2017年の初参加時に、“この大会にはまた絶対に出よう”と強く思ったことを覚えています。2020年には期待に胸を膨らませてエントリーするも直前で中止になり、今大会の参加を心待ちにしていました。自分にとってはフルマラソン初挑戦から10年の節目となる大会を、いわきサンシャインマラソンで迎えられたことはとても大切なことです。
8年前にあれ程感銘を受けた理由は、今回走って改めて確かめられました。沿道や会場での心に温かく響く応援も、大規模大会でありながらもスムーズな運営を可能とする協力体制も、街中でも応援していただけることも、全てに思いが籠っています。






海沿いの絶景は、いわきならではのもので、太陽の光を受けて美しい青に充ちた太平洋とその上を軽やかに走る波、そして更に上には空と雲が広がる世界を間近に感じながら走ることができます。マリンタワーも間近で見られて高さを感じます。




エイドも今年はパワーアップしたということで、公設私設のエイドでは惜し気もなく名物や温かいものがふるまわれます。あんぱん、メロンパン、ミニトマト、苺、フラまん、黒糖饅頭、カレー煎餅、コンソメスープ、ミニバウム、コーラ、豚汁、じゃんがら、ダイヤモンドリング、かまぼこ等々、いずれもおいしく、最後までたっぷりいただきました。詳細は本編に書いていますので写真だけでも是非。




(誰も注目していない)走りの方ですが、久々の薄底(ターサーRP3)で接地の音と感覚を楽しんできました。かつてはエンペラージャパンとエンペラーで連戦していたことを思えば、まだ柔らかいターサーRP3でビビる必要はありません。新品の反発は素晴らしく、細かなタイムは見ていないものの、マジックスピード3とそう変わらないくらいでは走れていたようです。恐れていた程のダメージもなく、やはり時にはこういう選択もよいものだと思いました(3時間6分台。158bpm※最初3kmバグで180など, 192spm, ストライド1.20m, 上下動比5.1%, 上下動6.3cm, 左右接地時間バランス48.4%:51.6%, 接地時間237ms)。




観光も、到着直後のサンシャインマルシェから始まり、塩屋埼灯台、アクアマリンふくしま、湯本温泉、常磐ものからパン活まで、存分にいわきの魅力に浸ってきました。ら・ら・ミュウの「3.11いわきの東日本大震災展」も再訪し、塩屋埼灯台は美しい景色に心奪われるだけではなく、東日本大震災で起きたこととも向き合い、語り継いでいく場所であることも再認識しました。






8年前にここに来ていたからこそ、いわきの皆様が、復興から次のステージへと力強く進んでいる様子もはっきりと感じられました。思えば大震災の時は小さかったりまだ生まれていなかった子供達や、8年前には小さかった子達が大人になっているのです。いわきの皆様に“ここにいたい”という願いと思いがあったからこそ復興は可能となりましたし、私のようなランナーも“またここに来たい”と思い、“つながっていたい”という気持ちにもなります。現実には日常を回していかなくてはならないため、帰ることになるのですが、それぞれの持ち場でできることを続け、緩やかにでも関わっていくことが大事なのだろうと思っています。能登の復興にも長い時間が必要です。




いわきの皆様、“日本の復興はいわきから”を現実のものとし続け、この素晴らしい大会も作り上げていただき本当にありがとうございます!いわきサンシャインマラソンに出会えてよかったです!
8年前はエイドを堪能するような余裕もなかったのですが、その経験があったからこそ、今日の旅路がまた彩りを増しました。やはり行ける時に行かなくてはなりません。
時間はかかりますが、能登も復興途上です。能登和倉万葉の里マラソンにもまた必ず参加するつもりです。
東北・みやぎ復興マラソンは昨年で終了してしまい残念です。是非もう一度参加したい大会の一つだったのですが。あの日はありがとうございました。
2020年に中止になったものの再訪を果たせた大会として、鳥取マラソンも思い入れがあります。また出たい大会が多過ぎるというのは、幸せな人生です。
続きのページには、“いわきサンシャインマラソンを知らずに終わるわけにはいかない”と思うであろうくらい徹底的にコース、応援、エイド、(驚異的な行動力を見せた)観光などについて綴ったので、写真だけでもご覧いただけると嬉しいです。
コメント、スター、↓のバナークリック、SNSなど何でもよいので、読者が存在することをお知らせいただけると、私がフラおじさんに弟子入りします。
次回予告は、“鳴かぬなら鳴くまで待とうフルマラソン”です。関門かかるわ。
前日
神戸空港→水戸→いわき
5:20起床を決めてDNSは回避できました。時間もあったので、いつも通り納豆、チーズ、ヨーグルトを食べてから出発です。金夜はブリの刺身を金沢大野の醤油(フルーティーな香りすらする)と輪島の塩、三島の山葵で様々に味わい、野菜を煮て大分のくろめお吸い物と合わせるなど、各地の味を楽しめる夕食でした。

7:50神戸空港発→9:00茨城空港着ということで家を6時に出なくてはなりません。我ながら無茶なスケジュールを組んだものだと思います。関西からいわきは遠く、新幹線を使うとかなりの金額になるため、このルートにしました。まあ12,000円にバス代や電車代を加えると同じくらいですが、今回は時間的にもこれが正解でした。




9:30茨城空港発→10:15水戸駅南口着(1,070円。クレカ、ICカードOK)に乗りました。水戸からはケチって鈍行も考えましたが、丁度10:20発のひたちに乗れるタイミングだったため、2,710円(うち特急代1,020円)を支払い、金で解決することにしました。


途中勝田を通り、2019年に当時の自己ベストを更新した勝田全国マラソンの記憶も頭をよぎりました。朝が早過ぎたので、主に睡眠に充てて回復を図りました。



移動中読書は、寺田寅彦『銀座アルプス』でした。気軽なエッセイですし、過去に他の随筆集に掲載されたもの(『解かれた象』や『流言蜚語』は確実に読んだことあり)も混じっているので、再読できる部分もまたよかったです。『まじょりか皿』が、自分と重ねてしまうところがあり、心に何か響くものがありました。
いわき観光
サンシャインマルシェ
11:26にいわき駅に着くと、前日イベントが開催されています。この時点で、“やはり一本早くしてよかった”と思いました。丁度私が到着した頃は、磐城第一高校一高プアラニの皆さんのフラ演舞で、“あぁ、いわきに来たんだな”という実感が湧きます。とても明るい音楽に晴れやかで自信に満ちた表情で踊っているので、見ていて元気になります。


このあともいわき湯本高校ヴェリナマハロの生徒さんが次々と曲と衣装を変えながら踊っておられ(ちょっと食べ物に気を取られている隙に衣装あるいはメンバー?が変わっていたり)、観客の皆さんも楽しそうです。それにしても、いくら日が差している時間もあるとはいえ、彼女たちは寒くないのでしょうか。私が言うのもなんですが。


クラップチアリーディングさんも小学生くらいからメンバーにいて、微笑みつつ見守っている大人たちの優しい空気もよかったです。レース中、32km過ぎの沿道応援もありがとうございます。いわきFCのマスコットキャラクター「ハーマー&ドリー」さんは、ダンスができる強者でした。


この大会の温かな空気はなかなか他では経験できないもので、だからこそ自分は8年前に“また来よう”と思ったのだろうと、かつての自分の感情を推し量ると共に、その感性は正しかったのだと思いました。

マルシェということで食も充実しています。酸辣湯は具材もたっぷり入っていて、甘酒も濃厚な味わいなのに何と無料配布です。この時点でびっくりです。


いわきと言えばメヒカリということで、唐揚げもいただきました。5匹も入っていて贅沢です。サクサクとおいしく、小さい魚なのに身がジューシーで柔らかいので、箸が止まりません。大川魚店さん、ごちそうさまでした。

高校の生徒さんとのコラボ商品も販売されていたので、磐城桜が丘高校さんのマラサダインおさつクリーム(マラサダinであって、マラサーダインやヒャダイン的なものではない。クリームたっぷりで甘党歓喜)と磐城農業高校さんのどら太郎(もも餡がうまし。福島ですもの。)をありがたくいただきました。




KIKIさんのくるみカマンベールもチーズ好きには間違いのないおいしさでした。食べていると、通りかかったおばちゃんに、“おいしそうね~”と声をかけられ、その和やかな言葉に一層のおいしさを感じました。

三店舗以上のお買い物でガラガラ抽選会の参加権を得ましたので、思い切り気合を入れて回したところ、何と白玉の末等でペンをもらえました。“まあ大体こんなもんっすよ”と明るく受け取りました。




塩屋埼灯台
調べてみるといわき駅13:00発のバスに乗れば行けると判明したので、先に宿に荷物を預かっていただき、9番乗り場から30分程バスに揺られて行ってきました。帰りは14:20のバス(これを逃すと17時台で暗くて寒いので無理)だったため、滞在時間は短かったのですが、それでも海沿いの道を行き、近づいて来る灯台は見応えのあるものでした。







灯台までは階段を上り、高台に出ます。入口からして灯台に来たという感慨がありますし、この高さでも十二分に気持ちのよい眺めが待っています。更に、この灯台は珍しく中に入れ、景色を想像しながら103段の階段を上ることができます。







階段を上り切ると、眼下にそして眼前に広がる太平洋の雄大な姿に出会えます。水も透明で、この高さでも信じがたいくらいはっきりと海底が見えます。丁度人がいなかったので、両手を広げて上半身の筋肉を伸ばし、この海と空と一体化したかのような気持ちでしばらく光と風を感じていました。高所恐怖症の割に、落ちそうな感じは一切せず、ただ目の前の世界だけは覚えておきたいと願っていました。




この美しい海も、大震災の時は恐ろしい姿を見せ、多くの方が命を落とされたことを思わずにはいられません。8mを超える高さの津波が豊間地区に押し寄せました。一瞬にしてあまりに残酷な現実に向き合わなくてはならなかった方の苦しさは、私がこれまでに経験してきたことの比ではありません。




パン活・スイーツ活
- Bagel HOLICさん
お店の佇まいと並んでいるパンからしてたまりません。イートインもできるようです。



レモンクリームチーズはレモンの爽やかな香りとクリームチーズのミルク感が融け合いますし、黒ごまだんごは餅と柔らかな味の餡がうま過ぎます。何よりベーグル生地がうまいので、大満足です。


- ベーカリーハウスマイトクジさん
パンの種類が多く、どれもおいしそうなので、当然の結果としてひっきりなしにお客さんが訪れます。駐車場は広いのですが、かなりの勢いで入れ替わっています。


ものすごく迷ったのですが、焼き立てのカレーパンが運ばれてきたので、絶対に逃すわけにはいきません。早速いただいたところ、コクのあるルーにゴロっとしたお肉が入っており、誰もが食べたいカレーパンがここにありました。





夕食
とんかつぎん亭さんにしました。当初はウェルカムパーティーを狙っていたのですが、先着200名の狭き門、2月のどこかで気づいた時には締め切りになっていました。定食屋さんをいくつか巡っても満席が続き、少しエリアを変えて探したところ、見るからによさげなお店を見つけたので入店しました。禁煙なのも嬉しいです。

お店は何と1968年創業とのことで、半世紀以上に渡っていわきの皆様に愛されています。ご主人も奥様もものすごく優しい方で、マラソンの応援もしていただけました。ロースかつ定食(チーズ入り)を選んだのですが、このお肉が分厚く、それでいて柔らかいという正統派のうまいもので、そこにチーズがとろけているのですから、正に向かうところ敵なしです。大変おいしくいただきました。ごちそうさまでした。


お宿
ホテルなみえさんです。2泊朝食付きで10,600円というお財布に優し過ぎる価格に惹かれて(ものすごく早い時期に)予約したのですが、何と今年1月から大浴場とサウナが新設され、もう申し訳ないくらいの好条件でした。朝食までついているので、一層恐縮します。


ヨークベニマルで買った会津のべこの乳を飲み、心穏やかに23:30頃消灯です。


レース当日
レース前
二度寝を繰り返して6:40頃に起床しました。心拍数は47とやや高めですが、7時間寝てさえいれば問題ありません。朝食もついているので、軽く背中のストレッチをしてから7時頃にお店に行きました。思った以上にしっかりしたおかずを全ていただき、お腹も充たされました。

トイレこそ出なかったものの、淡々と装備を整え、7:50頃に宿を出ました。8時頃のバスに乗ればよいだろうくらいの甘い考えです。シャトルバス乗り場も近いですし、全てにおいて余裕があります。長蛇の列が形成されていましたが、バスの台数が多いので、5、6分後くらいには乗車できました。やはりこの大会はすごいです。



会場までは予告通り15分で着き、“前に来た時もこういう景色だったな”と思いつつ、心にゆとりを持って会場を眺め、歩きました。ウォーミングアップのために競技場も使えて豪華ですね。



今日の金沢スイーツは、ふらん・どーるさんの加賀棒茶マドレーヌです。お店は金沢マラソンの9km付近、窪の折り返しの少し前にありますが、金沢駅にも出店しています。お茶の香ばしさと小豆が光るお菓子です。

シューズも履いてきたので、上着を脱ぐだけです。荷物預けまでの動線も流れに乗って歩くだけで自然に到着するよいものでした。荷物預け自体は長蛇の列になっていたため、8時30分に間に合わなかったのですが、嫌な顔一つせずに預かって下さりました。あの列を捌くスピードはかなり高速だったと思います。

すぐ傍にはスタート前給水とバナナがありますので、お礼を言いながらありがたくいただきました。アミノ酸も摂取できたので準備万端です。もう少し2017年Tシャツをアピールしてもよかった気もしますが、このピンクで伝わるものもあったはずです。


磐城高校応援団の演舞は後ろ姿を見ていたのですが、とても勇ましく、これから走っていくための力が湧いてきました。

スタート前は日向にランナーが集中しており、日陰はぽっかりスペースも空いていたため、寒さに強い私はBブロックの前の方に行けました。寒くないことはないのですが、東京マラソンや熊本城マラソンで長時間待った時のように身体の芯から細かな震えが起こることもなく、背中を動かしたりして待っていました。そして左の方にはゲストの皆様もおられるので、スタート前にノールック撮影を試みやすいという狙いもありました。



【ちょっと真面目な話】
練習
ヴェイパーNEXT%3さんがすごいのか、北九州マラソン後にはそれ程筋肉痛にもならなかったことから、普通の調整にしました。走った直後は左臀部がそれまでより気になりましたが、つられて回復したのか水曜にはフル前より軽快しました。
日曜:北九州マラソン 3時間2分台
月曜:オフ
火曜:有酸素ジョグ36分梅観賞(Zone1, 6.21km, 184spm, エボライド)
水曜:有酸素ジョグ60分(Zone3, 12.13km, 131bpm, 191spm, エアロ20R)
木曜:レースペースインターバル1km3本(ターサーRP3)
金曜:有酸素ジョグ32分(Zone1, 5.42km, 108bpm, 185spm, エボライド)
土曜:オフ


シューズ
このところ厚底ばかりだったので、薄底の感触を楽しむべくターサーRP3さんにしました。明るいイエローがサンシャインマラソンのイメージに合う点も選択した理由の一つです。


ウェア
お気に入りのいわきサンシャインマラソン2017Tシャツ、2020手袋、能登和倉万葉の里マラソン2019キャップと2017アームスリーブ、ミズノマルチポケットパンツ(資生堂のピンク+グレーを意識。強く、速く、美しく)、ザムストハイソックス、ニューハレ踵二重です。

持ち物
ジェルフラスコにアミノ酸を溶かしたものとアミノ酸+マグオンの二つです。多分手ぶらでもいけるはずです。
レース
序盤~前半
- 序盤(記憶と違わぬ沢山の応援)
ゲストの皆様はスタート手前にいて下さるので、まだ走っていない状態で撮影できました。この配置はスタート時の衝突回避のためにもとてもありがたいです。まずは公園の中をぐるりと回りながら走っていきます。もうこの時点で応援の多さに嬉しくなります。


公園からは結構な下りで飛び出しますので、ここで“今日の俺は速いぞ”と思った方も多いと思います。1km行ったか行かないくらいで上りに転じ、現実の厳しさを突き付けられます。鳥取マラソンのように1歩目から上りという展開よりはましかもしれませんが、この上りは結構長かったです。


2分くらい上り続けてしんどくなってきたところでようやく下りに転じます。それもなかなかの傾斜で、勝手にスピードが出ます。この坂の上からまた応援の方がずらりと沿道に並んで下さり、“やっぱりこの大会は素晴らしい”と喜びを噛み締めていました。


鹿島街道を進んでいく間も応援が多く、皆さん優しくランナーを見守って下さります。


最初の給水は5kmですが、このテーブルは長く、行けども行けども新たなテーブルという感じでした。まず取れないことはないので、周囲との距離を測りながら、後ろの方で落ち着いて取るとよいでしょう。


序盤からやたらと写真を撮りまくっていますが、それだけ応援の方が多く、この光景をできるだけ記憶しておきたいという思いも強かったのです。それにしてもちょっと沿道の方が多過ぎませんか?




7kmで手元31分30秒台だったと思います。最初の上りもあった割には悪くないタイムです。

- 前半(いよいよ太平洋へ)
7kmからは高低図の通り、ちょっと上ります。それ程きついことはないのですが、それまで下りが続いていたので、少し体に堪えるかもしれません。2、3分で一旦平坦から下りになったと思いきや、もう一段上ります。


小名浜港の標識を見ながら軽く上ります。下った先には9kmのエイドが見えて来て、また明るい気持ちになれます。


11km過ぎくらいでベルを鳴らしながら大音量の曲をかけていて下さった女性は、後半でもお会いできました。四倉、豊間の標識を見ながら左折します。


左折した後もまた応援が増え、マルトの前にも元気なお母さま方が手を振って下さり、歩こう会の旗も掲げられていました。この先少し行くと、そこには太平洋が待っており、突然目の前が開けます。



第三給水所は14kmの手前です。200m先看板から結構距離があった気もしますが、気のせいだとも思います。14kmで手元1:01:37くらいです。

中盤
- 中盤①(風にはためく江名港の大漁旗)
この先は江名港の折り返しを楽しみに進みます。早くも折り返してきたトップの選手が駆け抜けていきました。このお方は終盤でもトップでしたので、そのまま圧勝したはずです。


15km地点には折戸・中之作囃子会の皆様が大漁旗と太鼓の応援で迎えてくれます。色とりどりの大漁旗が見えてくると、“いわきサンシャインマラソンだ!”という気持ちも益々強まります。




若干の向かい風を感じながら進んでいくと、更に大きな旗が振られている様子が見えてきます。この応援を初めて見た時は大いに胸が震えたのを覚えています。両側にいて下さる応援の方の多さ、そしてその笑顔といったら、この上ない程輝いています。






今回からオフィシャルパートナーとなったいわきFCの大きな応援旗も風にはためきます。風の強いいわきだからこそ、この応援も一層迫力を増します。




折り返してからもあまり順風になった気もしないのはいつものこと。風向きはちょくちょく変わっていたのだと思います。もう一度先程の太鼓と大漁旗に力をいただき、進んでいきます。


応援に心を奪われていたため、私としたことがすっかり忘れていたのですが、19.5kmエイドは最初のスペシャルエイドなのでした。危うく逃しかけましたが、“あんぱんありますよ!”の声に九死に一生を得る形でまずはあんぱんをゲットします。予習ではメロンパンが気になっていたので、勢いでそちらも手中に収めました。


20kmを過ぎて少し行くとスライド区間も終了です。山の方から駆け下りてきたランナーさんに先程までの自分の姿を重ね、左手の美しく青い海を眺めながら走ります。白い波も軽やかに走って来る様子が見えました。


21kmで手元1:31:49くらいです。意外とスピードも出ていたようです。中間点はグロス1:32:20だったそうです。
- 中盤②(山の神とアクアマリンパークのエール)
この先にある三崎公園への坂が一番の難所とされています。段々とマリンタワーの姿が見えて来て、“何だか悪い予感がするのう(男塾)”と思っていると、お望み通りの長い坂が行く手に伸びています。22kmは上りながらの通過です。

観念して上り始めるしかないのですが、割と下の方にいわき市出身の山の神、柏原竜二様がおられるではありませんか。“肩の力抜いて!”とアドバイスをされており、“そうか、山の神は肩の力を抜いた上であのダイナミックなストライドを出していたのか!”と極意を会得したかのような気になります。更にハイタッチまでしていただき、もう完全に山の神になったかのような勘違いも加わります。

しかし所詮は一般市民ランナーですので、そこで上がったテンションのまま上れるのは10秒くらいで、なかなか終わってくれない急坂に呼吸もゼーハーに近づきます。シンデレラにかかった魔法はすぐに解けるのです。“富士山マラソンよりは絶対に短い”と自分に言い聞かせますが、相当減速している事実は受け入れざるを得ません。かなり苦しくなって来たところでようやくマリンタワーの下に至り、何とか写真に収めます。

息が全く整わないところで22.4kmのスペシャルエイドです。“もうちょっと後なら……。”と思わないではありませんでしたが、“逆に堂々と休める”と瞬時に閃いたので、テーブルの間にコースアウトしていわきのミニトマトと苺をいただきます。“いくつでも持ってって!”という明るい声にも、“後の方もおられますので”と紳士的に辞し、一つずつを噛み締めました。




上りとエイドで5:04/kmかかったそうですが、この先は急な下りなので多少挽回できることでしょう。走っていてもいわきの海はきれいに見えましたが、三崎公園の別の場所に行くと更に絶景を楽しめるとのことです。ちなみに下りながらトマトの皮でむせるのも前回と同じで、少し笑いました。



次はフィニッシュ会場でもある小名浜港アクアマリンパークへと向かいます。一度港の方へ出てから幹線道路に戻り、再び会場の方へ。ここは声援を浴びせかけるためにそうしたとしか思えないような、大観衆のエールの間を縫って進む時間です。フラダンスチームも待っていて下さります。





ここで25.2kmのスペシャルエイドの呼びかけに応じてピットイン。フラまん、かりんとう饅頭、カレー煎餅をいただきます。机の間に入って完全に止まっていますので、エイドの皆様にも喜んでいる姿をお見せすることができ、“あらまあ”と笑っていただけました。



アクアマリンふくしまの脇を通った先に大きな橋(小名浜マリンブリッジ)が見えるのですが、前回の記憶は曖昧なものでした。しかし今日は全てを見届けながら笑顔で走っていけます。段差への注意を呼び掛けて下さる方もおられ、何かときめ細かいです。一打の会さんの太鼓も鳴り響きます。



この先は工業地帯に入り、それまでとは違ってやや景色の変化は少なくなります。長い直線が続くので、淡々と走れるといえばそうですが、単調に感じる部分もあります。そんな道中でもスネアなどの打楽器で応援して下さったりと、沿道は常ににぎやかで感銘を受けます。

28kmで手元2:03:34です。結構止まっているので、速いのかどうかよくわからなくなってきました。

後半~終盤
- 後半(公設私設のエイドがすごい)
あまり景色が変わらなくなった時に頼りになるのが公設私設のエイドです。右折した先の公設エイドのコーラもよかったです。前回は余裕がなく、私設エイドで止まることもほとんどできませんでしたが、今回は福島県中小企業同友会いわき支部さんのエイドでしっかり止まってコンソメスープをいただき、ちびまんじゅうも勧められるままに頂戴します。ここでは珍しいエレクトーンの演奏もあり、また活気づきます。曲はNHKのパリ五輪のものでした。






ほんの少し行ったところにもまたもやいわき東ライオンズクラブさんの私設エイドが。止まってクリームパンを味わいます。“余裕だね~”と喜んでいただけるのが嬉しいです。東北電力グループの皆様もタオルとメッセージボードで応援して下さります。





11km付近で音楽をかけておられたお姉さんにも再会できました。移動してまで応援していただけてありがたい限りです。ここでは定番の「走る走る俺たち」でした。2番の歌詞とか滅多に聴かないような。いわき市健康歩く会の皆様は、結構な人数でなかなか列が途切れませんでした。


ようやく始まった上りは、そこそこの力で無理せず上っていきます。坂の上にはクラップスチアリーダーズの子供達が待っていてくれるので、苦悶の表情で上るのはちょっとどうかと思います。が、そんなランナーもコーナーを曲がる時には確実に笑顔になっていたはずです。前におられた方も笑顔で手を振っておられました。


右折すると平坦から下りとなり、いわきトライトレイルさんのエイドが見えてきます。こちらでまたしてもコーラをいただきます。走って行った先ではゴミ袋を広げた男性が、“投げ捨てでいいよ!”と気を遣って下さったのですが、“いや流石にそれは”といったほのぼの系のやり取りを経て、無事に袋にシュートすることができました。ありがとうございます。


この先にも一升瓶?を備えた私設エイドがあったのですが、内容はわからずでした。8年前にはカルピスをいただいて回復したことを覚えています。
基本的に緩やかな下りを進み、右折する辺りでサブスリー集団とすれ違います。“タイム差を測っておこうかな”と思ったものの、どう考えてもこの先のスペシャルエイドで足を止めることになるので、無駄なことはやめました。

復路で見届けられるよう、右手の応援を確認しながら下っていきます。34kmを何事もなく通過し、折り返しです。折り返し直後に豚汁エイドがあることを目撃していたので、ここで万事休すならぬ完全に休憩すということにしました。あと1分か2分速かろうと何の意味があるというのでしょうか。


普通にテーブル側に入り、“根菜うまい!”などと大喜びでいただきながら、真面目に走って行かれる方々を見送ります。“豚汁は鳥取やいぶすきでもいただいたなあ”と楽しい記憶が巡りもしました。

この少し先にある公設のスペシャルエイドではいわき銘菓のじゃんがら(念仏踊りの「自安我楽」に由来するとのことです)がふるまわれますので、ここも絶対に外せません。邪魔にならないように気を付けながら止まり、じゃんがらだけでなく手前にあったダイヤモンドリングもいただきます(チョコレート大好き)。どちらもとても美味しく、じゃんがらミニはお土産に購入しました。



この先も下りで予習した通り、日産自動車いわき工場さんのエイドではミニバウムクーヘンをいただき、泉囃子さんの太鼓で大いに鼓舞されます。復路の上りはそれ程きつく感じないのは、8年前の記憶通りでしたし、真面目に走っている区間はそう遅くなかったので“なんだ薄底でも全然問題ないじゃないか”と考えていました。



上りのエイドの途中のバナナは、後ろとの距離が詰まっていたので見送らざるをえなかったのが心残りです。エイドと応援に夢中で35kmの通過時間は見るのを忘れました。35.2km関門で手元2:37:10だったので、2:36:18らへんだろうと思います。
- 終盤(最後までありがとう)
往路でコーラをいただいたエイドを見やり、少し進めば上りの終わりが見えてきます。左側にもチアリーディングの子供達がいて、懸命に“頑張れ~!”と声援を送ってくれます。笑顔で応えて、下りに突入です。



下りは本当に楽で、余力もあるので勝手にスピードが出ます。風向きがどうだったかは覚えていませんが、いずれにせよ困る程のことはありませんでした。

フラットになってからは、最後のスペシャルエイドに備えて気持ちを引き締めます。ここでシーフードケーキとかまぼこをゲットして初めて“いわきサンシャインマラソンを完走した”といえるでしょう(そんなことない)。エイド前の看板でも給食の文字があり、分かり易いのがよいです。つくづくランナー目線の運営だと感心しました。

ここでは流石に長時間は立ち止まらず、商品説明を聞きつつ(止まっとるやないか)シーフードケーキと揚げかまぼこをゲットしました。これで任務完了です。右折するともうゴールまで3km程です。安心して滋味のある海の恵みを味わいました。



エレクトーンの演奏もしっかり見届け、いよいよ40km地点です。余力もありますし、薄底で上げる成功体験も欲しいので、ここからは9分は切る体感に上げます。3時間7分は切れそうです。右折してから最終エイドがありますが、ここも接触のおそれありと判断してパスしました。


左折してからはひたすら直線ですので、上げていると長く感じます。“そうそう、8年前もこうだった”と懐かしさ半分、時折吹く向かい風に減速の言い訳も頭をよぎること半分といった感じです。一々時計は見ませんが、これくらいなら間に合うだろうという体感に従い、回転も上げつつ反発も少し強くします。
41kmでももう一つ上がり切りませんが、もうここまで来れば今回の1本がどうというより、この10年間続けてきたこと、続けて来られたことに感謝しながら走っていました。

ラスト500mの表示を見て、いよいよあと2分程で終わると思いました。最後は右折してフィニッシュゲートへ。その時にどんなポーズを取ったのかは覚えていませんが、笑顔だったことと、終了直後に“ありがとう!”と言ったことだけは間違いなく記憶しています。


アフター
レース後
会場
フィニッシュ後、手作りのハワイアンレイをかけていただけるのは本当に嬉しいです。遠くから8年ぶりに来て本当によかったことなどをお伝えし、“来年も是非”というお言葉もいただきました。

続いていわきFCモデルのフィニッシャータオルを受け取ります。給水も豊富で、ボディメンテとリアルゴールドまでいただけます。クリームパンも嬉しいですね。


荷物受け取りもスムーズです。更衣室は奥の方まで行けばかなりスペースがありました。強い風が吹き込むこともなく、流石はいわきのテントだと感心します。能登もいわきのように、復興してくれることを望むと共に、自分も関わりを持っていかなくてはという思いを確かめつつ、今日一緒に走ってくれたウェアの写真を残しました。

大注目(ごく一部の人向け)のターサーRP3さんですが、大きく削れるようなこともなく、最後まで推進力を保ってくれました。身体も特に異状なく、薄底に適した走りができたようです。北九州との連戦でこのコースということを考えれば、調整して相応の気持ちで臨めばもっと速く走れるシューズだと確認できました。



リカバリーが生命線ですので、アミノバイタル粉、アミノプロテイン、プロテイン、プロテインバー2本も早いうちに摂取しておきます。開けられずポケットに収納しておいたカレーせんべいとミニバウムもこの機にいただきました。

更衣室からイベント会場までは少々距離があるのですが、これだけの会場を使わせていただけるのですから、笑顔にならないはずもありません。早速、ふるまい鍋、さんまのつみれ汁をいただき、“いわきの海の恵みはやはりうまい!”と更に幸福度が上がります。



出店も多くてにぎやかです。大川魚店さんのほっき飯は、貝の味と歯応えは勿論のこと、三つ葉の香りがまたよかったです。手づくりケーキのいしぐろさんのあんドーナツは走った後には最適な甘さです。アルプスアルパインさんにはコーンスープの無料ふるまいで温めていただきました。





ステージも次々と進行していき、女子の表彰式やいわき湯本高校ヴェリナマハロさんのフラダンスも見ることができました。肩が外れそうなキレッキレのダンスもよいのですが、そこに何もないはずの空を柔らかく掴むような指使いもまた、不思議と惹きつけられるものでした。



涙そうそうが終わりメンバーが揃ったところで、司会の女性が、“寒くないですか?”という禁断の質問を。“数字をゼロで割ったらどうなるのか”というくらいの危険な問いかと思いきや、間髪入れずに“めっちゃ寒いです!”と答えておられ、長年の疑問が解決しました。温かくして休んで下さい。


いわき・ら・ら・ミュウ
二階には「3.11いわきの東日本大震災展」があります。忘れたい、でも忘れてはいけないとの言葉通り、あの大地震と津波で起きた哀し過ぎる出来事の記録が残っています。津波の動画や各地区の被害の解説を見ると、涙がこみ上げてきます。






それでも前に向かうのだと、“日本の復興はいわきから”と力強く確実に歩みを進めて来られました。“いわきで頑張るのだ”という皆様の強い覚悟と願いがあってこその復興の道のりだと思います。今回走っていて、8年前と応援の空気が変わっていたように感じました。以前よりも大きく前に進んでいることは間違いないと確信する時間でした。



一階のお土産コーナーではいわきだけでなく福島の銘品も購入できます。お土産のじゃんがらミニと、ならは町のほしいもを買いました。シーフードケーキもあったので、先ほどは取らなかった蟹を選択しました。カニカマではなく蟹が埋め込まれていますので、リッチなお味でした。



アクアマリンふくしま
ランナーは割引がありますので、潮目の海がテーマのこの水族館も外せません。前回は長時間滞在で最終のシャトルバスを逃す失態を犯しましたので、前半はサクサクと回っていきました(カワウソを見つけるまで探したり、シーラカンスを様々な角度から眺めたりはしません)。城もそうですが、最初から念入りに見ていると、メインの水槽や天守に到達する頃には体力と時間が枯渇することは何度も経験済みです。





川の魚や生物、黒潮の中を魚の群れが高速で泳いでいく様子も再度見られて嬉しかったです。トドの咆哮はライオンさながらでしたし、ぶつかられでもしたら気絶どころか骨折(では済まないでしょう)です。サンマも水槽で見られるのはここだけとのことです。


熱帯エリアと深海魚エリアも通り、黒潮と親潮がぶつかり、そしてなかなか混ざり合わない潮目のトンネルを初めて見た時の感慨も蘇ってきます。捕鯨の歴史、うなぎなどの弁財天プロジェクト、海洋ゴミ問題など、身近にあって気になることの展示もありました。







一日どころか数日費やす価値がある程の展示を見て回ることはできませんが、展望タワーに上ってマリンタワーの方を眺めたり、ごんべアイスを買っておいしくいただいたりと、前回と同じ楽しみも確かめられて、自分としてはやりたいことができました。









湯本温泉行きの最終便(16時発)に乗車し、さっき走ったばかりのコースと、美しくも悲しくもあるあの海に別れを告げて、会場を後にしました。

湯本温泉観光
- 和菓子の久つみさん
駅前にあるので見落としようがありません。前回もこちらでお世話になりました。久々におばちゃんとお会いでき、お元気そうで嬉しくなりました。マラソンの話をしつついわき名物馬方羊羹と栗饅頭(お土産にしました)を購入。この羊羹が程よい甘さでとてもおいしかったです。




- 新つたさん
大浴場に加えてサウナもあるので、水風呂もあるだろうと選びました。折角なら豪華なお風呂を体験したいですし。17:00~19:30という遅めの時間もありがたいです。実際のところ水風呂はなかったのですが、露天風呂で冷たい空気に囲まれつつ、寒くなったら温泉に浸かるという贅沢な時間を過ごしました。




夕食
いわき駅に戻り、常磐ものを食べずには帰れまいと寿司おのざきさんでいただきました。Latovの一階という立地のためか、お酒を注文しなくてもよい気軽さが大変ありがたいです(あの空気がとても苦手)。

“迷ったらこれ”とある常磐もの七浜握りにしました。左から、平目、あいなめ、ほうぼう、めじまぐろ、鯛、目光炙り、あぶらぼうず炙り、玉子焼きです。常磐ものは、食感や味のタイプが富山の魚とはまた違ったおいしさでした。特に気に入ったのは目光の炙りで、これを塩でいただくと香ばしさと塩のうまみが見事に絡み合っていました。

帰りにヤマニ書房さんで本を買って、ささやかながら書店を応援します。宿に戻り牛乳を飲み、洗濯・乾燥を済ませた上で、念には念を入れて大浴場で交替浴もやっておきました。水が冷たすぎて30秒が限界だったのですが、これをやっておくとやはり回復が早いです。折角なのでサウナも何回かやりましたが、汗が滲み出る前に退室してしまうので、おそらく効果は限定的でしょう。しかし身体の中の方まで温まった気はするので、やれるならやった方がよいとは思います。


できるだけの振り返りをし、肩甲骨周りをほぐし、0時頃に消灯です。ハワイアンレイは、いい夢が見られることと、目覚めた時に嬉しさを再度味わえることを期待して、枕元に置いて眠りに就きました。

翌日
予定通り6時には目覚めました。心拍数は44と普通、Body Batteryも大幅回復で、しっかり眠れたのでしょう。諸々のリカバリー策が功を奏したのか、筋肉痛もそこまで感じません。薄底が合っているのでしょうか。

いわき駅周辺スロージョグ
- 松ヶ丘公園
地図で見るとごく近くですが、(短いとはいえ)階段を上る場面もあります。上り切った先からの眺望がよいわけではないのですが、平藩主安藤対馬守ありし頃の姿も思い浮かべられます(公園自体は日露戦争の戦勝記念に造成されたとのことですが)。ツツジの季節が特に美しい場所らしく、5月頃に来てもよいかもしれません。




第二公園には、かなり大きな遊具があったり、常磐線の列車がよく見える場所かあったりもします。坂の下には天田愚庵邸があり、正岡子規との関係などを初めて知ることができました。



- 平城跡
少々の上り坂を経て、平城跡を見に行きました。現在工事中なのはわかっていましたが、8年前と違って余力があることを確かめるためには行くしかありません。江戸時代初期からこの地を収めていた場所で、歴史も古いです。

坂を下ると即いわき駅ということも、今回行ってみてようやく思い出せました。走行時間は37分、距離は5.3km程度。ピッチは180spm出ており、全身の怠さもあまりありません。


朝食は前日と同じメニューなので、後々を考えて主食はカットしておきました。卵、納豆、サラダ、きんぴらといった、セカンドミール効果の期待できるおかずをしっかり食べておきます。
国宝白水阿弥陀堂
宿からは6km強なので、そのまま湯本温泉に抜けるプランを立てました。当日の調子からして、まず問題なくいけると思いました。これなら電車の時間を合わせなくてもよいので、調節もし易いです。公共交通機関が難しくても自分の足でどうにかなるのがランナーの便利なところです。信号待ちを挟みつつ、動いている時間は43分程でした。



1160年に奥州藤原氏清衡の娘徳姫が、夫の供養のために建立したとされる、真言宗のお寺です。建造物としては福島県では唯一の国宝で、日本史の教科書にも登場します。2023年の台風による豪雨で浸水するも、地域の心の拠り所として復旧工事を行い、一般開放も可能となっていました。
お堂の中は撮影厳禁でしたが、阿弥陀如来像の前で正座して手を合わせていると、人の声もせず、風が木を揺らす音だけが聞こえて来ます。外の冷たい風から護られている感じがしました。在りし日の装飾は悉く剥がれ落ちたとのことですが、そういうものが無くなることもまた、無常観を伝えてくれる気がします。


外をぐるりと巡りながら落ち着いて浄土庭園を眺めることは、前回はできなかったはずです。今日は鳥の声や奥の山の色、静かな湖面を穏やかに眺めることができました。都会の暮らしで見るものは心を焦らせるものばかりですが、こうした、俗世や時間と干渉しない世界を体感できることの方が、おそらく幸福のためには大事だと思います。




いわき市石炭・化石館 ほるる
白水阿弥陀堂からは4km程です。最短ルートだときつめの上りがあったり、ウルトラマラソンっぽい景色にも出会いますが、私はこういう所を走るのも好きなので問題ありません。



まずは恐竜が前面に出ており、未知の世界の迫力に感心します。恐竜の頸椎がどうなっているかなんて考えたこともありませんでいたので。中には触れる実物化石もあり、貴重な史料のご利益?を感じてきました。アクアマリンふくしまの展示でも、進化の過程では絶滅を繰り返すものとの旨あったので、そのことも思い出しつつ。






当時の枠を再現した模擬坑道の中で常磐炭田の歴史も学べます。危険と隣り合わせというより危険そのものの作業としか思えないのですが、そこで命懸けで働いて下さった先人のお陰で今の生活があるのだと思うと、何とも複雑な気分にもなります。




最初期は手作業だったところから始まり、トロッコや掘削機器・重機が発展を遂げていく歴史や、ガスを抜いたり、地盤沈下を防ぐためにつめものをしたりといった技術の進歩も新鮮で、面白く見学できました。





温泉神社
由緒ある湯本温泉の鎮守で、階段の下では温泉がこうこうと湧き出ていますす。こちらで今回の大会でも無事に走れたことと10年間のお礼をお伝えしてきました。夜はライトアップもされているそうです。





野口雨情記念湯本温泉童謡館
何気なく入ると地域のコミュニティのようになっており、特に展示の解説は見当たらず、セルフでお楽しみ下さいという作りになっていました。こちらから何も言わずともマラソンの話を振ってくれる距離感がいいですね。


私の世代でも童謡はほとんど知らないくらいになっていると思うのですが、『しゃぼんだま』くらいは分かりました。童謡はおじいちゃんおばあちゃんから伝えていくことができれば世代を越えてつながれますので、無くしてはならないものだと思います。


さはこの湯
湯本駅前みゆきの湯が3月31日をもって営業終了とのことですので、行く気満々だったのですが、童謡館で“源泉だから”と強く推されたので、行ってみることにしました。タオルもボディソープも持っていますので、300円で入れます。ドライヤーまであります。
建物はきれいでシャワーもあり、快適です。注目の温泉は硫黄の香りも強く、温泉に来た感があります。走っている間に冷えた身体にはお湯が熱く、逆に鳥肌が立つくらいでしたが、少しして慣れてきて、高くなっている天井をぼんやりと眺めている時間は贅沢なものでした。

パン活
- パン焼き小屋・むぎ風船さん
温泉街から坂を上って少し行った先のマルト前にあるお店です。食べ過ぎてはならないと言い聞かせるも耐えられずに3つ買ってしまいました。マラソンの話も喜んでいただけて、いわきの皆様の温かさをまたも感じます。


チーズボールはカマンベールがガッツリ入っていて、焼き立ての柔らかいパン生地とのコラボが素晴らしかったです。クリームチーズレーズンも惜しげもなく具材が詰められた逸品で何個でもいけそうです。塩バターバーガーはパニーニのような仕上がりで、こちらも美味しかったです。記念にポイントカードも作っていただきました。



- 光進堂パン店さん
通りにあるので見落としそうですが、名店でした。まず奥様がものすごく優しくてよい方で、マラソンで応援してくれた小学生の吹奏楽部の子達が、“最後のランナーが通るまで応援するんだ”と言っていたことなど、沢山教えていただきました。是非ともお礼をお伝えくださいとお話ししたりできました。


テリヤキチキンは、甘辛ソースも玉子もおいしく、これぞよきサンドイッチだといえます。おさつ小豆クルミゴロっとは、デパ地下で売っても連日売り切れるレベルのもので、ふわふわの生地と小豆・おさつ・くるみの味わいが素晴らしくて驚きました。


和菓子
- 和菓子工房しら石さん
エイドでお世話になっていますし、ご挨拶は欠かせません。マラソンの話もしていただいて嬉しかったです。銘菓みそまんじゅうは今しか食べられませんので、エイドで提供されていたフラまんと共に購入しました。



- 久つみさん
昨日は苺大福が完売だったため、今日こそはと再訪しました。しっかりとゲットし、昨日の馬方ようかんがおいしかったこともお伝えできました。苺の甘さと酸味、餡がよく合っていますし、何と言ってもつきたてのお餅で作られていますので、柔らかくてたまりません。


いわき駅周辺散策
14:28湯本発の電車でいわき駅に戻ったものの、微妙に時間があります。特に目的も定めずに街を観察しながら歩いていると、“あんた昨日走ったの?”という感じで普通に声をかけていただけます。昨日は荷物預かりのボランティアスタッフとして参加しておられたとのことで、直接お礼を言えてよかったです。“来年もこないといけないね”という趣旨のことを仰っておられ、また何回かは来ようと思いました。




名残惜しいところですが、16:08いわき発→17:42水戸着の常磐線で移動しました。こうしてもう一度いわきに来ることは、自分にとって必要だったし、これからもまた来るのだろうと思いながら。あまりの眠さに耐えられずに落ちましたが、電車に揺られている時間すらも幸福なものでした。

18:05水戸発→18:45茨城空港着で移動し、19:25茨城空港発→20:45神戸着で帰りました。7,900円は明らかに安いです。最後にしら石さんのみそまんじゅうを食べ、楽しい旅を締め括りました。


最後に
いわきサンシャインマラソンは、大会だけを見ても、全国屈指の盛り上がりと行き届いた運営、心奪われる絶景など大いに楽しめる素晴らしいものです。それだけでも他所にない程の強い魅力がありますが、更に震災復興のシンボルの一つとしての意味もあり、継続的に関わり、その力強い歩みを直に感じることのできる機会でもあります。
だからこそ、“また来たい”と心から思えますし、物理的にこの土地で生活することはできなくても、同じ日本で思いを寄せるという意味では“ここにいる”こともできるのです。直接的な支援はできなくても、こうしてその土地を訪れることが、お互いにとって喜びを生み、明日への希望へとつながると信じています。私がフルマラソンを10年走ってできたことはごくわずかですが、ささやかながらお返しできたこともあることを願っています。
この大会を知らずに旅ラン人生を終えることは考えられませんし、また来ようと思っています。この大会を作り上げていただき、本当にありがとうございました。改めて心より御礼を申し上げます。
ここまでご覧いただきありがとうございます。