4大会連続の参加となりましたが、今年は普段お世話になっている全国のブロガーさんも複数名参加されるということで、いつもとはまた違った楽しみがありました。神と仏と人がこんなに遠くの奥熊野に集えるなんて、とびきりの奇跡だと思いませんか?長年走って来たからこそ、そして那智勝浦の皆様の大会愛があってこそのご縁です。


“100kmは応援して下さる皆様との交流が最優先”というスタンスですので、全てのエイドで止まってエイドの皆様とお話しすることを目指しました。そしてそれを達成できたので、とても嬉しく思っています。この手作りの大会を支えて下さる方は皆ご親切で、優しい笑顔で迎えていただけますので、“来てよかったな”と毎回心底思います。




エイドでは喜んで食べた方が絶対に盛り上がるので 今年も最初から最後まで食べ続けました。豆腐、甘夏、素麺2杯(往路と復路)、めはり3つ、茶粥3杯(イタドリ、タケノコ、梅干、大葉など)、梅ゼリー、ぜんざい、お味噌汁、鹿焼き肉、梅ドリンク、色川茶、ブルーベリーヨーグルト2杯(往路と復路)、苺沢山、みかん複数回、生絞りみかんジュース、バナナ、チョコ等々悉く完食しました。ビール以外は。








奥熊野の自然の中を、緑と静けさと何かに充ちた空気を全身で感じながら走る時間は、日常では絶対に得られない、確かな幸せそのものです。アップダウンが多くきつい場面もありますが、その分、沢山の奥熊野の表情も見られて、その度に驚きと喜びが湧き上がってきます。




天気もうまいこと全編曇りで、暑さもそこまで感じずに済みましたので、エイド以外歩かずに走り通すことができました。終わってみれば9時間14分台の自己ベストでしたが、これは完全におまけです。強弱をつけながら最後まで余力を残したことで、最後の下りも崩れず、スパートも決まったことはよかったです。




昨年の総移動時間は8時間47分30秒(停止時間41分)でしたが、今年は総移動時間8時間19分0秒、停止時間が55分44秒。前半からキロ8分台を連発していたので、“今日はエイド滞在時間自己ベストを更新しよう”と思いながら走っていました。そこも大きく記録を伸ばせましたので、満足しています。
(9時間14分台, 144bpm, 166spm, ストライド1.20m, 上下動比5.4%, 上下動6.6cm, 左右接地時間バランス47.7%:52.3%。接地時間247ms, ズームフライ6)




今回は、昨年より早いくろしおで移動することによりパン活もより充実しましたし、マグロに加えて熊野牛もいただき、新たな楽しみに出会えました。an寿anさんや福助堂さんのスイーツもすっかりおなじみです。








翌朝お蛇浦と弁天島を眺め、大門坂から熊野古道を上って那智大社と那智の大滝にお参りするのも例年通りです。宝物館の係員さんにも、お土産屋さんにも覚えていていただけて、毎年来ているとこういう嬉しさもあるのだと実感することもできました。







ずっとこのままでいたいという気持ちもありながら、生まれてから死ぬまで、自分も周りも移り変わっていきます。そこにしがみつくことはできませんが、覚えていてよいのだと、自問自答の末に考える時間にもなりました。奥熊野いだ天では、生き死にについて見つめる瞬間が必ず訪れます。


那智勝浦の皆様、今年も温かい応援の中、那智の滝から始まり補陀落山寺で結ばれる100kmの旅路を、一緒に作り上げて下さりありがとうございました!来年もよろしくお願いいたします!







2024年は雨の大会でした。寒い上に濡れて大変にもかかわらず、温か過ぎる応援で最高の思い出になりました。
長い歴史を持つウルトラといえば、秋田内陸リゾートカップ100kmも素晴らしいです。遠いですが、必ず行ってよかったと思えるはずです。
胃腸の強さに自信がある方には、是非えちご・くびき野100kmマラソンを走っていただきたいですね。キロ13分の区間とかありますので。
続きのページには終盤まで漏れなく撮ったコース(割と細かな通過タイムもあり)、シェフの技が光るエイド、聖地ならではの観光などの詳述だけでなく、応援して下さった皆様の写真も沢山載せています。それぞれが見て感じた輝き以上のものはありませんが、一緒に思い出せるきっかけになれば嬉しいです。
コメント、スター、↓のバナークリックなど何でもいいので読者の存在をお知らせいただけますと、私が熊野古道の関所に勤務します。
次回予告は、“ももしきや 古き軒端の しのぶにも~”です。弾丸ツアーですが、行ける時に行くしかありません。
前日
くろしおで和歌山へ
金夜も普通の食事でした。茄子、ピーマン、人参、豚ミンチを炒めて静岡マラソンの後に清水で買った次郎長金山寺みそで味付けです。味が決まります。

朝は7時前に起床して余裕があったので、豚バラ、キャベツ、人参、小松菜のフライパン酒蒸しにしました。出汁と珠洲の塩で充たされます。

今年は昨年より早く、9:33大阪発→13:29紀伊勝浦着のくろしおで移動です。大阪駅西口は地底にあるのですが、地下鉄からの乗り換えは15分で可能でした。走る必要もなくゆとりがあります。

今回はWEB早特7チケットレス特急券(1,910+運賃4,510円)で、昨年のWEB早得14が無くなったことからちょっとお高くなったんですかね。ともかく変わらず海を狙って右側の席を取りました。

先週走った大和川を越え、緑が多くなってきます。くろしおの3号車の後ろにはラウンジがあり、ここから風景を楽しめるということは初めて知りました。意外と海が見えるシーンは少ないのですが、速度を落として雄大な太平洋をゆっくり眺められるようにして下さるという心遣いもあり、旅情に事欠きません。白浜駅の少し前で、鯉のぼりの近くに二人で立っている母子の姿は、心に響くものがありました。








移動中読書は、小川洋子さんのエッセイ集『遠慮深いうたた寝』でした。本を再読することで見落としていたもの、こぼれていたものに気づけるという話など、同じように感じることもあれば、小説家ならではの死生観に新たな感覚が刺激された感じもあり、翻って日常生活の身近さに笑ったりと、気軽に読めるいい本です。

紀伊勝浦探訪
一年ぶりに来たというよりは、つい最近のことのように感じました。それだけ記憶が強くつながっているのかもしれません。懐かしい街は変わっておらず、安心します。にぎわい市場の隣の建物で前夜祭があったことを思い出したり、公園のツツジを見たりしながら、四度目の街を歩きました。




今回もセイムスでマジックパール、牛乳、チーズ、プロテインバー、水を仕入れました。エバグリーンには大内山牛乳があったので、そちらの方がご当地感があった気もします。

マグロ
以前から気になっていた二代目めはりずしさんへ。二代目セットはマグロ刺身、マグロ丼、めはりずし、串カツが揃っているという何とも意欲的な布陣です。一年ぶりの勝浦のマグロはやはり柔らかくておいしいですね。めはりも、この高菜の塩気を初日から味わえて嬉しくなります。

前に座った方が12回目の参加となるいだ天さんで、お会いできて光栄でした。“あんたも出るんか”くらいの親しみのある空気が、街の至る所で感じられます。

パン活
- ホームベーカリー コッペさん
昨年は遅い時間でほぼ完売でしたが、今日はバッチリです。マラソンの応援もしていただけて今年も頑張ろうと思えます。




茄子とペンネのアラビアータはスパイシーで、ポンヌフはクリームチーズとサクッとした生地が特においしく、ライ麦くるみは噛めば噛むほど味が出る逸品でした。



- 焼きたてのパンサンタさん
じゃばらスイーツも手掛けるパン屋さん。今年こそはと初訪問を果たし、じゃばらショコラカップケーキとハイミルクパンを購入。じゃばらの香りとやけにおいしいチョコの詰まったカップケーキはおすすめです。ハイミルクパンも懐かしい甘さでした。





何とこちらのご主人は高校時代長距離選手で、和歌山で800m、1500m、3000m?の三冠、インターハイにも出場されたとのことでした。確かに随分細くて引き締まった身体をされているなと思っていたのですが、まさかここまでのお方だったとは。敬服いたします。

- パン処 龍の麦さん
昨年気になりつつも見送ったよもぎあんパンを選んだのですが、蓬香る生地に餡がみっちり詰まっていて期待以上のおいしさでした。来年も同じものを買ってしまいそうです。今年も応援していただきありがとうございます。




- きむらやさん
“明日100kmなんですよ”と言うと、話に花が咲き、結構な時間あれこれとお話しできて楽しかったです。“7時間切って優勝してください”と仰っていましたが、人間にはできることとできないことがあります。“補陀落に応援に行こうかな”とも仰っておられ、地域の皆様に愛された大会だと実感します。シナモンロールはレモン練乳クリーム入りで、デザートにぴったりでした。



お宿
民宿はげやまさんです。二泊9,000円という驚愕の安さです。駅徒歩2分くらいで部屋は完全個室。年季が入っていますがきれいに掃除されていますし、何よりこの昭和感が実家のような気分にさせてくれます。エアコンも見たことないくらい古いです。



到着するや否やお風呂にお湯を張って下さり、問答無用で即入浴となったり、鍵のシステムがよくわからなかったり、冷蔵庫もお店のものを使わせていただいたりと、何かと普通の宿とは違う感じですが、管理されているおじさんもすごくいい方で、今回こちらに泊まれてよかったです。



アミノ酸を飲み、歯をしっかり磨いて就寝です。フロアがうるさいことから耳栓も新品を使い、安眠を目指します。20:50頃には消灯しました。
レース当日
レース前(那智の滝へと移動)
3:05起床です。大きな話し声と21時の町内放送(ふるさと)は安眠を妨げ、DNSの不安から夜中何度も覚醒しましたが、とにかく6時間は横になっていたので大丈夫です。一日くらいの睡眠不足はパフォーマンスにほとんど影響しません。
朝食はホームベーカリーコッペさんのライ麦くるみ、牛乳、ゆで卵、チーズです。エイドで食べまくればよいので、これで足ります。

着替え、テーピング、ソックス、ワセリンなども済ませて3:49頃に出発です。バスは3:54発ですが、徒歩1分で着きますので楽勝です。バスは二台あり、後の車両はかなり余裕がありました。

到着後荷物を預けてから、スマホの防水用ジップロックを取り出し忘れたことに気づきました。ですが、長井集会所に送った荷物の中に入れておいた小さなビニール袋で代用すればいいかと切り替えました。きれいなトイレで特に成果がなかったのは去年と同じです。

気温は、昨年よりは蒸し暑さがなく、例年のように寒いわけでもなかったので、身体は動きやすそうだと思いました。最高気温も20℃予想、天気は曇りということで、割といけそうな気がしました。

計測マットの上を通過してエントリーし、飛滝神社の鳥居を抜けて那智の滝へと階段を下りていきます。太鼓に法螺貝、護摩木炊きの炎、ライトアップされた那智の大滝の姿を目にして、周りの方も“これはすごい”と息を飲んでおられました。

思いをこめて護摩木を火にくべ、例年通り那智の滝を仰ぎ見ます。気づくとすぐ横にイカの人(チャーリーさん ( id:besmart-chari ))がおられるではありませんか。分かり易過ぎます。ご挨拶させていただき、短い時間ですがお話しできて楽しかったです。“本物のイカだ……。”と思いつつ、遥か遠くのこの地まで来て下さったことを嬉しく思いました。




太鼓に身体の底から心も揺さぶられ、出発の時が迫ります。今日は皆にとって素晴らしい一日になるのだ、自分も笑顔で走ろうと胸に誓います。スタート前にもう一度、那智の大滝を見やって、何かを感じます。


【ちょっと真面目な話】
シューズ
新品同様のズームフライ6(27.5cm)です。ふくい桜マラソンで試し、相性もよさそうですし、安定感はウルトラ向きでもあるだろうと考えました。発売から間もないので、今後欲しくなったらまた買えるだろうという事情もあります。マジックスピード3だともう買えなさそうですし。



装備
アンダーアーマー半袖(愛用しているノースリーブの袖ありバージョン)、TIGORA白アームスリーブ、ミズノバイオギア、ミズノマルチポケットパンツ、ザムストソックス、ニューハレ踵二重です。オホーツク網走マラソン黒キャップとサンシェードは、日陰の多い序盤は不要なので共に長井集会所行の袋へ投入したのですが、曇りのお陰で結局最後まで使いませんでした。


持ち物
エイドが充実しているので手ぶらでもよいのですが、今年も一応ジェルフラスコを一つ(アミノ酸を溶かして持ち運ぶため)とアミノ酸を2つ携帯します。
長井集会所行きの袋には水に溶かすタイプのアミノバイタルを入れたペットボトル、予備のアミノバイタル2つと日焼け止めを入れます。大きな袋の中に諸々をザっと入れると散らばって取り出すのに時間がかかりますが、小さな袋に小分けにしておくと焦らなくて済みます。
フィニッシュ会場へは着替え、ボディペーパー、洗濯ネット、お風呂用のタオルとプロテイン、プロテインバーを入れます。

練習
100kmはタイムを狙う気もないため、特別な練習や調整は必要ありません。ふくい桜マラソン後は花見目的のジョグが中心でした。
日:ふくい桜マラソン グロス3時間11分台
月:有酸素ジョグ37分(Zone1, 5.9km, Hanzo R)
火:お花見有酸素ジョグ47分(Zone1, 8.2km, ハイパースピード)
水:お花見有酸素ジョグ40分(Zone1, 7.1km, ライトレーサー4、懸垂逆上がり)
木:お花見有酸素ジョグ41分(Zone3, 8.4km, 118bpm, 186spm, エアロ20R、お花見)
金:閾値走10km(39:29 ソーティマジックLT2)
土:お花見有酸素ジョグ100分(Zone1, 17.5km, ライトレーサー5)+123分(Zone1, 21.4km,ハイパースピード2)
日:お花見有酸素ジョグ155分(Zone2,3, 30.2km, デュエルソニック3)
月:お花見有酸素ジョグ31分(Zone1, 5.1km, エボライド)
火:お花見有酸素ジョグ51分(Zone2,3, 10.1km, エアロ20R)
水:お花見有酸素ジョグ55分(Zone3, 10.95km, 124bpm, 188spm, ライトレーサー4)+夜桜スロージョグ5.7km(エボライド)
木:お花見有酸素ジョグ36分(Zone3,4 7.80km, 1140bpm, 192spm, ターサーRP3)
金:お花見有酸素ジョグ45分(Zone2,3, 8.71km, ズームフライ5)
土:お花見有酸素ジョグ120分(Zone3, 24.40km, 130bpm, 187spm, エアロ20R)
日:リバーサイドマラソン大和川10km(40分台)
月:お花見有酸素ジョグ31分(Zone2, 5.8km, ズームフライ4)
火:お花見有酸素ジョグ61分(Zone3, 12.24km, 130bpm, 192spm, ライトレーサー4)
水:お花見有酸素ジョグ75分(Zone3, 15.14km, 131bpm, 191spm, エアロ20R)
木:お花見有酸素ジョグ60分(Zone3 12.36km, 135bpm, 189spm, ズームフライ5)
金:お花見有酸素ジョグ35分(Zone1, 5.8km, エボライド)
土:オフ
レース
序盤~前半
- 序盤(明けていく奥熊野・7kmは上り)
いつも通り落ち着いて階段を歩きます。GPSは滝の階段を上り切ってようやく拾ってくれました。強力な磁場が働いているのかもしれません。鳥居から出て左折し、200m程下ってすぐに折り返しです。那智の滝はしっかりと見えています。今年はイカのお姿も。


駐車場で一瞬フラットになり、そこから上っていきます。最初の1kmは歩きが入って遅いのですが、ロスもすぐに相殺できるので気にしません。上りでもズームフライ6の強力な反発を感じます。昨年は雨でズームフライ5が滑ったことを思うと、大分楽に感じました。
左手のフェンスが途切れて最初に展望が開ける場所から少し行くと見晴台エイドです。“疲れてきたかな”と思ったタイミングで登場するので、早々に歩くよりひとまず耐えてここで休んだ方がよいでしょう。到着は23分台と、昨年より少しだけ早かったようです。勿論お立ち台から、その姿が立ち現れてくる海の姿を眺めます。





ここから3分程行くと「のぼりあと2km」看板が。左手に二度目の展望スポットが現れてからも、まだ結構上ります。何か所かやや急な坂があり、特に最後の方はきつめになっていましたので、思い切ってスピードを落とし、力を温存することにしました。




頂上には39分台で到着し、昨年より速いと認識します。下りに切り替わると、ジャンプ台で跳ねるかのような感覚があり、急な下りに対処する展開になります。上りで抜いた方々にも、この先の長い下りで何人も抜かれました。私は遅いので毎年こんな感じです。



10km地点は50分台、那智高原エイドに到着です。早くもコーラをいただき、テンションを上げていきます。この先の下りはかなり急ですが、舗装されているので速く走ることも可能です。ここはもう通らないので、撮れる範囲で写真を撮っておきたいところです。




56km以降のルートに合流する手前では、棚田がきれいに見えます。後で来た時の楽しみを予習する時間でもあります。平野バス停エイドの姿もしかと目に焼き付けます。



- 前半①(下りが終わって和歌山名物)
13.9km南平野三差路エイドでは今年もコーラやバナナをいただきました。到着時で1時間9分台です。このエイドくらいから滞在時間が長くなり、ブログのPR活動(“長すぎるので読むのは無理です。読まなくていいです”)なども行っていく展開となりました。


復路で上り切った91.5kmでまた帰ってくることを思いながら、下りに突入します。既に帰りのことを考えています。最初の方は道幅が狭く急坂ではありつつも、舗装はされています。鋭角で右折する所までが急角度だということを覚えておくと、後でいいことがあります。

一部フラットになった辺りからは路面が所々荒れており、あまりふざけていると怪我をしてしまいそうです。目に映り込んでくる緑、時折聞こえる鳥の声、そして日常では得られない静けさからは、奥熊野にしかない空気を感じます。
復路のみ追加で出現する(開店前の)新停車場線エイド②を見届けてからしばし行ったところで新停車場線エイドに到着します。到着時1時間31分台です。こちらでは今年もチョコレートをいただきました。



坂の途中で二か所ある、視界が開ける場所を過ぎて2分程、20km地点では1時間38分台でした。下りの終わりが近づいてきました。


例年であれば井鹿会館の前に、スタート直後に上らされる(否、喜び勇んで上っておられる)80kmのランナーさんとすれ違うのですが、今年は井鹿(いじし)会館に向けて進路を取る頃にようやく法螺貝と太鼓でランナーさんが送り出されていました。やはりいくらか速く走っているようです。

21.7kmの井鹿会館には1時間46分台で到着しました。その流れでタイムを狙えばよいのかもしれませんが、ここからは基本的に何らかの給食を用意していただいていますので、当然滞在時間も延びていきます。早くも豆腐を食べている人は珍しい時間帯です。苺もおいしくいただき、談笑しているうちに大変沢山の方に抜かれています。でもキロ5分39秒ですので、今思えば大したことありませんね。



- 前半②(熊瀬川を走り西中野川トンネルへ)
地区の皆様と鯉のぼりに送り出されて平地を行くのですが、ズームフライ6が大変よく弾み、キロ4分台が普通に出ます。豆腐をスルーしていった方にも追いついていきました。心拍数がやや高めなのは少し気になりましたが、冬よりは気温が高いので当然だろうと捉えることとしました。



24.2kmのゴルフ練習場エイドには1時間59分台で到着。こちらではめはり寿司と搾りたてカラマンダリンジュースをいただきます。このエイドでこれらを食べない選択肢はないでしょう。ここもキロ5分34秒ですので、滞在時間はそう長くはなかったようです。



奥熊野の景色をしっかり見ておきたいので、きょろきょろしながら川沿いを走り、25kmは2時間3分台で通過しました。大宮橋を渡り、数百メートル直進してから右折、顕彰碑の前を過ぎて田んぼの道を行きます。


26.9km中里会館には2時間12分台で到着です。今年も甘夏をいただきました。ランナーが食べ易いよう(更に消化し易いよう)、筋まで全部取って下さっている心遣いが沁みます。



小さな橋を渡り、しばらくは歩道を進みます。途中通過チェックの方がおられるのですが、ここでゼッケンを見て無線で連絡し、荷物をスムーズに渡せるようにして下さっているようです。

29.3km長井集会所エイドでは、まず手前で荷物を開けていただき、日焼け止めを塗り直します。小袋も取り出し、アミノ酸もジェルフラスクに入れ替えると共に袋は腰のポケットに入れます。午前よりも午後の方が曇り予報だったため、あと5時間は晴れまいと見て、キャップ、サンシェードも使わない判断をしました。
ここですぐに走り出すのは味気ないので、素麺、苺をいただき、やたらプッシュされたミニトマトもしっかりと頬張ります。ショートステイのランナーさん達を見送り、親切なエイドの方の御姿を撮影することもできました。ここで1km8分50秒だったので、“今日はタイムはともかく、交流時間はほぼ確実にベストを更新できる”と思いました。




長井集会所を出ると割とすぐに右に進路を取り、橋を渡ります。この橋の上から見る川も、前方の緑も、初参加時から気に入っています。この橋を渡った辺りで30km。2時間32分台でした。


65kmの部スタート地点へと向かうであろうバスに抜かれながら、淡々と走って出合橋エイドを目指します。歩道では何度か石を踏みましたが、車の傍を走るよりはましです。
出合橋エイドには2時間39分台で到着。今年もにぎやかに盛り上げて下さりますし、まるで親戚くらいの勢いで名前も呼んでいただけます。くつろぎながらパンやコーラを存分にいただきました。いつもとは顔ぶれが異なることを気にかけつつ、また走り出します。キロ5分45秒ですから、もっと止まっていてもよかった気もします。



1km少しくらい行くと、応援メッセージが掲げられていてほっこりします。「神が宿る 熊野へ ようこそ」です。復路で見て、“帰って来たのだな”と認識する場所でもあります。更に1km程行った辺りにも別のメッセージがあり、準備して下さっている方の姿が目に浮かびます。


西中野川トンネルには2時間55分台で到着。例年3時間くらいだったと思うので、やはり速いです。

中盤
- 中盤①(茶粥から茶畑の上りへ)
西中野川トンネルエイドでは、スタートを待つ65kmのランナーさんと太鼓の応援があり、とても賑やかです。みかんをいただき、ビールを丁重にお断りするのはお馴染みの流れです。今年は、毎年優しい言葉を美しい字で認めて下さる色紙を往路でしっかりと読むことができ、更に書いて下さったご本人にもお会いすることができました。




Uターンして太鼓を撮影したりもしたのですが、こちらでもブログでお世話になっているmaminxxさん (id:maminxx1217)と初めてお会いできました。またしても遠路はるばる来て下さったことに感謝し、また走り出します。

次の熊瀬川エイドまでは距離がありますが、途中私設エイドを用意して下さっていた男性がいたので、ピットインして梅ジュースをいただきました。熊瀬川沿いの景色は、水が止まっているのではないかと錯覚するような瞬間もあり、忘我の境地で走れるので大好きです。どちらかというと往路が上り基調なようですが、案外速く走れて、キロ6分7秒の西中野川トンネル休憩のマイナスも帳消しになりました。




今年は“熊瀬川エイドもうすぐ”といった表示を見落としたのか、心の準備がそれ程できていないうちにテントが見えてきました。3時間18分台で到着です。ここでは茶粥がふるまわれますので、給水後、奥のテントに歩を進め、新茶と熊野のお米の茶粥に、イタドリ、タケノコ、梅干しを加えておいしくいただきました。私が確信している数少ない真理の一つは、“自分が作ったものを喜んで食べてもらえると、とても嬉しい”ということです。やなせたかし先生も、お腹の空いている人に食べ物を与えることを正義と語っておられますし、生きることと食べることは直結しています。大いに喜んでお礼の気持ちをお伝えします。


こちらではいつものお犬様がおられ、更にお友達の黒いワンちゃんも加わっていたため、少々馴れ馴れしくしてしまったのか、吠えられてしまいました。犬からすれば怖いでしょうから、すまないことをしました。ここではキロ6分50秒となかなかしっかり休めました。



40km地点で3時間24分台。ここから数百m行くと左折し、いよいよ長い上りに突入します。一度曲がったくらいでは終わらず、太陽光発電のパネルまで辿り着くまででも、左折から5分を要しています。更に、この後もなかなかエイドに到着せず、覚悟していないと予想外に心身を削られます。私も昨年の記事を読み、ここは思ったよりもきつく、そして長いということを確認していなかったらやられていたかと思います。



ともあれ久保宅エイドに3時間34分台で到着し、ようやく休めます。色川茶は必須です。今年はおばあちゃんお手製の梅干しもしっかりといただきました。こうして応援して下さるお一人お一人の笑顔と優しさのお陰で走ることができます。


この先の茶畑、そして茶畑すら見えなくなってからがかなりきついので、それ相応のペースに落としてもよいということにしました。久保宅エイドから少しで頂上まであと2km看板、GPSが42.195kmを示す辺りであと1km看板です。42.195kmで3時間42分09秒は歴代でも速いはずです。それでも久保宅エイド区間から、キロ6分45秒、5分37秒、6分19秒とスピードが出ない状態が続きます。


頂上まであと1kmと言われてから、何度か“光の量が増して頂上が近づいてきた”と錯覚する箇所がありました。ここはスピードを落としても動き続けることが大事と判断します。生駒ボルダーのきつい版くらいのイメージでしょうか。ともかくいつかは終わりますし、エイドが見えてくると嬉しいですね。到着時3時間48分台でした。

田垣内三差路エイドでは毎回おしぼりを手渡していただけます。曇りで暑さは相当ましだったものの、それでも汗は出ますので助かります。レース中にあるまじき飲料缶が見えるのも定番です。茶がゆとめはりも用意していただいていますので、ありがたく頂戴します。高菜にかまぼこのトッピングで、食欲に陰りなど見えません。キロ8分33秒を記録し、きっちりと回復します。




- 中盤②(例の坂からロケット折り返しへ)
45km看板から数分行くと、ガードレールを突き破って飛んでいきたくなるような景色に出会えます。上ってきた苦労が報われたと実感できる瞬間です。下りで楽ですし、長旅のウルトラではさっきまで苦しかったことを思い出す必要はなく、今の喜びに目を向けるとよいと思います。最初の7km上ったことなんて、今となっては意識しませんよね。過去は過去です。



口色川三差路エイドの少し前では小さな男の子がナンバーカードの番号を見て、大声で伝えてくれます。実はエイド前の右手も景色がよいので、今回は撮っておきました。到着時点で4時間9分台です。昨年の雨の中の応援を思い出す光景に嬉しくなります。



梅ゼリー(作って下さったのは齋藤まゆみさん)をおいしくいただき、ぜんざいも当然食したところまでは昨年と同じです。折角だからとお味噌汁までお勧めされ、“すぐ先の円満地公園ではジビエが”といった言い訳が通用する雰囲気ではありませんでした。だってお子さんがわざわざ用意して下さるのですから。水分取り過ぎではと思いつつも、“フードファイターの力を見せる時だ”とか言いながらおいしく完食しました。流れで元日ハムの4番みたいな名前のみかんもいただきました。喜んでいただけたので本望です。




多分この辺りで65kmのトップと思しき方に抜かれたのですが、例年なら茶畑の上りなのにと自信になりました(キロ8分1秒かかっていますが)。すれ違ったおばあちゃんも応援して下さったり、颯爽と上りながら走ってくる女性二人組もエールを送って下さったりで、嬉しいことばかりです。


もう少し下ると左手の川に沿って進むことになります。事前にブログを読み返していたこともあるでしょうが、それ以上につい最近来たような気がしました。50kmの看板で4時間21分53秒でした。例年ここから5時間くらいですので、もしかすると9時間20分を切れるかもしれないと思いました。


円満地公園エイドには4時間25分台で到着し、まずは常設で使いやすいトイレに寄っておきます。スムーズにいきたい紳士にはおすすめのトイレです。こちら、熊のようにも見えますが、犬ですよね。


今年もジビエメニューを二種類、お塩も二種類でいただきました。シェフに種類を聞くのを失念しましたが、味も食感も違いました。鹿焼肉とありますので、別部位だったということでしょうね。梅ジュースもおいしくいただきました。


いつも通りアミノ酸を入れ替え、山羊にもご挨拶し、ご家族での応援を受けて再出発します。キロ9分53秒を叩き出していますので、かなりゆっくりできたと評価できます。




この後は「頂上まで1km」看板が出てからも地味に長く、「500m」になってから本当に終わるまでが苦しいです。しかし下りとエイドでは大量に抜かれてそう心地よいものではない一方で、上りで抜かれることはほぼないので、気楽さはあります。エイドから7分程上り続け、二度目の両サイド巨岩で一休みです。

この後は下りが続くので、呼吸を整えながら進んでいきます。しっかり休めたぞと思ったところで、例の「ようこそ つかのまの富士急ハイランドナガシマスパーランドへ」看板が出現し、それまで下っていたこととのギャップで、聳える壁のように見えます。相当きつくはあるのですが、去年きつかった記憶もありますので、まあそういうもんだよなと無理せず進みます。上り切った瞬間エイドという展開を期待したいところですが、この後も楽ではないレベルの上りが数分続くと思っておいてよいでしょう。

小阪下三差路エイドに辿り着いたのは4時間47分台で、坂の下から5分くらいでした。鳴り物と音楽で盛り上げていただけます(多分石川さゆりさんの『天城越え』でした)。色川茶、オレンジ、苺を次々といただき、水浴びもして、親切な皆様の記念撮影も果たしてまたコースに戻ります。そこまでの上りまで1kmに含まれていたこともあり、キロ7分27秒でした。



しっかり休んだからか、この先の上りは軽いリズムで再開することができました。最初の方はそこまで急な上りでもなく、途中はフラットや短い下りも挟みます。「ロケット折り返しまであと3km」看板が出てから平野バス停エイドまでの区間は結構上っていて、気持ちを切らさないようにスピードを調整しました。“苦しさが分かるので、復路ではスライドで応援しよう”などと考えながら。


坂の終わりの方では応援の声も聞こえて来て復活します。序盤では通り過ぎた平野バス停エイドには5時間2分台で至り、恒例のブルーベリーヨーグルトをいただきました。氷の上に置かれたものを“こっちの方が冷えているから”とお勧めしていただき、しっかり果肉の詰まったブルーベリーと共においしくいただきます。



キロ6分40秒と十分に休んでから、大体2.5km先のロケット折り返しを目指して進んでいきます。途中にやや急な上りの区間がありますが、折り返しまで1kmを過ぎたくらいの棚田は、奥熊野の緑と荘厳な空気が織り成す絶景ですね。写真を撮るのも忘れるくらいでした。


折り返し地点にはカイロスロケットが備え付けられており、“これかあ”と喜びながら折り返します。コーラをいただいたり、“あんま人来ませんね”などとお話ししたりしてから、元気に出発します(キロ6分2秒)。それにしてもコーラ率が高く、ドリンクの充実ぶりが素晴らしいです。なお、5時間16分台の到着でしたが、過去の数字を覚えていなかったので、その時点では何らの参考になりませんでした。


- 中盤③(笑顔のエールと清らかな熊瀬川)
ここからは二つ先の小坂下三差路まで、上って来るランナーさんとエールを交わしながら下っていく時間ですが、一年で一番好きな時間かもしれません。参加人数が多過ぎず、かつウルトラでばらけていますので、一人一人の顔や動きがよく見えます。また、この大会に出る人は基本的に楽しく走るタイプの方が多いので、にこやかに応えて下さります。ずっと笑顔で走っていられます。

帰って来た平野バス停(5時間29分台)では宣言通りにブルーベリーヨーグルトをお代わりし、エイドの皆様の記念撮影もバッチリです。今日が皆様にとっても楽しい記憶として、ずっと残りますように(キロ6分22秒)。

応援しながら下りつつ、“さっき下から見た景色は、上からだとこんな感じなのか”と見渡していました。満面の笑みで、拍手したりしながら走ります。


小阪下三差路に戻り(5時間43分台)、まずは記念撮影から始めました。マップで顔が隠れたから撮り直しとか、まめな行動に出ています。苺もおいしくいただき、ハブ茶(ケツメイシ)もゴクリと飲み干します。坂の下で鳴り物で応援してくれている女の子達は、一度通り過ぎてしまったものの、引き返して撮影できました(キロ6分39秒)。




往路と分岐してからの下りは急なので、心してかからなくてはなりません。右手の下の方には例のつかのまの~看板がありますので、急なのも道理です。ただ、例年であれば、“下りなのに腿裏に来る”“タイツがずれそう”という感覚があるのですが、今日はまだ大丈夫でした。昨年と違い路面も濡れておらず、スリップもありません。65km地点で5時間51分台でした。


小さなトンネルを撮影できるだけの余裕(というか心の準備)もあり、落ち着いて熊瀬川エイドに向かえました。ただ一点、ズームフライ6のアウトソールが剥がれている感じがあったのですが、確認する意味もないので最後まで行くしかありません。小さな橋を渡って熊瀬川エイドに到着です(5時間56分台)。

当然ながら本日三杯目の茶がゆは外せませんし、羊羹(抹茶)もいただきました。先を急ぐ理由もありませんので、米粒一つも残さず完食です。昔からそういう風に育てられてきました。深夜早朝や廊下で大きな声を出さないこと、ゴミをそっと捨てるといったこともですが、小さい頃に身に着けた習慣は、確実に自分を幸せにします(キロ7分20秒)。



茶がゆで栄養をチャージしてから熊瀬川エイドから旅立ち、手元66.66km(橋を過ぎた辺り)で6時間6分46秒でした。この先に私設エイドの男性がおられたのでピットイン。コップを取り出していただくのも悪いので、ここはお礼を言って手を振るのみに留まりましたが、往路では沢山あったパンやマグオンが完売となっており、沢山の方がここで力と癒しを与えられていたのだと嬉しくなります。



どちらかというと下りが多いような気がする熊瀬川の復路で静かな空気に浸っているうちに70kmを6時間17分台で通過。この表示が見えればすぐに西中野川トンネルエイドです。



こちらではまたもみかんとコーラなどをいただき、水浴びもして回復します。しつこいようですが、ビールに手を出す勇気はありませんでした。写真で見ると、ビールの箱が前面に出て存在をアピールしていて笑えますね(キロ7分4秒でした)。


後半~終盤
- 後半①(再会を喜びながら井鹿へ)
西中野川トンネルを抜け、ラストへ向けて進んでいきます。晴れた日はこの辺りでかなり暑さへの不安を感じるのですが、今日はうまいこと曇ってくれていますので、このまま行けると思いました。静かな道を一人で走るのも好きなので、贅沢な時間の只中にいられてよかったです。熊瀬川が静かに流れています。


出合橋エイドには6時間40分台で帰って来て写真撮影に勤しみます。屈強なメイド服の男性が光りますね。帰りもパンをいただきました。そして恐れ多いことにこのブログのこともわざわざメモしておられ、実際に見たらドン引きはしないまでも吃驚はされるのではと懸念しております。ありがとうございます(キロ6分48秒)。


75kmを6時間46分台で通過し、軽く上った橋の上で通過チェック係の男性の笑顔をバッチリ撮影できました。橋を下りながらの目の前の景色も、特段高い位置からでもないのに、よいものでした。


左にカーブして76.1km長井集会所に戻って参りました(6時間52分台)。ミニトマトは勿論のこと、オレンジジュースもがめつくいただきます。素麺も約束通りに平らげました。“ウルトラは交流がメインですので”とお礼を言いながら過ごします(そして時は過ぎ去っていきます)。水を被ってから日焼け止めをガッツリ塗り直し、やはりキャップは不要と判断して、残りの道へと向かいます。ここに来てキロ9分17秒かける心の余裕があります。


78.5kmの中里会館エイドまでは距離的には短く、往路で見た景色も覚えていますので、そう困ることはないと思います。軽く橋を上る所で、歩道に上るくらいかと。心をこめて皮を剥いて下さった甘夏を二ついただき、記念撮影をしてから出発です。(1km6分43秒)。


左手に水田が広がるこの風景も好きで、行きも帰りもカエルの声がしました。80kmは橋の手前だと覚えていたので鷹揚に構えて通過し、ここで7時間17分台でしたので、キロ6分で自己ベストの9時間18分を切れそうだと認識します。


大宮橋を渡って左折し、時折吹く向かい風を心地よく感じながら進みます。意外とキロ5を切るくらいで走れていたので、昨年よりも間違いなく力がついたと考えていました。

81.2kmゴルフ練習場横エイドには7時間23分台で到着し、めはりずしと搾りたてみかんジュースを再度いただきます。めはりの塩気を味わい、水で薄めてからみかんジュースをいただく流れです。“走って来たからこそ味わえる喜びですね”といったお言葉もいただきました。お陰様で走ることができます(キロ6分28秒)。



井鹿会館へと向かう道は、晴れていれば暑さで、そうでなくても風向きと微妙な上り?で失速し易いのですが、今年は何事もなく進みました。途中で応援して下さったご家族もおられ、力をお借りできました。

井鹿会館では、やはり苺とポカリをいただき、名前も調べていただいたりで嬉しいことです。こちらに限らず、何度も“大阪からお越しの~”と呼んでいただき、その度に、“自分のためにわざわざ”と思っていました。


お腹は惨事にはならずともボヤの可能性を感じたため(大和川のトラウマ)、こちらの常設トイレをお借りしました。洋式でとても快適です。特に成果はなかったものの、“やるべきことはやった”ということで、残りの道のりは集中して走れることになりました。自己ベストを目指すシリアスランナーならここでのトイレロスは痛いのですが、私はその辺にいるおじさんなので、これでよいのです。1kmに8分41秒を要しました。

- 後半②(最後の上りもエイドに感謝)
林の辺りから上りが始まります。目で見るときれいですが、先を思うと気楽ではありません。ここから3分程上ってようやく「最後の登り坂 頂上まであと7km」看板が出現します。ここで考えたことは、“今日は上りで温存して、下りでどれだけ走れるか試そう”ということでした。ムキになって頑張ってしまうと、あまりに消耗が大きいので、ここは動き続けさえすればよいと割り切りました。


85km地点は7時間50分台。その1分後くらいに視界が開ける場所があります。逃さずに撮影し、その3分後くらいの二か所目も漏らさずに撮ります。ペース自体は遅いので、気持ちを切らさなければ難しくありません。暑い中数km上った先にあるのは水のみ、被り水はなしという試練も乗り越えた経験がありますので、これくらいなら平気です。



新停車場線エイドまでは多少長く感じますが、8時間1分台には到着していますので、来年は“上り始めから15分くらい”のイメージで臨もうと思います。記念撮影をしてからドリンクをいただき、水も頭や腕、背中にかけて回復します。

次の新停車場線エイド②までは2.8kmですが、以前も書いた通り、ここはそれ程急な坂ではないので、休みどころです。光が足りず上手く撮れていませんが、時々咲いている花を見ながら進めると思います。足元は多少荒れていますので、注意は必要ですが。「のぼりあと2km」看板が出てから少し行けばエイドです。エイド間の距離2.7kmは、おそらくかなり正確です。




最後の坂に向けて、このエイドは本当に頼りになります。命綱と言っても過言ではありません。“今日が皆にとっていい思い出になりますように”とお伝えして、笑顔で送り出していただきました。

南平野三差路エイドまではたったの1.8km。近いはずが、傾斜もきつく、なかなか遠く感じます。90kmを8時間20分台で通過し、その3分後くらいに「のぼりあと1km」看板に迎えられます。いくらゆっくりとはいえ、多少低血糖気味になったのか、少し頭がぼんやりする瞬間も度々訪れました。場所が場所だけに、“一体自分が今どこにいるのか”分かりにくくなったというのもありそうですが。


コースには幟も沢山あり、道が分かり易いだけでなく心の支えにもなります。そしてここで左折してからが一番急な上りになっていて、視覚的にもかなり上の方まで続いていることが分かります。“往路で右折したあそこか。確かに急だったもんな”と思い出せたので、その先がそこまで長くないという希望もありました。


軽い上りくらいのつもりで走ると呼吸が苦しくなり、疲労物質も溜まる強度になるので、もう“スロージョグで回復しよう”くらいの気持ちで大きく落として乗り切ることにします。実際には意外と落ちていなかったようですが。段々と左の木々の影が薄まり、光の見える面積が増えることを望みに走ります。
左折して急坂に入ってから4分も経たないうちに南平野三差路エイドが見えて来て、手を振って迎え入れて下さります。ここに辿り着いた時は本当に嬉しいもので、2019年の初参加時の喜びも思い出しました。ひまわり娘の皆様の素敵な笑顔も思い出になります。梅干しもいただき、“また来年も!”と走り出します。



- 終盤(無心に駆け下り補陀落へ)
南平野三差路エイドには昨年より10分早い8時間29分台で到着していたらしく、この時点でかなりのアドバンテージもありました。下りに入って、最初は思ったよりは上がらなかったのですが、途中から明らかに昨年を上回るペースで下っていけて、手応えを感じました。腹筋がつりそうな気配も、脚がピキッとなる様子もありません。

下っていく中で、時折吹いて来る奥熊野の風は、優しく、心地よいものでした。木立の中を走るのも夢や幻のような気がします。この大会の終盤は、どうしても命の始まりと終わり、生きる意味について考える時間が訪れます。未練は消し去れないし、動かないわけにはいかないけれども、それでも、覚えていることは許されるのだろうと思いました。別に誰に許可を求めるような話ではないのですが。


8時間47分台で94.5km井関手前エイドに到着し、“一日本当にありがとうございました!”とバナナとドリンクをいただきます。“最後まで食べて盛り上げるのが使命です”といったことも言いながら。

このエイドの後でほんの少し上りますが、ここは一瞬で終わるので、怯んではいけません。95kmの通過は8時間49分台。大きく弾むと衝撃が強いので、ピッチは落とさないように気を付けます。山肌が露出している景色になっても、下りのダメージにやられることもなく、上手く走れていました。


「あと4km」看板が出た直後に角度が急になっている箇所があり、脚にも負荷がかかりますが、大事にはいたりませんでした。3分後くらいに右手に上り坂が伸びていて一瞬不安になりますが、もう上ることはありません。左に下っていくのみです。


「あと3km」看板で8時間59分台でしたので、残りキロ6でも自己ベストは出せると分かります。そして井関三差路の標識まで来た時は、やはり小さいながらガッツポーズが出ました。もうハードな下りはおしまいなのだと。


ラストの97.2km井関三差路エイドでも写真撮影をして、コーラをいただきました。毎回ですが、ここまで来ると一日の感謝の気持ちから同じ言葉を繰り返してしまいます。しかしこれが最もお伝えしたいことなのです。


そのまま車道を走るのは危ないので、道路を横断して歩道を進みます。少し行ったらまた歩道が右側のみになりますので、信号の所で渡ることになるのですが、余力があるので何事も意に介しません。

ラスト2kmの看板前でも、前から歩いてこられたご夫婦が応援して下さります。会心の笑顔でお礼を言いながら走りました。

いつもの奥熊野いだ天と異なり、ピッチも上がり、地面からの反発もよい具合にもらえています。余力が違い過ぎます。那智川沿いを下りながら、確かに強くなったこと、これからも強くなれるに違いない喜びを胸に残りの道のりを行きました。



誘導していただいて道路を渡り、太鼓に迎えられ、お花も受け取ります。この長い道のりでこれだけ応援していただけて、本当に充たされる幸福な時間だと噛み締めます。



最後もスピードは出ていましたが、補陀落山寺の敷地内に入る時にケーブルがなく、転倒リスクがなくなったなと思えるくらい落ち着いていました。走って来てよかったというか、生きていてよかったと思える瞬間に巡り合えたことに感謝しながら、ガッツポーズで旅路を締め括りました。


アフター
レース後
会場・温泉(安堵と充実のふるまい)
フィニッシュするや否や、おしぼりを授かり、「輝け」の完走木札を掛けていただき、背中のチップも即時取り出してくれます。この手際のよさたるや、ボクシングのセコンドかと思うくらいです。完走証もすぐに手渡していただけて、予想以上の9時間14分台だったことを知りました。順位は走っている間に分かるわけが無いのですが、こちらも年代別で昨年を上回る6位だったということで、棚ぼたとはいえ素直に嬉しかったです。
ふるまいは混む前にいただいた方がよいだろうと、早速、うどん、ぜんざい、ヨーグルトと、これ以上ないくらいうまい発泡酒をいただきました。デザートのアイスも欠かせません。ウルトラの後の満足感は格別ですね。



更衣室は14時35分時点では貸し切り状態でした。丁寧に着替えて、ゴール直後のアミノ酸、アミノプロテインに加え、着替えた後にもプロテイン、プロテインバーで補給しています。身体は(勿論全身の疲労はありますが、)右足中指の爪が幾分ダメージを受けているくらいで、大きな怪我はなさそうです。

ただでは済まなかったのはズームフライ6さんで、65kmくらいから感じていたペラペラする感覚は正しく、両踵のアウトソールが剥がれていました。他方フォアフット部分は損傷なし。しっかり走れた割にこの痛み具合は、不思議な感じもしました。下りがきつ過ぎるとこうなるのかもしれません。甲のフィット感は良く、ずれている感じも無かったのですが。最近のナイキの設計と合わない疑惑は勘弁してほしいです。




入賞の商品がいただけるまでしばらく時間があったため、補陀落山寺の前で手を合わせ、補陀落渡海船に揺られる自分のことも考えました。今年も那智ねぼけ堂さんの薄皮まんじゅうをいただけましたので、職場へのお土産が増えました。話のきっかけにもなりますし、ありがたいことです。




会場では、昨年もお会いした、そして今年も道中何度も抜かれた大阪からのランナーさん達とお話しできて楽しかったです。15時38分にはカトルス星人さんのバギーランのフィニッシュシーンにも立ち会えて、よいものを見させていただきました。40分発のバスで一の滝さんへと移動し、塩味の利いた温泉で身体をほぐしました。


紀伊勝浦駅界隈
コインランドリーが埋まっていたため一度宿に帰ったところ、“裏にある洗濯機使ってええで”というご厚意に与り、なんとご親切なことかと恐縮します。乾燥機はコインランドリーにて12分100円で、洗濯物はあっという間に片付きました。

夕食
特に飲みたくもないお酒や烏龍茶を注文しなくてはならないお店は回避し、前から気になりまくっていたレストラングルメさんにお邪魔しました。狙うは勿論、熊野牛ビーフカツレツです。ごはん、サラダ、コンソメスープ付きのお得セットにしました。


高級なお肉に共通することですが、やはり味が深く、雑味がないというのが印象的でした。どちらかというとあっさりしているのですが、風味は間違いありません。その味わいに更に彩を添えるのが特製デミグラスソースで、こちらも工夫の凝らされた上質なものだと感じました。お店の方も完走をお祝いして下さり、嬉しかったです。また素晴らしい一時を過ごせました。


祭りの終わりを見届けに
やるべきことはやりましたし、折角なので夜のフィニッシュ会場を見に行こうと思い立ちました。紀伊勝浦駅18:58発のJRでわずか二駅、那智駅まで移動しました。

この時間になると、帰って来られるランナーの方のダメージも相当なもので、それゆえにフィニッシュ時の喜びも大きなもののように思えました。一緒にゴールテープを切ったり、写真を一人ずつ撮れるように順番を待ったりと、それぞれに思い描く形で喜びを胸に刻んでおられました。

完走おめでとうの万歳も何度も行われており、涙ぐんでおられる方もいました。不安に耐えながらも最後まで力を振り絞った姿には、誰しも心打たれます。お疲れさまでした。ふるまいを安堵の表情で食べておられる方もよかったです。

帰りは町内へのジャンボタクシーで送っていただき、那智勝浦の皆様が一体となってこの大会を大切にされていることが分かります。我々ランナーがそれぞれの形で喜びを生むことで、少しでも恩返しになれば嬉しいです。
荷造りと翌日の予定確認、歯磨きも済ませ、幸福な気持ちに包まれながら23時頃に消灯しました。

翌日
漁港・お蛇浦・弁天島
5時台には隣室の方が大きな声で話し始めてうっと思いましたが、早起きのチャンスだと前向きに捉えます。既に外は明るくなっていたので万事快調です。
6時15分頃には、体調を見ながらスロージョグで出発です。腿前の張りは当然あるとして、昨年程腹筋は痛くありません。その分目立ったのは背中の疲労です。姿勢の維持と上りの腕振りで酷使したのかもしれません。いずれにせよ怪我はなく、寝れば治るタイプのものですので問題なしです。

朝の漁港の横を通ったり、赤灯台の方に行ってみたり、分かる人には分かるホテル浦島さんの例の船を対岸から眺めたりしました(逆光なのが惜しまれます)。






お蛇浦は眺めつつゆっくり歩きましたが、何となく地球の大きさを感じる時間でした。弁天島は、昨日の夕方には人が渡っていたように思うので、来年にでも一の滝さんから歩いて行ってみてもいいのかもしれません。






何となく走っているうちに紀伊天満の方まで行き、木陰の涼しさも感じながら身体をほぐしていきます。津波避難所があれではおそらく、という心配な思いを抱いたりもしつつ、50分で6km弱走って戻りました。






朝食はゆで卵、チーズ、牛乳です。忘れ物がないか点検後、お礼を言ってチェックアウトしました。おじさんにも100kmの労いの言葉をいただきました。本当によくしていただきありがとうございました。どうかお元気で。
熊野古道~那智大社・那智の大滝
駅のロッカー(400円。現金のみ)に荷物を放り込み、8:25紀伊勝浦駅発のバスで出発です。今年の2月からクレジットカードのタッチ決済にも対応しており、乗客的には大変便利になりました。

フィニッシュの補陀落山寺を思い出しつつ大門坂へ。ここで杖を借りておくと、石段に突いた時の音が情緒を添えますので、是非使いましょう。上で返せるので心配無用です。




今日はいつもよりゆっくり目に、緑と木陰の中を歩きました。時に後ろを振り返り、平安貴族も訪れたこの道の神聖な空気を感じます。平成に続き令和のこの時に、このような形でこの場所を歩けるご縁は不思議なものです。樹齢800年の夫婦杉や楠にもまだ細い頃があったはずで、ただ過ぎ去る人間のことをどう思っていたのでしょうか。せせらぎの音が聞こえてくると坂は終わりです。




もう一段上ると昨日の駐車場の横に出て、更に上れば那智大社です。観光客の団体さんも多く見られ、コロナも乗り切り活況を呈していたのもよかったです。一の鳥居に続いて二の鳥居も潜って拝殿まで上り、一日のお礼とこれからの人生への願いを込めました。気持ちのいい風が、ごく自然に吹いていました。



宝物殿では係員さんが私のことを覚えていて下さり、顔パスくらいの勢いでした。今年も色々とお話しでき嬉しかったです。那智経塚の埋納品や古文書、鏡や刀剣類は、毎年見てもどうしても忘れてしまうので、記念にもなるからと『那智に詣でて』という冊子も買いました。これで今後は復習してから訪問できます。


西国三十三所霊場の一番札所、青岸渡寺でも手を合わせ、那智の大滝も遠くから眺めます。時間の都合上三重塔は飛ばし、筋肉痛に苦労しながら、今年も石段を頑張って下りていきました。




飛滝神社の鳥居を潜り、昨日のスタートを思い出しながら下りていきます。より近くで見るために舞台の方へ。133mの落差を誇る滝の上から流れ出る時の視界を想像すると、高所恐怖症の私でも不思議と怖くはありませんでした。大滝に一番近い場所で、流れ落ちて来る水の塊が剥がれるように形を変えつつ岩にぶつかり、片や舞い散り片や滝口へと向かっていく様子に、人生もそういうものかもしれないと考えていました。



昨日の旅路の始まりとなった石段を上りながら、背後を振り返り、一年後の再訪を誓います。バス停は混雑を懸念して一番上の那智山まで上りましたが、今日は空いていたので下から乗ればよかったです。11:07発のバスで紀伊勝浦駅に戻りました。井関三差路の辺りの数分だけは寝落ちしていましたが、それも夢のようなものなので、よかった気がします。


マグロ@紀伊勝浦
今はお昼のみ営業されているので、このタイミングしかないと竹原さんにお邪魔しました。ちゃきちゃきしている感じ(関西ではあまり使わない表現)で、大会のゼッケンを見せるとマグロの真子もサービスして下さりました。そして名物まぐろ定食のおいしさは格別でした。お造りは本マグロと黒マグロでしたが、スッと溶ける感覚は本場ならではです。炙りもお味噌汁も全てがおいしく、来年も是非訪れたいところです。




パン活・スイーツ活
- 焼きたてのパンサンタさん
再訪して結果とじゃばらショコラカップケーキがおいしかったことをお伝えすると喜んでいただけました。流石は元長距離トップ選手、“30分くらいアップするんですか?”と聞かれたので、“100kmは長過ぎるので何もせず、ずっとアップしているような感じです”で話が通じました。じゃばらカップケーキもおいしくいただきました。香りがよいですね。



- an寿anさん
季節限定の苺ロールケーキを食べずに帰るのはあまりに惜しいので訪問しました。このロールケーキはスポンジもクリームもたまりませんね。そこに苺が加わりますので無敵です。色川卵のカステラと、ランナーサービスのクッキーもお土産になります。次回は和菓子もいただかなくてはと思っております。




街中散策
歩いてみると面白いもので、一本入るとビン玉(はえ縄漁で浮に使うもの)通りのオブジェが目を引きます。まぐろの無人販売、超昔ながらの駄菓子屋さんもあったりと、どうやって商売が成り立っているのかと思う、物語のような不思議な空気も感じられます。



ナカシマヤさんは初めて入ったのですが、文具だけでなく古書も売られていました。那智勝浦に来ることで思い出せる感情が書かれているような気がしたので、ヘッセの『郷愁』を購入しました。


お土産屋さん
今年も駅前の小倉家さんと林土産物店さんにお邪魔し、こちらでも覚えていていただき嬉しい限りです。お変わりなくお元気そうで、こうして再会できたことに喜びを感じます。梅干し、鰹焼節、色川茶のゴーフル、じゃばらポン酢を購入し、干し梅や飴もサービスしていただけました。最後にまた楽しい思い出ができました。



帰りは13:46発のパンダくろしおです。WESTERポイント特典チケットレスなるものを使ってみましたが、普通に乗れて心配なしでした。透き通る美しい勝浦の海を眺め、福助堂さんの最中の香ばしさも覚えておくことを願いながら、日常へと戻りました。






最後に
今年も奥熊野いだ天ウルトラを走らせていただき、那智勝浦の皆様の温かな応援・歓迎を受ける中で、久しぶりという感じがしないくらいに記憶がつながっていることを実感しました。住んでいたわけでもないのにこういう気持ちになることは珍しく、それだけ密度の高い時間を過ごさせていただいたのだと思います。
何度出ても応援も景色もエイドも素晴らしく、ランナーにとって本当の歓びを感じられる時間です。これだけの時間・広範囲の大会の運営は大変ですが、それでも継続して下さる皆様のご尽力には感謝してもし切れません。
初参加の2019年から早6年、自分の内外でも色々なことが起こり、失われたものも多いです。それでも生きてきたことはよかったと思えるのは、こうして走らせて下さる皆様とのご縁があったからこそです。ずっと同じままではいられないとしても、この大会の輝く思い出は最期まで覚えていたいと思います。
大会を支えて下さった那智勝浦の皆様に改めて心より御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。来年もどうかお元気で、そして笑顔で集えることを楽しみにしています。
ここまでご覧いただきありがとうございます。