日本最南端のフルマラソン大会に挑戦する日が来るとは、走り始めた頃はおろか割と最近まで思ってもいませんでした。しかし、“行ける時に無理してでも行かないと、その時は永久に失われるかもしれない”という現実を直視し、今年の参加を決めました。トライアスリートの友人が見た景色を見たいという思いもありましたし。初めての石垣島は、マラソン大会に限らずとっても心地よく楽しい場所で、早くもまた行きたくなりました。
フルマラソンは、美しい海に緑に空気にと、石垣島の自然にとことん浸れる楽しい旅路でした。応援も多く、力をお借りして終始笑顔で走り切れます。序盤の太鼓だけでなく、途中もよく小太鼓の音が聞こえて来て、すれ違う車からの応援や横断幕と共に、前に進む力になりました。やはりその土地の魅力を感じるには、実際に走るのが一番ですね。




公設私設のエイドも面白く、スタートから2kmも行かない地点ではいなり寿司がふるまわれ、開始後給食の最短記録を更新しました。サーターアンダギーも、黒糖もミカンもバナナもおいしかったですし、ドリンクがいずれもよく冷えているのがまたありがたかったです。




コースはアップダウンがあり、そこそこタフではありますが、その分高い所からもすぐ近くでも石垣の美しい海を眺めることができ、非日常の空間で我をも忘れる体験ができます。海と海の間には逞しい緑の山々や南国特有の木々も見られ、空気も含めて、ここでしか感じられないものに充ちています。




この時期に暑い気候でフルを走ることは、暑さ耐性の強化にはつながる反面、遅い動きに慣れてしまいかねないので迷ったのですが、結果的には曇りのお陰で(最低気温18℃の割には)秋レースくらいの体感で、別大に向けてのいい準備ができました。最後は上げませんでしたが、昨年、一昨年より強くなっていると確認できたので十分です。なお、土曜や月曜のように日差しがあると、5月の黒部くらいの暑さを感じました。(3時間9分台。前半1時間35分45秒、後半1時間33分51秒。157bpm, 189spm, ストライド1.14m, 上下動比5.1%, 上下動6.1cm, 左右接地時間バランス47.6%:52.4%, 接地時間245ms, マジックスピード3)




観光も、宿の自転車を活用して、大浜の方に行ったり、南ぬ島から限りなく美しい海を眺めたりできました。フルマラソン自体が観光地巡りも兼ねており、それだけでも楽しいのですが、まだまだ気になる場所もあるので、次は他の名所も行ってみたいですね。




食べ物も、さよこのサーターアンダギーさん、とうふの比嘉さん、来夏世さん、お食事処はるちゃんさん、味処岩さん、と地元の名店を巡ることができました。石垣牛こそ手が出せませんでしたが、私が求めていたお店には沢山出会うことができ、大満足です。お土産が揃うユーグレナモールも楽しめました。






石垣島の皆様、素敵な最南端のフルマラソン大会で歓迎していただきありがとうございました!尽きぬことのない石垣島の魅力を体感しに、また遊びに行きたいと思います!


北の大地、オホーツク網走マラソンでは4kmで蟹汁が登場しました。ご当地マラソンの最高峰の一つです。
坂の多さや海の美しさには、五島つばきマラソンを思い出します。島の大会はどこも素晴らしいですね。
先週参加したいぶすき菜の花マラソンも、尋常ではない大歓迎が展開されるお勧めの大会です。毎年の初ランはいぶすきです。
続きのページには、コースやエイドの写真などレースの様子が分かる情報や、二泊三日の遠征の諸々を存分に残しています。関わって下さった方に、伝わるものがあればとても嬉しいです。
コメント、スター、↓のバナークリック、SNSなど何でもよいので読者の存在をお知らせいただけますと、私が別の端まで出掛けます。
次はいよいよ別大です。信じて走るのみです。一緒に頑張りましょう。
前日
初めての石垣島へ
6時過ぎには無事に起床し、納豆、チーズ、ヨーグルト、牛乳、プロテインバーを食べて満足です。関空09:30発→石垣空港12:20着ですので、7:15くらいには出発しました。前日のうちに荷造りを終え、掃除・洗濯も済ませておき、気持ちよく出発です。
関空はやはり遠く、着くまでが楽しくありません。備忘を兼ねて文句ばかり書いておくと、サザンの自由席があまりに混んでいたので見送り、10分後の快速に乗るしかなかった(こちらはそこまでは混んでおらず、荷物を棚の上に乗せれば楽なものでした。途中からは座れましたし)、朝日が眩しくて本が読みにくい、駅でもでかいスーツケースの旅行者が多くて進まない、といったことがあります。伊丹や神戸は、長い時間の乗車時は基本座れるので、そこが快適度の差なのかと思いました。到着が8:45と家から1時間半というのは、単純に遠いですけど。


今回はANAで駅直結の第1ターミナルですので、この時間でも間に合います。LCCだと地の果ての第2ターミナルなので、ここからバスに乗る必要がありますが。自分にしては長時間のフライトなのでトイレにも行って万全の状態で乗り込み、いつもより立派な飛行機にご機嫌です(現金な)。右隣が空席で広かったというのも大きいです。

高級な便ですので、スーパーバリュー75を以てしても往復29,610円となりました。タイムセールも狙いましたが、おそらく席数が少ないのか全く勝てる気配がなかったことから割と早く諦めました。
沖縄の海を上空から眺められるようになると、これだけでも来てよかったという気持ちになります。この先の旅路も楽しみです。


移動中読書は、100分で名著の『存在と時間』がメインでした。最近、後輩が読んでみたいと言っていたことに触発され、十数年前に読んだちくま学芸文庫版を書架から取り出したものの、全くに近い程理解できず……。まずは案内書からやり直すことにしました。人間はとにかく存在しているが、自らを理解するには日本来的な存在の側からしか考えるしかなく、世人のせいにして責任を引き受けない、しかし死だけは誰にも代わってもらえないことを正面から見据えると、違った生き方もできる、というような話だと思います。ハイデガーがナチスに加担した事実への考察もあって、読み応えがありました。
『新もう一度読む山川日本史』も買ってみました。マラソンで国内各地に行く際に、歴史の知識があるのとないのとでは楽しさや当事者意識に格段の差がでますので。遺跡も古墳も寺社仏閣も城跡も工場も戦争の過ちも。試験のための勉強はすぐに忘れますが、自由になってからの勉強は能動的になれ、記憶にも残り易いです。
石垣での一日目
空港では石垣島マラソンを応援するメッセージが掲げられており、準備して下さっていることに喜びを感じます。空港から市街地へはバスですが、タッチ決済が使えるので大変便利です。


バスは30分程で中心部に到着です。街を歩いていると、シーサー作りを体験できるお店もあったりで、何かいいなと感じました。このカエルが可愛かったからかもしれません。

それにしても、ある程度覚悟はしていたものの、日差しがあると驚く程暑いです。今は夏なのかと。曇りで風があれば割と快適なのですが、本州の冬に慣れ切った身体には堪えます。実際の気温より、落差がどれだけあるかで感じ方が変わるのだと思います。背中も汗をかくため、早い段階で半袖短パンに着替えました。
宿では自転車も借りられましたので、受付や軽い観光に大活躍でした。コースの表示も確認でき、序盤の予習もできたのはよかったです。なお、プレミアム過ぎる石垣牛には手が出ませんでした。




前日受付
フィニッシュ地点のある運動公園から道路を渡った先にある体育館で受付です。ナンバーカード、Tシャツ、プログラムなどの入った大会バッグをいただきました。この色のTシャツは持っていませんね。レア度に磨きがかかります。


過去大会Tシャツも販売しており、唯一Lサイズが残っていた第20回大会のものを購入しました。亀につられて買ってしまった部分もありますが、どこかしらメモリアルな大会で着用したいところです。なお、家に大量にあるTシャツのことは考慮しないものとします。

サンゴ礁を守る募金もあったので、ごく少しですが協力したところ、リストバンドをいただけました。“シールもありますよ”と勧められ、“貼るとこないんで”とお断りしたのですが、今思えばナンバーカードに貼れますね。次は受け取ることにします。サンゴ礁再生のための赤土流出の取り組みを解説したハンドブックは分かり易くてよかったです。

スタート地点とフィニッシュ会場も確認して、明日のイメージを高めておきます。タイムを狙うかにかかわらず、特に最後の景色を見ておくことはプラスに働きますので。



大原海岸
繁華街からは離れていることもあり、静かに海を見つめることができます。潮が引いていた時間帯だったため、波打ち際までは結構あり、足元からもぷつぷつと、空気が漏れてくる音がしました。





オヤケアカハチ之像
琉球王国が八重山に伝わる祭祀を禁じたところ、島民は信仰に対する弾圧だと反旗を翻したのですが、そのリーダーとして奮戦したのがオヤケアカハチとのことです。1500年に命を落としたとされていますが、島民のためにやむにやまれぬ正義感を持って戦ったことが、今でもこの地で語り継がれています。

津波大石(ツナミウフイシ)
1771年の明和大津波(死者・行方不明者9,313名)により運ばれてきたと考えられていましたが、表面に付着しているサンゴの年代測定の結果、約2,000年前の先島津波によって打ち上げられたものと分かってきたそうです。

この津波大石の他にも明和大津波による4つの津波石があり、合わせて石垣島東海岸の津波石群として国の天然記念物に指定されています。海に囲まれた日本の中でも、特に波の脅威に近い場所にありますので、命を守る行動は常に意識していただきたいです。

石垣名物巡り
- さよこのサーターアンダギーさん
飛行機が予定より少し早く着いてくれたお陰で12:30発のバスに乗れたので、博物館前で下りて直行しました。丁度13時頃に着き、数分待って揚げたての黒糖サーターアンダギーを3つとプレーンを2ついただきました。やはり揚げたては温かさも柔らかさも香ばしさも際立っているので、後に残しておくということができずに食べきってしまいました。




- ゆらてぃく市場
こちらは地元のスーパーで、直売所もあるので、普段見かけない野菜や果物がどどんと並んでいたりします。



沖縄パインとさんぴん茶香る石垣島スコーンは、パインに気を取られてさんぴん茶の香りを楽しむ余裕がなかったのかもしれませんが、気づくと食べ終えていました。島の食材に惹かれます。

宮城のくんぺんは、ピーナッツバターと胡麻が香ばしく、流石は伝統銘菓だと思い知りました。こちらは気に入りましたし、自信を持ってお勧めできるため、お土産に選定しました。

- ニッコー製菓さん
7km地点の少し手前にあるお菓子屋さんで、色々な味の華風や、名物と思われるいちふく(苺が入っているそう)が並んでしました。いちふくも欲しかったのですが、流石にボリューミーだったため、華風(たいもあん)にしました。しっとりとしたお芋の味がなかなかよかったです。少し遠いですが、自転車で来る価値はあります。




- 島そば一番地さん
石垣といえば島そばということで、入ってみました。店員さんがちょっと個性強めな気もしましたが、あっさりしたスープと細麺で食べ易かったです。成程これが島そばなのかと、新たな出会いがありました。


夕食
地元の定食屋に行きたい気分だったので、繁華街からは少し離れたところにあるお食事処はるちゃんさんへ。私が到着した18時頃はまだ空きがあったのですが、その後ランナーだらけですぐに埋まりました。


注文も迷いますが、珍しいイノシシチャンプルーをチョイス。予想以上に猪肉が沢山入っていて、箸でつまんだどの一手にも肉が含まれているくらいです。お味もよく、ご主人夫婦も明るく応援して下さり、いいお店に巡り合えたなという嬉しさがありました。

お宿
ゲストハウスおり姫さんです。二泊11,000円と相当お得感があります。先述の通りレンタサイクル貸しだし付きプランを選択したお陰で、受付や観光、食事も楽々でした。変速機はついていませんが、急な坂を上ることもなければものすごく遠くまで行くわけでもありませんので、困ることはありませんでした。



キッチンも使えるので、プロテインシェーカーをその日のうちに洗剤で洗えて快適でした。部屋には冷蔵庫もあるので、サンエーさんではご当地牛乳を二種類買えて楽しめました。

夜もよく眠れましたし、宿の方も気さくでご親切で、これ以上望むことはありません。次に石垣に行く際もお世話になれればと思います。
飛行機は疲れるのか、眠すぎたので22:30頃には就寝しました。
レース当日
レース前
無事に6時過ぎに起床できました。8時スタートということでDNSリスクがあり、夜中ちょくちょく目覚めましたが、トータルではかなり眠れて心拍数も普通です。
朝食は、ゆで卵、チーズ、牛乳に先週買ったいぶすき路です。見た目も色もお芋そのもので、シナモンの香りもよく合ったとても美味しいお菓子です。


テーピングやワセリンも含めた装備を整え、トイレも快適に済ませてから自転車で出発です。明け方雨が降ったようでサドルが濡れていましたが、どうせ汗をかくので気にしません。10分強くらいで体育館の駐輪場に到着します。
手荷物預け場所はスタート地点横の野球場内野スタンドです。荷物袋がありますので、雨でも大丈夫です。奥の方は結構遅い時間でも空きがありました。


スタート整列も緩やかなので、かなり前の方に陣取れました。別に速く走るつもりはないのですが、走り慣れていない方の後ろだと結構危ないので、そういう場所だけは避けるようにしています。
市長さんが北上市とのつながり(平成5年の大冷害に見舞われた北上市を救うべく、種もみを石垣島で1月に育てて間に合わせた「かけはし交流」)などについて話をされたり、岩出玲亜選手や石垣出身のアイドルの方が登壇され、和やかな空気の中でスタートを待ちます。


【ちょっと真面目な話】
シューズ
富士山、湘南国際、いぶすきに続いてマジックスピード3さんです。別に速く走る必要もないため薄底も考えたのですが、別大でMETA SPEED EDGE+を履くことを考えると、ここは厚底でいった方がよいだろうという判断です。一昨年はズームフライ4(瀬戸内海タートル)→ヴェイパーNEXT%2、昨年はマジックスピード初代(にしお)→META SPEED EDGE+でしたし、同じ流れで調整することとしました。


装備
日本最南端のフルマラソン大会ですから、自分的に現時点で最北端のオホーツク網走マラソンTシャツとキャップを選びました。こんな機会もそうそうありませんので、一度やってみたかったのです。他はミズノマルチポケットパンツ、asicsソックス、ニューハレ踵二重です。ハーフタイツはなしで。

持ち物
アミノ酸を水で溶かしたジェルフラスコ一つのみです。エイドが多かったことと、曇りで予想外に暑くなかったことが幸いし、特に脱水にはなりませんでしたが、晴天だともう少し対策が要ると思います。後は勿論回復用のアミノバイタル粉とアミノプロテインも持っています。
練習
いぶすき後の筋肉痛は、翌日の腿前と腹筋がそこそこ強めでしたが、二日後以降も重くならずに回復していきました。ジョグのペースも何故か速くなり、いよいよ体調も上がって来たと感じます。
日曜:いぶすき菜の花マラソン(3時間7分台)
月曜:観光スロージョグ10.3km
火曜:オフ
水曜:有酸素ジョグ43分(Zone2,3 Hanzo r)
木曜:有酸素ジョグ62分(Zone3 ライトレーサー4)
金曜:有酸素ジョグ38分(Zone3,4 ターサーRP3)
土曜:オフ



レース
序盤~前半
- 序盤(いきなりいなり寿司)
スタートロスはたったの4秒。前の方にいただけのことはあります。しかしこの後はやはり走りにくく、結局随分な数の人に抜かれます。“こんなことならもっと後ろから出るべきだったのだろうか”と思わないではありませんが、最終順位からしてもそう間違っていなかった気もします。どのみち最初はアップなので、とにかくピッチを刻みつつ身体を温めていきます。
早々に知念商会さんの前を通り、下りに入ったかと思えばさよこのサーターアンダギーさんも見えて来て、“そうか、ここを通るのか”と思いました。


左折するといきなりいなり寿司の看板が。“お店の宣伝なのかな”と思いつつよく見ると、いなり寿司を持った方が手を伸ばして下さっているではありませんか。遠慮なくいただき、甘みに感謝します。これまでのスタート直後給食最短記録はオホーツク網走マラソンの蟹汁(4km)でしたが、最南端の地で大幅に記録を塗り替えました。


宿の裏のドラッグイレブンさんを通過し、走り易い直線を進みます。応援も沢山で早くも楽しみです。大きな横断幕や、琉球國祭り太鼓八重山支部さんの演奏もあり、楽しく出発できます。




左にカーブしながら進んでいくと、またしても私設エイドが。こちらではサーターアンダギーをいただいてしまいました。やはり沖縄のサーターアンダギーはおいしいです。水分が欲しくなったところで5kmの最初の公設エイドという配置も素晴らしいです。


6km地点はニトリです。ドン・キホーテの前でも目を引くフォントの「ガンバッテー」メッセージが。昨日おいしい華風をいただいたニッコー製菓さんの前を通ると、お店の方も応援していて下さりました。




7kmで32分。スロースターターにしては悪くありません。折角オホーツク網走マラソンキャップを持ってきたものの、完全に曇っているため、この時点で既に腰に差して走っていました。

- 前半(坂はあれども意外と走れる)
昨日予習した通り、この先はそこそこの下りです。大浜のファミマを通過し、南国の樹木の間を走っていきます。それ程強くない向かい風が身体を冷やしてくれて、意外と暑さを感じません。



9km過ぎでは宮良橋を渡り、左手の緑と右手の海を見るために目が忙しいです。橋の上は大抵眺めがよいので、写真は適当に撮りつつ、しっかり見届ける必要があります。




10kmの先、エイドまではそこそこ上ります。エイドが10.2kmにあるらしいので、200mで20m程上っていることになります。気温といい、展開といい、おきなわマラソンを思い出す場面でもありました。


こちらのエイドからコーラも登場し、奥の方で受け取ったのですが、流石に走りながらだとゴミ箱に間に合わなかったため、潰して持ったまま走りました。プログラムの注意書きの記載だと、“歩道に捨てるのはギリセーフ”と読めなくはないのですが、私はここにはこだわりがあるので、次のエイドまで持って走るのみです。



13kmを過ぎてからも緩やかながら長めの上りがあります。木々の間を抜けていくので、貴重な体験でもあります。坂の途中だとなかなかうまく撮影できないのが惜しいところですが、声援は力になります。


14kmは手元1:03:31でした。意外とどうにかなっています。
中盤
- 中盤①(これが噂のピーゴロの坂)
さて、コース高低図を見れば一目瞭然、15km過ぎには何やら60mくらいの上り+10mのおかわりがあるではありませんか。“まあそうだろうな”と左折すると、“やっぱあれだよな”と遠くに伸びている坂が見えます。離れていてもなかなかの迫力ですが、榛名湖マラソンだとこれを5本ですから、それよりはましだろうという推測も立ちます。14.8kmで力水を付けていただき、上りに突入します。下って来る車の窓から、小さな子供が声援を送ってくれたのを励みにします。



見た目の割に近づいてみると短く見えるのはよくある話ですので、怯まずに上っていきます。大体2分くらいでワンクッションあったと思います。しかしこの程度の時間で上り切れるはずもなく、もう一段階丘の上を目指して走ることになります。平地以上に蹴らずに脚を回し、リズムに気を付けるようにします。腕を振り回したりもしません。


スタート前に“15kmの坂を上った所では、是非後ろを振り返って下さい!海がきれいに見えます!”とアナウンスがあったので、ここは何としても見なくてはとチラリと後ろを見ると、確かに美しい海が広がっています。しかし上りも落ち着いてはいないため、肩を外さんばかりの勢いでノールック撮影を試みました。まあまあ上手く撮れていますが、後ろに正面に背後のランナーさんを捉えるという、見たことのない一枚になっています。

一旦は上りも落ち着きを見せ、自衛隊の皆様に見守られながら緩めの上りを進みます。この2kmは4:46と4:53でしたので、やはり甘くはありませんね。


1km強はそのまま進み、右折した後は急に下りになります。ここは畑も山も遠くまで見渡せて、高い所に上ったのだと実感します。スピードも出易くて気持ちよく走れます。私ですら4:13/kmになっていました。ただ、実は19.6kmエイドの前に地味な上り返しがありますので、下りでノリノリだというつもりでいると、ショックを受けるかもしれません。





ここまでのエイドの内容的に、“この先の黒糖とみかんを取るにはエイドで止まった方がよい”と理解していましたので、ここからはしっかり止まっていただくことにしました。勿論、後ろの方の邪魔にならないようにコースアウトしています。落ち着いて黒糖を味わい、お水もおかわりして、お礼をお伝えできるという何よりの時間です。

20kmで右折するとまた急な下りです。そんなつもりもないのにやはりスピードが出ます。さっきエイドで置き去りにされた方にも少しずつ近づいていきます。ずっと一緒にいるわけではないので、あまり気にしていませんけど。



21kmは手元1:35:27ですから、7kmで31:54とまずまずです。中間点はグロス1:35:45でした。普通にいけば3時間10分は超えそうです。

- 中盤②
中間点を過ぎたところで上りの貯金(位置エネルギー)を使い果たしてしまうため、もう一度上ることになります。ここは高低図もギザギザしている通り、少し行くと上り、また下るという感じです。公設エイドは概ね5km置きなのですが、23km台には私設エイドでアクエリアスを提供して下さっていた方々がおられ、その先4分程の長めの上りに向かう力をいただけました。



またも気持ちのいい下りを駆けていくと、24.6kmエイドに到着です。こちらにもピットインし、みかんと黒糖を存分にいただきました。下りボーナスもあり、止まっている割にこの1kmは4:47でした。



名蔵の方へと進む道では、何やら煙突から煙が出ています。一体何の工場だろうと見てみると製糖工場で、ものすごく納得しました。ここでおいしい砂糖が作られているのかと。


写真ではわかりませんが、この辺りでは虹がうっすらと架かっていました。27kmを過ぎてからやや唐突感のある上りが出現し、心拍数も上がります。このくらいになると思わず歩いてしまっている方もおられました。28kmでは下りに切り替わるのですが、初見だと先が分からず疲れやすいです。


28kmは手元2:06:20でした。7kmのラップが30:53と上がってきました。

後半~終盤
- 後半(石垣の美しい海の隣を)
下りは走り易く、ペースも上がっていきます。沿道応援もにこやかな方が多いので、こちらも笑顔でお応えしながら走れました。“川平には行かないのだな”と思いながら獅子森交差点を左折すると、右手には美しい海岸線が広がっています。



もう写真を撮っている場合ではないので、遠くを見るともなく見ながら、淡々と進んでいきました。五島つばきマラソンの最終盤を思い出しながら。

ちょっとした上りでもあまり落とさずに走れているなと思っていたところで29.2kmエイドが登場です。記録よりも記憶を優先するため、こちらでもテーブルの内側に闖入してゆっくりとバナナと黒糖をいただきました。なお、この1kmは5:05を要していたようです。



このエイドの直後にある名蔵大橋は、石垣の透明な海のすぐ横を走れる絶景スポットです。“こんなにきれいな海があるものなのか”と感じ入りながら走りましたが、誰しもこの眺めには我を忘れたことと思います。是非一度走ってみて下さい。


30km地点も木々に守られるかのように自然の中を走っていきます。あと12kmちょいなので、キロ4分30秒ならどれくらいかなと考えていました。でも大体計算の途中で疲れてやめるか、計算間違いをする結果になっている気がします。



32km辺りも軽い上りがあったと思いますが、沿道の応援が多く、あまり苦しく感じませんでした。応援が何よりの力です。余裕を見せながら走ることで、自分の中の余力を確認できる部分もあります。


この7kmでは、33km過ぎの上りが地味に苦しかったです。そこまで長くはないのですが、体重を感じ、スピードが落ちていることが焦りを生むからかもしれません。しかし後で見てみるとそこまで遅くなっていないこともありますし、あまり落ちなかった場合は勇気百倍ですので、ポジティブにいきます。4:30/kmくらいだったので、“このまま行けば3時間10分も可能かも”と考えるようになりました。

35km直前は、高低図によると下っているはずですが、写真だけ見ると上っているようにも見えます。まあ私の記憶なんていい加減なものです。エイドが近づく頃には小太鼓の音が聞こえて来て、横断幕が見えた時も嬉しかったです。

35kmは手元2:37:36でした。今日の調子なら残り31分ちょいでいけそうです。しかしすぐそこにはエイドがあるので、どうでしょうね。

- 終盤(来てよかった石垣島)
35.0kmエイドでは、最高の笑顔で迎えていただきましたので、当然のようにピットインして黒糖とみかんをいただきます。石垣中学校のバスケットボール部の子達が給食と水を担当して下さっていました。“このおじさんは真面目に走らないのかな”という疑問を抱いた方もおられたかもしれませんが、世の中には色々なおじさんがいるものなのです。おいしくいただき、お礼を言いまくって再出発です。ちなみにこの1kmは5:04です。



ここからしばらくは基本フラットだったと思います。終盤戦ですので、応援も力がこもります。36km過ぎくらいでも私設エイドがあり、冷たいお水をいただきました。更に飴を用意して下さる方もおられたので、ありがたく頂戴して最後への活力を得ます。ここに来てまた応援が増えてきました。



38km付近でも海の見える公園があり、この温暖な空の下で大きくなれたら素敵だなと思いました。なお、前日に行った大浜の方も似たような眺めがありましたが、冷静に考えると全然別の場所でした。



39kmを過ぎてからは見通しのよい道路に出て、左右からも応援が受けられます。“今31番!”といった声も飛びます。余力もあり、淡々と走っていて、落ちるでも上がるでもなかったので、何事もなく終われそうだと思いました。

40kmの通過時に時計を押し、ここからスパートに入りたいところでしたが、目の前にはだらだらと坂が続いています。ほんの少しの上りなのですが、走って来た距離が距離だけに、脳が今一つ反応してくれませんでした。

この時点で3時間と数秒で、3時間10分は切れると分かったことも甘えを生んだ一因だろうとは思います。ただ、ここでキロ4に上げて成功すれば自信にはなるだろうが、力を貯めておいた方がより別大で確かな自信を与えてくれるはず”と判断し、このまま4:20/kmの体感で進むことにしました。それでも多少ピッチは上げましたので、何もしなければもっと落ちていたと思います。
最後のエイドは流石に給水だけに留めて、“なかなか終わらないぞ”と思いつつ右折を迎え、ようやく会場に戻ってきました。ゲートを潜ってスタート地点を進み、右折して微妙な距離調整の折り返しであともう少しです。



競技場に入る前には「ゆとり」の石碑があるので、ここは余程苦しい展開にならない限りは撮ることに決めていました。無事に撮影し、競技場へと入ります。最後の直線では、“フルの選手が帰ってきました~!”という司会の方の声と拍手、声援に、“石垣島に走りに来て本当によかったな”と思いながら、フィニッシュラインを駆け抜けました。


アフター
レース後
会場
今日は指もかじかんでいないので、計測チップは余裕で外せました。40km以降9:27という無理のないペースで締めたのもあるでしょう。完走メダルは、沖縄県内で最上質の石垣島フサキ粘土を原料としており、何と一つ一つ手作りということです。ここまでしていただきありがとうございます。いい記念になります。

黒糖もいただき、ドリンクもおかわりを重ねて4杯は飲みました。アミノプロテインとアミノバイタル粉も摂取しておきます。少し応援しながら野球場に向かい、荷物を引き取り次第プロテイン、プロテインバー2本、水たっぷりとリカバリーに勤しみます。



マジックスピード3さんは相変わらず元気です。せこい話ですが、確実に元が取れるシューズだと思います。厚底過ぎない感覚も好みです。


体育館に入って左手の男子更衣室で着替えました。10kmの部は終わって大分経っているからか、かなり空いていて着替えスペースは十分でした。

折角なのでいつも辛辣な判定を受けるベジチェックと血管年齢測定もやってみたところ、前者はいつも通り“もっともっと野菜を摂れ”でしたが、後者は36歳と初めて低い数字が出ました。食生活に気を付けて、マラソンを走れる身体を作っていきたいと思います。

屋台も数があり、ゼッケンに付いている500円券が使えますので、自分で食べたいものが選べるふるまいという感じです。私はガーリックチキンと八重山そば小にしました。ガーリックチキンはお肉も多いですし、かなり回復に役立ってくれるメニューだったのでお勧めです。


牛そばを始めとして結構売り切れているものが多く、フルマラソンで制限時間に近い方は、食べるものがないかもしれません。広島ベイマラソンだと最後まで牡蠣雑炊テントだけは粘ってくれていましたが、短い距離と併催の場合のフルはそういうものだという心の準備が必要です。
シャワーも用意していただき、すごい対応だと思いますが、こちらも案の定順番待ちが相当ありそうでしたので、最初から諦めていました。発汗量は多く、塩も顔や腕に付着している状態でしたが、ボディペーパーをたっぷり使うことで乗り切りました。

珍しいサービスとして、有料(500円)でラミネート加工した完走証を作って下さります。ナンバーカードも一緒に挟めます。12時頃は大行列でしたが、15時の締切直前は割と空いていたこともあり、記念に作っていただきました。最近はウェブでデータを見るだけという大会も多いですが、紙を通り越してこうした形で残せるのもいいなと思いました。

体育館では、交流会のステージと抽選会が行われています。各部門ごとに実施されるので、ステージ自体は演者が入れ替わりながらずっとやっています。私はフルの部の最後の方だけしか見られなかったのですが、石垣出身のバンドの方の演奏に、観客も一緒になって踊ったりするのがとてもよかったです。

抽選会は、当然のように掠りもしませんでしたが、羽田・石垣往復航空券が当たっても申し訳ないので、これでよかったです。石垣の方が当選していてベストな結果となりました。石垣牛は私には高級すぎます。黒糖プロテインバーは欲しくなったので、後でお土産に購入しました。
自主打ち上げ
フルの部の抽選は15:25からということで、随分と先のことになります。交流会のステージも気になる所ですが、流石に3時間以上座りっぱなしはきついので、一旦自転車で食べ物探しに出かけることにしました。途中雨が降り、石垣の寒さを感じる時間もありましたが、木の下で雨宿りをしているうちにまた青空も覗くようになりました。
- 手作りお菓子のあんさん
店内には魅力的な洋菓子が沢山あり、迷いますが、コロネと焼きドーナツショコラをいただきました。




- 知念商会さん
会場から程近い場所にあり、スタート直後に通ったことから気になっていた方も多いと思います。“最初っからここに直行すればよかった!”と思える充実のお惣菜で、食べたいものは全て揃います。地域密着のお店ならではですね。魚フライと揚げ豆腐はいずれもお安くかつおいしい、蒸しパンももちもちしていてみかんも入っている、という満足度の高過ぎるお店でした。




サザンゲートブリッジ~南ぬ島
宿のすぐ傍ですし、明日朝にもう一度行くとしても、夕方にも見ておきたいところです。橋の上からも、透明過ぎる水と浅いサンゴ礁の色がよくわかります。橋の先は公園になっており、すぐ近くでも、展望台からも、いくらでも見ていたくなる、本当にきれいな海を見ていました。自分にも必ず訪れる死のことも思いつつ。











夕食
アルコールなど以ての外ですので、飲み屋以外で、良い食材を用いた地元のお店を探したいところです(あと、禁煙必須)。いくつか見た末に、味処岩さんへ。二階にあって見落としがちですが、お店に入ると、恒例のご主人夫婦が優しく出迎えて下さりました。常連さんとも楽しく会話されている空気も、歴史あるお店の様子も、何もかもが探し求めていたものでした。


刺身定食は、新鮮なマグロ、タコ、イカ、サーモンに、とろとろで超うまい煮豚と、練り物と野菜の煮物、もっちり感のある八重山そばという完璧な内容で、ここに来て本当によかったと心から思いました。ご夫妻のお人柄も素敵でしたし、次に石垣に来た際には是非再訪したいと思いました。どうかお元気で。

お土産屋さんもご親切で、くんぺんと黒糖プロテインバーを買ったところ、完走メダル提示でちんすこうもいただきました。


21:30には洗濯乾燥も完了し、可能な限りの振り返りを済ませて23:30には消灯です。
翌日
6時過ぎに起きました。日の出前ではありますが、観光プランを考えるとこれしかありません。途中時計を押し忘れましたが、トータルでは70分を10kmちょいでした。ナイキフリーで走りましたが、何か狙いがあってのことではなく、単に着脱が簡単でマラソン直後や観光の際に便利だから履いているに過ぎません。
途中でマラソン最終盤(40km以降の坂)の景色や大会の会場をもう一度見に行ったり、晴れた空の下での南ぬ島にも行きました。後悔の多い人生だと思いつつ、独り美しい海の前に立っていました。











チェックアウトの際には、宿の方から新聞に全選手の記録が載っていると教えていただき、まあまあのタイムと順位だったことを喜んでいただけました。10番以内の方も泊まっていたそうで、何となく今後にご利益がある気がしました。
とうふの比嘉さん
朝6時半の開店直後から行列という有名店ですので、行ってみることにしました。宿からは回り道をしても3km程度なので近いものです。7:03に到着しましたが、豈はからんや行列(予想せえよ)。辺りはまだ暗いのに流石です。“まあ30分も待てば回って来るだろう”と甘くみていましたが、結局50分以上の時が過ぎていきました。




卵黄、とろろ、海苔とゆし豆腐をごはんにかけていただくという何ともロマン溢れるぶっかけゆし豆腐をチョイス。とろろの味と食感がゆしどうふによく合って大変おいしかったです。そしてサービスの豆乳がまた濃厚で、本物の味わいに大喜びです。




来夏世(くなつゆ)さん
石垣島に詳しい後輩一押しのお店ということで何としても行きたいところです。10:30に到着し、待ち時間なしで座れました。

おそばはすぐに出てくるのですが、一口食べて“こんなにうまいのか”と驚きました。あっさり味のスープに、麺の弾力も味も、ソーキのうまみも全てが完璧で、絶品という言葉がぴったりでした。高級過ぎず、奇も衒わない正統派の八重山そばを味わうならここでしょう。店員さんもにこやかで、いい方ばかりでした。

さよこのサーターアンダギーさん
11時少し前に再訪し、今回は揚げたてのプレーンを二ついただきました。やはり揚げたてこそ至高です。もう少し待てば紫いもの揚げあがり時間でしたが、プレーンもとてもおいしかったので満足です。

ユーグレナモール
石垣市特産品販売センターさんで、シークワーサー胡椒、黒糖ミックスナッツ、クリアファイルを購入し、完走メダルで黒糖プロテインもつけていただけました。“お疲れさまでした”と労っていただけたのもよかったです。





公設市場のフードコートでも色々食べられるので、次は狙ってみてもよいかもしれません。

チェックアウト後の観光は、短時間でしたがバスターミナルの300円のものを使いました。着ない上着とかが邪魔ですので。


バスターミナル11:30発の便で空港へと向かいます。フルマラソンコースの前半を走行し、15kmのピーゴロ坂へは左折せずに直進しました。“昨日はあの坂を上ったのか”と思った方も多かったのではないでしょうか。

空港では保安検査の列が長かったので、早めに出発口に向かいました。保安検査後にしか買えない新ぱち農弁当はとてもおいしいらしいので迷いましたが、食べている時間がないことに加えて流石に食べ過ぎだと感じたため、見送ることにしました。次にチャンスがあれば、何とか食べてみたいところです。


石垣島12:55発→関空15:05で帰ります。行きより飛行時間が大分短いですね。本当はもっとゆっくりしたかったのですが、確か飛行機代が限界を超えるレベルだったため断念したはずです。サンゴ礁の輝きを目に焼き付けて、日常へ帰りました。

最後に
今回ご縁に恵まれて初めての石垣島旅行が叶いましたが、やはり行ってみると、風景も空気も出会う方々も全てが想像以上に素敵で、楽しい思い出が生まれました。忙しない時代だからこそ、現地に実際に身を置いてみないと感じられないものが沢山あると常々思っていますが、その思いをまた新たにした三日間になりました。
コースはアップダウンも多いですし、例年であればもっと暑くてきついでしょうが、それでもまた、あの応援を受けて走りたくなる大会です。22回も継続されている伝統の大会で、地域に根付いているからこそですね。私はこうした温かな大会が大好きです。
こうしてまた得難い経験ができたのも、全ては石垣島の皆様がランナーを温かく迎えて下さるからです。今後もこうしたつながりが続いていくといいなと感じています。またお邪魔したいと思いますので、その時はよろしくお願いいたします。今大会も支えていただき、本当にありがとうございました!
ここまでご覧いただきありがとうございます。