田と雪山の織り成す景色が素晴らしく、右ばかり見て走っていました。この風景は、いわて奥州きらめきマラソンに似ており、“地域も違う(違うどころか離島と本州)のにこのような景観になるということは、地学的にはどういうことなのだろう”などと考えていました。


手作りのうちわを持って応援しておられる方の笑顔もよかったです。私はゆかりさんではありませんが。この、八重桜(サトザクラ?)と菜の花が両側を固め、更に白い稜線が望める場所は、本当に素敵でした。承久の乱に敗れた順徳院もこの山々を眺めていたのは間違いないでしょう。




見事な瓦葺の豪邸の間を進み、16.8kmのセルフ給水でも補給します。風は強く、快晴の割に日差しもそれ程強くはないため暑いという程ではないのですが、やはり水は必要です。次のエイドでガッツリ止まることを踏まえても、着実な給水が吉です。


折り返しまでは、10km過ぎを除いてはほとんどフラットです。17kmを過ぎてから軽く橋を渡るのですが、ここで目線が変わってからの山もまた素晴らしかったです。少し上るだけで違った姿を見られるのですから、何ていいコースなのでしょう。


市役所前の交差点を左折し、いよいよ19kmの佐渡うめぇっちゃ給食です。こちらの目玉は、銀杏の会さんの「八幡芋の芋煮」です。芋煮と言えば山形ですが、佐渡特産の八幡芋がふんだんに使用されているのがミソです。

こちらは豚肉など具材もたっぷりで大変おいしく、ぬめりとうまみが輝きを放ちます。周りの方も大喜びで頬張っていました。丁度NHK新潟のカメラマンさんが話しかけて下さったので、“大阪から来たからには食べなくてはならない”“タイムより佐渡を楽しむことが大事”と言った持論を披瀝させていただきました。一滴も残すことなく完食です。ごちそうさまでした。


貴重な水分もいただき、勢いでバナナも手にして(皮は出発前に捨てました)応援の中を走り出します。明るい笑顔で見送って下さり、嬉しいです。





そしてここからは基本的に順風です(斜め後ろが多かったかな)。“順風になると風が吹いている感覚がなくなり、暑く感じる”というのはよくある話ですが、今日は“順風なのに涼しさを感じる”という状態でした。どれ程の風かご想像いただけるかと思います。力を抜いて脚を回すだけで、休みながら進めます。

橋の上ではサブ4のペーサーさん達とすれ違い、“もうすぐ順風になりますよ”と心の中でエールを送ります。21.1kmのセルフ給水で手元1:40:34ですから、普通に走れば3時間20分くらいで終われそうです。まあこの先何度も止まるのですが。


- 中盤②(スライド区間からトキの森公園へ)
しっかりと給水をこなし、先ほど心を奪われた菜の花の横を通ります。ここは是非、現地で直に感じていただきたい場所です。大会のお陰で、とてもよい季節にここに連れて来ていただけました。


スライド区間も長いのですが、ここで最初のスライド区間で目立っていた阿佐ヶ谷姉妹(ですよね?)の仮装ランナーさんが前方から走って来られました。シュール過ぎてたまりません。この衣装を選択してずっと二人で走っておられるんですよ。覚悟が違います。


もう少し行った所では、元気いっぱいの妖精ランナーさんともすれ違いました。“えちご・くびき野、私も出ましたよ!”と気づいていただけて嬉しかったのですが、多分、柿崎エイドでお会いしたお方(前回大会のパンフ表紙のお方)ですよね?予想外に再会できたご縁に感謝です。

23.6kmの普通給水でも、ゴミ箱が近いので結局止まって飲みます。対岸の苺が気になるところですが、往路でいただいたので我慢です(当たり前)。数百m行って横町交差点を左折し、往路では通らなかった道へと入ります。

左折してからも長閑な田園風景と残雪の山々という景色に癒されます。この直線の途中に私設エイドがあり、男の子がスポドリ(聞き取れなかったのですが、ダカラかと)の入った紙コップを渡してくれました。大切な水分ですので、少しずつ飲み、紙コップは次の27kmエイドで捨てることにしました。大変助かりました。ありがとうございます。



右折してトキの森公園へと歩を進めます。緩やかに上ってはいますが、ガンガンに順風が吹きつけていますので、辛さはありません。レアな木陰も見えて来て、気力も回復します。2分も行かないうちに27.0km給水所です。






こちらでは西三川りんごジュースがふるまわれ、その濃厚な甘さにすっかり参ってしまいます。更に新潟シティマラソン提供のサラダホープもあり、こちらは腰のポケットにねじ込んで完走後のお土産にします。



エイドを出てから軽く上り、左側には木陰がないことに少々惜しさを感じつつも、走っていきます。強風のためか、距離表示看板も地面に寝かしてあるものが多かったのですが、28km過ぎはこんな景色です。手元2:13:25だったようです。


後半~終盤
- 後半(私設エイドもたくあんパンも)
28kmを過ぎた後、遠くから太鼓の音が聞こえて来ます。“これは地区の方が待っていて下さるのだな”と楽しみに近づくと、「おにぎり 麦茶」の看板が。潟上鬼太鼓応援中とのことですので、その面・衣装と太鼓の音に鼓舞されつつピットインしておにぎりと麦茶をいただきました。勿論麦茶のおかわりは、同じコップを使っています。おいしい給食をいただき、ありがとうございました。




29km地点過ぎでも、たまに風向きが変わることはありながらも基本的には順風だったはずです。八重桜がまだ美しく咲いている下を抜けて走ります。29.4kmのセルフ給水エイドでも一休みです。



この先で右折した瞬間、強い向かい風が吹き付け、行く手を阻まれました。風向きはよく変わっていましたが、ここに来て北の方から風が吹くとは。それまで順風で甘やかされていたので、進む感じがしません、菜の花もなぎ倒されかねない勢いです。そのまま30kmを通過するのですが、進んでいない割にはキロ4:50で収まっていましたので、ジョグのレベルは上がっていたと評価できるのかもしれません。


31km辺りで神社の前を通過する時は、かなりの下りになっています。写真はミスショットで撮れていませんが。このまま下って平地かと思いきや、ここに来て上り返しがあり、真面目に走っていると結構しんどいと思います。加賀温泉郷マラソンのトンネルの後の上りくらい、心を挫きにかかってきます。

急角度ではありますが、減速しつつも上り、2分も行かないうちに大きな上りは落ち着きます。32.1kmのエイドももうすぐですので、希望を胸に進みます。応援していただきながら折り返すと、最後の佐渡うめぇっちゃ給食です。こちらではたくあんパンをいただき、小気味よい歯ざわりと塩気にまた力をもらいます。




折り返し後の下りは、身体への衝撃も勿論ですが、こうして写真で見てもきつさが伝わります。ここを左折すると、加茂湖湖畔を進むことになります。この透き通った水をたたえる加茂湖の光景は、とても心に訴えかけるものでした。



田んぼの脇を通り、右手の林の中にはまだ桜色が見つけられることにも季節を感じられます。35km過ぎで手元2:47:38。元気なら3時間20分に収まりますが、どうやら今日はスパートをかけられそうな体調ではなさそうですね(ヒント:先週の出来事)。時々変わる風向きに翻弄されながら走っていました。


- 終盤(走ってよかった佐渡の旅)
ただ淡々と、佐渡の自然を感じながら残りの道を行きます。“いらっしゃいませ~”と明るく迎えていただいた35.3kmエイドでは当然止まります。セルフ給水でキロ5分強と、前半より平均10秒くらい遅くなっているようです。まあ十分な負荷もかけられたのでよしということにします。加茂湖湖畔から離れて左折すると、ハーフのコースと合流することになります。


走り慣れていないハーフの方が横に広がっていることはよくある話(慣れていないので仕方がない)なので気にしないとして、給水はどうなるのかが心配でなりません。しかし意外とごった返すことはなく、それまでとそう変わらず補給できました。合流直後は紙コップエイドだったからかもしれません。富士山マラソンのような酷いことにはなっておらず一安心ですが、ここから快調に飛ばしていく力もないので、このままジョグで進むことにします。


今日一日見守っていただいた雄々しい山の姿を見届け、フィニッシュを目指します。39.1kmでもしっかり止まって頭に水をかけます(コップ一杯ではかぶるという程の量ではありません)。被り水があれば紙コップの水を身体にかけることも減り、紙コップ削減の目的はかなりの程度達成することもできそうですが、いかがでしょうか。


最後くらいはペースを上げたいという気持ちもあったのですが、40km地点を通過したところで強い向かい風が身体を押し返し、“今日は無理!”と諦めました。ここを突破する力はありません。“運よく風向きが変わったらちょろっと上げて終わろう”くらいの気持ちです。毎回毎回頑張っても疲れてしまいます。

終盤の応援は嬉しいもので、Run tripの横断幕を持った方も“よく帰って来た!”と声援を送って下さりましたし、熊本の方へのメッセージもありました。レンタカーの少し先に行ったところで左折です。



左折してしまえば、まだ結構あるはずという予想とは異なり、もうフィニッシュゲートが見えています。逆風ではないので、最後はピッチも上がりました。結局2.195kmに10:08を要しましたが、41kmからは多少持ち直していましたので、今後は短い距離でも上げておくこともプラスになるかもと思いました。春の光と風の中、佐渡の自然を満喫でき、“やっぱり来てよかった”と思いながら、最後を締めくくりました。



アフター
会場
フィニッシュ後には切り餅、ザバス、炊き立てご飯引換券、タオルを渡していただけます。しかし袋が無いので強風で(特に大切なご飯引換券が)飛ばされないかとひやひやします。片手が塞がった状態でセルフ給水となり、マイカップを持ったまま片手ではジャグを捻れないため、少々難儀しました。そして水は勢いよく出るわけではないので、がぶ飲みしたい欲求を満たすことも難しいです。後の人をお待たせするわけにもいかないので、早々に荷物を引き取り、持参したペットボトルの水に頼ることにしました。


手荷物置き場が日当たり良好で水も温くなっていたのは最初に書いた通りですが、とにかく持参したプロテイン、アミノバイタルは摂取します。溶けに溶けたプロテインバー二本も食べます。ザバスも温さを承知で飲み干しましたが、意外とおいしくて気分が上がりました。
身体に異常がないことを確認し、早々に着替えました。マジックスピード初代さんは、今日で573kmを越えましたが、少なくともジョグに使う分には全く問題なさそうです。硬さも含めて自分との相性は間違いなく良いです。確か8,900円で購入しており、3,000円台で買って500km以上履いているHanzo Rと共に大変よいお買い物となっております。


目玉の炊き立てごはんは、軽く盛るくらいかなと思ったら、深い器にたっぷりとよそっていただけました。これは贅沢です。白米がそのまま提供されたのは初めてかもしれませんが、“米だけでもとことんうまい”という自信の表れだと思います。参加賞の金券を使って豪気に牛カルビ串を購入し、ただでさえ上手い佐渡のコシヒカリがますます進む最強のおかずと合わせて、満たされた一時を過ごしました。


新潟シティマラソンブースもあったので、今年はエントリー済みですとお伝えすると共に、金(属)の延べ棒(約7kg)を箱から取り出すゲームに成功し、シールをいただけました。どこかの大会のゼッケンに貼りたいと思います。



おんでこドームには沢山のお店があって食欲をそそるのですが、何と言っても時間がありません。14:20には会場を去らなくてはならず、実質何もできず終いでした。何とかきなこ揚げパンをゲットし、柔らかい食感と砂糖の甘さにほっこりします。



両津港まで急いで移動し、意地でお土産を買って、どうにか14:35のジェットフォイルに間に合いました。ほぼ満席でしたし、景色を見るでもなく、ただじっと目を閉じて、走った時間の記憶を辿ったりしていました。次はもっと余裕を持って観光したいところです。




新潟以降も長距離移動
新潟駅
新潟港からは15:50発のバスで新潟駅まで移動しました。駅チカで手頃な銭湯も無かったので、食料を求めて駅ビルでお買い物。アフリカンベーカリーカフェナミテテさんのパンと四つ葉4.0牛乳をゲットしました。パンはどの辺がアフリカンなのかは分かりませんでしたが、割ってみるとクリームもギッシリ入っており、おいしかったです(日本人好みにアレンジしてあるのかもしれません)。



バス停は駅から少し離れていて迷ったものの、無事に乗車。事前予約なしでICカードも使えます。16:40新潟駅発→18:56高田駅着です。1,940円で済み、高額なしらゆきよりは大分助かりました。

高田駅
19:49の電車まで時間があります。折角なので高田で魚を食べることにしました。駅から程近い場所にある初音さんがよさげだったので、こちらにお邪魔し、焼魚定食を注文しました。今日はブリとのことで、待っている時間も楽しみです。


お料理は一品一品が大変おいしく、最高でした。ブリは大きくてジューシーですし、大根おろし・醤油で更なる高みに。ほうれん草のお浸しも、フキも菜の花も全てがおいしく、やはりご飯が進みます。流石は新潟です。遠征すると、都会ではまずお目にかかれないようなおいしい料理が普通に食べられる奇跡に巡り合えます。


上越妙高
そのまま帰ってもよいのですが、そうそうない機会ですので、駅徒歩2分の釜ぶたの湯さんへ。天然温泉が楽しめるのに480円(サウナ・水風呂別料金)という良心的な価格設定です。アルカリ性のぬるりとしたお湯がお肌によく、暑過ぎないのでしっかり身体をほぐせます。水シャワーで脚を軽く冷やしてリフレッシュし、明日以降も元気に迎えられそうです。


21:12上越妙高発→22:17金沢着のはくたかで帰ります。この時間ですので、自由席も空いていて楽々でした。金沢駅からは自転車で帰り、寄り道したとは言え、佐渡を発ってから10時間以上が経過していた事実に慄きつつも、“行ってよかったな”と充たされた気持ちで一日を終えました。

最後に
人生初めての佐渡旅行は、トラブルも重なり思った以上の過密スケジュールとなりましたが、それでもとにかく、行ってよかったです。あの美しい自然も、おいし過ぎる食べ物も、応援して下さった皆様の笑顔も、今日この時にしか出会えないものですから。今回楽しめなかった分はまた次に取っておいたと思うことにします。
長い歴史を誇る大会も、地域に根付いたとっても素敵なご当地大会でした。こうして応援していただきながら、元気に走れる場を与えていただけるなんて、マラソンランナーは幸せ者です。佐渡の皆様にとっても今日が楽しい思い出になってくれれば、更に嬉しいです。
これで一つのご縁ができましたし、またあの佐渡の雄大な自然を感じに、遊びに行きたいと思います。大会を支えて下さった佐渡の皆様に、心より御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。
ここまでご覧いただきありがとうございます。